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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X29
管理番号 1261514 
審判番号 不服2011-22686 
総通号数 153 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-09-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-10-03 
確定日 2012-07-24 
事件の表示 商願2010-101840拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第29類に属する願書に記載されたとおりの商品を指定商品として、平成22年12月20日に登録出願され、その後、指定商品については、同23年5月27日付け手続補正書により第29類「乳製品,食肉,食用魚介類(生きているものを除く),肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,こんにゃく,豆腐,納豆」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、次のとおりであって、現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4620812号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおり、「RYOSHOKU」(「R」と「S」の文字が他の文字より大きく表されている。)の欧文字を横書きしてなり、平成14年3月15日に登録出願、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆」、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」、第31類「あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,もろこし,うるしの実,コプラ,麦芽,ホップ,未加工のコルク,やしの葉,食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,獣類・魚類(食用のものを除く。)・鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。),蚕種,種繭,種卵,飼料,釣り用餌,果実,野菜,糖料作物,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽,生花の花輪,飼料用たんぱく」、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」及び第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同年11月15日に設定登録されたものである。
(2)登録第4623986号商標(以下「引用商標2」という。)は、「リョーショク」の片仮名を横書きしてなり、平成14年3月18日に登録出願、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆」、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」、第31類「あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,もろこし,うるしの実,コプラ,麦芽,ホップ,未加工のコルク,やしの葉,食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,獣類・魚類(食用のものを除く。)・鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。),蚕種,種繭,種卵,飼料,釣り用餌,果実,野菜,糖料作物,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽,生花の花輪,飼料用たんぱく」、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」及び第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同年11月22日に設定登録されたものである。
(3)登録第5139530号商標(以下「引用商標3」という。)は、「リョーショク」の片仮名を横書きしてなり、平成19年4月3日に登録出願、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,農耕用品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,燃料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品として、同20年6月13日に設定登録されたものである。
(4)登録第5139532号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲2のとおり、「RYOSHOKU」(「R」と「S」の文字が他の文字より大きく表されている。)の欧文字を横書きしてなり、平成19年4月3日に登録出願、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,農耕用品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,燃料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品として、同20年6月13日に設定登録されたものである。
なお、これらをまとめていうときは、以下「引用商標」という。

