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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 105091016172125
管理番号 1263064 
審判番号 取消2011-301096 
総通号数 154 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-10-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2011-12-05 
確定日 2012-09-03 
事件の表示 上記当事者間の登録第2667630号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 登録第2667630号商標に係る指定商品中の第5類「失禁用おしめ」,第9類「事故防護用手袋」,第10類「医療用手袋」,第16類「紙製幼児用おしめ」,第17類「絶縁手袋」,第21類「家事用手袋」及び第25類「被服」については,その登録は取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第2667630号商標(以下「本件商標」という。)は,「ダイヤモンド」の片仮名を筆書き風に横書きしてなり(別掲1),平成3年3月5日に登録出願,第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同6年5月31日に設定登録,その後,同16年5月25日に商標権存続期間の更新登録がなされ,また,指定商品については,同年6月9日に指定商品の書換登録があった結果,第5類「失禁用おしめ」,第9類「事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服」,第10類「医療用手袋」,第16類「紙製幼児用おしめ」,第17類「絶縁手袋」,第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」,第21類「家事用手袋」,第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」,第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」とするものである。

第2 請求人の主張
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由及び答弁に対する弁駁を以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,その指定商品中の第5類「失禁用おしめ」,第9類「事故防護用手袋」,第10類「医療用手袋」,第16類「紙製幼児用おしめ」,第17類「絶縁手袋」,第21類「家事用手袋」及び第25類「被服」について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていない。
よって,本件商標の登録は,商標法第50条第1項の規定に基づき,その指定商品中の前記商品について取り消されるべきである。
2 答弁に対する弁駁
(1)商標の同一性
本件商標とダイヤ毛糸株式会社の使用に係る商標(以下「使用商標」という。(別掲2))とは,前者が男性的な力強い書体を用いているところに特徴を有するのに対し,後者は,女性的な柔らかい書体の「ダイヤモンド毛糸」の語に「半月状にかたどった人間の顔の図形」を結合させたところに特徴のある結合商標であるため,両者は,標識としての性格を著しく異にしている商標である。
したがって,本件商標と上記使用商標とは,社会通念上同一の商標とは認められない。
もっとも,「ダイヤモンド毛糸」がそれ単独で被請求人又はダイヤ毛糸株式会社の業務係る商品に係る商標であったとしても,未だ,本件商標と「ダイヤモンド毛糸」とは,社会通念上同一の商標とは認められない。
なぜなら,男性的な力強い書体を用いている本件商標と女性的な柔らかい書体を用いた上記使用商標中の「ダイヤモンド毛糸」とは,商品の出所識別標識として看者に与える印象が顕著に相違しているからであると共に,「ダイヤモンド毛糸」は,そのいずれの構成文字も同書同大でまとまりよく表示され,故に「ダイヤモンド」と「毛糸」との間に軽重の差異はなく,「ダイヤモンド毛糸」全体で一単語として認識できるからである。
