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審判番号(事件番号) データベース 権利
平成23行ケ10150審決取消請求事件 判例 商標
不服20139261 審決 商標
無効2011890089 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) X25
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) X25
管理番号 1261660 
異議申立番号 異議2011-900453 
総通号数 153 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-09-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-12-29 
確定日 2012-07-30 
異議申立件数
事件の表示 登録第5441142号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5441142号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第5441142号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりからなり,平成23年2月2日に登録出願,第25類「子供服」を指定商品として,同23年6月17日に登録査定,同年9月30日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由(要旨)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標は,商標法第4条第1項第7号,同第15号及び同第19号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,取り消されるべきものである旨申立て,その申立の理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第78号証を提出した。
(1)本件商標は,不正な意図で使用することを目的とした公正な取引秩序に反する商標であり,「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」であるため,商標法第4条第1項第7号に該当する。
(2)本件商標は,他の商品化事業を営むグループから流出した商品であることを表示する出所表示との混同を生じるおそれがあるため,商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)本件商標は,日本国内で全国的に知られている商標と同一又は類似の商標と,出所の混同のおそれまではなくても出所表示機能を希釈化させたり,その名声等を毀損させる目的をもって出願したのであるため,商標法第4条第1項第19号に該当する。

3 当審における取消理由
当審において,商標権者に対して平成24年4月18日付けで通知した取消理由は,別掲2のとおりである。

4 商標権者の意見
本件商標について,前記3の取消理由を通知し,相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが,商標権者は何ら意見を述べるところがない。

5 当審の判断
本件商標についてした前記3の取消理由は,妥当なものと認められる。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号及び同第19号に違反して登録されたものであるから,商標法第43条の3第2項により,その登録を取り消すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 <本件商標>




別掲2(当審における取消理由)

1 「昆虫物語みなしごハッチ」等及び「みなしごハッチ」のキャラクター図形の周知性について,登録異議申立人(以下「申立人」という。)の主張及び提出に係る証拠によれば,以下の事実が認められる。
(1)甲第3号証は,申立人による,スズメバチに襲われ,母親と生き別れたミツバチの少年「ハッチ」が,母を捜し,厳しい旅を続ける物語の「昆虫物語みなしごハッチConcept Book」であるところ,表紙を開いた頁には,「1970年4月,TVアニメ『昆虫物語みなしごハッチ』の放送がスタートしました。」との記載,「History」には,TV放映について「昆虫物語みなしごハッチ 1970年4月7日?1971年12月28日」「昆虫物語新みなしごハッチ 1974年4月5日?1974年9月25日」「昆虫物語みなしごハッチ 1989年7月21日?1990年8月31日」との記載,該物語に登場するキャラクターを集めた「Characters」には,別掲3のとおりの「ハッチ」のキャラクター図形(以下「ハッチ」ということがある。)が描かれ,「Goods」には,各種商品が掲載され,株式会社ティンカーベルによるハッチのキャラクターの絵柄の子供用トレーナーが紹介されている。
(2)甲第4号証ないし甲第11号証は,テレビ放映及び映画の上映に関するものであり,「昆虫物語みなしごハッチ」は「放映:1970年4月7日?1971年12月28日,フジテレビ系,・・・全91回」(甲第4号証),「昆虫物語新みなしごハッチ」は「放映:1974年4月5日?1974年9月27日,毎日放送(NET系),・・・全26回」(甲第6号証),「昆虫物語みなしごハッチ」は「放映:1989年7月21日?1990年8月31日,日本テレビ系,・・・全55回」(甲第8号証),「昆虫物語 みつばちハッチ 勇気のメロディ」の劇場アニメは,「90分,公開:2010年7月」(甲第10号証)との記載があり,劇場アニメは,全国各都道府県,223か所の映画館で上映されたものと認められる(甲第11号証)。
(3)甲第14号証及び甲第15号証,甲第40号証及び甲第41号証は「子供用長袖Tシャツ」,甲第13号証,甲第16号証,甲第38号証及び甲第39号証は「子供用半袖Tシャツ」,甲第17号証及び甲第18号証は「子供用トレーナー」であり,それぞれの商品の胸部には,甲第3号証の「昆虫物語みなしごハッチConcept Book」に掲載されている,後掲2の「ハッチ」及びハッチを模した絵柄が表されている。
上記(1)及び(2)の事実からすれば,「昆虫物語みなしごハッチ」等は,最初にTV放映された1970年以来,40年以上の永年にわたり放映され,また,「昆虫物語 みつばちハッチ 勇気のメロディ」の劇場アニメについても全国各都道府県の多数の映画館において上映されたものであるから,申立人によるこれらの作品は,我が国において広く知られているものと認められる。
そして,これらの作品に登場する主人公のミツバチの少年「ハッチ」は,後掲2のとおり,ハチの特徴である頭部,胸部及び腹部等を擬人化したものであり,申立人が主張する「頭部に青色と黄色の縞模様が付され,2本の触覚を有している」「首に白色のネッカチーフを巻いている」「胸部は青色で着色され,背に2枚の羽を有している」「腹部に黄色と赤色の縞模様が付されている」等の特徴を有することも,我が国において広く知られているものということができる。
また,上記(3)のとおり,「ハッチ」及びハッチを模した絵柄は,玩具,菓子,アパレル等の各種商品に使用されているものと認められる。

