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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201119200 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 X17
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 X17
管理番号 1262986 
審判番号 不服2011-21460 
総通号数 154 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-10-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-10-04 
確定日 2012-09-14 
事件の表示 商願2010-84143拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「カッティングシート」の文字を標準文字で表してなり、第16類、第17類、第19類、第28類、第35類、第41類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成22年10月28日に登録出願、その後、指定商品及び指定役務については、原審における同23年3月7日付け手続補正書及び審判請求と同日付手続補正書により、最終的に、第17類「アルミを蒸着してなるプラスチックス(ポリエステル)フィルム,接着剤を塗布したプラスチックシート」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、『カッティングシート』の文字を標準文字で表示してなるところ、該文字は、指定商品との関係において、『文字やデザインなどを転写しカットして貼り付けるために用いる塩化ビニール製の粘着のりの付いた薄いシート』等を指し示す語として広く用いられているばかりか、そうした商品も販売され、またそうしたシートに文字等を転写する業務を行うメーカーも多数見うけられることから、本願商標をその指定商品中の該文字に照応する商品に使用するときには、これに接する取引者・需要者は、その商品が『文字やデザインなどを転写しカットして貼り付けるために用いる塩化ビニール製の粘着のりの付いた薄いシートであること』等の意味合いを表示したものと理解するにすぎず、本願商標は、単に商品の品質を表したものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
当審において請求人が提出した証拠方法(参考資料)及び職権による調査から、以下の事実が認められる。
本願の指定商品を取り扱う業界において、裏面にのりのついた合成樹脂(塩化ビニールなど)のシートであって、これから文字、ロゴ、イラストを切り抜いてサイン(看板)、装飾などに用いるビニールシートについて、「マーキングフィルム」、「マーキングシート」などの語が使用され、各メーカーは、それぞれの商標(商品名)で事業を行っている(別掲1、別掲2(1)(2)及び参考資料98?102)。
また、請求人は、短期内部装飾用粘着フィルムの市場において、平成11年の月平均のシェアとして64.5%を占めている(参考資料49)。そして、屋内用マーキングフィルムの市場において、2000年に市場占有率が70%(参考資料36、別掲2(3))、あるいは2000年から2006年にかけての市場占有率が55?42%以上であること、「カッティングシート」は請求人が1961年に屋内用マーキングフィルムとして開発したこと(審決注:請求人は、平成24年4月30日付け上申書において、「カッティングシート」の開発は1961年、それが世に出たのは1966年と主張している。)及び「カッティングシート」が請求人の登録商標である旨の記載がある(参考資料37?39)。
さらに、インテリアの装飾を内容とする書籍に「カッティングシート」は、請求人の登録商標である旨の記載がある(参考資料353)。
加えて、小売店における商品の販売の態様については、ロール状のシートの陳列台と「カッティングシート」、「中川ケミカル」ないし登録商標を示すものと思われる表示(ローマ字の「R」に円輪郭を付したもの)を付して販売をしている(参考資料88、89)。
なお、原審の引用するインターネット情報は、現時点において「カッティングシート」は、請求人の登録商標である旨の記載がされ(拒絶理由通知(※1(1)(2)(6)(7))ており、また、「[当店で使用しているマーキングフィルムについて]」との記載があるもの(前出※1(6))や「カッティングシート」はブランドの一である旨の記載があるもの(拒絶理由通知(※1(3))がある上に「カッティングシート」の文字が見当たらないもの(拒絶理由通知(※1(4))もある。