さらに,被請求人自身が,乙第3号証中の「1.経緯」の部分において,「ダイヤ毛糸の手編糸は,『ダイヤモンド毛糸』のブランドで手芸店や編み物教室などを中心に多くのお客様に親しまれています。」,「今後も引き続き『ダイヤモンド毛糸』のお客様の要望に応えていくためには」と記載し,「ダイヤモンド毛糸」全体を括弧で括り,「ダイヤモンド(マルR)毛糸」や「ダイヤモンド(TM)毛糸」のように記載していない。ここから,被請求人及びダイヤ毛糸株式会社は,「ダイヤモンド毛糸」全体で一単語としての認識を持って,同語を使用しているとうかがえる。
これらのことからすれば,「ダイヤモンド毛糸」の商標は,その構成全体をもってのみ自他商品の識別標識として機能しているものであり,「ダイヤモンド」の部分が要部であるとは認められない。
そして,「ダイヤモンド毛糸」と「ダイヤモンド」とは,その称呼及び観念が全く異なっているため,標識としての性格や性質を異にしている。
したがって,「ダイヤモンド毛糸」と「ダイヤモンド」は,社会通念上同一の商標ではない。
(2)乙各号証の検討
ア 乙第1号証ないし乙第3号証
乙第1号証及び乙第2号証において,「ダイヤモンド」の記載は見出せない。
乙第3号証は,「手編糸事業の事業譲渡について」とのタイトルが付されたニュースリリースであり,「ダイヤモンド毛糸」の語がその文中に使用されているが,これが特定の商品との関係において,自他商品識別機能が発揮されている状態で使用されていないのは,明らかである。
したがって,乙第1号証ないし乙第3号証は,本件商標の使用の事実を裏付ける客観的な証拠とはなり得ない。
イ 乙第4号証について
乙第4号証は,本件商標に関する使用許諾契約書であり,その契約書の内容からすれば,請求人はダイヤ毛糸株式会社が被請求人の使用権者であること及び係る使用権が現在においても有効なものであることは否定しない。
ウ 乙第5号証の1及び2について
被請求人は,乙第5号証の1及び2は,「ダイヤ毛糸株式会社に係る2010年秋冬の製品カタログ(抄)の写し」であると主張しているが,乙第5号証の1及び2における「ダイヤモンド」の語の使用は,乙第5号証の2中の毛糸に付された「ダイヤモンド毛糸」の1箇所のみであり,「ダイヤモンド」が被服に付されている事実を見いだすことはできない。また,これらが2010年度秋冬向けに発行されたものであるかは不明である。
そして,乙第5号証の1及び2は,単なる内部資料として作成されたとも考えることができ,故に,これが商標法第2条第1項第8号にいう商品又は役務の「広告」や「取引書類」としての商品カタログであるということはできない。そして,これらが,カタログであったとしても,それは「毛糸」の商品に係るものであって,「被服」の商品に係る「広告」及び「取引書類」には当たらない。
上記のことからすれば,乙第5号証の1及び2は,「毛糸」に係る商品についての資料であるというべきであり,「被服」に係る商品について本件商標を使用していた事実を裏付ける客観的な証拠とはなり得ない。
エ 乙第5号証の3ないし6について
乙第5号証の3ないし6は,ダイヤ毛糸株式会社の発行に係る売上伝票及び請求書(控え)と称する資料であるが,そのいずれについても,被請求人が送付した取引者からの受領書や証明書もなく,また,取引先を示す部分も塗りつぶされている。
このような状況においては,取引が本当に存在していたこと自体が疑わしく,故に,これらが,実際に取引において使用されたものか否かが不明であるばかりか,本件商標登録の取消しを阻止するために作成された証拠であるとの疑念をも生じさせるものである。
加えて,乙第5号証の3ないし6の品名の欄に記載された「コローレV」や「マティースV」と乙第5号証の1及び2に掲載されている「コローレベスト」や「マティースベスト」とは,その品名において完全には一致していない。
上述のとおり,乙第5号証の1及び2において掲載されている「ベスト,マフラー,カーディガン,セーター,帽子,ショール,バッグ」は,当該「毛糸」の販売において使用される広告宣伝媒体程度にしか認識できないため,これらは,一般市場で流通に供されることを目的として生産され,又は,取り引きされる「商品」とは,客観的に認められないこと,及び,これら証拠の作成及び発行時期が不明であることを考え合わせると,かかる不一致は,当該「コローレV」や「マティースV」が,「コローレベスト」や「マティースベスト」を指し示していないという疑念を抱かせるためには,十分な差異である。
このような状況においては,乙第5号証の3ないし6の「品名」の欄に記載されている「S0-5281」や「S0-5471」と同一の番号が乙第5号証の1及び2に掲載されている「ベスト」に近接して表示されているとしても,このことのみをもって,ダイヤ毛糸株式会社により当該ベストが販売されたことが証明されているとはいえない。
