ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X29 審判 査定不服 観念類似 登録しない X29 |
---|---|
管理番号 | 1261439 |
審判番号 | 不服2011-21465 |
総通号数 | 153 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2012-09-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-10-05 |
確定日 | 2012-07-12 |
事件の表示 | 商願2010- 70177拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「恵比寿」の文字を標準文字で表してなり、第29類に属する出願時の願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成22年9月6日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、平成23年2月28日付けの手続補正書によって、第29類「肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。),食肉,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,カレー・シチュー又はスープのもと」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 (1)原査定は、「本願商標は、次の(2)の登録商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。 (2)登録第5412576号商標(以下「引用商標」という。) 引用商標は、「エビス」の文字を標準文字で表してなり、平成22年3月9日に登録出願、第29類「食肉,肉製品,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,カレー・シチュー又はスープのもと,加工卵,水産物のつくだに,昆布巻,魚介類の甘露煮,八幡巻,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり・かまぼこ」を除く。)」を指定商品として、平成23年5月20日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)本願商標は、前記1のとおり「恵比寿」の文字からなり、該文字に相応して、「エビス」の称呼を生じ、「(七福神の一つの)恵比寿」の観念を生じるものである。 他方、引用商標は、前記2(2)のとおり「エビス」の文字からなり、該文字に相応して、「エビス」の称呼を生じ、「(七福神の一つの)恵比寿」の観念を生じるものというのが相当である。 そこで、本願商標と引用商標とを比較すると、両者は、外観においては「恵比寿」と「エビス」との構成文字に差異を有し、称呼及び観念においては、「エビス」の称呼及び「(七福神の一つの)恵比寿」の観念を共通にするものである。 そうとすると、本願商標と引用商標とは、両者の外観、称呼及び観念等によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合すれば、両者の外観が相違するとしても、称呼及び観念を共通にするから、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標というべきである。 また、両者が出所の混同を生じないというべき取引の実情も見いだせない。 さらに、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。 (2)なお、請求人(出願人)は、片仮名で表された引用商標は、様々な意味を想起させ、漠然とした意味合いしか生じない旨主張している。 しかしながら、「えびす(エビス)」の語に「えぞ」「都から遠く離れた開けぬ土地の人民」等の意味があるとしても、七福神の一つの恵比寿が一般に親しまれていること及び「えびす(エビス)」の語が前記の意味を有するものとして一般に親しまれているとはいい難いことからすれば、片仮名の「エビス」の文字(語)は、漠然とした意味合いしか生じないというよりは、むしろ、七福神の一つの恵比寿を認識させるものとみるのが相当である。 また、請求人は、取引の実情をかんがみると、需要者等は商標を視認して商品を選択するのが通常であるから、商品識別において重要な要素である外観が明らかに異なり、外観の違いによって観念も相違する本願商標と引用商標とは、たとえ称呼が共通するとしても、互いに非類似の商標である旨主張している。 しかしながら、需要者等が商標を視認して商品を選択することがあることは否定しないが、需要者は、商標をその称呼及び観念をもって把握、認識し、それらによって商品を選択することも一般的といえる。そして、本件にあっては、本願商標と引用商標とは、上述のとおり「エビス」の称呼及び「(七福神の一つの)恵比寿」の観念を共通にするものであるから、両商標に接する取引者、需要者が、かかる称呼及び観念をもって把握、認識するものというのが相当であって、外観の違いを考慮してもなお、両商標は、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標というべきである。 以上のとおり、請求人のいずれの主張も採用することができない。 (3)したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2012-05-09 |
結審通知日 | 2012-05-15 |
審決日 | 2012-05-30 |
出願番号 | 商願2010-70177(T2010-70177) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
Z
(X29)
T 1 8・ 262- Z (X29) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 安達 輝幸、金子 尚人 |
特許庁審判長 |
森吉 正美 |
特許庁審判官 |
梶原 良子 板谷 玲子 |
商標の称呼 | エビス |
代理人 | 小川 稚加美 |
代理人 | 西川 惠清 |
代理人 | 田中 康継 |