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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X0942 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X0942 |
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管理番号 | 1264325 |
審判番号 | 不服2011-14860 |
総通号数 | 155 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2012-11-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-07-11 |
確定日 | 2012-09-21 |
事件の表示 | 商願2010-23575拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「Threat Management Solution」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成22年3月26日に登録出願されたものである。 そして、指定商品及び指定役務については、原審における平成22年12月6日付け手続補正書により、第9類及び第42類に属する別掲1のとおりの商品及び役務に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標は、『Threat Management Solution』の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の『Threat』の欧文字は、『脅威(情報の安全性を脅かす意味で用いられる)』の意味を、『Management』の欧文字は、『管理』の意味をそれぞれ有する英語であり、『Threat Management』の語が他の語と合わせた使用で、『ウイルス対策や不正侵入防御など、複数の情報セキュリティ機能を管理すること』ほどの意味合いで使用されている事実が見受けられる。また、『Solution』の語は、『問題解決』を意味する英語であり、本願の指定商品・役務との関係で該語又はその片仮名表記である『ソリューション』の語が使用されている事実が見受けられる。上記事情を総合すると、本願商標は、全体として、「情報セキュリティ機能の管理に関する問題解決」ほどの意味合いを容易に看取させるものであるから、これをその指定商品・役務中、上記意味合いに照応する商品・役務に使用するときは、単に商品の品質、役務の質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品・役務以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質若しくは役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるため、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、前記1のとおり、「Threat Management Solution」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「Threat」の欧文字は「おどし、脅迫、脅威」等の意味を、「Management」の欧文字は「管理、経営、支配」等の意味を、「Solution」の欧文字は「(問題の)解決、解明、解答(法)」の意味(「講談社英和中辞典」株式会社講談社 1994年11月28日発行)をそれぞれ有するものである。 そして、上記した各語は、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、「Threat」の欧文字は「情報の安全性を脅かす意味で用いられる脅威」の意味(「英和コンピュータ用語大辞典第3版」日外アソシエーツ株式会社 2001年1月26日発行)を有する語として理解されるものであり、「Threat Management」の欧文字は「脅威管理」(コンピュータウイルスやハッキングなどの脅威からネットワークを保護する管理手法)を指称する語として、広く一般に使用している実情(別掲2)が認められる。 また、「Solution」の欧文字は「業務上の問題点を解決し、仕事の効率を高める手段のこと。顧客の業務内容や要望に応じて、メーカーやシステムインテグレーターが提案する製品や情報システムを指すことが多い。」(「日経パソコン用語辞典2009年版」日経BP社 2008年10月20日発行)、「システム・インテグレーターや、コンピュータ、あるいは通信機器のベンダが良く使用する表現で、システム、あるいはサービスの導入によってユーザーが得られる『問題解決』を意味する。」(「通信ネットワーク用語辞典 改訂第5版」株式会社秀和システム 2007年7月17日)の記載のとおり、「問題解決のための製品や情報システム」を指称する語として理解されることからすれば、本願商標は、本願の指定商品及び指定役務の取引者、需要者をして、「脅威に関する問題の解決のための製品や情報システム」程の意味合いを容易に認識させるものとみるのが相当である。 そうとすれば、該欧文字を普通に用いられる方法で表してなるにすぎない本願商標は、これをその指定商品及び指定役務中、「脅威管理用の商品及び役務」(例えば、第9類「コンピュータのデータセキュリティ用コンピュータソフトウェア,機密情報漏洩防止用コンピュータソフトウェア,規制コンプライアンスを監視・報告・実行するためのコンピュータソフトウエア」、第42類「ダウンロード不可能なコンピュータセキュリティ用・データセキュリティ用・ネットワークセキュリティ用コンピュータソフトウエアのオンラインによる提供,ダウンロード不可能なアンチウイルスコンピュータソフトウエアのオンラインによる提供,ウエブサイトのセキュリティの脆弱性を調査・報告するためのダウンロード不可能なコンピュータソフトウエアのオンラインによる提供」など)について使用しても、単に商品の品質又は役務の質を表示するものとして認識し理解されるにとどまり、自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、また、本願商標を脅威管理用の商品又は脅威管理用の役務以外の商品及び役務に使用するときは、商品の品質及び役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものというのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。 