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審決分類 審判 全部無効 商4条1項11号一般他人の登録商標 無効としない X43
管理番号 1264283 
審判番号 無効2011-890085 
総通号数 155 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-11-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2011-10-03 
確定日 2012-09-10 
事件の表示 上記当事者間の登録第5372959号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5372959号商標(以下「本件商標」という。)は、「すためし」の平仮名を標準文字で表してなり、平成22年6月30日に登録出願され、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、同年11月4日に登録査定、同年12月3日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
1 請求の趣旨
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第7号証を提出している。
2 請求の理由
(1)引用商標
請求人は、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第5103614号商標(以下「引用商標」という。)は、「すた丼」の文字を筆書体で横書きに表してなり、平成19年3月27日に登録出願され、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、同20年1月11日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性
本件商標は、平仮名の「すためし」からなるところ、かかる本件商標を指定役務「飲食物の提供」について使用する場合には、本件商標を構成する「めし」の文字部分が「飯」を意味することは、需要者・取引者にとって容易に理解できるものであって、例えば「牛めし」、「鯛めし」、「いかめし」、「深川めし」等がすべて飯の上に調理済みの牛肉、鯛、いか、あさり等を載せるなどした料理の名称であることから明らかである。
そうすると、本件商標を「飲食物の提供」について使用した場合、これに接する需要者・取引者は、その構成中の「めし」の文字部分について、「飯を使用した料理の提供」といった意味合いをもって、役務の質を表示したものと理解するのであるから、本件商標中の「めし」の文字部分は、自他役務の識別機能を果たさないというべきである。
したがって、本件商標を指定役務「飲食物の提供」について使用した場合、「すた」の文字部分が自他役務の識別機能を強く発揮する部分といわざるを得ず、その結果、本件商標は、構成全体を称呼した場合の「スタメシ」の称呼のほか、「すた」の文字より「スタ」の称呼をも生ずるといわなければならない。
これに対し、引用商標は平仮名の「すた」と漢字の「丼」とを横書きに表してなる商標であるところ、かかる引用商標を指定役務「飲食物の提供」について使用する場合には、本件商標を構成する「丼」の文字部分が、単に陶製の鉢を意味するのではなく、どんぶり飯、すなわち丼に盛った「飯」を意味することもまた需要者・取引者にとって容易に理解できるものである。このことは、例えば「牛丼」が、味付けされた牛肉のみが陶製の鉢に盛られた料理を指すのではなく、丼に盛った飯の上に味付けされた牛肉が盛られた料理を、また「カツ丼」が丼に盛った飯の上に卵でとじたトンカツが盛られた料理を指すこと等から明らかである。さらに、株式会社岩波書店発行の「広辞苑第六版」の「牛丼」の項目には、「牛飯に同じ」と記されていることから、料理の名称の最後に「丼」又は「めし」の語が使用されるときは、「丼」も「めし」もどちらも「飯」を意味する語として使用されることがわかる。
そうすると、引用商標を「飲食物の提供」について使用した場合、これに接する需要者・取引者は、その構成中の「丼」の文字部分について、「飯を使用した料理の提供」といった意味合いをもって、役務の質を表示したものと理解するのであるから、引用商標中の「丼」の文字部分もまた自他役務の識別機能を果たさないというべきである。
したがって、引用商標を指定役務「飲食物の提供」について使用した場合、「すた」の文字部分が自他役務の識別機能を強く発揮する部分といわざるを得ず、その結果、引用商標は、構成全体を称呼した場合の「スタドン」の称呼のほか、「すた」の文字より「スタ」の称呼をも生ずるといわなければならない。
以上のことから、本件商標と引用商標とは、「スタ」の称呼を生ずる点で共通する類似の商標と判断されるべきである。
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、称呼において類似する商標であるから、出所の誤認混同のおそれを推測させる基準を満たしている。また、両商標の外観及び観念が、称呼の類似を凌駕して出所の誤認混同のおそれを生じさせないほどに著しく相違することはない。
そして、本件商標の指定役務と引用商標の指定役務は、どちらも第43類「飲食物の提供」であるから、同一の役務である。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼を共通にする類似の商標であり、その指定役務は同一の役務である。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定により、無効とすべきである。

第3 被請求人の主張
1 答弁の趣旨
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第10号証(枝番を含む。)を提出している。
2 答弁の理由
(1)本件登録商標と引用商標の類否
本件商標は、一語の造語であり、そもそも「すた」と「めし」を分離して観察すべきものではない。また、「すためし」は4字で構成される極めて短い語であり、4字は同一かつほぼ同じ大きさの字体で書かれ、まとまりのあるものである。
このことからすれば、本件商標は、一連一体として評価すべきものであり、請求人が主張するように「すた」のみを要部として取り出し観察すべきものではない。
また、本件商標及び引用商標に接した者は、「すた」のみでは意味が分からないのであり、「すためし」又は「すた丼」となって初めて意味を生ずるものである以上、「めし」や「丼」の部分との比較において、「すた」の部分だけが格別識別性が強いとはいえない。
