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審決分類 審判 一部無効 観念類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X2930
審判 一部無効 称呼類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X2930
管理番号 1261577 
審判番号 無効2011-890115 
総通号数 153 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-09-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2011-12-28 
確定日 2012-07-30 
事件の表示 上記当事者間の登録第5410725号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5410725号の指定商品及び指定役務中、第29類「全指定商品」及び第30類「全指定商品」についての登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5410725号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成21年8月5日に登録出願され、第29類「ヨーグルト」、第30類「ヨーグルトを使用した菓子及びパン」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、 同23年5月13日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
請求人が引用する登録商標は、以下の1ないし6のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
1 登録第1457789号商標(以下「引用商標1」という。)は、「天使」の漢字を横書してなり、昭和41年4月8日に登録出願、第30類「菓子、パン」を指定商品として、同56年3月31日に設定登録がなされ、その後、平成13年5月23日に、第30類「菓子及びパン」を指定商品とする書換登録がなされているものである。
2 登録第4278662号商標(以下「引用商標2」という。)は、「てんし」の平仮名を標準文字で表示してなり、平成9年9月30日に登録出願、第29類「食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,食用たんぱく」、第30類「茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,化学調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,アーモンドペースト,サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,即席菓子のもと,酒かす」、第31類「果実,野菜,ドライフラワー」及び第32類「清涼飲料,果実飲料,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同11年6月4日に設定登録がなされ、その後、商標権の一部取消審判において、指定商品中、第31類「ドライフラワー」についてその登録を取り消すべき旨の審決が確定し、その確定審決の登録が、同15年10月8日に登録されているものである。
3 登録第4677318号商標(以下「引用商標3」という。)は、「天使」の漢字を標準文字で表示してなり、平成14年9月18日に登録出願、第29類「食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく,植物を主原料とする粉状・粒状・錠剤状・カプセル状・液体状・ゼリー状の加工食品」、第31類「生花の花輪,釣り用餌,ホップ,食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,野菜,糖料作物,果実,コプラ,麦芽,あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし,飼料用たんぱく,飼料,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽,獣類・魚類(食用のものを除く。)・鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。),蚕種,種繭,種卵,うるしの実,未加工のコルク,やしの葉」及び第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同15年5月30日に設定登録がなされているものである。
4 登録第4707979号商標(以下「引用商標4」という。)は、「てんし」の平仮名を標準文字で表示してなり、平成14年9月18日に登録出願、第29類「食用油脂,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく,植物を主原料とする粉状・粒状・錠剤状・カプセル状・液体状・ゼリー状の加工食品」、第30類「茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物(豆を除く。)を主原料とする粉状・粒状・錠剤状・カプセル状・液体状・ゼリー状の加工食品」、第31類「生花の花輪,釣り用餌,ホップ,食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,野菜,糖料作物,果実,コプラ,麦芽,あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし,飼料用たんぱく,飼料,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽,獣類・魚類(食用のものを除く。)・鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。),蚕種,種繭,種卵,うるしの実,未加工のコルク,やしの葉」及び第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同15年9月5日に設定登録がなされているものである。
5 登録第5013605号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成18年4月13日に登録出願され、第29類「食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく,植物を主原料とする粉状・粒状・錠剤状・カプセル状・液体状・ゼリー状の加工食品」、第31類「生花の花輪,釣り用餌,ホップ,食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,野菜,糖料作物,果実,コプラ,麦芽,あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし,飼料用たんぱく,飼料,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽,獣類・魚類(食用のものを除く。)・鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。),蚕種,種繭,種卵,うるしの実,未加工のコルク,やしの葉」及び第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同18年12月22日に設定登録がなされているものである。
6 登録第5033542号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成18年4月13日に登録出願、第30類「茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物(豆を除く。)を主原料とする粉状・粒状・錠剤状・カプセル状・液体状・ゼリー状の加工」を指定商品として、同19年3月16日に設定登録がなされているものである。
以下、これらを総称するときは、「引用商標」という。