以上からすると、「カッティングシート」が原審説示のごとき意味合いを有する語として表示された事例があるとしても、前記のとおり認定した事実を総合考慮すれば、本願商標「カッティングシート」は、その指定商品について自他商品の識別機能を果たしうるものであるというのが相当であり、また、請求人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるということもできない。
してみれば、これをその指定商品について使用しても、商品の品質を直接的に表示するものとはいえず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、これをその指定商品中いずれの商品に使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれもないというべきである。
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取り消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(職権により調査したインターネット情報)
(1)リンテックサインシステム株式会社
リンテックサインシステム株式会社のインターネットウェブサイト(http://www.sign-japan.com/)には、「製品情報」として「屋外用マーキングフィルム」の項目に「タックペイントは耐候性に優れ、大きな3次元曲面への施工も容易です。アクリル系特殊素材を用いた環境配慮型のエコパレットタックペイントもラインアップ。」との記載、「屋内用マーキングフィルム」の項目に「エコパレットハルカラーは環境対応型の屋内用マーキングフィルムです。」との記載がある。
(2)住友スリーエム株式会社
住友スリーエムのインターネットウェブサイト(http://www.mmm.co.jp/cg/lineup/index.html)には、「コマーシャルグラフィックス製品」、「製品ラインアップ」に「スコッチカル」等の商品の記載があり、例えば「XLシリーズ」の説明中には、「3MスコッチカルフィルムXLシリーズ」と「3Mスコッチカルセルフクリーニングフィルム」、「一般のマーキングフィルム」の汚れの付着度合いおよび清掃による汚染回復性の比較概念図が掲載されている(http://www.mmm.co.jp/cg/lineup/scotchcal/xlseries.html)。
(3)日本カーバイド工業株式会社
日本カーバイド工業株式会社のインターネットウェブサイト(http://www.carbide.co.jp/jp/functional_film/marking_films/)には、「マーキングビジネスユニット」に「街を彩る屋外広告や行き交う車両のボディデザイン。これこそ『貼る塗料』といわれるマーキングフイルムです。」の見出しのもと「看板などに使われる装飾用カラー塩ビフィルムで、豊富なカラーと優れた耐候性が特徴です。内照式看板などに使われるカラー透明フィルムや半透明フィルムは光源により鮮やかに浮かび上がり、昼夜問わず、カラフルに演出します。さらに、蛍光色フィルムや金属調フィルム、また耐熱性、耐汚染性、耐薬品性といった『超耐候性』を誇るフッ素系フィルム等、用途、目的に応じた特徴あるフィルムを製造しております。」との記載、「製品案内」として「マーキングフィルム(ハイエスペイント)」の記載及び「●装飾用カラーフィルム(隠蔽タイプ)」について「店舗、屋外看板等に使われる装飾用カラーフィルム(隠蔽タイプ)になります。屋外耐候性、施工性に優れたマーキングフィルムです。」との記載がある(http://www.carbide.co.jp/jp/product/opaque_film/)。
(4)桜井株式会社
桜井株式会社のインターネットウェブサイト(http://www.sakurai.co.jp/products/display/sg_film/index.html)には、「サイン粘着フィルム広告材料」の項目に「粘着フィルムから(マーキングフィルム)」照明機器まで、様々なサイン広告材料を取り揃えています。」との記載があり、「サイン粘着フィルム」の項目に「寸法安定性・屋外耐候性に優れたマーキングフィルム「Viewcal(ビューカル)」を始め、短期用途向きの「ラッキーカラーシート」など各種フィルムがあります。」との記載がある。
(5)ニチエ株式会社
ニチエ株式会社のインターネットウェブサイト(http://www.nitie.co.jp/product/index.html)には、「ニチエ株式会社はリベルタ・ニチエカルなどのマーキングフィルム、インクジェットメディアをはじめとするサイングラフィックをサポートしています。」との記載、「製品情報」として「リベルタカラーリングシート」に「豊富なカラーバリエーション高品質・低価格を実現したマーキングフィルム」との記載、「ニチエカル00シリーズ」に「屋内用マーキングフィルム」との記載などがある。
(6)光洋産業株式会社
