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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を取消(一部取消、一部維持) X25 審判 一部申立て 登録を取消(一部取消、一部維持) X25 |
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管理番号 | 1261673 |
異議申立番号 | 異議2010-900419 |
総通号数 | 153 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2012-09-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2010-12-24 |
確定日 | 2012-08-06 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5357486号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5357486号商標に係る指定商品中,第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5357486号商標(以下「本件商標」という。)は,「プラチナホット」の文字を横書きしてなり,第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」,第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品とするものである。 第2 手続の経緯 平成22年 6月 8日 商標登録出願 平成22年 9月 3日 登録査定 平成22年12月24日 商標登録異議申立 平成23年 8月22日 取消理由通知 平成23年10月11日 意見書 平成24年 1月23日 審尋 平成24年 3月 6日 回答書 平成24年 4月24日 審尋 第3 登録異議の申立ての理由(要旨) 本件商標は,以下に示す登録第5342328号商標(以下「引用商標」という。)と類似し,その指定商品も同一又は類似のものであるから,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり,同法第43条の3第2項の規定により取り消されるべきものである。 【引用商標】 「PLATINUM HOT」の文字を標準文字により表してなり,平成22年2月26日に登録出願され,第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い」を指定商品として,平成22年7月30日に設定登録されたものである。 第4 商標登録の取消理由の通知(要旨) 1 本件商標と引用商標の商標における類否について 本件商標は,その構成文字に相応して「プラチナホット」の称呼を生ずることが明らかである。 他方,引用商標は,「PLATINUM HOT」の文字からなるところ,その構成中の「PLATINUM」の文字は,スペイン語を語源とする外来語「プラチナ」の意味で親しまれた平易な英語であり,その読みは,英語の発音(platinum)に関わらず「プラチナ」と読まれることが一般的であることから,引用商標は,全体として「プラチナホット」の称呼を生ずるものとみるのが自然である。 そうすると,本件商標と引用商標とは,「プラチナホット」の称呼を共通にする類似の商標といわざるを得ない。 また,引用商標は,英語の発音である「プラチナムホット」の称呼を生ずることも否定し得ない。 そこで,本件商標から生ずる「プラチナホット」の称呼と当該「プラチナムホット」の称呼とを対比すると,両者は,比較的聴取し難い中間における「ム」の音の有無という差異を有するのみで,他の音構成を同じくするものであり,しかも「ム」の音は,例えば岩波書店発行「広辞苑第6版」によれば,「両唇を密閉し有声の気息を鼻腔に通じて発する鼻子音(m)と母音(u)との結合した音節」とされ,前音に吸収されやすい音であるため,その有無が全体に及ぼす影響はそれ程大きくないといえるから,それぞれ一連に称呼するときは,全体の音感,音調が極めて近似し,相紛らわしいものであるから,結局,本件商標と引用商標とは,称呼において同一又は類似する商標といわざるを得ない。 2 本件商標と引用商標の指定商品における類否について 本件の登録異議申立てに係る指定商品は,第25類の全指定商品,すなわち「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」であるところ,そのうちの「被服」には,引用商標の指定商品である「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い」が含まれる。 したがって,本件商標の指定商品中の「被服」のうち,これらの商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似の商品といえるものである。 しかし,「被服」には,引用商標の指定商品のほか「和服,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,帽子,防暑用ヘルメット」なども含まれるところ,これらの商品と引用商標の指定商品とは,非類似の商品である。 また,本件の登録異議申立てに係る指定商品中の「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」も引用商標の指定商品とは,非類似の商品である。 3 むすび 以上からすると,本件商標は,本件登録異議申立てに係る指定商品中,「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い」については,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから,その登録を取り消すべきものである。 しかし,その余の指定商品については,その登録を取り消すことはできない。 第5 商標権者の意見(要旨) 商標権者は,本件商標について厳正な審査の上で登録処分がなされたことを信頼し,本件商標について不登録理由があることを知らずに,本件商標に係る指定商品中の「洋服,コート」などの商品について,本件商標の使用をすべく準備を開始していた。また,商標権者は,登録異議申立人(以下「申立人」という。)との間において今後の本件商標及び引用商標の使用に関する協議を行っている。 