第3 請求人の主張
1 請求の趣旨
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由要旨を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第59号証(枝番を含む。)を提出している。
2 請求の理由
(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について
ア 本件商標の構成
本件商標は、「天使のヨーグルト」の和文字の上方に、「Yogurange」の欧文字を書したものであるところ、和文字を構成する「天使」は「神の使者として派遣され、神意を人間に伝え、人間を守護するもの」(甲第8号証)、すなわち「神の御使」の意味合いを有する語として、わが国で広く知られているものである。
また、「ヨーグルト」は、「乳製品」の一種である「牛乳,羊乳,山羊乳などを乳酸発酵によって凝固させた食品」(甲第8号証)を表す文字として、広く一般に用いられているものである。さらに、「の」は、連体格を表す格助詞であって、それ自体は商標として機能しうる識別力を有するものでないから、「天使」と「ヨーグルト」の二語を結合してなる部分と自然に理解・認識されるものである。
一方、「Yogurange」の欧文字は、これに相当する既成の語が存在せず、特定の観念を生じない造語と認識される部分であり、その構成文字に照応して、英語風に「ヨーグレンジ」、フランス語風に「ヨーグランジュ」といった称呼が生じる。
本件商標は、「Yogurange」と「天使のヨーグルト」の各部分が、上下に分離して表示されていること、欧文字と和文字という種類の異なる文字で表わされていること、「天使のヨーグルト」が全角文字で横に長く表されているのに対して、「Yogurange」が半角の英文字で「天使のヨーグルト」の半分強程度の左右幅で短く表わされていることから、「Yogurange」と「天使のヨーグルト」に視覚的に分離して認識されるべき外観構成を呈する。また、両部分を一連に称呼した場合の「ヨーグレンジテンシノヨーグルト」、「ヨーグランジュテンシノヨーグルト」といった称呼は、非常に長いものであることから、上下に分離された外観構成に即し、途中で区切って発音するのが自然なものである。さらに、「Yogurange」は特定の観念を生じない造語と認識される部分であるのに対し、「天使のヨーグルト」は、「天使印(じるし)の牛乳、羊乳、山羊乳などを乳酸発酵によって凝固させた食品(ヨーグルト)」といった観念を生じる部分である。
したがって、本件商標は、外観、称呼、観念のいずれの要素に照らしても、「Yogurange」と「天使のヨーグルト」に分離して観察されるものであって、「天使のヨーグルト」は、「Yogurange」よりも強く支配的な印象を与える部分といえるから、本件商標は、「天使のヨーグルト」の和文字部分に着目して取引に資されるものである。
そこで検討すると、本件商標の「天使のヨーグルト」は「天使」と「ヨーグルト」の二語を格助詞の「の」で結合した部分であるところ、本件商標の「天使」は、食料品の品質、原材料や等級などを表す形容詞的な部分でなく、本件商標の指定商品との関係において自他商品識別機能(識別力)を強く果たし得る部分である。
これに対して、「ヨーグルト」は、本件商標にあっては、「ヨーグルト」及び「ヨーグルトを使用し」た商品との関係において、自他商品の識別力を発揮しないか又は極めて微弱な部分であることが明らかである。
したがって、本件商標の「天使のヨーグルト」は、互いに何ら観念的な結びつきを有しない「天使」と「ヨーグルト」の二語を格助詞の「の」で単純に結合させたものであるから、「天使のヨーグルト」を支配的な要素とする本件商標は、「天使」が分離して観察されるべきものであり、「分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標」(甲第10号証)といえるものである。