光洋産業株式会社のインターネットウェブサイト(www.koyoweb.com/products/display/sheet/sheet.html)には、「製品紹介」「製品一覧」「ディスプレイ材」として「マーキングフィルム」の項目があり、「屋内用展示・装飾用粘着シート『デコシート』」などが掲載されている。
(7)トーヨーケム株式会社
トーヨーケム株式会社のインターネットウェブサイト(http://www.toyo-chem.com/ja/products/coatingmaterial/mkfilm/index.html)には、「製品情報」「塗工材料」に「屋外用マーキングフィルム」の項目があり、「マーキングフィルムとは」として「貼る塗料と言われ、塗料の代わりに貼る作業によって屋外看板を作るための看板材料です。主に塩ビを素材としており、屋外での褪色が少なく/伸縮性に優れ、施工性も良好という利点があります。カッティングプロッターによりカットを行い、切り文字などを制作し、アクリル・金属・ガラスなどに貼ることにより屋外標示物を作ることが可能です。・・・」との記載がある。
(8)東北藤光株式会社
東北藤光株式会社のインターネットウェブサイト(http://www.t-tohkoh.co.jp/pages/sign.html)には、「看板材料取扱い商品一覧」として「マーキングフィルム」について、各メーカーとその商品名の記載がある。
(9)株式会社ソフテック
株式会社ソフテックのインターネットウェブサイト(http://www.sumibe.co.jp/softec/products/lineup.html)には、製品情報として「主な取扱メーカーと商品名」があるところ、「マーキング/ガラス/内装用フイルム」に、請求人の商品(名)として「カッティングシート」などが挙げられ、住友スリーエム株式会社の商品(名)として「スコッチカル」など、リンテックサインシステム株式会社の商品(名)として「ハルカラー」など、東洋インキ製造株式会社の商品(名)として「ダイナカル」など、桜井株式会社の商品(名)として「ビューカル」が記載されている。
(10)西部樹脂株式会社
西部樹脂株式会社のインターネットウェブサイト(http://www.seibujyushi.co.jp/contents/products/catego_03.html)には、「サイン&ディスプレイ」中に「マーキングシート」として、請求人の商品として「カッティングシート」など、(株)桜井の商品として「ビューカル880シリーズ」など、東洋インキ製造(株)の商品として「ダイナカル」、日本カーバイド工業(株)の商品として「ハルカラー」、住友3Mの商品として「スコッチカル」などが挙げられている。
(11)有限会社カインド
有限会社カインドのインターネットウェブサイト(http://www.sign-kind.com/film/index.html)には、「粘着フイルムについて」の項目に「粘着フイルムとは」として「一般的に塩ビに顔料を練りこんだものに粘着剤を塗布したもの」との記載があり、「粘着シートの種類」として「短期・中期ディスプレイ用(カッティングシート、ハルカラー等)」、「屋外耐侯性5年以上長期装飾用シート (タフカル/NOCS、スコッチカル等)」、「飛散防止、日照調整、省エネルギーフイルム (スコッチティント、ルミクール等)」、「高意匠性フイルム (ダイノック、ベルビアン等)」、「機能性フイルム (フォグラス、ファサラ等)」の項目のもと、その用途の説明の記載がある。
(12)中村商事株式会社
中村商事株式会社のインターネットウェブサイト(http://www.naka-sho.com/products/index.html)には、「製品紹介 看板材料のご紹介」に「屋外用マーキングフィルム」、「屋内用マーキングフィルム」の記載とともに各メーカーの商品名の記載がある。
(13)株式会社キヌガワ
株式会社キヌガワのインターネットウェブサイト(http://www.kinugawa.com/syou/index.html)には、「商品一覧」、「6,マーキングフィルム」の項目に、各メーカーとその商品名の記載がある。
(14)西田塗料株式会社
西田塗料株式会社のインターネットウェブサイト(http://www.kinugawa.com/syou/index.html)には、「取扱商品」「粘着シート・マーキング」として「■マーキングフィルム」中に「屋外用シート」、「屋内用シート」等の項目があり、各メーカーとその商品名の記載がある。
(15)看板資材総合卸・小売の株式会社サンセイ
株式会社サンセイのインターネットウェブサイト(http://www4.ocn.ne.jp/~sansei/shouhin.html)には、「商品情報」として「各種マーキングフィルム」の項目があり、各メーカーとその商品名の記載がある。
(16)プラシート綜合商社 株式会社サガラ
株式会社サガラのインターネットウェブサイト(http://kk-sagara.com/)には、「当社取扱品」に「マーキングフィルム」「インクジェットメディア」の項目があり、各メーカーの記載がある。
