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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y1825 |
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管理番号 | 1264318 |
審判番号 | 取消2011-300097 |
総通号数 | 155 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2012-11-30 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2011-01-31 |
確定日 | 2012-09-18 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4740201号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4740201号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成15年2月5日に登録出願、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,皮革製包装用容器」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服」を指定商品として、同16年1月16日に設定登録されたものである。 そして、本件審判の請求の登録は、平成23年2月17日にされた。 第2 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定商品中、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,乗馬用具,皮革製包装用容器」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」(以下「請求に係る指定商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標の商標権者は、本件商標の指定商品中、請求に係る指定商品について過去3年以内に本件商標を日本国内において使用していない。また、本件商標の商標権について専用使用権又は通常使用権の設定登録がなされた事実もない。 してみると、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、本件商標を日本国内において継続して3年以上、請求に係る指定商品について使用していないと判断されるものであり、該商品については、その登録は取り消されるべきである。 2 弁駁の理由 (1)乙第1号証には、本件商標と類似する「U-ZUTTO」の文字が記載されており、被請求人あてに発行されたものらしいが、その発行者は商標権者ではなく、かつ使用権者であるかどうかも不明であって、この書面は、商標権者等による本件商標の使用を証明するものではない。 (2)乙第2号証は、「U-ZUTTO ベルト2011年3月販売中の現物コピー」としており、これが事実であったとしても、本件審判の請求の登録後に販売された商品のコピーにすぎず、また、商標権者等による使用かどうかも不明であるため、本件商標の使用を証明しているとはいえない。 (3)乙第3号証は、「仕入伝票」としているが、これには商標が記載されていない。また、これを発行したものが商標権者等であるかどうかも定かではなく、この書類は、本件商標の使用を証明するものではない。 (4)乙第4号証の1ないし3は、撮影された年月日や撮影者等が証明されていない。これらの撮影が本件審判の請求の登録後にされたものであれば、その登録前3年以内の使用を証明しているといえない。 (5)乙第5号証は、アドニス株式会社が被請求人にあてて発行した納品書(写し)であり、被請求人が作成したものではない。この場合、納品書に商標が記載されていたとしても、それが被請求人による商標の使用とは認められるべきではない。また、「商品コード/商品名」欄に「U-ZUTTO」の記載があるが、3番目の文字「U」には、本件商標に記載されている「ダイアクリティカルマーク」の一種である「サーカムフレックス」の記号が欠落している。この記号は、通常フランス語、ポルトガル語などで使用されており、英語で使用されることはない。これに対し、納品書に記載されている「U-ZUTTO」には、この記号が記載されていないため、我が国では通常英語として認識される可能性がある。納品書に記載されている「U-ZUTTO」の文字は、本件商標と同一の称呼や観念が生じるとはいえず、したがって、本件商標と社会通念上同一の商標と判断されるべきでない。 (6)乙第7号証のダイレクトメール(写し)については、裏面に取扱商品と商標が羅列されているが、この記載方法では、商標と商品の関係が不明確であり、本件商標が商品「ボストンバッグ」に使用されている事実を証明しているといえない。 (7)乙第8号証において値札の見方が記載されており、筆頭の記号「004」が仕入れ年月の「2010年4月」を表し、「004」の筆頭の「0」が西暦の下一桁を表しているとのことであるが、「0」は「2000年」を表しており、また「2020年」も表すことになる。したがって、この記号だけでは、2010年4月に仕入れたことを証明することはできない。 (8)以上のとおり、被請求人は、本件商標の使用を何ら証明していないため、本件商標の登録は取り消されるべきである。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証(枝番を含む。)を提出した。 乙第1号証は、ボストンバッグの納品書(2010年4月12日)である。 乙第2号証は、ベルト(2011年3月販売中)の現物コピーである。 乙第3号証は、ベルトの仕入伝票(2010年4月4日)である。 乙第4号証の1は、2010年4月仕入れの商品(合皮ラウンドボストン)の現物コピーである。