3 当審の判断
本願商標は、別掲1のとおり、赤色の円形図形と「療食」の漢字、また、該「療食」の文字の間に小さく「りょうしょく」の平仮名を書してなるものであるところ、当該図形部分と文字部分とは、視覚上分離して把握され、また、これらを常に不可分一体のものとしてのみ把握、認識しなければならない格別の事情も見出せないものであるから、それぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものというのが相当である。
そうとすると、簡易、迅速をたっとぶ取引の実際にあっては、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成中に顕著に表され印象に残る「療食」の文字部分に着目して、当該文字部分をもって、取引に資することも決して少なくないものというのが相当である。
そして、該「療食」の漢字の間に小さく「りょうしょく」と表示された平仮名は、「療食」の文字の読みを表したものと無理なく理解されるものである。
してみれば、本願商標は、その構成中の「療食」の文字部分に相応して「リョウショク」の称呼を生じるものである。そして、当該文字部分は、直ちに親しまれた特定の語を想起させるものではないから、一種の造語として認識され、特定の観念を生じないものというのが相当である。
これに対し、引用商標は、前記2のとおり、「RYOSHOKU」(「R」と「S」の文字が他の文字より大きく表されている。)の欧文字、又は、「リョーショク」の片仮名よりなるところ、当該欧文字及び片仮名よりは、直ちに親しまれた特定の語を想起させるものではない上に、我が国で広く親しまれた外国語にも見当たらないことから、一種の造語として認識され、特定の観念を生じないものというのが相当である。
しかして、欧文字の造語からなる商標の場合には、我が国で親しまれたローマ字読み又は英語風の発音に倣って称呼されることが一般的であるところ、引用商標1及び4は、その構成文字に相応して、「リョーショク」の称呼を生ずるものというのが相当である。また、引用商標2及び3は、その片仮名の構成文字に相応して、「リョーショク」の称呼を生ずること明らかである。
そうすると、引用商標は、すべて「リョーショク」の称呼を生ずるものである。
そこで、本願商標の「リョウショク」と引用商標の「リョーショク」の称呼を比較するに、両者は、ともに4音という比較的短い音構成において、語頭音を含む「リョ」及び「ショク」の音を共通にし、その中間において「ウ」の音と長音「ー」の差を有するのみである。
しかして、該差異音である「ウ」の音と長音「ー」にしても、いずれも明確に聴取し難い中間に位置する音であるばかりでなく、前者の「ウ」の音は、前音「リョ」の母音(o)と二重母音を形成する結果、前音の母音(o)から一音節として途切れなく発音されるものであり、後者の長音「ー」は、前音「キョ」の母音(o)の音をそのまま延ばすものであることからすれば、両者は、ほぼ同一の音として聴取されるものである。
そうとすれば、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が近似したものとなり、称呼上互いに聞き誤るおそれが十分あるものといわなければならない。
してみれば、本願商標と引用商標は、外観が相違し、観念においては比較できないとしても、称呼において相紛れるおそれのある類似の商標といわなければならない。
また、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
なお、請求人は、本願商標と引用商標の使用の事実について、「本願商標の使用状況について説明すると、以下の様な経緯のもと現在に至るまで、継続的に本願商標を使用している。少なくとも、平成11年7月頃から今日までの間、主に『病院給食や高齢者向けの食事、宅配サービスによる高齢者や食事療法食、学校給食』などに本願商標を使用(甲1ないし甲3)。平成22年に東京ビックサイトで開催されたメディケア・フーズ展等に、本願出願人の製造販売する病医院食や高齢者向けの食品が展示され、本願商標の使用された多数の商品カタログを配布(甲4)。このことから、本願商標は、主に『高齢者用食品、病医院向けの食品』を取り扱う分野における需要者、取引者間に認識されている商標であるといえる。これに対し、引用商標の商標権者である『株式会社菱食』は、2011年7月に『三菱食品株式会社』と商号変更が行われている大企業であり、またその主要商品は『一般向けの冷凍食品や生鮮食品、惣菜、菓子、酒類』等である。したがって、引用商標が関連している商品の取り扱い分野は、本願商標とはその需要者及び取引系統を必ずしも同一としない商品であり、具体的な取引の実情に鑑みれば商品の出所の誤認混同を生じる可能性は極めて少ない。このため、本願商標と引用商標とは、取引の実情に鑑みても明らかに混同を生じるおそれのない非類似の商標である。」旨主張している。
しかしながら、請求人の提出に係る証拠によれば、その業務内容は、「病院、医療の給食サービス」「学校給食の受託サービス」「朝・夕食宅配サービス」「一般食事の宅配サービス」などであって、本願の指定商品について、本願商標を使用してきたものと認めることができない。また、新聞広告、カタログの作成がなされた事実は窺えるものの、広告量、広告費、カタログの配布部数、その他、指定商品に係る商品の売り上げなど不明であり、本願商標がその取引者、需要者に広く知られていると認めることもできない。
そうとすれば、請求人の主張する取引の実情は、本願の指定商品に関する本願商標のものではなく、また、本願商標の周知、著名性も認められないことから、その取引の実情は、特段に考慮されるべきものということができない。
よって、請求人の主張は、採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本願商標)

(色彩については原本参照)

別掲2(引用商標1及び4)




審理終結日 2012-05-16 
結審通知日 2012-05-25 
審決日 2012-06-05 
出願番号 商願2010-101840(T2010-101840) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X29)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 今田 三男薩摩 純一 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 井出 英一郎
高橋 謙司
商標の称呼 リョウショク、リョーショク 

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