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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X09 |
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管理番号 | 1258398 |
異議申立番号 | 異議2012-900013 |
総通号数 | 151 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2012-07-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2012-01-17 |
確定日 | 2012-06-11 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5445937号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5445937号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5445937号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成23年5月11日に登録出願され、第9類「眼鏡」を指定商品として、同年9月15日に登録査定、同年10月21日に設定登録されたものである。 2 申立て理由の要旨 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の出願前から今日に至るまで、商品「眼鏡」に「エアーリーダー」、「エアリーダー」及び「Air Reader」の標章を使用して、日本全国において販売してきた結果、上記標章は、申立人の使用に係る標章として、日本国内での取引者・需要者間に広く認識されている。 本件商標は、上記標章と、称呼を同じくする類似の商標であって、その商品について使用をするものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。 よって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。 3 当審の判断 (1)使用標章の周知性について ア 申立人は、「『エアーリーダー』、『エアリーダー』及び『Air Reader』の標章は、これを『眼鏡』について使用されてきた結果、申立人の使用に係る標章として、日本国内での取引者・需要者間に広く認識されている。」旨主張しているので、この点について、以下、検討する。 ア 申立人は、学校法人文化学園文化出版局が2008年夏号から2010年冬?2011年早春号として発行した通販カタログ「ミセス特選ショッピングガイド」(甲2ないし甲7)、株式会社世界文化社が2008年夏号として発行した通販カタログ「家庭画報」(甲8)、同じく、株式会社世界文化社が2010年新春号及び2010年盛夏号として発行したギフトカタログ「家庭画報の喜ばれる贈りもの」(甲9及び甲10)、株式会社小学館集英社プロダクションが2010年春号別冊及び2010年秋号別冊として発行した通販カタログ「佳人手帳」(甲11及び甲12)、STEILER C.K.M株式会社が2010年に発行したと申立人が主張する通販カタログ「せいかつ百貨事典 VOL.75」(甲14)及び株式会社ディノスが2010年1月5日に発行した通販カタログ「ココロにきく、カタログ。2010春夏」(甲16)の通販カタログなどにおいて、「シニアグラス」、「老眼鏡」「リーディンググラス」など「眼鏡」の範疇に属する商品について、申立人の略称と認められる「アイマジン」の文字と共に、「エアーリーダー」または「エアリーダー」の標章(以下「使用標章」ということがある。)を表示していることが認められる。 しかしながら、上記通販カタログに、「Air Reader」の標章の表示はない。 また、上記通販カタログ「佳人手帳」(甲11及び甲12)は、いずれも全国版10万部印刷し頒布したことを、その発行人が証明する旨記載されていることが認められるが、その印刷部数は、全国版のカタログとしては決して多いものとはいえない。 さらに、「佳人手帳」(甲11及び甲12)以外の上記通販カタログの発行部数は不明であり、また、上記全ての通販カタログの頒布地域等は不明である。 さらにまた、通販カタログ以外の、例えば、雑誌、一般紙、業界紙等における使用標章の使用を裏づけるものの提出がないばかりでなく、使用標章を使用した「眼鏡」の売上高や市場占有率などの商品の販売実績については、何ら明らかにされていない。 なお、甲第15号証、上記した甲第19号証これに関連する甲第20号証及び甲第21号証並びに甲第22号証ないし甲第28号証は、発行日若しくは掲載日が本件商標の登録出願前でないか若しくは不明であることから、使用標章の周知性を証する証拠とはなり得ない。 イ 株式会社QVCジャパンが2009年に発行したプログラムガイド「QVC 2009年2月号」(甲17)において、申立人は、商品「シニアグラス(眼鏡)」について標章「エアーリーダー ソレイユ」を表示していることは認められる。 また、株式会社QVCジャパン及び株式会社ビービーエフが申立人宛に、2012年2月15日付けで発行した確認書(甲18)によれば、「エアーリーダー」「エアリーダー」「Air Reader」の標章を使用した申立人の商品「眼鏡」を、QVCテレビショッピングにおいてテレビ放映を通じて販売したことを確認する旨記載されている。 しかし、甲第17号証との対比において、「Air Reader」の標章の使用は認められず、実際に、「Air Reader」の標章を使用した申立人の商品「眼鏡」を、放映したのか確認することができない。 仮に、上記した全ての標章が放映されたとしても、その放映(広告)回数は、本件商標の登録出願前の2010年1月3日ないし2011年5月9日までの20回であることから、その放映(広告)期間は短く、その回数も、必ずしも多いとは言えず、また、 その放映(広告)内容は、具体的にどのような態様で放映(広告)されたのか不明であり、さらに、放映(広告)地域・宣伝費についてもその立証がされていない。 ウ メガネの国際総合展IOFT事務局が、2010年10月18日付けで申立人に宛てた、第23回日本メガネベストドレッサー賞協賛品の提供の感謝状(甲29)からは、その協賛品がメガネであること、「エアリーダー」などの表示が認められるが、これをもって、直ちに、使用標章が、取引者・需要者間に広く認識されていたことに直結するものではない。 エ 以上において認定した事実に加え、使用標章は、その使用期間が3年に満たない短い期間であることなどを併せ考慮すると、本件商標の登録出願時において、申立人の取扱に係る商品の出所を表示する商標として、取引者・需要者間に広く認識されていたとはいえないというのが相当である。 (2)商標法第4条第1項第10号の該当性について 本件商標と使用標章とが、「エアーリーダー」、「エアリーダー」の称呼を共通にする商標であるとしても、前記(1)のとおり、使用標章は、本件商標の登録出願時において、申立人の取扱に係る商品の出所を表示する商標として、取引者・需要者間に広く認識されていたとはいえない。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当するものではない。 (3)結論 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号の規定に違反してされたと認められないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 (本件商標) |
異議決定日 | 2012-06-01 |
出願番号 | 商願2011-32016(T2011-32016) |
審決分類 |
T
1
651・
25-
Y
(X09)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 原田 信彦 |
特許庁審判長 |
小林 由美子 |
特許庁審判官 |
鈴木 修 小川 きみえ |
登録日 | 2011-10-21 |
登録番号 | 商標登録第5445937号(T5445937) |
権利者 | ハート光学株式会社 |
商標の称呼 | エアーリーダー、リーダー、エアー、エイアイアアル |
代理人 | 中出 朝夫 |
代理人 | 戸川 公二 |
代理人 | 福田 秀幸 |