そして、乙第4号証の2は、同号証の1のブランドピスネームの拡大コピーであり、乙第4号証の3は、同号証の1の値札・ブランドタグの拡大コピーである。 乙第5号証は、乙第4号証の1の商品に対応する記載がある納品書(2010年4月12日)である。 乙第6号証は、乙第4号証の3の黒下げ札の納品書である。 乙第7号証は、乙第4号証の商品を販売したH&A(ヤマニ)ファミリーセール(2010年5月開催)のダイレクトメールである。 乙第8号証の1は、乙第4号証の商品に付いている値札の見方を表し、乙第8号証の2は、値札に記載されている仕入先に係る暗号表である。 第4 当審の判断 1 被請求人は、請求に係る指定商品中「ボストンバッグ」について、本件商標を使用している旨主張し、その使用を立証する証拠として乙第4号証ないし乙第8号証(枝番を含む。)を提出しているので、以下、該証拠について検討する。 (1)乙第4号証ないし乙第8号証によれば、以下の事実を認めることができる。 ア 乙第4号証の1は、ボストンバッグの画像が表され、そこには、値札及びブランドタグが取り付けられている。乙第4号証の2は、「U-ZUTTO」の文字が確認できる織りネームを含む画像が表されている。乙第4号証の3は、値札及びブランドタグを含む画像が表され、値札には「P.O.M」、「H&A」、「004-17-04-TOOTT」、「税込 ¥4,725」及び二重取消線付きの「¥9,345」の文字、数字等が記載されており、ブランドタグには別掲(2)のとおりの態様の文字が記載されている(「U-ZUTTO」(3番目の文字「U」にはサーカムフレックスが付加されている。)の文字からなる標章を、以下「本件使用商標」という。)。 イ 乙第5号証は、アドニス株式会社(東京都台東区在)から商標権者あての納品書であることのほか、売上日が「平成22年04月12日」並びに表の3行目には「商品コード/商品名」欄に「945305001 課\83X429 U-ZUTTO 合皮ラウンドボストン クロ・カーキ」、「数量」欄に「100」、「単価」欄に「2,200」などが記載されている。 ウ 乙第6号証は、株式会社フクイ(東京都台東区在)から商標権者あての請求明細書であることのほか、請求日(出荷日)が「平成20年03月06日」並びに表には「品名」欄に「UZ-T10 メンズ黒下札」、「数量」欄に「10,000」などが記載されている。 エ 乙第7号証は、「H&A(ヤマニ)ファミリーセール ご招待券」として印刷されたはがき(写し)が表され、その表面には「【会場】増田屋ビル9F マンハッタンホール 東京都台東区蔵前2-6-4」、「【日時】5/14(金)10:00?19:00 5/15(土)10:00?15:00」及び「[お問い合せ]主催・運営/エイチアンドエイ 墨田区千歳1-4-8中島ビル3F」などの記載があり、また、裏面には「YAMANI」、「FAMILY SALE 40?80%off」、「[取扱い商品]ベルト、革小物、ハンドバッグ、メンズバッグ、サングラス、靴下、ハンカチ、帽子」などの記載と共に9つの商標が表示されており、その中に「本件使用商標」が存在する。 オ 乙第8号証の1(U-ZUTTO 合皮ラウンドボストンに付いている値札の見方)は、下方に乙第4号証の3に表されている値札(写し)が表示され、値札に記載されている「004-17-04-TOOTT」の記載は、「仕入の年月-仕入先-商品アイテム-仕入原価」(年度は西暦の下一桁を記入)を表しており、「2010年4月-アドニス-Mバッグ-2200」であるとの説明をしていると認められる。そして、乙第8号証の2(エイチアンドエイの値札の暗号表)は、「仕入先」欄に「アドニス」が存在し、それに対応する「NO」欄には「17」の記載があり、「アイテム」欄に「Mバッグ」が存在し、それに対応する「NO」欄には「4」の記載がある。 (2)上記(1)で認定した事実を総合すれば、以下のとおり、判断するのが相当である。 商標権者は、平成22(2010)年4月12日にアドニス株式会社から原価2,200円で仕入れたボストンバッグ(メンズバッグ)を、株式会社フクイにより製作された「本件使用商標」が記載されているブランドタグを付して、同年5月14日及び同15日に開催された商標権者が主催・運営する「H&A(ヤマニ)ファミリーセール」において販売したことが推認される。 そして、本件使用商標と本件商標とは、書体の違いや一部に大文字と小文字の違いがあるなど、その構成態様において一部相違するところはあるものの、その綴りをすべて同じにするものであることから、本件使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標であるとみるのが相当である。 また、上記「H&A(ヤマニ)ファミリーセール」が開催された平成22年5月14日及び同15日は、本件審判の請求の登録前3年以内に該当するものである。 2 まとめ 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者がその請求に係る指定商品中の「ボストンバッグ」について本件商標の使用をしていたことを証明したものである。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 (1)本件商標 (2)本件使用商標 |
審理終結日 | 2012-04-20 |
結審通知日 | 2012-04-25 |
審決日 | 2012-05-10 |
出願番号 | 商願2003-8063(T2003-8063) |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(Y1825)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 田口 善久、安達 輝幸 |
特許庁審判長 |
寺光 幸子 |
特許庁審判官 |
田中 敬規 酒井 福造 |
登録日 | 2004-01-16 |
登録番号 | 商標登録第4740201号(T4740201) |
商標の称呼 | ユウズット、ズット |
代理人 | 特許業務法人 清水・醍醐特許商標事務所 |