したがって,乙第5号証の3ないし6は,いかなる商品についての資料なのかは特定することはできず,故に,これらは,「ベスト」に係る「取引書類」ということはできない。
よって,乙第5号証の3ないし6は,被請求人が本件審判の請求前3年以内に,「被服」について本件商標を使用していた事実を裏付ける客観的な証拠とはなり得ない。
オ 乙第6号証について
乙第6号証は,「ベスト」の全体写真及び当該「ベスト」のタグが付された首もと部分の写真であるが,これに掲載されている各写真の撮影時期は不明であることから,これらが本件審判の請求前3年以内に撮影されたものであるか否かは不明である。
そして,被請求人が提出した他の証拠において,当該写真中の「ベスト」が,本件審判の請求登録前3年の期間内に存在していた事実が客観的に証明されていないことも合わせると,乙第6号証の証拠としての客観性及び信頼性を,著しく欠いているものと言わざるを得ない。
加えて,首もと部分に付されているようなタグは,一朝一タにて作成及び貼付することが可能なものであることから,本件審判に合わせて急速作成・貼付した可能性も否定できない。また,乙第6号証以外の証拠において,当該タグが使用されている事実を示す証拠はない。したがって,かかるタグが乙第6号証に係る「ベスト」において,常に付されているか否かは不明であり,このような客観性及び信頼性のない証拠は,本件審判において考慮されるべきものではない。
以上のことから,乙第6号証における「ダイヤモンド毛糸」は,「ベスト」に係る商品について,自他商品の識別標識として使用されているものとは認められない。
よって,乙第6号証も,「被服」について本件商標を使用していた事実を裏付ける客観的な証拠とはなり得ない。
(3)結語
以上述べてきたように,被請求人によって提出された上記乙各号証によっては,本件商標の上記使用事実は何ら証明されていないから,その指定商品中第5類「失禁用おしめ」,第9類「事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服」,第10類「医療用手袋」,第16類「紙製幼児用おしめ」,第17類「絶縁手袋」,第20類「クッショッ,座布団,まくら,マットレス」,第21類「家事用手袋」,第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」,第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」については取り消されるべきである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は,本件審判は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求める,と答弁し,その理由を以下のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第6号証(枝番号を含む。)を提出した。
答弁の理由
1 本件商標の使用者について
被請求人は,衣料繊維の他,フィルム・機能樹脂,産業マテリアル等の製造・加工・販売や,プラント・機器の設計・制作・販売等を事業内容とする企業であるところ(乙1),国内において関連会社を30社以上有し,また,外国においても,中国,韓国,台湾のアジア圏の他,アメリカ,ブラジル等の各国において現地法人を有しており,これらの関連会社及び現地法人を総じて,いわゆる東洋紡グループを形成している(乙2)。
その中で,被請求人のいわゆる完全子会社の一として手編糸及び関連商品の販売を事業内容とするダイヤ毛糸株式会社があり,当該会社は,被請求人の使用権者として本件商標を使用してきたが,2010年6月に被請求人と資本提携のないダイヤ商事株式会社が新会社として設立され,2010年8月に,当該新会社は,完全子会社であるダイヤ毛糸株式会社の手編糸に関する事業及びオーダーニットに関する事業を承継したうえで,ダイヤ毛糸株式会社に名称(商号)を変更し,完全子会社であったダイヤ毛糸株式会社は,東洋紡DK株式会社にその名称(商号)を変更している(乙3,4)。
そして,新会社であるダイヤ毛糸株式会社が,手編糸に関する事業及びオーダーニットに関する事業を継続して行うにあたって,引き続き本件商標の使用が可能となるよう,被請求人が所有する本件商標に係る商標権について,両者間で,非独占的な商標使用許諾契約が取り交わされている(乙4)。
このように,現在においても,新会社であるダイヤ毛糸株式会社が,被請求人の使用権者であることは明らかであり,ダイヤ毛糸株式会社は,商標法第50条第1項及び第2項に定める通常使用権者に該当するものである。
