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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない X0935
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X0935
審判 査定不服 外観類似 登録しない X0935
管理番号 1261554 
審判番号 不服2011-22865 
総通号数 153 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-09-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-10-24 
確定日 2012-07-30 
事件の表示 商願2010- 78619拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第9類「自動販売機」及び第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として、平成22年9月24日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)引用商標1(登録第390400号商標)
商標 : 「Million」(筆記体)
指定商品 : 第30類(商標登録原簿記載のとおり)
登録出願日: 昭和24年11月15日
設定登録日: 昭和25年8月26日
(2)引用商標2(登録第1422783号の1商標)
商標 : 「Million」(筆記体)
指定商品 : 指定商品「自動販売機」を含む第9類並びに第6類、第7類、第8類、第11類、第12類、第15類、第17類、第19類、第20類、第26類、第28類(商標登録原簿記載のとおり)
登録出願日: 昭和43年12月2日
設定登録日: 昭和55年6月27日
(3)引用商標3(登録第1572074号商標)
商標 : 「MILLION」と「ミリオン」を二段に横書き
指定商品 : 第5類、第29類、第30類、第32類(商標登録原簿記載のとおり)
登録出願日: 昭和54年5月29日
設定登録日: 昭和58年3月28日
(4)引用商標4(登録第4149911号商標)
商標 : 「Million」と「ミリオン」を二段に横書き
指定商品 : 第30類(商標登録原簿記載のとおり)
登録出願日: 平成8年7月16日
設定登録日: 平成10年5月29日
(5)引用商標5(登録第5213770号商標)
商標 : 「MILLION」と「ミリオン」を二段に横書き
指定商品 : 第32類(商標登録原簿記載のとおり)
登録出願日: 平成20年3月4日
設定登録日: 平成21年3月13日
以下、引用商標1及び引用商標2をまとめて「引用商標A」、引用商標3ないし引用商標5をまとめて「引用商標B」といい、これらをまとめていう場合には、単に「引用商標」という。
なお、原査定では、以上の5件の引用商標のほか、2件の登録商標を拒絶の理由として引用している。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、構成中の文字部分とハイビスカスと思しき図形部分とは、全体として特定の意味を看取させる等、常に不可分一体のものとして観察されるとすべき格別の理由はみいだせず、該文字部分と図形部分とは、それぞれが独立して、自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであるというべきである。
ところで、商品や役務の取引において使用される商標等の文字の図案化が盛んに行われている昨今では、かなり図案化された文字であっても、その文字が配置された状態やその前後の文字との関係において、特定の文字を表したものと認識し理解され、称呼されることが少なくないことを考慮すると、本願商標構成中の「MILLI」及び「N」の文字との間に位置する部分は、図案化されているとはいえ、円形状に表される欧文字「O」の特徴を十分に看取させる構成であり、欧文字「O」を表したものとして理解されるというべきである。さらに、本願商標の前記構成部分は、構成中の「MILLI」及び「N」の文字との前後の関係とも相まって、一般に親しまれた平易な英語「MILLION」の語(文字)を容易に認識させるものであり、これにより「ミリオン」と称呼されるというのが相当である。
そして、本願商標構成中「SUPER SHOP」の文字は、「巨大な店舗」や「素晴らしい店舗」程の意味合いを表すものとして店舗名とともに使用されていることから、商品又は役務の取扱店を誇称する表示であり、自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないか極めて弱い部分といえる。
また、上記のとおり「MILLION(million)」の語は、「百万」を表す平易な英語として親しまれているものであることからすると、これに接する需要者等にその読み及び意味合いとともに容易に記憶されやすい部分ということができる。加えて、本願商標構成中の「MILLION」の文字部分と「SUPER SHOP」の文字部分とを常に一体不可分のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情も認められない。