したがって、本件商標は、「天使」を要部とする商標である。
イ 引用商標の構成
引用商標は、いずれも構成文字に照応して「テンシ」の称呼及び「神の御使い」の観念を生じる商標であって、全体をもって一体にのみ観察されるものである。
ウ 本件商標と引用商標の対比
そこで、本件商標の要部を構成する「天使」と引用商標を対比すると、両商標からは、いずれも「テンシ」の同一称呼及び「神の御使い」との同一観念が生じる。
したがって、本件商標は、引用商標とは、要部から生じる称呼及び観念が同一である類似商標である。
エ 指定商品の類否
本件商標に係る第30類の指定商品「ヨーグルトを使用した菓子及びパン」は、引用商標1、2、4及び6に係る第30類の指定商品「菓子及びパン」とは、原材料に「ヨーグルト」を使用した点のみが相違し、「菓子及びパン」として共通するものである。また、同第29類の指定商品「ヨーグルト」は、引用商標2、3及び5に係る第29類の指定商品「乳製品」の一部に含まれる商品である。
したがって、本件商標の第29類及び第30類の指定商品は、引用商標に係る指定商品とは、当然に、生産部門、販売部門、原材料及び品質、用途並びに需要者(一般消費者)の範囲が一致するから、互いに類似する商品であることは明らかである。
オ 小括
以上のとおり、本件商標は、引用商標とは、要部から生じる称呼及び観念が同一である類似商標であり、引用商標に係る指定商品と類似する商品を指定商品とするものであって、引用商標の後願に係るものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第15号の該当性について
ア 本件商標とエンゼルマーク及び企業シンボルたる天使(エンゼル)が、いずれも需要者の注意を惹き印象に残りやすい「テンシ」の称呼及び「神の御使い」の観念を生じる点において高い類似性を有すること、
イ 請求人の業務にかかる商品であることを表す著名なエンゼルマークがわが国において1世紀以上の永きに亘って使用された結果、エンゼルマーク及び天使(エンゼル)の企業シンボルは、本件商標の出願時及び登録査定時には、請求人の業務にかかる商品であることを指称する著名性を獲得していたこと、
ウ 請求人のエンゼルマークは、わが国で最初に採用された明治38年当初において、極めて斬新かつ独創的なものであったこと、
エ 本件商標の指定商品とエンゼルマーク及び天使(エンゼル)の企業シンボルが使用されて著名性を獲得した商品が、強い関連性を持って認識される飲食料品であること、
オ 飲食料品は日常的に売買費消される商品であって、需要者がその取引に当たって払う注意力はさほど高いものではなく、また、エンゼルマーク及び企業シンボルたる天使(エンゼル)に通じる「天使」の文字を有する本件商標に接した多くの需要者が、当該商品等が請求人の業務に係るものと認識すると考えられる取引の実情があること、
カ 以上のアないしオ及び特許庁の商標審査基準を総合して考慮すると、本件商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、本件商標の「天使」に着目し、ここから請求人の著名なエンゼルマークや天使(エンゼル)の企業シンボルを想起・連想し、恰も請求人若しくはその関連会社の取り扱い業務に係る商品であるかの如く認識して取引にあたると考えられるため、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあることは明白である。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)結び
以上のことから、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び第15号に該当するというべきであるから、同法第46条第1項第1号の規定に基づき、その登録は無効とされるべきである。

