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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X141825
審判 全部申立て  登録を維持 X141825
審判 全部申立て  登録を維持 X141825
審判 全部申立て  登録を維持 X141825
管理番号 1263130 
異議申立番号 異議2012-900045 
総通号数 154 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-10-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-02-17 
確定日 2012-08-31 
異議申立件数
事件の表示 登録第5452167号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5452167号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5452167号商標(以下「本件商標」という。)は、「MARINE BLAU」の文字を標準文字で表してなり、平成23年2月16日に登録出願、第14類「キーホルダー,宝石箱,身飾品,宝玉及びその模造品,貴金属製靴飾り,時計」、第18類「かばん金具,がま口口金,蹄鉄,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,乗馬靴」を指定商品として、同年11月2日に登録査定、同年同月18日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要旨)
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本件商標は、ドイツ語で「紺色、ネイビーブルー」の意味合いを有するものである(甲第2号証)。また、当該文字は、我が国で「濃い青色、海の色」という意味合いで広く使用される「マリンブルー」(甲第3号証)(審決注:甲第2号証は、「登録第2113478号商標『BLUMARINE』、甲第3号証は、「登録第4250459号商標『BLUMARINE』のそれぞれ商標出願・登録情報検索(詳細表示)」と認められる。)を直感させるものである。
そうとすれば、「MARINE BLAU」の文字を標準文字で表してなる本件商標を、その指定商品中「紺色、マリンブルーの商品」に使用するときは、単にその商品の品質を認識させるにすぎないものである。また、本件商標を、その指定商品中、前記商品以外の商品に使用するときは、広く取引者及び需要者に対し、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
2 商標法第4条第1項第11号について
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録商標は、(ア)ないし(カ)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(ア)登録第2113478号商標(以下「引用商標1」という。)は、「BLUMARINE」の欧文字を書してなり、昭和61年3月10日に登録出願、平成元年2月21日に設定登録、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同21年4月30日に指定商品を第14類「貴金属製靴飾り」、第18類「傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」、第25類「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履」及び第26類「靴飾り(貴金属製のものを除く。),靴はとめ,靴ひも,靴ひも代用金具」とする指定商品の書換登録がなされているものである。
(イ)登録第4250459号商標(以下「引用商標2」という。)は、「BLUMARINE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成9年6月12日に登録出願、第18類「皮革,かばん金具,がま口口金」を指定商品として、同11年3月12日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。
(ウ)登録第4425871号の2商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成11年9月10日に登録出願、同12年10月20日に設定登録された登録第4425871号商標の商標権の分割に係るものであって、第25類「被服(但し水泳着,水泳帽,海水着,海水帽及びその他の水着を除く。),仮装用衣服,運動用特殊衣服(但し競泳用水着を除く。),運動用特殊靴」を指定商品として、同13年10月30日にその分割移転の登録がなされ、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。
(エ)登録第4951350号商標(以下「引用商標4」という。)は、「BLUMARINE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成17年6月29日に登録出願、第18類「かばん類,ハンドバッグ,ショルダーバッグ,袋物,携帯用化粧道具入れ,トランク,旅行かばん,ナップザック,キーケース,財布,小銭入れ,傘,獣皮,皮革」を指定商品として、同18年5月12日に設定登録されているものである。
(オ)登録第5243055号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成18年6月20日に登録出願、第14類「貴金属及びその合金・貴金属のメッキ製品(貴金属製靴飾りを除く。),宝飾品,宝玉・宝玉の原石,宝玉の模造品・装身小物(宝飾品),時計・時計用ストラップ,時計用ケース,懐中時計,腕時計,置き時計・柱時計,ストップウォッチ,計時用具」を指定商品として、同21年6月26日に設定登録されているものである。
(カ)国際登録第495369号商標(以下「引用商標6」という。)は、「BLUMARINE」の欧文字を書してなり、平成19年11月19日に国際商標登録出願(事後指定)、第3類「Bleaching preparations and other substances for laundry use; cleaning, polishing, scouring and abrasive preparations; soaps; dentifrices.」及び第14類「Precious metals, unwrought or semi-wrought; key rings [trinkets or fobs] of precious metal; jewellery cases [caskets] of precious metal; jewelry, precious stones; ornamental jewelry; timepieces and other chronometric instruments.」を指定商品として、平成22年3月12日に設定登録されているものである。
なお、前記の引用商標1ないし引用商標6を一括していうときは「引用各商標」という。
(2)具体的理由の要点
(ア)本件商標と引用各商標との類否
本件商標の文字部分中、「MARINE」は、ドイツ語で「海軍」の意味合いを有し(甲第8号証)、英語で「海の、海洋の、海兵」の意味合いを有し(甲第11号証)、「BLAU」はドイツ語で「青い、空色の、紺色の」という意味合いを有する(甲第10号証)。「MARINE」「BLAU」は、外国語といえども共に比較的平易な単語であり、本件商標は「MARINE」と「BLAU」の語の間に間隙を設けてなることから、2つの単語よりなるものと容易に理解され、把握されるものである。
一方、引用各商標の文字部分中「BLU」又は「Blu」は、イタリア語で「紺色の、藍色の」という意味合いを有し、「MARINE」又は「marine」は、本件商標と同様ドイツ語で「海軍」の意味合いを有し(甲第8号証)、英語で「海の、海洋の、海兵」の意味合いを有する(甲第11号証)。引用各商標は両単語を一連に配置してなるものの、「blu」に関しては我が国で広く一般に知られている英単語「blue」に非常に近似していることから、引用各商標に接する取引者・需要者は、引用各商標が2つの語が結合してなるものと容易に理解し、把握するものである。
また、本件商標と引用各商標において、構成要素であるそれぞれの単語の一方と他方が主従、軽重の差を見出すことはできない。
そうすると、本件商標と引用各商標とは、「海の」という意味合いを有する語と「紺色の」という意味合いを有する語とが単に前後に入れ替ってなるにすぎず、取引者、需要者は本件商標の文字の配列を常に正確に記憶に留めて把握するというよりは、むしろ、本件商標のそれぞれの語の前後に関わりなく、「海の」と「紺色の」の各観念を生じる文字の組み合わせからなる商標として印象づけられるというべきである。
そうすれば、取引者、需要者が時と処を異にして本件商標と引用各商標に接するときは、観念において、互いに相紛れるおそれのある商標とみるのが相当といえる。
(イ)小活
以上のとおり、本件商標と引用各商標とは類似の商標であって、かつ、本件商標の指定商品のうち、第14類「キーホルダー,宝石箱,身飾品,宝玉及びその模造品,貴金属製靴飾り,時計」、第18類「かばん金具,がま口口金,蹄鉄,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」及び第25類「被服,履物、仮装用衣服,乗馬靴」は、引用各商標の指定商品と同一又は類似であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 商標法第4条第1項第15号について
(1)本件商標と引用商標3の類似性
本件商標と引用商標3が類似する商標であることは、前記のとおりである。
(2)引用商標3の周知・著名性
申立人は、1977年にイタリアで設立され、「Blumarine」のほか、「BLUGIRL」「ANNAMOLINARI」等の国際的に著名な服飾ブランドを手がける世界有数の服飾企業である(甲第13号証)。
また、申立人は、VERSACE、PRADA、ROBERTO CCAVALLI等が所属するイタリア・ファッション業界で最大の極めて重要な協会であるイタリア・ファッション協会(NATIONAL CHAMBER OF ITALIAN FASHION)に所属しており、ミラノコレクション等に参加し、引用商標3「Blumarine」に係る商品を発表している(甲第13号証)。
世界規模のファッションショーは服飾業界における取引者・需要者に極めて重要視される実情にあり、国際的ファッションショーにおけるキャットウォークでの発表により、当該ブランドは世界の取引者・需要者に注目され、国際的地位及び名声が付与されるものである。
申立人の引用商標3に係る商品を販売する店舗は、イタリア(ミラノ、バーリ、ヴェネツィア、ローマ、フィレンツェ、カプリ、パレルモ)、スペイン(マルベーリヤ)、フランス(パリ、サントロペ)、モナコ(モンテカルロ)、アメリカ合衆国(マイアミ)、香港、シンガポール、台湾(台北)、韓国(ソウル、ソンナム、インチョン、テグ、プサン)、マレーシア(クアラルンプール)、アラブ首長国連邦(ドバイ、アブダビ)、バーレーン(マナーマ)、ブラジル(サンパウロ)、カタール(ドーハ)、サウジアラビア(リヤド、ジェッダ)、レバノン(ベイルート)、イギリス(ロンドン)に所在し(甲第13号証)、日本では、東京、大阪、名古屋、京都、札幌、仙台、神戸、横浜、福岡に店舗を有している(甲第13号証)。
以上の事実より、引用商標3は、申立人の業務に係る商品である被服を表示する商標として広く知られているといえる。
(3)出所混同のおそれ
本件商標の指定商品のうち、第18類「皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類」、第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」は、申立人が行う業務に係る商品である「被服」に密接に関連するものであり、本件商標がその指定商品/指定役務に使用された場合、本件商標の商標権者が申立人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者であるとの誤認を生じるおそれがあることから、商品又は役務の需要者が商品又は役務の出所について出所の混同を生じるおそれは極めて大きいといわざるを得ない。
(4)小活
