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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y41
管理番号 1261510 
審判番号 取消2011-300874 
総通号数 153 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-09-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2011-09-21 
確定日 2012-07-23 
事件の表示 上記当事者間の登録第5038282号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第5038282号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成17年11月29日に登録出願、第41類「環境についての知識の教授,環境に関する映画・ビデオの上映・制作及び配給,環境に関する協議会の企画・運営・開催,環境に関する講演会・研修会・セミナーの企画・運営又は開催,環境に関する講演会・研修会・研究会の企画・運営又は開催,環境に関する知識と技能の検定試験」並びに第7類、第11類、第37類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成19年4月6日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張
請求人は、「本件商標の指定役務中の『第41類 環境についての知識の教授,環境に関する知識と技能の検定試験』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を「本件商標は、その指定役務中の上記役務について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。」旨述べた。

3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第9号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)使用の事実
ア 使用者について
商標権者は、株式会社ゼロエミッション・ホールディングス(以下「ゼロエミッション・ホールディングス」という。)との間で、平成20年8月20日に、本件商標の商標権を、ゼロエミッション・ホールディングスに使用許諾する契約を締結した(乙1)。なお、上記契約の締結後、ゼロエミッション・ホールディングスは、住所を移転し、かつ、社名を「株式会社ZEエナジー」に変更した(乙2)。また、上記使用許諾契約書における商標権者の住所は、本件商標の商標登録原簿の住所と相違しているが、これは、商標権者が代表取締役を務める株式会社ゼロエミッション(以下「ゼロエミッション」という。)の住所を商標権者の住所として記載したものである(乙3)。なお、ゼロエミッションは、平成20年に役員の人員整理を行い、現在同社の役員は商標権者1名であり、平成20年以降、営業活動を含め実質的な企業活動は、ゼロエミッション・ホールディングス(現株式会社ZEエナジー)が行い、商標権者は、ゼロエミッション・ホールディングスが開催するセミナー等で講師を務めるという関係になっている。
したがって、乙号証において、平成20年8月以前に作成したチラシ等の社名は、「株式会社ゼロエミッション」となっている。平成20年8月は、本件審判の請求の登録よりも3年2月前となるが、商標権者及び使用権者が継続して本件商標を使用していることを示すため、平成20年以前の証拠も提出する。
イ 本件商標の使用
(ア)乙第4号証は、当初の通常使用権者であるゼロエミッションが主催するセミナー及び検定試験の案内チラシであり、ゼロエミッションに商標の使用が許諾された後、2008年(平成20年)2月に1000部印刷されたものである。
乙第5号証は、ゼロエミッション・ホールディングスが主催するセミナー及び検定試験の案内チラシであり、2009年(平成21年)8月に、1000部印刷されたものである。
上記チラシは、乙第6号証に示す「NEW環境展」、「バイオマス総合展」、「インターネプコン・ジャパン」等の各種展示会等で配布するために作成されたもので、日時等を記載せず、参加者からの申し込みがある程度まとまった際に会場を選定し、セミナーを行っている。これらのチラシの左上に本件商標が表されている。
乙第7号証は、外国人参加者があった際の記念撮影写真及びそのときの参加者名簿である。セミナーは、小規模に社内で開催することも多く、その都度記録写真を撮影しているわけではないが、2010年(平成22年)2月12日及び同年6月22日開催の際は外国からの参加者という特殊ケースであったため、記念撮影を行った。ゼロエミッション・ホールディングスは、海外企業とのつながりも深く、外国人が来日した際にセミナーを開催し、通訳を介して知識の教授を行うこともある。参加者名簿の左上に本件商標が表されている。
したがって、ゼロエミッション又はゼロエミッション・ホールディングスがセミナー及び検定試験を企画・運営し、商標権者が講師として「環境に関する知識の教授」を行っていることは明らかである。
乙第8号証は、2011年(平成23年)11月13日及び同14日に日本人を対象に熱海で開催されたセミナーの参加者名簿及び写真である。この写真及び参加者名簿は、本件審判の請求後のものであるが、通常使用権者が継続的にセミナー及び検定試験を開催し、「環境に関する知識の教授」を日本国内において行っていることの一証左である。
なお、商標権者は、上記関連会社内に限らず、例えば、「境界技術研究会」等、外部の団体でも環境に関するテーマの講演会で講師を務めており、「環境に関する知識の教授」を行っている(乙9)。
(2)むすび
以上のとおり、商標権者及び通常使用権者が、本件商標を指定役務「環境についての知識の教授、環境に関する知識と技能の検定試験」について使用していることは明らかである。