2 本件商標の使用について
乙第5号証の1及び乙第5号証の2は,ダイヤ毛糸株式会社に係る2010年秋冬の製品カタログ(抄)の写しである。
また,乙第5号証の3ないし乙第5号証の6は,当該カタログに掲載の商品のうち,品番「S0-5281」に係る「マティースベスト」及び品番「S0-5471」に係る「コローレベスト」の商品について,実際に取引先に送付した売上伝票及び請求書(控)の写しである。
この製品カタログに掲載されている各該当商品に係る品番及び商品名と各売上伝票及び各請求書の品番及び品名とは,それぞれ一致していることが明らかであり,当該製品カタログ及び各売上伝票・請求書(控)から,通常使用権者であるダイヤ毛糸株式会社によって,本件審判請求の対象となっている指定商品「被服」に含まれる「ベスト」に係る商品が実際に販売されていることがわかる。
さらに,乙第6号証における「マティースベスト」や「コローレベスト」等の商品の実物写真において示されているように,各ベスト等の首もと部分のタグには,「ダイヤモンド毛糸」の文字が「ベスト」の商標として付されている。
この「ダイヤモンド毛糸」の商標について,「毛糸」の文字は,「ベスト」に係る商品の原材料や品質等を表示するにすぎないことから,「ダイヤモンド」の文字部分が,商標としての要部に該当するものである。
しかるに,「ダイヤモンド毛糸」と「ダイヤモンド」の片仮名からなる本件商標とは,たとえ同一の商標でないにしても,社会通念上同一と認められる商標であるといえる。
このように,実際の商品におけるタグにより,「ベスト」に係る商品について,「ダイヤモンド毛糸」の文字からなる本件商標と社会通念上同一と認められる商標が使用されていることがわかる。
加えて,先の各売上伝票及び請求書(控)の発行日付においても,「品番S0-5281」に係る「マティースベスト」について,売上伝票が平成22(2010)年8月20日,請求書(控)が平成22(2010)年9月16日であり,また,品番「S0-5471」に係る「コローレベスト」について,売上伝票が平成22(2010)年8月20日,請求書(控)が平成22(2010)年8月23日である。
そうすると,「マティースベスト」及び「コローレベスト」について,本件審判請求の登録日である平成23年12月15日前3年以内に販売がなされていたことがわかる。
3 むすび
以上のように,本件審判の被請求人の通常使用権者であるダイヤ毛糸株式会社が,本件審判の請求に係る指定商品のうち「被服」に含まれる「ベスト」について,本件商標と社会通念上同一の商標を審判請求の登録日前3年の間に日本国内で使用している事実が明らかにされたことから,本件審判の請求は成り立たない。

第4 当審の判断
1 被請求人は,本件商標をその指定商品中の第25類「被服」に含まれる「ベスト」について使用しているとして,乙第1号証ないし乙第6号証を提出しているので,当該乙各号証をみると,以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証ないし乙第3号証は,被請求人に係るウェブサイトの各ウェブページであり,また,乙第4号証は,被請求人とダイヤ毛糸株式会社との間で締結された本件商標の「商標使用許諾契約書」(写)であるところ,乙第4号証には,被請求人とダイヤ毛糸株式会社の間において,2010年8月9日から2013年8月8日までを契約期間とする本件商標についての通常使用権の許諾契約が締結された旨が記載されている。
また,乙第3号証には,「手編糸事業の事業譲渡について」として,「2010年8月9日に被請求人の完全子会社であるダイヤ毛糸株式会社の手編糸事業などを別会社に譲渡する予定である」旨の記載,その「1.経緯」の項に,「ダイヤ毛糸の手編糸は,『ダイヤモンド毛糸』のブランドで手芸店や編み物教室などを中心に多くのお客さまに親しまれています。」との記載がある。
(2)乙第5号証の1及び2は,「2010年秋冬製品カタログ写し」とするものであり,これらには,「S0-5471 コローレベスト」及び「S0-5281 マティースベスト」と記載されたニット製ベストや「ダイヤモンド毛糸」の文字が記載されたラベルを付した毛糸が掲載されている。
また,乙第6号証は,商品写真とするものであり,これには,前記の「S0-5471 コローレベスト」及び「S0-5281 マティースベスト」と商品番号とデザインが一致するニット製ベストが写され,そのいずれの製品にも,別掲2のとおりの使用商標を表示した襟ネームが付されている。
(3)乙第5号証の3ないし6は,ダイヤ毛糸株式会社発行の22年8月20日付けの「売上伝票」2枚と,22年8月23日付け及び同年9月16日付けの「請求書(控)」であるところ,これらの商品欄には,「S0-5471 コローレV」及び「S0-5281 マティースV」と記載され,また,これらの伝票の右肩には,前記襟ネームに表示されたものと同じ標章(使用商標)が表示されている。
2 上記において認定した事実によれば,被請求人の通常使用権者であるダイヤ毛糸株式会社は,使用商標を付したニット製ベストを22年8月20日ころ顧客に販売したことを推認することができる。
しかしながら,乙第5号証1ないし6及び乙第6号証をもってしては,ダイヤ毛糸株式会社が,本件審判についての要証期間内に,本件商標あるいは本件商標と社会通念上同一と認められる商標を「ベスト」について使用していたものとは認められない。
すなわち,乙第5号証1ないし6及び乙第6号証に表示された使用商標は,別掲2のとおり,「半月状にかたどった人間の顔」の図形と「ダイヤモンド毛糸」の文字からなるところ,その図形と文字は,意味上のつながりもなく,視覚上も分離して看取し得るものであることから,「ダイヤモンド毛糸」の文字部分が独立して自他商品識別機能を発揮し得るものと認められる。
そして,この「ダイヤモンド毛糸」の文字部分は,各文字が同書,同大,等間隔にまとまりよく一体的に構成されており,また,全体から生ずる「ダイヤモンドケイト」の称呼も格別冗長なものとはいえず,無理なく一連に称呼し得るものであることから,これに接する需要者に一体のものとして認識・把握されるものとみるのが自然である。
これに対し,被請求人は,「『ダイヤモンド毛糸』の表示中の「毛糸」の文字は,商品の原材料や品質等を表示するにすぎないから,『ダイヤモンド』の文字部分が商標としての要部に該当する」旨主張するが,たとえ,「毛糸」がニット製ベストの原材料を表示するものであるとしても,前記のとおり,一体的に表された「ダイヤモンド毛糸」の構成にあっては,これに接する需要者が「ダイヤモンド」の部分のみを抽出して,商品の識別標識として認識するとみるのは不自然である。
また,前記1(1)のとおり,被請求人自身も手芸糸との関係においてすら「ダイヤモンド毛糸」を一体のブランドとして認識しているのであるから,被請求人の主張は,到底採用することはできない。
そうすると,使用商標の構成中の「ダイヤモンド毛糸」の文字部分と「ダイヤモンド」のみからなる本件商標とは,「毛糸」の文字の有無により,その外観,称呼及び観念のいずれもが異なることになり,両者を同一の商標とはいえず,かつ,社会通念上同一と認められる商標ともいえない。
そして,被請求人は,乙第5号証1ないし6及び乙第6号証のほかに,乙
第1号証ないし乙第4号証を提出しているが,これらの中に本件商標あるいは本件商標と社会通念上同一と認識し得る商標が取消請求に係る指定商品について使用されていたものと認めるに足る証拠は存在しない。
3 むすび
以上のとおり,被請求人の答弁の全趣旨及び乙各号証を総合的に判断しても,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,商標権者,専用使用権者,通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについて,本件商標(本件商標と社会通念上同一と認められる商標を含む)の使用をしていた事実を証明したものとは認められない。
したがって,商標法第50条の規定により,本件商標の登録を取り消すべきものとする。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1
本件商標




別掲2
使用商標


審理終結日 2012-07-09 
結審通知日 2012-07-11 
審決日 2012-07-26 
出願番号 商願平3-22600 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (105091016172125)
最終処分 成立 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 小川 きみえ
鈴木 修
登録日 1994-05-31 
登録番号 商標登録第2667630号(T2667630) 
商標の称呼 ダイヤモンド、ダイアモンド 
代理人 加藤 ちあき 
代理人 田中 伸一郎 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 辻居 幸一 
代理人 特許業務法人三枝国際特許事務所 
代理人 藤倉 大作 
代理人 中村 稔 
代理人 松尾 和子 
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