そうすると、本願商標は、これに接する取引者、需要者がその構成中に顕著に表された「MILLION」の文字部分に着目して取引に資される場合も決して少なくないというのが相当である。
してみると、本願商標は、その構成文字全体から生じる「ミリオンスーパーショップ」の称呼のほかに「ミリオン」の称呼をも生じ、「百万」の観念を生ずるというべきである。
(2)本願商標と引用商標との類否について
ア 商標の類否について
引用商標Aは、「Million」の文字を筆記体で書してなるものであり、その構成文字に相応して「ミリオン」の称呼及び「百万」の観念を生じる。
そうすると、本願商標から生じる称呼及び観念は上記(1)のとおりであるから、本願商標と引用商標Aは、「ミリオン」の称呼及び「百万」の観念を共通にするものである。
そして、外観においては、その全体の構成において相違するところがあるものの、本願商標の要部である「MILLION」と引用商標Aの構成文字とは、大文字、小文字の差異を有するにすぎず、欧文字の文字綴りをすべて同一とするものであるから、その構成文字部分において極めて近似する。
引用商標Bは、「MILLION(Million)」の欧文字及び「ミリオン」の片仮名を二段に横書きしてなるものであり、その構成文字に相応して「ミリオン」の称呼を生じるものである。そして、その構成中の「MILLION(Million)」の文字は上記のとおり「百万」の観念を生じ、同じく「ミリオン」の片仮名は「百万」の意味を有する外来語として親しまれているものであるから、引用商標Bは、その全体から「百万」の観念を生じる。
そうすると、本願商標から生じる称呼及び観念は上記(1)のとおりであるから、本願商標と引用商標Bは、「ミリオン」の称呼及び「百万」の観念を共通にするものである。
また、本願商標と引用商標Bは、全体の外観において相違するものの、本願商標の要部である「MILLION」と引用商標Bの構成文字中の欧文字部分は、いづれも「MILLION(Million)」であり、その文字綴りをすべて同一とするものであるから、その構成文字部分において極めて近似する。
したがって、本願商標と引用商標とは、その称呼及び観念を同一にするものであり、全体の外観において相違するとしても、その構成中の「MILLION(Million)」の構成文字の綴りを同一にする近似した印象を与えるものであって、両商標は該文字(部分)から容易に「百万」の意味を有する英語を連想、想起して記憶するというべきであるから、全体として相紛れるおそれのある類似する商標といわなければならない。
イ 指定商品及び指定役務の類否について
本願商標の指定商品「自動販売機」は、引用商標2の指定商品に含まれるものである。また、本願商標の指定役務において取り扱われる商品と引用商標1、引用商標3ないし引用商標5の指定商品は、商品の販売と役務の提供が同一事業者によって行われることが一般的であって、商品の販売場所と役務の提供場所を同一にし、さらに、需要者を共通にするものであるから、本願の指定役務と引用商標1、引用商標3ないし引用商標5の指定商品は、互いに類似するとみるのが相当である。
ウ まとめ
以上を総合して判断すると、本願商標と引用商標とは、「ミリオン」の称呼を共通にし、「百万」の観念を同じくするものであって、その要部となる欧文字部分の外観も近似した印象を与えるものであるから、両者は、類似する商標というのが相当であって、かつ、同一又は類似の商品又は役務に使用するものであるから、その商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
(3)請求人の主張について
請求人は、「称呼、外観及び観念の類否を総合的に判断すべきであり、本願商標がハイビスカスの花の絵を大きく描いているなど、本願商標と引用商標は外観が全く異なるものであるから、類似しない。」旨主張している。
しかしながら、本願商標は、上記のとおり、構成中のハイビスカスの如き図形と「MILLION」の文字部分とを常に不可分一体のものとして取引に資されるとすべき事情は見あたらず、本願商標の要部となる「MILLION」の文字部分に着目して取引される場合のある商標であり、本願商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念を全体的に見ても彼此相紛らわしい類似の商標というのが相当である。
よって、請求人の主張は採用することができない。
(4)結語
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 (色彩については原本参照)



審理終結日 2012-06-07 
結審通知日 2012-06-08 
審決日 2012-06-19 
出願番号 商願2010-78619(T2010-78619) 
審決分類 T 1 8・ 263- Z (X0935)
T 1 8・ 261- Z (X0935)
T 1 8・ 262- Z (X0935)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大房 真弓冨澤 美加原田 信彦 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 高野 和行
堀内 仁子
商標の称呼 ミリオンスーパーショップ、ミリオン、スーパーショップ、ショップ 
代理人 福島 康文 

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