(17)緑川化成工業株式会社
緑川化成工業株式会社のインターネットウェブサイト( http://www.midorikawa.co.jp/product/product_marking.htm)には、「製品紹介」「取扱製品情報」「マーキングフィルム」として「マーキングフィルムとは...装飾サインとして使われている、粘着剤付きのフィルム材です。耐候年数が5年以上の商品もあり、看板やサイン製作の定番材料です。素材は塩ビフィルムが多く使用されますが、オレフィンフィルムも一部使用されています。」との記載があり、各メーカーの商品情報の記載がある。
(18)湘南広告資材株式会社
湘南広告資材株式会社のインターネットウェブサイト(http://shonan-koukoku.com/)には、「取り扱い商品・メーカー」に「マーキングシート」の項目があり、メーカー名の記載がある。
(19)株式会社オダギリ
株式会社オダギリのインターネットウェブサイト(http://www.odagiri.co.jp/contents/2goods.htm)には、「取扱商品」として「マーキングフィルム他」の項目があり、メーカー名とその商品名の記載がある。
(20)株式会社三共紙店
株式会社三共紙店のインターネットウェブサイト(http://www.sankyokamiten.co.jp/prdact_other.html)には、「取扱商品・取扱メーカー」として「取扱品目」に「マーキングフィルム」、「取り扱いメーカー(順不同)」に「マーキングフィルム」の項目に、各メーカーとその商品名の記載がある。
(21)細田塗料株式会社
細田塗料株式会社のインターネットウェブサイト(http://p-hosoda.com/goods.html)には、「取り扱い商品一覧」として「<商品一覧>」に「マーキングフィルム」があり、それに対応する各社の商品名の記載がある。
(22)サインウェブの広告看板・展示・サインマテリアルの総合カタログ
サインウェブの総合カタログ「SignWeb/サインウェブNo.5」(http://www.signweb.jp/)には、「マーキングフィルム」が1?14ページに取り上げられ、9ページには「その他 取り扱い商品」として「◎マーキングフィルム各種取り扱いございます。お気軽にお問い合わせ下さい。」との記載及び各メーカーとその商品名の記載がある。
(23)イルミネーション&オリジナルステッカー販売 Team-Santa チーム・サンタ
チーム・サンタのインターネットウェブサイト(http://shopping.hobidas.com/shop/team-santa/item/ST039.html)には、「☆イーグル Type01 ステッカー 基本カラー」の紹介として「◎マーキングフィルムで作った切り文字ステッカー 車、バイク、サーフボード、スノーボード、トイレのフタ、ゴミ箱 携帯等 色んなモノに貼って、自分だけのオリジナルアイテムに!!」との記載がある。
(24)週末工房.com
週末工房.comのインターネットウェブサイト(http://syuumatsukoubou.com/cutingstickertoha.html)には、「■カッティング ステッカー 切り文字について」の項目に「●カッティングステッカーとは?」の説明に「カッティングステッカーとは主に塩ビ系のマーキングフィルムからカッティングプロッターという機械で文字やマーク、イラスト等を切り出して作った、文字やマーク、イラストのみが残るタイプの『切り文字』とも言われるステッカーです。」との記載がある。
(25)株式会社ヤマヒラ
株式会社ヤマヒラのインターネットウェブサイト(http://www.yamahira.com/products/index.html)には、「製品情報」として「マーキングフィルム」の項目があり、商品名の記載と「マーキングフィルムは切り文字・看板・車のラッピング等多様種にわたり使用することが出来ます。ウインドーディスプレーの装飾にもご活用下さい。」との記載がある。
(26)協和化成株式会社
協和化成株式会社のインターネットウェブサイト(http://www.kyowakasei.com/film.html)には、「商品案内」中「マーキングフィルム」に各メーカーとその商品情報が記載されている。
(27)mskT.COM
mskT.COMのインターネットウェブサイト(http://www.mskt.com/cutting.shtml)には、「カッティングステッカー」の項目に「カッティングステッカー(切り文字)とは、一般にマーキングフィルムと呼ばれる色の付いたステッカーをデザイン通りに切り抜いて作るステッカーのことです。切り絵を思い浮かべていただければ分かり易いと思います。ステッカーの色はマーキングフィルムの色(単色のみ)です。印刷ではなく物理的にカッターで切るので、複雑な模様や細かい文字は作れない場合があります。」との記載がある。
(28)プリント加工サービスのプリンテック
