ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X09 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X09 |
---|---|
管理番号 | 1258369 |
審判番号 | 不服2011-3186 |
総通号数 | 151 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2012-07-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-02-14 |
確定日 | 2012-06-06 |
事件の表示 | 商願2007-113993拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「バックビューモニター」の片仮名を標準文字で表してなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年11月9日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同20年6月17日付け手続補正書により、第9類「業務用テレビゲーム機,測定機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,消防車,自動車用シガーライター,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,出版物の内容を記憶させた記録媒体」に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標は、『バックビューモニター』の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、『後ろの光景を映す画像表示装置』の意味合いを認識させるものであるから、これをその指定商品中、上記意味合いに照応する商品、例えば、『後ろの光景を映す液晶モニター装置』に使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、単に商品の品質を表示したと理解するにとどまり、自他商品の識別標識として機能し得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるため、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審における証拠調べ 当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲1ないし14に示す事実を発見したので、請求人に対し、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、当該事実を通知し、相当の期間を指定して、意見を申し立てる機会を与えたが、請求人は、何ら意見を述べていない。 4 当審の判断 本願商標は、前記1のとおり、「バックビューモニター」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「バック」の文字が「背後」、「ビュー」の文字が「光景。眺め」、「モニター」の文字が「機械などが正常な状態に保たれるように監視する装置」の意味を有する外来語として、一般に広く使用されていることから、これらの語を結合してなるものと容易に看取させるものである。 そして、「バックビューモニター」の文字は、別掲1ないし14に示す内容によれば、自動車等の車両後方の映像を映し出す自動車用液晶モニター装置を指称する語として、一般に広く用いられているものであるから、該文字を普通に用いられる方法で表してなるにすぎない本願商標は、これをその指定商品中、第9類「車両後方の映像を映し出す自動車用液晶モニター装置」について使用しても、単に商品の品質、用途を表示するものとして認識し理解されるにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、また、本願商標を上記商品以外の商品に使用するときは、該商品があたかも「車両後方の映像を映し出す自動車用液晶モニター装置」であるかのように、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものというのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。 なお、請求人は、「バックビューモニター」の文字が自己の取り扱いに係る商品を示すものとして使用されており、また、本願商標と同様に、標章の構成中に「モニター」の文字を包含してなる登録例が多数あることから、本願商標も登録されるべきである旨主張する。 しかしながら、「バックビューモニター」の文字が、取引者、需要者をして、「車両後方の映像を映し出す自動車用液晶モニター装置」であることを表示するもの、すなわち、商品の品質、用途を表示するものとして認識されることは、上述のとおりであり、また、請求人が挙げる登録例は、いずれも本願商標とその構成、態様を異にするものであって、本件とは事案を異にするものであり、これらを同一に論ずることはできないというべきであるから、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。 以上によれば、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(平成23年1月23日付け証拠調べ通知で開示した事実) 1 いすