ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 X0740 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 X0740 |
---|---|
管理番号 | 1262975 |
審判番号 | 不服2011-18932 |
総通号数 | 154 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2012-10-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-09-01 |
確定日 | 2012-09-12 |
事件の表示 | 商願2009-77881拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「シースルー加工」の文字を書してなり、第7類及び第40類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成21年10月14日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品及び指定役務については、当審における平成23年9月1日付け及び平成24年8月22日付けの手続補正書により、最終的に、第7類「ブラストクリーニング用機械器具並びにその部品及び附属品,ブラストクリーニング用機械器具用バルブ,製材用・木工用又は合板用の機械器具,石材加工機械器具」及び第40類「金属の表面へのサンドブラスト加工,ショットピーニングによる金属の表面処理加工,金属板の表面の研磨・研削又はショットブラストによる模様形成を主とする金属板の表面処理加工,金属の表面処理加工,金属の切削加工,金属の研磨・その他の金属の加工処理並びに仕上げ加工,金属・金属材料・金属機械部品の熱処理加工・表面処理加工,電気めっき,フライス削り,焼きなまし,焼き戻し,溶融めっき,金属製品の金属再生処理(廃棄物の再生を除く),金属の加工,セラミックの表面へのサンドブラスト加工,木材の表面処理加工・その他の木材の加工処理並びに仕上げ加工,木材の加工,木材の表面へのサンドブラスト加工,石材の表面へのサンドブラスト加工,石材の加工,コンクリートの表面へのサンドブラスト加工」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、『シースルー加工』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、『シースルー』の文字は、『透けて見えること』といった意味を表す語として広く親しまれているところ、本願指定商品・指定役務を取り扱う業界(特に、ガラス等に関連する製品を取り扱う業界)においては、透けて見える製品のことを『シースルー』の文字をもって表すことが普通に行われている実情からすれば、本願商標は、『透けて見えるように加工すること』ほどの意味合いを容易に認識させ、これを本願指定商品・指定役務中、ガラス等に関連する商品又はそれに係る役務に使用しても、『透けるように加工された商品』又は『透けて見えるように加工する役務』であることを理解させるにとどまるというのが相当であるから、本願商標は単にその商品の品質、役務の質を表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品・役務以外の『ガラス器製造機械,ガラス加工機械器具,半導体製造装置』又は『ゴム・合成樹脂の表面へのサンドブラスト加工,合成樹脂の表面処理加工・その他の合成樹脂の加工処理並びに仕上げ加工,プラスチック製転写シートの加工処理,合成樹脂シート・合成樹脂フィルムの加工処理,ゴムの加工,プラスチックの加工,紙の加工,紙製転写シートの加工処理,紙の表面へのサンドブラスト加工,ガラスの表面処理加工・その他のガラスの加工処理並びに仕上げ加工,コンクリート・ガラスの表面へのサンドブラスト加工』に使用するときは、商品の品質、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審において通知した審尋 請求人に対して、平成24年6月7日付けで通知した審尋の内容は、別掲のとおりである。 4 当審の判断 本願は、その指定商品及び指定役務について、前記1のとおり補正された結果、その指定商品及び指定役務について使用しても、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を十分に果たし、かつ、商品の品質及び役務の質の誤認を生じさせるおそれはないと認められるものになった。 したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定の理由は解消した。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 平成24年6月7日付け審尋の要旨 本願は、原審における平成22年3月11日付けの拒絶理由において、「本願商標は、『透けて見えるように加工すること』ほどの意味合いを容易に認識させ、これをその指定商品・指定役務中、ガラス・半導体・合成樹脂・紙等に関連する商品又はそれに係る役務に使用しても、『透けて見えるように加工された商品』であること、又は、『透けて見えるように加工する役務』であることを理解させるにとどまるのが相当であるから、本願商標は単にその商品の品質又は役務の質を表示するにすぎない。」旨の理由により、拒絶されたものである。 そこで、当審において審理したところ、請求人は、当審における平成23年9月1日付けの手続補正書において、本願の指定商品及び指定役務の補正を行ったものであるが、いまだ、該指定役務中には、以下のように、「透けて見えるように加工する役務」が存在することから、拒絶の理由は解消をしておらず、商標登録を認めることはできないと判断するものである。 ただし、本願指定役務中、「セラミックの加工」を削除した場合は、この限りではない。 【セラミック(セラミックス)を透明にする加工を行っている事例について】 (1)「JST、ナノ量子細線の束導入で導電性超高温透明セラミックス開発に成功」の見出しの下、「科学技術振興事業団(JST)の「セラミックスの超微細秩序構造と機能発現」(研究代表・幾原雄一東大教授)研究グループは、セラミックスの結晶にナノ量子細線の束を導入し、電気を通す超高温透明セラミックスの開発に成功した。・・・」の記載がある(2003.06.16 日刊工業新聞 5頁)。 (2)「電子材料 セラミック、透明多結晶型・東芝セラミックス」の見出しの下、「東芝セラミックスは、単結晶材料と同等の光透過率を有する透明セラミックスの開発に成功した。・・・」の記載がある(2006.06.26 化学工業日報 9頁)。 (3)「JFCC、新断熱材料を開発、多孔質セラ技術応用で低伝導率実現」の見出しの下、「・・・開発したのは可視光透過率80?95%を有する透明セラミックスと、1パスカルの真空度において0・0012ワット/メートルケルビンと極めて小さい熱伝導率を実現したナノ多孔質シリカ粉末・・・」の記載がある(2008.08.11 化学工業日報 3頁)。 (4)「森村商事、セラ部材事業に進出、加工メーカーと共同で製品供給体制」の見出しの下、「・・・素材では一般用と医療用合わせてアルミナで12グレード、ジルコニアで6グレード、窒化アルミで1グレードの独自グレードを用意。このうちアルミナでは、ビッカーズ硬さ2300で光透過率70%程度の透明セラミックスも商品化している。・・・」の記載がある(2011.07.01 化学工業日報 3頁)。 (5)「コバレントマテリアル株式会社」のウェブサイトにおいて、「透明セラミックス」の見出しの下、「・・・単結晶と同等の光透過性を有する透明なセラミックスを開発しました。・・・」の記載がある(http://www.covalent.co.jp/jpn/rd/developments/transparent.html)。 (6)「神島化学工業株式会社」のウェブサイトにおいて、「製品案内(透明セラミックス)」の記載がある(http://www.konoshima.co.jp/ceramics/product.html)。 (7)「三井金属総合研究所」のウェブサイトにおいて、「透明セラミックス」の見出しの下、「・・・我々は・・・単結晶同等の極めて高い透過率を有するセラミックスの開発に成功しました。・・・」の記載がある(http://www.mitsui-kinzoku.co.jp/project/rdc/research/reseach09.html)。 |
審決日 | 2012-08-31 |
出願番号 | 商願2009-77881(T2009-77881) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
WY
(X0740)
T 1 8・ 272- WY (X0740) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 鈴木 斎、中尾 真由美 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
前山 るり子 小林 正和 |
商標の称呼 | シースルーカコー、シースルー |
代理人 | 小倉 正明 |