2 商標権者による本件商標の使用等について,申立人の主張及び提出に係る証拠によれば,以下の事実が認められる。
(1)甲第55号証は,2012年(平成24年)1月25日に印刷された「子供服ネット通販:きのこ堂」のウェブサイトであるところ,「商品名 みなしごハッチキューピー 長袖パジャマ ピンク」,「メーカー名 アルプ」と記載して商品長袖パジャマが紹介されており,商品写真の胸部には本件商標をもとにして描かれた絵柄が表されている。甲第56号証の長袖パジャマは,甲第55号証の色違いの商品である。
(2)甲第59号証は,上記(1)と同様であるところ,「商品名 みなしごハッチキューピー トレーナー:キイロ」,「メーカー名 アルプ」と記載して商品スウェットシャツが紹介されており,商品写真の胸部に本件商標が描かれ,その下に「Cupid?」の文字とともに,両側にキューピーを連想させる絵柄が表されている。甲第60号証のスウェットシャツは,甲第59号証の色違いの商品である。
(3)甲第61号証は,上記(1)と同様であるところ,「商品名 みなしごハッチキューピー Tシャツ:キイロ」,「メーカー名 アルプ」と記載して商品「Tシャツ」が紹介されており,商品写真の胸部に本件商標が描かれ,その下に「Cupid?」の文字とともに,両側にキューピーを連想させる絵柄が表されている。甲第62号証のTシャツは,甲第61号証の色違いの商品である。
(4)甲第62号証及び甲第63号証は,上記(1)と同様であるところ,「商品名 みなしごハッチキューピー トレーナー:ピンク」,「メーカー名 アルプ」と記載して商品スウェットシャツが紹介されており,商品写真の胸部に本件商標が描かれ,その下に「Cupid?」の文字とともに,両側にキューピーを連想させる絵柄が表されている。
(5)甲第64号証は,上記(1)と同様であるところ,「商品名 みなしごハッチキューピー ロンT:ピンク」,「メーカー名 アルプ」と記載して商品「長袖Tシャツ」が紹介されており,商品写真の胸部に本件商標が描かれ,その下に「Cupid?」の文字とともに,両側にキューピーを連想させる絵柄が表されている。甲第65号証及び甲第66号証の長袖Tシャツは,甲第64号証の色違いの商品である。
(6)甲第68号証は,2010年(平成22年)12月20日付けの株式会社小学館集英社プロダクションと申立人との連名による,商標権者等あての「通告書」であるところ,その内容は,「ハッチ」等について,著作権(複製権,譲渡権及び翻訳権等)及び著作者人格権(氏名表示権及び同一性保持権)侵害に関すること並びに侵害する商品について,その製造,宣伝及び出荷を中止すること,在庫商品の廃棄証明を提出すること及び今後一切販売しないことを求めるものである。
(7)甲第69号証は,平成22年12月28日付けの商標権者代理人名による,株式会社小学館集英社プロダクションと申立人あての「ご連絡」であるところ,その内容は,代理人において,商標権者に対し,「在庫商品の販売を中止すること」,「商品納入先から直ちに商品を回収することの指示をした」旨である。
(8)甲第70号証は,平成23年1月18日付けの商標権者代理人名による,株式会社小学館集英社プロダクションと申立人あての「ご回答」であるところ,その内容は,「・・・ご指摘のあった商品(『ピカキュー巾着』,『ピカキュースタイ』,『アクキューTシャツ』及び『ハニーキューTシャツ』)について,取引先に対し商品の販売中止の連絡と回収作業を行った」旨,「貴社がご主張されている著作権あるいは著作権人格権の侵害を認めるものではなく,問題を複雑化させないため,上記の範囲で,当社において任意に協力させていただいた」旨,「上記各商品の販売を今後しないこと,貴社から疑念を抱かれるような同様の行為をしないことについて約束させていただく」旨である。
上記(6)ないし(8)からすれば,申立人等から,「ハッチ」について,著作権及び著作者人格権侵害及び侵害する商品につき,その製造,宣伝及び出荷を中止すること,在庫商品の廃棄証明を提出すること及び今後一切販売しないことの求めに対し,商標権者は,申立人により著作権及び著作権人格権を侵害するとされた商品について,その製造,宣伝及び出荷を中止し,今後各商品の販売をしないこと及び貴社から疑念を抱かれるような同様の行為をしないことについて約束した経緯があるということができる。
しかしながら,上記(1)ないし(5)に記載のとおり,「子供服ネット通販:きのこ堂」のウェブサイトにおいて商標権者の商品が掲載されている事実があり,該ページは,2012年(平成24年)1月25日に印刷されたものであることからすれば,少なくとも甲第70号証により回答された日から一年以上経過するも,未だ,商品を販売していたものと認められる。
さらに,甲第59号証ないし甲第66号証に掲載されたスウェットシャツ等の商品の胸部には,別掲4のように色彩を施して本件商標を表しているものであり,商品名には「みなしごハッチ・・」と記載している事実がある。