以上のとおり、引用商標3は、申立人の業務に係る商品「被服」を表示するものとして広く一般に知られており、これと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、商標の出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 まとめ
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第16号、及び同法第4条第1項第11号又は同第15号に違反して登録されたものであるから、商標法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきである。

第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本件商標中の「BLAU」の文字は、「青い、空色の」の意味を有するドイツ語(甲第10号証)であるとしても、我が国でのドイツ語の普及度を考慮すると、当該文字は、本件指定商品の需要者間に馴染まれた語であるとは認められない。
また、本件商標が、本件指定商品を取り扱う業界において、本件商標の登録査定時に、商品の品質(色彩)等を表すものとして、一般に使用されている事実を発見することができなかった。
そうすると、本件商標は、その指定商品に係る商品の品質(色彩)等を直接的に表示したものとして認識されるとはいえないものであり、むしろ、商品の特定の品質(色彩)等を表示しない一連の造語としてのみ印象付けられて取引に資されるものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、その指定商品に係るいずれの商品について使用しても、商品の品質(色彩)等を表示するものではなく、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、いずれの商品に使用しても商品の品質について誤認を生じさせるおそれもない商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではない。
2 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標について
本件商標は、前記のとおり、特定の意味合いを看取させることのない造語を表したものと理解され、「マリンブロー」又は「マリンブラウ」の称呼を生ずるというのが相当である。
そして、本件商標は、構成中の「MARINE」と「BLAU」の文字部分を分離、抽出し、さらに、その前後を入れ替えて観察しなければならないとする格別の理由も見出せない。
(2)引用各商標について
引用各商標は、前記及び別掲のとおり、「BLUMARINE」又は「Blumarine」の欧文字を通常の活字体、標準文字あるいは筆記体で表してなるものであるから、その構成文字部分に相応して「ブルマリン」の称呼が生じ、特定の観念を有しない一種の造語というのが相当である。
(3)本件商標と引用各商標との類否
本件商標と引用各商標は、各々の構成より、外観上十分に区別し得る差異を有するものである。
また、本件商標より生ずる「マリンブロー」又は「マリンブラウ」の称呼と引用各商標より生ずる「ブルマリン」の称呼は、その構成音が明らかに異なるものであるから、称呼上相紛れるおそれはないものである。
さらに、本件商標と引用各商標の観念は、前記のとおり、本件商標が特定の観念を有しない一種の造語である以上、両者は比較することができないものである。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念及びのいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であるといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものでない。
3 商標法第4条第1項第15号について
申立人は、「引用商標3が申立人の業務に係る商品『被服』を表示するものとして周知・著名であり、また、本件商標と引用商標3とは類似するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨、主張しているが、以下のとおり、その主張は採用できない。
(1)引用商標3の著名性について
申立人の提出に係る甲第8号証ないし甲第12号証は、いずれも現代独和辞典等の辞書である。また、甲第13号証は、申立人の主張によれば、申立人の会社概要であるところ、引用商標3に関するライセンス先の説明はあるとしても、引用商標3を付した商品「被服」の販売量、売上高等の裏付けとなる証拠は見出せない。
そうすると、これらの甲各号証によっては、別掲の引用商標3が、我が国の服飾業界において、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、周知、著名な商標になっていたものとは認め難いものである。
(2)商品の出所の混同について
本件商標と引用商標3とは、前記2のとおり、類似しない別異の商標というべきものであるから、たとえ、引用商標3が商品「被服」等のファッション商品に使用されていたとしても、これに接する我が国の取引者、需要者は、引用商標3を連想又は想起するとはいえないものであって、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも違反して登録されたものでない。
4 むすび
以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第16号、同第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
引用商標3及び引用商標5



異議決定日 2012-08-23 
出願番号 商願2011-10192(T2011-10192) 
審決分類 T 1 651・ 13- Y (X141825)
T 1 651・ 262- Y (X141825)
T 1 651・ 271- Y (X141825)
T 1 651・ 272- Y (X141825)
最終処分 維持  
前審関与審査官 半田 正人 
特許庁審判長 水茎 弥
特許庁審判官 井出 英一郎
渡邉 健司
登録日 2011-11-18 
登録番号 商標登録第5452167号(T5452167) 
権利者 株式会社メル・ローズ
商標の称呼 マリンブロー、マリンブラウ 
代理人 吉川 俊雄 
代理人 特許業務法人東京アルパ特許事務所 

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