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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない X30
審判 査定不服 観念類似 登録しない X30
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X30
管理番号 1261520 
審判番号 不服2011-23511 
総通号数 153 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-09-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-11-01 
確定日 2012-07-25 
事件の表示 商願2011- 4716拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「PEACE ICED COFFEE」の文字を標準文字で表してなり、第30類に属する出願時の願書に記載のとおりの商品を指定商品として、2010年(平成22年)7月26日米国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成23年1月26日に登録出願され、その後、指定商品については、同年6月7日受付けの手続補正書により、第30類「缶・びん・ペットボトル入りのアイスコーヒー及びコーヒー飲料,缶・びん・ペットボトル入りの香りづけしたコーヒー・アイスコーヒー・コーヒー飲料」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨
(1)原査定は、「本願商標は、次の(2)の登録商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。
(2)登録第5114122号商標(以下「引用商標」という。)
引用商標は、「ピースコーヒー」の片仮名と「PEACE COFFEE」の欧文字を二段に書してなり、平成19年7月13日に登録出願、第30類「コーヒー,コーヒー豆」を指定商品として、同20年2月29日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号に係る商標の類否は、同一又は類似の商品又は役務に使用された商標が、その外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきものであり、複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについて、商標の構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、その部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などを除き、許されないというべきである(最高裁平成19年(行ヒ)第223号 同20年9月8日第二小法廷判決)。
(2)そこで、これを本願商標及び引用商標についてみると、本願商標は、上記1のとおり「PEACE ICED COFFEE」の文字からなるものであり、その構成中「ICED」「COFFEE」の文字は、いずれも一般に親しまれた英語であって、原査定で示した参考情報のような使用例もあることから、「アイスコーヒー」を容易に認識させるものである。そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品に使用するときは、「ICED COFFEE」の文字部分が商品の普通名称または品質を表示したものと認識され、出所識別標識としての称呼、観念が生じないものと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標は、請求人も認めるとおり、その構成中の「PEACE」の文字部分に相応し「ピース」の称呼及び「平和」の観念を生じるものである。
他方、引用商標は、上記2(2)のとおり「ピースコーヒー」と「PEACE COFFEE」の文字を二段に書してなるものであって、その構成中、語尾に位置する「コーヒー」及び「COFFEE」の文字は、その指定商品中「コーヒー」の普通名称を表示したものと認識され、出所識別標識としての称呼、観念を生じないものであって、語頭に位置する「ピース」「PEACE」の文字部分が強く支配的な印象を与えるものと判断するのが相当である。
してみれば、引用商標は、その構成中「PEACE」(及び「ピース」)の文字部分を抽出し、他人の商標と比較することが許されるものというべきであり、該文字に相応して、「ピース」の称呼、「平和」の観念を生じるものというべきである。
そうとすれば、本願商標と引用商標は、両者の構成中「PEACE」の文字部分の比較において、外観上「PEACE」の文字を共通にし、「ピース」の称呼及び「平和」の観念を共通にするものであるから、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛らわしい類似の商標というべきである。
(3)また、本願商標と引用商標は、その構成文字全体を比較すると、外観においては、「PEACE」及び「COFFEE」の文字を共通にし、称呼においては、本願商標から生じる「ピースアイスドコーヒー」と引用商標から生じる「ピースコーヒー」とは、中間に位置する「アイスド」の有無に差異を有するものの、印象に残る語頭の「ピース」と語尾の「コーヒー」を共通にするものである。さらに観念においては、両商標は、前者が「平和のアイスコーヒー」、後者が「平和のコーヒー」の意味合い(観念)を生じるものであって、「アイスコーヒー」は「コーヒー」の範ちゅうに含まれるものであるから、「平和のコーヒー」の意味合い(観念)を共通にするものといえる。
そうとすれば、本願商標と引用商標は、その構成文字全体の比較においても、その外観及び称呼の一部を共通にし、「平和のコーヒー」の意味合い(観念)を共通にする類似の商標と判断するのが相当である。
(4)そして、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品中「コーヒー」とは、同一又は類似の商品である。
(5)以上のとおりであるから、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
なお、請求人は、過去の登録商標を挙げ、また、引用商標は構成文字全体が不可分一体の造語と認識され、構成文字全体で一つの自他商品識別標識として機能するから、本願商標は引用商標とは非類似である旨主張しているが、引用商標は、「PEACE」(及び「ピース」)の文字部分を抽出し他人の商標と比較することが許されること前記認定のとおりであるし、また、構成文字全体としてみても、前記のとおり本願商標と引用商標は類似の商標と判断するのが相当であるから、請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2012-02-22 
結審通知日 2012-02-28 
審決日 2012-03-13 
出願番号 商願2011-4716(T2011-4716) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (X30)
T 1 8・ 262- Z (X30)
T 1 8・ 263- Z (X30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 早川 真規子 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 高野 和行
小畑 恵一
商標の称呼 ピースアイスドコーヒー、ピース、ピースアイスコーヒー 
代理人 佐久間 剛 
代理人 柳田 征史 
代理人 中熊 眞由美 

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