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審決分類 審判 査定不服 商品(役務)の類否 取り消して登録 X25
管理番号 1263092 
審判番号 不服2012-9361 
総通号数 154 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-10-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-05-21 
確定日 2012-09-26 
事件の表示 商願2011- 9593拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「SUPERBOOST」の欧文字を標準文字で表してなり、第25類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成23年2月14日に登録出願され、その後、指定商品については、本件審判請求と同日付の手続補正書により、第25類「被服,帽子」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4692761号商標(以下「引用商標1」という。)は、「BOOST」の欧文字を書してなり、平成14年6月19日に登録出願、第9類及び第38類に属する別掲に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同15年7月18日に設定登録されたものである。
(2)登録第5212257号商標(以下「引用商標2」という。)は、「BOOST」の欧文字を標準文字で表してなり、平成20年8月8日に登録出願、第25類「運動用特殊靴,履物」を指定商品として、同21年3月6日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標2との類否について
本願商標の指定商品は、前記1のとおり補正された結果、引用商標2の指定商品と同一又は類似の商品はすべて削除されたと認められるものである。
よって、本願商標の指定商品と引用商標2の指定商品とは、抵触しないものとなった。
(2)本願商標と引用商標1との類否について
請求人は、本願商標の指定商品中の「被服」に含まれる「アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い」(以下「本願商品」という。)と、引用商標1の指定商品中の「事故防護用手袋」(以下「引用商品」という。)とは、類似しない商品であるから、本願商標を拒絶する理由はない旨の主張をしているので、これについて検討する。
商品の類否の判断は、取引の実情、即ち、商品の生産部門、販売部門、原材料及び品質、用途、需要者の範囲が一致するか否か、完成品と部品との関係にあるか否か等を総合的に考慮して判断をすべきものであり、その類否は、2つの商品に同一又は類似の商標が使用された場合、これに接する取引者、需要者が商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって判断すべきものである。
そこで、本願商品と引用商品について検討する。
(ア)用途
本願商品は、身につけることで体感温度を調節したり、好きな色や形を楽しむなど、比較的、日常一般的な用途に用いられる商品である。
これに対し、引用商品は、事故による怪我等を防ぐことを目的に使用される商品であり、例えば、土木、建築、機械工業、溶接、廃棄物処理等の作業において、耐熱、切創防止、摩擦や薬品等から手を守る等、特殊な用途に用いられるものであるから、本願商品と引用商品の用途は、相違する。
(イ)原材料及び品質
本願商品は、例えば、着心地、デザインなどに見合った素材として、布、毛糸、皮革、アクリル、ナイロン、ポリエステル等を原材料とするものであるのに対し、引用商品は、作業時の事故防止のために、それぞれの防護特性に合わせた原材料が用いられるものであって、その機能を果たすことができるようにゴム製、合成革製、皮革製、ポリウレタン製など様々な素材を原材料とするものであり、本願商品とは、原材料が一致するものも含まれる場合もあるが、それぞれの用途から品質の異なるものである。
(ウ)生産部門及び販売部門
本願商品は、一般にアパレルメーカーが主な製造販売者であり、デパートやファッションブランド店など被服を取り扱う店で販売されるものである。
一方、引用商品は、それぞれの作業用品を取り扱う防護手袋メーカーによって生産され、これらを取り扱う専門店等の作業用品の販売部門で販売される商品であるから、両商品は、生産部門及び販売部門が相違する。
(エ)需要者
本願商品が、子供から大人まで広く一般の人々を需要者とするのに対し、引用商品は、例えば、溶接、廃棄物処理、建設作業等の特殊な作業を行う業者等、主に、防護用の手袋を必要とする作業に携わる専門の事業者であるから、両商品の需要者は相違する。
してみると、両商品は、用途、原材料及び品質、生産部門及び販売部門及び需要者の範囲等において相違し、また、完成品と部品等との関係にないことも明らかであるから、両者に同一又は類似の商標が使用された場合において、これに接する取引者、需要者が商品の出所について誤認、混同を生ずるおそれはないものとみるのが相当である。
そうとすれば、本願商品と引用商品とは、互いに類似しない商品といわざるを得ない。
その他、本願商標の指定商品と引用商標1の指定商品及び指定役務とは、類似するものと認められない。
なお、商品及び役務の類否の判断は、我が国の商取引の実情、経済界の現状に即応すべきところ、近年の商取引の事情の変化により、これまでの「類似商品・役務審査基準」は、必ずしも取引の事情に即応したものとはいえなくなってきていた。そして、「商標制度の在り方について」(平成18年2月産業構造審議会知的財産政策部会報告書)等においても、これまでの「類似商品・役務審査基準」について、経済の実態や取引の実情に合致したものに変更すべきとの要請もあった。そこで、商品及び役務の区分に属する商品又は役務について規定する商標法施行規則別表の一部改正(平成23年経済産業省令第66号 平成23年12月5日公布)が行われたところ、これに対応し、かつ、商品及び役務の類否関係を経済の実態や取引の実情に合致したものとした「類似商品・役務審査基準」が〔国際分類第10版対応〕として作成されたところである。
これによれば、本願商品と引用商品とは非類似の商品としての取り扱いがなされているものである。
してみれば、本願商標と引用商標1とは、その指定商品及び指定役務において類似しないものである。
(3)小括
以上のとおり、本願商標の指定商品は、引用商標1及び引用商標2の指定商品又は指定役務とは類似しないものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(4)総括
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 (引用商標1の指定商品及び指定役務)
第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,計算尺,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」
第38類「電気通信(放送を除く。),放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」

審決日 2012-09-12 
出願番号 商願2011-9593(T2011-9593) 
審決分類 T 1 8・ 264- WY (X25)
最終処分 成立  
前審関与審査官 田口 善久 
特許庁審判長 水茎 弥
特許庁審判官 松田 訓子
井出 英一郎
商標の称呼 スーパーブースト、ブースト 
代理人 鈴木 博久 
代理人 高柴 忠夫 
代理人 志賀 正武 
代理人 渡邊 隆 

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