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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X091028
審判 全部申立て  登録を維持 X091028
審判 全部申立て  登録を維持 X091028
審判 全部申立て  登録を維持 X091028
管理番号 1259900 
異議申立番号 異議2012-900015 
総通号数 152 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-08-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-01-23 
確定日 2012-06-28 
異議申立件数
事件の表示 登録第5445506号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5445506号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5445506号商標(以下「本件商標」という。)は、「Handroid」の文字を標準文字で表してなり、平成23年5月10日に登録出願、第9類、第10類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年9月16日に登録査定、同年10月21日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5132404号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ANDROID」の文字を標準文字で表してなり、2007年10月31日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成19年11月9日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年4月25日に設定登録されたものである。
(2)登録第5132405号商標(以下「引用商標2」という。)は、「アンドロイド」の文字を標準文字で表してなり、平成19年11月9日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年4月25日に設定登録されたものである。
(引用商標1及び2をまとめていうときは、以下、単に「引用商標」という。)

3 登録異議申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用商標と称呼及び外観において類似する商標であり、また、申立人の業務に係る商標として広く認識されている商標を表す「ANDROID(android)」を含みこれが強く印象付けられるから、「android」の文字部分に照応した称呼及び観念を共通にする類似の商標であって、本件商標の指定商品中第9類「電子応用機械器具及びその部品」は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人の商標として広く一般に知られているから、これを構成中に含む本件商標をその指定商品について使用する場合は、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、前記1のとおり、「Handroid」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、語頭の「H」の文字が大文字であり、それに続く文字が小文字であるものの、該文字は、同一の書体をもって、同一の大きさ・等間隔に外観上まとまりよく表されているものであり、その構成文字より「ハンドロイド」の称呼を生じ、また、特段の意味を有する語ではないから、格別の観念を生じない、一体不可分の造語として認識されるものである。
イ 引用商標
引用商標1は、前記2(1)のとおり、「ANDROID」の文字を標準文字で書してなるものであり、また、引用商標2は、前記2(2)のとおり、「アンドロイド」の文字を標準文字で表してなるものであるから、引用商標は、その構成文字に相応して、いずれも「アンドロイド」の称呼を生ずるものであって、「人間型ロボット」の観念を生ずるものである。
ウ 本件商標と引用商標との対比
(ア)外観
まず、本件商標と引用商標1についてみるに、本件商標は、欧文字8字からなるものであり、引用商標は欧文字7字よりなるものであり、本件商標の後半部の「android」が引用商標1の構成文字とは、欧文字と小文字の関係にあるものであるが、本件商標は、看者の目を惹く部分といえる語頭に「H」の文字を有し、該文字が大文字で表され、それに続く文字が小文字であることから、「H」の文字の外観上の印象は大きいものといえ、さらに、前記のとおり、まとまりよく一体的に表されたその態様において「android」の文字部分のみが外観上、注意を引く事情も認められない。そうとすると、本件商標と引用商標1とは、上記「H」の文字の有無及び他の文字の大文字と小文字の差異は、通常の注意力をもってすれば、互いに見誤るおそれはないとみるのが相当である。したがって、本件商標と引用商標1は、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上相紛れるおそれはないというべきである。
次に、本件商標と引用商標2についてみるに、本件商標は、欧文字よりなるものであるのに対し、引用商標2は、片仮名よりなるものであるから、外観上類似するということはできない。
(イ)称呼
本件商標より生ずる「ハンドロイド」の称呼と引用商標より生ずる「アンドロイド」の称呼は、称呼における識別上重要な要素をしめる語頭において、「ハ」の音と「ア」の音の差異を有し、しかも両音は撥音「ン」を伴うことにより強調され発せられることから、この差異が両称呼全体に及ぼす影響は大きく、それぞれの称呼を全体として称呼した場合には、語調語感が異なるものとなり、互いに聞き誤られるおそれはないというべきである。