第4 被請求人の主張
被請求人は、前記第3の請求人の主張に対し、なんら答弁するところがない。

第5 当審の判断
1 本件商標の商標法第4条第1項第11号の該当性について
本件商標は、別掲(1)のとおり、「Yogurange」と「天使のヨーグルト」の文字とを上下二段に横書きしてなるものである。
そして、下段に漢字、平仮名及び片仮名を組み合わせた「天使のヨーグルト」の文字を表し、その上段に下段の文字の半角程度の文字の大きさで、かつ、下段の文字中「使」ないし「グ」の幅程度の長さをもって「Yogrange」の欧文字を配してなるところ、上下段の各文字部分は、段を違えて配されていること、文字の種類・大きさ・長さが異なることから、外観上、それぞれが分離して看取され得るものである。
また、上段の「Yogurange」は、特定の意味を有する既成語ではなく、造語と認められるものであるから、下段の「天使のヨーグルト」と意味のつながりもなく、構成文字全体としてみても特定の観念を生ずるものでもない。
さらに、その構成文字全体から生ずる「ヨーグレンジテンシノヨーグルト」の称呼も、一連に称呼するには冗長であるといえる。
そうとすると、本件商標は、これに接する取引者、需要者をして、上段と下段の「Yogurange」と「天使のヨーグルト」とに分離し、その各々が独立して自他商品の識別標識として機能を果たす部分として認識される場合も決して少なくないものというのが相当である。
そして、下段の「天使のヨーグルト」の文字については、その構成中「天使」の文字は、「天子の使。エンゼル」等の意味を有する語であり、指定商品との関係では、商品の品質等を表すものでなく、十分に自他商品の識別標識として機能を発揮し得るものであるのに対し、「ヨーグルト」の文字は、指定商品との関係において商品の普通名称または商品の原材料を表す語であるから、自他商品の識別標識としての機能はないか、または、あったとしても極めて弱いものといえるものであって、商品の出所識別標識としての称呼、観念は生じない。
そうとすると、本件商標は、「天使」と「ヨーグルト」の文字とを、所有を意味する格助詞「の」を介して「天使のヨーグルト」と表されているものの、「天使」と「ヨーグルト」の文字は、自他商品の識別力に軽重の差があるものであるから、該構成中の「天使」の文字が、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものである。
してみれば、本件商標は、その構成中「天使」の文字部分に着目し、該文字から生ずる称呼及び観念をもって取引に資される場合もあるというのが相当であるから、該文字に相応して「テンシ」の称呼、「天使」の観念を生ずるものである。
他方、引用商標1及び3は、前記第2に示すとおり、「天使」の文字よりなるものであり、引用商標5は、別掲(2)のとおり、「てんし」の平仮名と「天使」の漢字とを上下2段に横書きしてなるものであり、また、引用商標6は、別掲(3)のとおり、「てんし」の平仮名と「天使」の漢字と「テンシ」の片仮名とを上下3段に横書きしてなるものであるところ、これらの「天使」の文字より、漢字「天使」の外観、「テンシ」の称呼及び「天使」の観念を生じるものといえる。
そうしてみると、本件商標と引用商標1、3、5及び6とは、全体としての外観は異なるものの、「天使」の文字において、その外観、称呼及び観念を共通にし、同一又は類似する商標である。
そして、本件商標に係る指定商品第29類「ヨーグルト」と引用商標3及び5に係る指定商品第29類「乳製品」及び第32類「乳清飲料」とは、同一又は類似する商品であり、また、本件商標に係る指定商品第30類「ヨーグルトを使用した菓子及びパン」と引用商標1及び6に係る指定商品第30類「菓子及びパン」とは、同一又は類似する商品である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

2 結論
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、他の請求の理由について論及するまでもなく、同法第46条第1項の規定により、無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(1)
(本件商標)


別掲(2)
(引用商標5)


別掲(3)
(引用商標6)


審理終結日 2012-06-06 
結審通知日 2012-06-08 
審決日 2012-06-19 
出願番号 商願2009-59870(T2009-59870) 
審決分類 T 1 12・ 262- Z (X2930)
T 1 12・ 263- Z (X2930)
最終処分 成立  
前審関与審査官 金子 尚人吉岡 めぐみ早川 真規子 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 小川 きみえ
鈴木 修
登録日 2011-05-13 
登録番号 商標登録第5410725号(T5410725) 
商標の称呼 ヨーグルアンジュテンシノヨーグルト、ヨーグランジュテンシノヨーグルト、ヨーグルアンジュ、ヨーグランジュ、ヨーグルアンジ、ヨーグランジ、テンシノヨーグルト、テンシ 
代理人 関 真也 
代理人 小林 彰治 
代理人 阪田 至彦 
代理人 鳥海 哲郎 

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