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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 取り消して登録 X36
管理番号 1261497 
審判番号 不服2011-23938 
総通号数 153 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-09-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-11-07 
確定日 2012-08-10 
事件の表示 商願2010-22147拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第36類「生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出」を指定役務として、平成22年3月23日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は,「本願商標は、ややデザイン化されているもののローマ字の1文字よりなるものと容易に理解し、役務の種類・規格等を表示するための記号・符号として取引上類型的に使用されているローマ字『H』と『保険デザイン』及び『insurance design』の文字を書してなるところ、構成中の『insurance』の文字部分は、『保険』の意味を有するものであり、また、『デザイン』及び『design』の文字部分は、『設計、企画』等の意味を有する語として使用されていることから、『保険デザイン』及び『insurance design』の文字部分からは、『保険の設計、企画』というほどの意味合いを理解させ、さらに、保険を取り扱う業界においては、顧客にマッチした保険や保障を提案する保険のデザイン(設計)についてのサービスが行われている実情にある。そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、全体として『Hの記号・符号と保険の設計』というほどの意味合いを理解させるにとどまり、これに接する取引者、需要者は何人かの業務に係る役務であるかを認識することができないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、左側3分の1に、「H」の欧文字を手描き風に表してなり、中央部3分の1の上部に「保険」(「保」の文字の「口」の部分は「○」で表されている。以下「保」と表す。)の文字と、中央部から右側3分の2の下部に「デザイン」の文字を表してなり、右側3分の1の上部に、「insurance」と「design」の文字を二段に表した構成からなるものである。
そして、「H」の文字は青色で、「保険」及び「デザイン」の文字はそれぞれ黄緑色で、「insurance」及び「design」の文字はそれぞれ黒色で表されていることからすれば、本願商標は、文字の大きさ、書体、色を異にする、「H」、「保険/デザイン」及び「insurance/design」の文字がそれぞれに、視覚上分離して看取されるものである。
本願商標の構成中、「保険/デザイン」及び「insurance/design」の文字についてみてみると、「insurance」の文字部分は、「保険」の意味を有する英語であり、「design」及び「デザイン」の文字部分は、「設計、計画」等の意味を有する英語であることから、「insurance/design」の文字部分は、「保険/デザイン」の文字の英語表記であると理解され、「insurance/design」及び「保険/デザイン」の文字よりは、「保険の設計、企画」程の意味合いを認識させるものである。
また、「保険/デザイン」の文字は、当審において調査するに、本願指定役務を取り扱う業種において「保険を設計する」等を表すものとして使用されている、以下の事実が認められる。
(1)「保険デザインパートナーズ」のウェブサイトにおいて、「会社方針」の項に『デザインするという言葉には「目的を持って具体的に立案・設計する』という意味があります。人生をデザインするように、保険をデザインする。」との記載がある(http://www.hoken-design.com/kaisya.html)。
(2)「さわやか保険相談所」のウェブサイトにおいて、「無料保健相談の流れ」の「あなたにぴったりの保険を提案」に「あなたのご希望に沿った保障を多くの保険商品から選び、当社の保険プランデザイナーがあなたの保険をデザインします。」との記載がある(http://www.sawayakahoken.jp/flow/index.html)。
(3)「イーデザイン損保」のウェブサイトにおいて、「イーデザイン損保の特長」の項に「ぴったりの保険を、カンタンにデザイン お見積もり方法やプランがいろいろ選べるから、一人ひとりにぴったりの保険がデザインできます。」との記載がある(http://www.edsp.co.jp/quote/quote_004/)。
そうすると、「保険/デザイン」及びその英語表記である「insurance/design」の文字部分は、いずれの語も本願指定役務との関係において自他役務の識別力がないか、あるいは極めて弱いものと判断するのが相当である。
それに対し、その構成中、特に大きく描かれた手描き風の「H」の文字部分は、その他の部分から分離されて顕著な印象を受けるものであるから、「H」の部分も独立して着目される場合があるものということができる。
そして、「H」の文字部分は、縦の線が太めの線で、横の線がやや太めの線で描かれ、その文字は手描き風に、青色で表した構成よりなるところ、係る態様は、一般に用いられている書体とはいい難いものである。
また、たとえ、欧文字一文字が役務の種類・規格等を表す記号の一類型となる場合があるとしても、本願指定役務との関係において、単なる記号として省略される記号等が語頭に配されて使用されている事実も見いだせない。
そうとすれば、大きな文字で手描き風に表された「H」の文字部分は、役務の種類・規格等を表示するための記号・符号を普通に用いられる方法で表したものということはできない。
してみれば、本願商標は、これをその指定役務に使用しても、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るというべきであるから、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標とはいえないものである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標
(色彩については原本を参照されたい。)


審決日 2012-07-25 
出願番号 商願2010-22147(T2010-22147) 
審決分類 T 1 8・ 16- WY (X36)
最終処分 成立  
前審関与審査官 保坂 金彦椎名 実 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 瀬戸 俊晶
田中 亨子
商標の称呼 エイチホケンデザイン、エッチホケンデザイン、ホケンデザイン、デザイン、インシュアランスデザイン 
代理人 福島 三雄 

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