プリンテックのインターネットウェブサイト(http://print-mark.com/cutting/)には、「切り文字」として「窓面などに最適、切り文字加工」の見出しで「文字やロゴなどのデータから直接、マーキングフィルムをカットします。金・銀・蛍光色などの豊富なマテリアルを揃えております。」との記載がある。
(29)サインショッパーズ
サインショッパーズのインターネットウェブサイト(http://sign-shoppers.com/bigprint/cutname/)には、「切り文字」として「カッティング(切り文字)」の見出しで「文字やロゴなどのデータから直接、マーキングフィルムをカットします。金・銀・蛍光色などの豊富なマテリアルを揃えております。」との記載がある。
(30)セルカムオンライン
セルカムオンラインのインターネットウェブサイト(http://www.selcam.co.jp/marking.html)では、「取扱資材」の項目に「マーキングフィルム」があり、各メーカーとその商品が紹介されている。
(31)美究株式会社
美究株式会社のインターネットウェブサイト(http://www.bikyu.com/gaiyou.html)には、「会社概要」中「業務内容」として「塩ビ・ポリエステル等マーキングフィルム販売代理店(看板・ウィンドー・車等の表面材料)」との記載があり、「取扱商品」として、各社の商品名が記載されている。

別掲2(職権により調査した新聞記事)
(1)1990年9月17日化学工業日報6、7頁
「マーキングフィルム、空間の色彩を演出(企画記事)」との見出しのもと「マーキングフィルム市場が順調に成長している。二輪、四輪のストライプ、エンブレムなど自動車用途の伸び率は頭打ちの状態にあるものの、折りからのCIブームによって、看板、公告塔、フリートマーキングなどの分野が、年率20‐30%の実績増を継いでいるためだ。市場の拡大とともに、ここ数年、新規参入が相次いでおり、メーカー数は合計20社を超える。競合激化の様相を呈するなか、一部に撤退する企業が出てきているのも事実であるが、マーキングフィルムに対する認識は着実に高まっており、市場ポテンシャルは高い。従来の基本構造やコンセプトの枠を広げ、様々な機能性を付与したフィルム製品が開発・上市されてきており、応用領域の拡大に拍車をかけている。マーキングフィルムは、米国スリーエム社によって開発されたもので、住友スリーエムを通じわが国で実際に販売されるようになってから数えても、すでに30年以上の歴史を持つ。当初は二輪や四輪のボディーストライプ、エンブレムなど自動車用途での採用が中心であったが、その特性、機能性が認知されるに従い、ここ数年、自動車以外の用途実績が急速に伸びている。火付け役となったのは、銀行や大企業などを中心に3、4年前から活発化しているCIブーム。CI活動にともなう企業の看板、広告塔、さらにトラックや商用車の会社ロゴやマークなどフリートマーキングと呼ばれる分野に、本格採用が始まった。・・・ところで、マーキングフィルムの基本構成要素は30‐50ミクロンの特殊塩ビフィルムと顔料、粘着剤の3つ。最近ではフッ素系フィルムをベースにした商品の開発・上市が活発化するなど、素材面の多様化が進んできている。マーキングフィルムを耐久性で分類すると1‐3年、5‐7年、10年以上の3つに分けられるが、フッ素系は10年を超える分野をカバーする素材ということができる。当然、コストは高いが、耐候性、耐汚染性などに優れた特徴を生かす用途開発に期待がかかる。・・・以下、主要メーカーの動向をさぐってみよう。
<住友スリーエム>
シェア筆頭は先発の強みを発揮する住友スリーエム。屋外看板用の「スコッチカル」、車両マーキング用の「コントロールタック」は最もポピュラーなブランドとして知られている。・・・
<日本カーバイド>
・・・直販は特殊製品を軸に展開しており、商品名は「ハイエスカル」シリーズ。そのひとつ「同CM」はコンピューターカッティングマシン専用のフィルム。カッティングの際のカストリ作業が、従来の3分の1‐10分の1に短縮されている。また、「同FT」は位置決め性に優れる圧着タイプで、温度変化にかかわらず四季を通じてスムーズな接着が可能となっている。
新たに戦列に加えたグレードも多数ある。フッ素フィルムをベースにした「同F」シリーズは高機能製品として本年から用途展開が本格化。このほか6月には、電飾用半透明タイプの「同6000」シリーズ、相前後して金、銀などの蒸着タイプ「同メタルフェイス」、表面に幾何学模様を施した「同ジュエル」などと続く。・・・
<リンテック>
4月に正式発足したリンテックは、マーキングフィルム業界の上位2社FSKと創研化工、および特殊紙・加工紙を手掛ける四国製紙の3社合弁。旧FSKのマーキングフィルム「フジペイント」、旧創研化工の「ファスカル」は、当面並行展開していく。・・・
<中川ケミカル>