4 当審の判断
(1)乙第1号証ないし乙第3号証、乙第5号証、乙第7号証の1及び2によれば、以下の事実を認めることができる。
ア 商標権者は、東京都港区赤坂三丁目8番8号に所在(平成22年1月5日に東京都台東区台東二丁目25番6号に移転:乙2)のゼロエミッション・ホールディングスとの間で、平成20年8月20日に、本件商標の商標権をゼロエミッション・ホールディングスに使用許諾する旨の商標権使用許諾契約を締結した(乙1)。なお、商標権使用許諾契約書(乙1)には、使用範囲、使用期間、使用料等についての定めの記載はない。また、該契約書の商標権者の住所は、商標権者が取締役をしているゼロエミッションの所在地である(乙3)。
イ ゼロエミッション・ホールディングスは、2009年(平成21年)10月に、同社が主催する「【ゼロエミッション・環境に関するセミナー及び検定試験】」について、同表題と共に、「ゼロエミッション式 持続可能な循環型社会システムについての講義をします。」の文字等を記載したチラシを1000部作成した(乙5)。該チラシの左上部には、本件商標が表示されている(なお、チラシには、上記セミナー及び検定試験が開催される日時についての記載はない。)。
ウ ゼロエミッション・ホールディングスが2010年(平成22年)2月12日に同社本社内で開催した「【ゼロエミッション・環境に関するセミナー及び検定試験】」には、3名の外国人が参加した(乙7の1)。また、ゼロエミッション・ホールディングスが2010年(平成22年)6月22日に富山県小矢部市で開催した「【ゼロエミッション・環境に関するセミナー及び検定試験】」には、6名の外国人が参加した(乙7の2)。そして、上記環境に関するセミナー及び検定試験における「参加者名簿」の左上部には、本件商標が表示されている。
(2)前記(1)で認定した事実によれば、本件商標の通常使用権者と認めることができるゼロエミッション・ホールディングスは、同社が主催する「環境に関するセミナー及び検定試験」について、本件審判の請求の登録(平成23年10月11日)前3年以内である2009年(平成21年)10月に、本件商標を表示したチラシを作成し、これを頒布したものと推認することができる。また、ゼロエミッション・ホールディングスは、本件審判の請求の登録前3年以内である2010年(平成22年)2月及び同年6月に、「環境に関するセミナー及び検定試験」を実施したこと及びその実施時に使用した「参加者名簿」に本件商標を表示したことを認めることができる。そして、上記「環境に関するセミナー及び検定試験」は、本件請求に係る指定役務に含まれる役務であることは明らかである。
そうすると、当該通常使用権者の行為は、「商品又は役務に関する広告、定価表若しくは取引書類に標章を付して・・頒布・・する行為」(商標法第2条第3項第1号)、「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付する行為」(同第3号)に該当するものと認めることができる。
したがって、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が請求に係る指定役務に含まれる「環境に関するセミナー及び検定試験」について、本件商標を使用していたことを証明したというべきである。
一方、請求人は、前記3の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。
(3)むすび
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中、請求に係る役務について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 本件商標



審理終結日 2012-05-24 
結審通知日 2012-05-28 
審決日 2012-06-12 
出願番号 商願2005-116016(T2005-116016) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Y41)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 忠司 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 豊瀬 京太郎
前山 るり子
登録日 2007-04-06 
登録番号 商標登録第5038282号(T5038282) 
商標の称呼 ゼロエミッション 
代理人 古井 かや子 
代理人 松倉 秀実 
代理人 川口 嘉之 
代理人 石塚 勝久 

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