(ウ)観念
本件商標は、前記ア認定のとおり、格別の観念を生じないものであるから、引用商標とは、観念上比較することはできない。
(エ)申立人は、本件商標は申立人の業務に係る商標として広く認識されている商標を表す「ANDROID(android)」の文字を顕著に含み、これが強く印象付けられて特に注目される場合も少なくなく、「android」の部分に照応した称呼、観念をもって取引される場合もあるとして、引用商標とは、称呼、観念を共通にする類似の商標といえる、旨主張しているが、引用商標が著名な商標であるとしてみても、本件商標は、構成全体がまとまりよく一体的に表されているものであり、しかも語頭の「H」が大文字でそれに続く各文字が小文字であって、一つの語として捕らえられ、本件商標を見た者が「android」の部分に着目して認識することは困難というべきである。したがって、本件商標より「android」の部分に照応した称呼、観念を生ずるという申立人の主張は採用できない。
エ 以上によれば、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点についても、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとする申立人の主張は、理由がなく採用することができない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 引用商標の著名性
(ア)申立人の提出に係る甲第4号証の1ないし甲第12号証の3(ただし、甲第7号証の5の提出はない。)を総合すると、引用商標は、IT関連企業として世界的に著名な申立人が中心となって、半導体メーカー、モバイル端末ベンダー、モバイル通信事業者、ソフトウェアメーカー等34社で組織されたOHA(Open Handset Alliance)により開発された携帯電話向けのオープンソースライセンスによるソフトウェアプラットフォームの名称であり、申立人は、2007年(平成19年)11月5日に、米国において無償で提供することを発表したこと(甲4)、申立人は、同年11月12日に、「Android」のプログラミングツールをダウンロード公開し、これと同時に「Android」のアプリケーション開発コンテストの開催を発表したこと(甲5、甲6)、携帯電話の機能を最大限使えるアプリケーションの実行環境の構築実現を可能にするプラットフォームを、世界的な大手IT企業がオープンソースで無償提供する点が極めて衝撃的であったため、2007年(平成19年)11月の発表と同時に世界中のモバイル業界で爆発的に話題となり、我が国を含む世界中のインターネットや業界誌等で大々的に取り上げられたこと(甲5?甲8)、平成21年11月には、日本国内のメーカーが次々とソフトウェアプラットフォームに「Andoroid」を採用した高機能携帯電話(スマートフォン)の発売を発表したこと(甲9)、その後、ソフトウェアプラットフォームに「Android」を採用したスマートフォンは、市場に浸透し、「iPhone(ソフトウェア「iOS」)」を競合商品として人気を二分するまでになり、そのことが話題となって、数多くの新聞、雑誌などで特集記事やコラムとして取り上げられたこと(甲10?甲12)、などを認めることができる。
(イ)前記(ア)で認定した事実によれば、引用商標は、申立人が提供する携帯電話向けのオープンソースライセンスによるソフトウェアプラットフォームを表示するものとして、IT関連分野において、米国はいうまでもなく、我が国を含めた世界的規模をもって、本件商標の登録出願日(平成23年5月10日)及びその登録査定日(平成23年9月16日)の時点において、需要者の間に広く認識されていたものと認めることができる。
イ 出所の混同
本件商標は、前記(1)認定のとおり、構成全体をもって一体不可分の造語を表したと認識されるものであり、その構成中の「android」の文字部分のみが独立して認識、把握されるものではなく、引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点についても、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
そうすると、引用商標が需要者の間に広く認識されている商標であることを考慮してみても、本件商標に接する需要者は、これより直ちに引用商標を想起又連想することは極めて少ないとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。
ウ してみれば、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとする申立人の主張も理由がなく採用することができない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2012-06-20 
出願番号 商願2011-38471(T2011-38471) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (X091028)
T 1 651・ 263- Y (X091028)
T 1 651・ 271- Y (X091028)
T 1 651・ 262- Y (X091028)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小川 敏 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 堀内 仁子
豊瀬 京太郎
登録日 2011-10-21 
登録番号 商標登録第5445506号(T5445506) 
権利者 株式会社岩田鉄工所
商標の称呼 ハンドロイド 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 石田 昌彦 
代理人 大矢 正代 
代理人 田中 克郎 
代理人 前田 勘次 

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