したがって,本件商標の使用準備の中止に係る処理に要する期間,申立人との協議中であることを考慮し,本件商標の登録を取り消すべき旨の決定をされることについて猶予されたい。 第6 審尋及び商標権者の回答(要旨) 当審は,商標権者の審理猶予の申出に対し,審尋を発し,商標権者と申立人の間における協議に関する具体的な事実を確認できる書面の提出を求めたが,商標権者からは,その具体的事実を確認できる書面の提出はなかった。 第7 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当について (1)本件商標と引用商標の商標における類否について 本件商標は,「プラチナホット」の片仮名からなるところ,これは,「白金」を意味する「プラチナ」と「熱いさま」の意味を有する「ホット」(いずれも「広辞苑第6版」)を結合したものと容易に認識し得るものであるから,その構成文字に相応して,「プラチナホット」の称呼を生じ,「プラチナが熱いさま」ほどの意味合いを認識させるものである。 他方,引用商標は,「PLATINUM HOT」の欧文字からなるところ,これは,「白金」を意味する英語「PLATINUM」と「暑い,熱い」などの意味を有する英語「HOT」(いずれも「ベーシック ジーニアス英和辞典」)を結合したものと容易に認識し得るものである。 そして,「PLATINUM」の文字は,スペイン語を語源とする外来語「プラチナ(白金)」の意味で親しまれた平易な英語であり,その読みは,英語の発音(platinum)に関わらず「プラチナ」と読まれることが一般的であることから,引用商標は,その外来語の読みに相応した「プラチナホット」の称呼又は英語の発音に相応した「プラチナムホット」の称呼を生ずるものとみるのが自然であり,また,「PLATINUM」と「HOT」の語義から「プラチナが熱いこと」ほどの意味合いを認識させるものである。 そこで,本件商標と引用商標とを比較すると,本件商標が片仮名からなるのに対し,引用商標は欧文字からなるものであるから,両者の外観は相違する。 次に,称呼についてみると,引用商標から生ずる「プラチナホット」の称呼は,本件商標から生ずる「プラチナホット」の称呼と同一のものである。また,引用商標から生ずる「プラチナムホット」の称呼と「プラチナホット」とは,比較的聴取し難い中間における「ム」の音の有無という差異を有するのみで,他の音構成を同じくするものであり,しかも「ム」の音は,例えば,「広辞苑第6版」によれば,「両唇を密閉し有声の気息を鼻腔に通じて発する鼻子音(m)と母音(u)との結合した音節」とされ,前音に吸収されやすい音であるため,その有無が全体に及ぼす影響はそれ程大きくないといえるから,それぞれ一連に称呼するときは,全体の音感,音調が極めて近似し,相紛らわしいものであるから,両称呼も,類似するものといわざるを得ない。 さらに,観念についてみると,本件商標と引用商標は,共に「プラチナが熱いさま(こと)」ほどの意味合いを認識させるものであるから,観念においても類似するものである。 してみれば,本件商標と引用商標は,外観において相違するとしても,称呼において同一又は類似するものであって,かつ,観念においても類似するものであるから,互いに紛れるおそれのある類似の商標である。 (2)本件商標と引用商標の指定商品における類否について 本件の登録異議申立てに係る指定商品は,第25類の全指定商品,すなわち「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」であるところ,そのうちの「被服」には,引用商標の指定商品である「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い」が含まれる。 したがって,本件商標の指定商品中の「被服」のうち,これらの商品は,引用商標の指定商品と同一のものである。 しかし,「被服」には,引用商標の指定商品のほか「和服,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,帽子,防暑用ヘルメット」なども含まれるところ,これらの商品と引用商標の指定商品とは,非類似のものである。 また,本件の登録異議申立てに係る指定商品中の「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」も引用商標の指定商品とは,非類似のものである。 (3)小括 以上からすると,本件商標は,引用商標とその商標において同一又類似するものであって,また,その指定商品も引用商標の指定商品と同一の商品を含むものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。 2 むすび 以上のとおり,本件商標は,その指定商品中,第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い」についての登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから,同法第43条の3第2項の規定により,取り消すべきものである。 しかし,その余の指定商品についての登録は,取り消すべき理由はないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきものである。 よって,結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2012-06-25 |
出願番号 | 商願2010-45318(T2010-45318) |
審決分類 |
T
1
652・
263-
ZC
(X25)
T 1 652・ 262- ZC (X25) |
最終処分 | 一部取消 |
前審関与審査官 | 岩本 和雄 |
特許庁審判長 |
小林 由美子 |
特許庁審判官 |
小川 きみえ 鈴木 修 |
登録日 | 2010-10-01 |
登録番号 | 商標登録第5357486号(T5357486) |
権利者 | 株式会社バイオフェイス東京研究所 |
商標の称呼 | プラチナホット、プラチナ、ホット |
代理人 | 福田 あやこ |
代理人 | 小松 陽一郎 |
代理人 | 宇田 浩康 |
代理人 | 辻村 和彦 |
代理人 | 佐藤 勝 |
代理人 | 森本 純 |
代理人 | 井崎 康孝 |
代理人 | 山崎 道雄 |
代理人 | 川端 さとみ |
代理人 | 藤野 睦子 |
代理人 | 中村 理紗 |
代理人 | 井口 喜久治 |
代理人 | 辻 淳子 |