3 本件商標と「ハッチ」との類否について
本件商標は,別掲1のとおり,頭部及び胸部を縞模様で描き,2本の触覚を有する被りものを付け,首にネッカチーフを巻き,背に2枚の羽を有する人形と思しき図形からなるものである。
そして,「ハッチ」は,別掲3のとおり,「頭部に青色と黄色の縞模様が付され,2本の触覚を有している」「首に白色のネッカチーフを巻いている」「胸部は青色で着色され,背に2枚の羽を有している」「腹部に黄色と赤色の縞模様が付されている」等を主たる特徴とするものである。
そうとすれば,本件商標は,「ハッチ」と,その構図において主たる特徴を共通にする構成からなるものといえることから,これに接する者に「ハッチ」を容易に想起,連想させる,外観において類似の商標ということができる。

4 商標法第4条第1項第7号及び同19号該当性について
「ハッチ」は,前記2に記載のとおり,申立人にかかる「昆虫物語みなしごハッチ」等の作品の主人公であって,その特徴である「頭部に青色と黄色の縞模様が付され,2本の触覚を有している」「首に白色のネッカチーフを巻いている」「胸部は青色で着色され,背に2枚の羽を有している」「腹部に黄色と赤色の縞模様が付されている」等も,我が国において広く知られているものである。
そして,申立人にかかる「ハッチ」は,吉田竜夫氏の原作に基づき申立人が制作したものであって,かかる特異な特徴を持つキャラクター図形と,ほぼ共通する特徴を持つ本件商標は,商標権者が偶然に考案したものとは考え難く,商標権者による本件商標の取得には,申立人の「ハッチ」についての周知,著名性を十分に認識し,これに便乗して利益を得ようとする不正の目的があったものと推認されるものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当する。
また,甲第59号証ないし甲第66号証によれば,商標権者は,本件商標につき,頭部の縞模様は青色と黄色で表し,黒色の2本の触覚を有し,首に白色のネッカチーフを巻き,胸部は青色で着色し,背に2枚の羽を有し,腹部の縞模様は黄色と赤色で表して商品に使用し,その商品名には,「みなしごハッチ・・・」と記載して販売している事実がある。
申立人の主張によれば,商標権者は,申立人との間で「ハッチ」について商品化権許諾契約を交わすことなく,「ハッチ」と類似する本件商標をその指定商品に使用して販売したものと認められるものであり,「ハッチ」と類似する本件商標をその指定商品について使用すること及びその商品名に「みなしごハッチ・・・」と記載して販売する商標権者にかかる行為は,申立人又は申立人との間で「ハッチ」の使用について商品化権許諾契約を交わし,これに基づいて各種商品を販売する,申立人と関連を有する各事業者との関係において,公正な商取引の秩序を乱すおそれがあって,公序良俗に反するものというのが相当である。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当する。

5 むすび
以上のとおりであるから,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第7号及び同第19号に違反してされたものである。

別掲3 (ハッチ)

(色彩の詳細は,甲第3号証を参照されたい。)

別掲4 (商標権者の使用商標)


(色彩の詳細は,甲第59号証を参照されたい。)


異議決定日 2012-06-18 
出願番号 商願2011-10827(T2011-10827) 
審決分類 T 1 651・ 22- Z (X25)
T 1 651・ 222- Z (X25)
最終処分 取消 
前審関与審査官 泉田 智宏 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 田中 亨子
大橋 良成
登録日 2011-09-30 
登録番号 商標登録第5441142号(T5441142) 
権利者 株式会社アルプ
代理人 高柴 忠夫 
代理人 志賀 正武 
代理人 高橋 詔男 
代理人 眞島 竜一郎 
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