専業の中川ケミカルは、アッセンブリーメーカーからOEM供給を受けて展開する形をとっているが、商品の多くは同社独自のコンセプトを盛り込んだものとなっている。屋外用の「タフカル」で確固たるシェアを築いているほか、室内用の「カッティングシート」では、8割を超えるシェアを自負。同社製品の在庫を持って販売する販売店は約2300店を数える。全国に張りめぐらされた販売ネットワークによる極め細かなユーザーニーズが信条。
<東亜ペイント>
・・・同社の商品名は屋外用「トアカルタック」、室内用「カラーシート」。窓ガラス飛散防止用の「ガラスメイト」シリーズなども好評だ。・・・
<大日本インキ化学>
・・・屋外用「ダイタックMシリーズ」は、同社のインキ、樹脂、化成品事業部が培ってきた技術を集大成した高品質が売りもので、しかもビジュアルな成果をともなうだけに、その展開にはいきおい力が入る。・・・
<関西ペイント>
・・・同社「ファンタック」シリーズはまさに特殊機能フィルムの宝庫。・・・
<積水化学>
積水化学工業は原料からの一貫製造で、屋外用「タックペイント」、室内用「ハルカラー」を展開しているほか、独自のコンピューターカッティングシステムを並行展開するなど、よりトータルな戦略を押し進めている。・・・
<日本ペイント>
日本ペイントは積水化学からOM供給を受け屋外用「ニッペタックペイント」、室内用「ニッペハルカラー」を販売している。・・・
<東洋インキ製造>
・・・屋外用に特化した品揃えで、商品名は耐久性5‐7年の「ダイナカル」シリーズ、3年の「ダイナシート」に大別される。・・・なお、ダイナカルシリーズには透明タイプの「ダイナサイン」もラインアップされている。」との記載がある。
(2)1987年1月28日化学工業日報 6頁、7頁
「マーキングフィルム、手軽にワンタッチ “貼る塗料”(企画記事)」との見出しのもと「東京の国電山手線に登場した新しい車両のボディー中央の黄緑色のストライプが、塗ったのではなく、フィルムを貼ったものだということを知っていますか。これがここ数年”貼る塗料”のキャッチフレーズで注目を集めているマーキングフィルム。人間がいちいち塗るのではなく、着色された塩化ビニルフィルム(シート)の裏に粘着剤を塗ったものを貼るわけだが、統一した色調で、同じ図柄のものを大量に生産できるというメリットがある。しかし従来のペンキ塗料に比べ、五‐七年間は変色しないなど耐候性の点でも優れ、トータルコストを考えると経済性の点でも利点が多い。商品としては最先発の米国スリーエム(3M)で三十年以上の歴史というから、けっして新しい商品ではないが、最近CI(コーポレートアイデンティティー)ブームが引き金となって、その表現素材として商用車のマークや屋外看板など用途が広がってきているもの。これにともない、新規参入する企業も急増している。世界的に圧倒的シェアを持つ3Mに対抗する、国産品は十五年近く前に開発され、着実に用途開発が進められてきたが、昨年から化学メーカー、塗料メーカー、樹脂加工メーカーなどが相次いで名乗りを上げ、販売競争が一気に過熱の様相をみせてきた。それぞれ独自の販売戦略で臨んでいるが、成長商品といわれる一方で、自動車向けを中心にカゲリを指摘する向きもあり、今後の市場動向に関心が集まっている。・・・このほか中川ケミカルの「タフカル」(室外用)、「カッティング・シート」(室内用)、倉本産業の「セブンタック」、倉研化工の「ファスカル」、FSKの「フジペイント」、モダンプラスチック工業の「モディカル」などの各メーカーも独自の展開でシェア拡大を図っている。なかでも中川ケミカルは、再はく離タイプを業界に先駆け上市、同タイプでは現在も八〇%近いシェアを持っている。普通のマーキングフィルムは、五‐七年間の品質保証をうたっているぐらいだから、一度貼るとはがすことができない。しかし用途によっては、季節によって新しいものに取り換えたいというニーズもあることから、フィルムの材質、粘着剤を変えることによって、再はく離できるタイプを開発、”ウィンドタイプ”として上市しているもの。先発の強味で他社を大きくリードする地盤を確立している。・・・」との記載がある。
(3)2000年7月17日付け日経産業新聞25ページ
「パシフィックデザイン栗坂秀夫氏??カッティングシート(市場トレンド私はこう読む)」との見出しのもと「中川ケミカル(東京・中央・・・)は装飾用色彩シートをはじめとする各種粘着フィルムの製造販売会社。すでに六十年を超える歴史を有しており、「カッティングシート」の商標で知られる屋内用のシートでは国内市場の七〇%を占めている。・・・」との記載がある。

審決日 2012-09-03 
出願番号 商願2010-84143(T2010-84143) 
審決分類 T 1 8・ 13- WY (X17)
T 1 8・ 272- WY (X17)
最終処分 成立  
前審関与審査官 鈴木 斎 
特許庁審判長 水茎 弥
特許庁審判官 前山 るり子
内田 直樹
商標の称呼 カッティングシート、カッティング 
代理人 内野 雅子 
代理人 内野 春喜 

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