加えて、本件商標が4文字、また、引用商標が3文字の短い単語であり、略称を生じるほど長い単語でないことを併せ考えると、「すた」と略称されることは考えがたく、本件商標や引用商標から「すた」の称呼が生じるとはいえない。
本件商標と引用商標を一連一体に評価した場合、両者は、外観、称呼、観念ともに非類似であり、非類似である。
(2)まとめ
したがって、本件無効審判の請求に対しては、不成立の審決がなされるべきである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性
商標の類否は,対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが,それには,そのような商品に使用された商標がその外観,観念,称呼等によって取引者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すべく,しかもその商品の取引の実情を明らかにしうる限り,その具体的な取引状況に基づいて判断するのを相当とする(最高裁昭和43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)。
また,複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものを類否判断の対象とする場合,商標の構成部分の一部を抽出し,この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは,その部分が取引者,需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や,それ以外の部分から出所識別標識としての称呼,観念が生じないと認められる場合などを除き,許されないと解すべきである(最高裁平成20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁参照)。
そこで,上記判決を踏まえ,本件商標と引用商標との類否につき以下検討する。
(1)本件商標
本件商標は、前記第1のとおり、「すためし」の平仮名を標準文字で表してなるところ、各構成文字は、同じ書体、同じ大きさ及び等間隔をもって、視覚上まとまりよく一体的に構成されているものである。そして、本件商標を称呼しても、「ス」「タ」「メ」「シ」と4音の極めて短い音数であるから、無理なく一気に称呼できるものである。また、本件商標は、特定の意味を有さない一連の造語からなるものと認められるものである。
請求人は、本件商標を構成する「すた」と「めし」とを分離した上で、「めし」の部分には自他役務の識別機能がなく、「すた」の部分が要部である旨主張する。
しかし、「めし」は、「【飯】穀類、特に米を炊いたもの。ごはん。[株式会社岩波書店 広辞苑第六版]」を表す語であって、その指定役務との関係において、「飯を使用した料理」程の意味合いをもって役務の提供に供する物を想起させる場合があるとしても、わずか4文字の平仮名からなる「すためし」の文字構成において、「すた」と「めし」とに分離して観察すべき十分な根拠はないから、本件商標は、「すためし」と一体的にみるのが相当である。
(2)引用商標
引用商標は、前記2 2(1)のとおり、「すた」の平仮名と「丼」の漢字とを毛筆風に横一連に表してなるところ、各文字は同じ書体、大きさ及び間隔をもって、視覚上まとまりよく一体的に構成されているものである。そして、引用商標を称呼しても、「ス」「タ」「ド」「ン」と4音の極めて短い音数であるから、無理なく一気に称呼できるものである。 また、引用商標は、特定の意味を有さない一連の造語からなるものと認められるものである。
請求人は、引用商標を構成する「すた」と「丼」とを分離した上で、「丼」の部分には自他役務の識別機能がなく、「すた」の部分が要部である旨主張する。
しかし、「丼」は、「どんぶり」の略であって、その指定役務との関係においては、「丼に盛った飯を使用した料理」程の意味合いをもって役務の提供に供する物を想起させる場合があるとしても、わずか3文字からなる「すた丼」の文字構成において、「すた」と「丼」とに分離して観察すべき十分な根拠はないから、引用商標は、「すた丼」と一体的にみるのが相当である。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを対比すると、両者は、その前半部分において「すた」の平仮名を共通にするものの、後半において「めし」の平仮名と「丼」の漢字との明確な差異を有するものであるから、外観上、互いに相紛れるおそれがなく、判然と区別し得るものである。
次に、本件商標から生ずる称呼「スタメシ」と引用商標から生ずる称呼「スタドン」とを対比すると、両者は、ともに4音からなるところ、その前半部分において「ス」「タ」の2音を共通にするものの、後半において「メ」「シ」と「ド」「ン」の音の相違により、十分聴別し得るものである。
観念については、本件商標と引用商標は、ともに造語からなるものであるから、比較することができない。
そうとすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観及び呼称において区別することができるものであるから、両者は、出所の混同を生ずるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 結論
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものでないから、同法第46条第1項の規定により、取り消すべきものでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2012-06-25 
結審通知日 2012-06-27 
審決日 2012-07-31 
出願番号 商願2010-51590(T2010-51590) 
審決分類 T 1 11・ 26- Y (X43)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 山田 正樹 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 田中 亨子
寺光 幸子
登録日 2010-12-03 
登録番号 商標登録第5372959号(T5372959) 
商標の称呼 スタメシ 
代理人 中所 昌司 
代理人 生田 哲郎 
代理人 樋熊 美智子 
代理人 加藤 和詳 
代理人 森本 晋 
代理人 中島 淳 
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