なお、請求人は、本願商標は、一種の造語であって、自他商品及び自他役務の識別機能を有する旨主張するとともに、本願商標と同様に、標章の構成中に「Management」及び「Solution」の文字を包含してなる登録例が多数あることから、本願商標も登録されるべきである旨主張する。 しかしながら、「Threat Management Solution」の欧文字が、その取引者、需要者をして、「脅威管理用の製品や情報システム」であることを表示するもの、すなわち、商品の品質又は役務の質を表示するものとして認識されることは、上述したとおりであり、また、請求人が挙げる登録例は、いずれも本願商標とその構成、態様を異にするものであって、本件とは事案を異にするものであるから、これらを同一に論ずることはできないというべきであるから、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。 以上によれば、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1 本願の指定商品及び指定役務 第9類 「コンピュータソフトウエア,コンピュータユーティリティソフトウエア,ファイアウォール用コンピュータソフトウエア,コンピュータのデータセキュリティ用コンピュータソフトウェアその他のコンピュータソフトウェア,コンピュータの附属品,機密情報漏洩防止用コンピュータソフトウェア,コンピュータ及びネットワークセキュリティに関しコンピュータの利用者に情報を提供し教育するためのコンピュータソフトウエア及び電子出版物,規制コンプライアンスを監視・報告・実行するためのコンピュータソフトウエア,データのバックアップ及び回復のためのコンピュータソフトウエア,データの秘密性を保護し強化するためのコンピュータハードウエア及びコンピュータソフトウエア,データ・コンピュータ・コンピュータソフトウエア・コンピュータネットワークの完全な状態を保護又は回復するためのコンピュータハードウエア及びコンピュータソフトウエア,データの有効性及びコンピュータのインフラストラクチャーを保護又は回復するためのコンピュータハードウエア及びコンピュータソフトウエア,電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスクに記録した電子出版物,その他の電子出版物,電気通信機械器具,コンピュータ用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスクその他の記録媒体,コンピュータプログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,インターネットを利用して受信・保存することができる画像ファイル,コンピュータソフトウエア(記憶させたもの)」 第42類 「サービス型ソフトウエアプロバイダーによるコンピュータ・データ・ネットワークセキュリティに関するソフトウエアの提供,サービス型ソフトウエアアプリケーションを提供するためのプラットフォーム構築用コンピュータプログラムの提供,サービス型ソフトウエアアプリケーションを提供するためのウエブサイトの設計又は保守,ダウンロード不可能なコンピュータセキュリティ用・データセキュリティ用・ネットワークセキュリティ用コンピュータソフトウエアのオンラインによる提供,ダウンロード不可能なアンチウイルスコンピュータソフトウエアのオンラインによる提供,コンピュータ及びコンピュータネットワークから検索・受領したメッセージ・ファイル・プログラム・データを監視・フィルタリング・報告するためのダウンロード不可能なコンピュータソフトウエアのオンラインによる提供,コンピュータ及び電子機器上のデータセキュリティのためのダウンロード不可能なコンピュータソフトウエアの一時使用の提供,ウエブサイトのセキュリティの脆弱性を調査・報告するためのダウンロード不可能なコンピュータソフトウエアのオンラインによる提供,電子メールのフィルタリング機能を有するコンピュータプログラムの提供,コンピュータ及び通信ネットワークを通じて行うコンピュータソフトウエアのアップデート,コンピュータ・コンピュータシステム・コンピュータソフトウエア・コンピュータ及び通信ネットワークの設計に関する技術的な助言・指導,コンピュータ及び電子機器上のコンピュータウイルスによって破壊あるいは一部破壊されたコンピュータデータを回復させるためのダウンロード不可能なコンピュータソフトウエアのオンラインによる提供,ダウンロード不可能なコンピュータのデータセキュリティ用コンピュータソフトウエアのオンラインによる提供,電子メール・インスタントメッセージ・ウエブの使用法及びその他のネットワーク通信のためのダウンロード不可能なコンピュータソフトウエアのオンラインによる提供,データ保護のためにアクセス制御をするためのダウンロード不可能なコンピュータソフトウエアのオンラインによる提供,データのバックアップ及び回復のためのダウンロード不可能なコンピュータソフトウエアのオンラインによる提供,データの秘密性を保護し強化するためのダウンロード不可能なコンピュータソフトウエアのオンラインによる提供,他人のために行うコンピュータプログラミング,コンピュータウイルスの種類・特徴・傾向・侵入又は感染事例・駆除方法・防御策・対処方法に関するコンピュータプログラムの提供及びそれらに関する情報の提供,コンピュータウイルス対策用ワクチンソフトウェアの提供,その他のコンピュータプログラムの提供及び貸与,コンピュータウイルスによって破壊あるいは一部破壊されたコンピュータデータの回復,その他のコンピュータデータの回復(派遣により行うものを含む。),コンピュータウイルスによって破壊あるいは一部破壊されたコンピュータデータの回復に関する情報の提供,コンピュータ上でのコンピュータプログラムの動作・障害の回復に関する助言,コンピュータウイルスの解析及び調査(派遣により行うものを含む。),コンピュータウイルスの解析及び調査に関する情報の提供,コンピュータウイルスの解析・調査に関する助言,コンピュータプログラムのインストール,コンピュータウイルス対策用パターンファイルの更新,その他のコンピュータソフトウェアのバージョンアップ,コンピュータウイルスの駆除その他のコンピュータウイルス対策を目的とするサーバの監視及びそれらに関する情報の提供(派遣により行うものを含む。),コンピュータプログラムの設計・作成又は保守,コンピュータプログラムの設計・作成又は保守に関するコンサルティング,コンピュータプログラムの設計・作成又は保守に関する情報の提供,コンピュータを用いた情報処理システムの設計・作成又は保守,コンピュータを用いた情報処理システムの設計又は作成に関するコンサルティング,コンピュータを用いた情報処理システムの設計・作成又は保守に関する情報の提供,コンピュータプログラムのバグ又は最新化に関する情報の提供,コンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸,コンピュータを用いて行う情報処理,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらにより構成される設備の設計,コンピュータ・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,コンピュータプログラムに関する試験又は研究,機械器具に関する試験又は研究,コンピュータ(中央処理装置及びコンピュータ用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」 別掲2 本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、「Threat Management」の欧文字を「脅威管理」を指称する語として、使用している事例 (1)「2009-10年版最新パソコン・IT用語辞典」(株式会社技術評論社 2009年1月10日発行)において、「UTM」及び「Unified Threat Management」の見出しの下、「ファイアーウォール、VPN装置、進入防御システム(IPS)などといった複数のセキュリティ機能を搭載した機器のこと。総合脅威管理という。」の記述がある。 (2)「株式会社日立ソリューションズ」のウェブサイトにおいて、「統合脅威管理」の見出しの下、「統合脅威管理(とうごうきょういかんり、英語:UTM;Unified Threat Management)は、コンピュータウイルスやハッキングなどの脅威からネットワークを効率的かつ包括的に保護する管理手法。」の記述(http://it-words.jp/w/E7B5B1E59088E88485E5A881E7AEA1E79086.html)がある。 (3)「アルプス システム インテグレーション株式会社」のウェブサイトにおいて、「ALSI Webフィルタリングソフト『InterSafe』IDC Japanのセキュリティソフト市場調査でシェア1位を獲得 」の見出しの下、「同調査は、日本国内のセキュリティソフトウェア市場の製品分野のうち、『セキュアコンテンツ管理(SCM:Secure Content Management)』製品および、『脅威管理(TM:Threat Management)』製品に焦点を当て、その市場を分析したものとなっております。」の記述(http://alsi-iss.jp/news/2007/01/000452.html)がある。 (4)「EMCジャパン株式会社」のウェブサイトにおいて、「RSA Archer Threat Management」の見出しの下、「RSA Archer Threat Management(脅威管理)とは」、「一元化された早期警告システムを通じて脅威を追跡し、組織が攻撃による影響を受ける前に、攻撃を未然に防止する支援をします。」及び「RSA Archer Threat Management(脅威管理)は、脅威に関するデータを統合し、脅威への対応活動についてレポーティングし、一貫性があり反復可能な脅威管理プロセスを実現します。RSA Archer eGRC Platformによって強化される脅威管理は、地政学的な脅威を文書化し、各種セキュリティ・ソリューション等からの脆弱性情報、悪意を持つコードの情報、パッチ情報を集約し、脆弱性スキャナーの結果情報と共に一元的に管理します。」の記述(http://japan.rsa.com/node.aspx?id=3924)がある。 (5)「News2u.net」のウェブサイトにおいて、「スマートグリッド向けサイバーセキュリティ対策ベンダー評価で、Industrial Defender、IBM、そして NitroSecurityが上位に」の見出しの下、「株式会社グローバル インフォメーションは、パイクリサーチが発行した報告書「Pike Pulse Report: Smart Grid Cyber Security Threat Management (スマートグリッドのサイバーセキュリティにおける脅威管理)」の販売を開始しました。」の記述(http://www.news2u.net/releases/94863)がある。 |
審理終結日 | 2012-06-07 |
結審通知日 | 2012-06-29 |
審決日 | 2012-07-17 |
出願番号 | 商願2010-23575(T2010-23575) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(X0942)
T 1 8・ 272- Z (X0942) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 豊田 緋呂子、高橋 幸志 |
特許庁審判長 |
関根 文昭 |
特許庁審判官 |
梶原 良子 吉野 晃弘 |
商標の称呼 | スレットマネージメントソリューション、スレットマネージメント、マネージメントソリューション |
代理人 | 藤田 雅彦 |
代理人 | 香原 修也 |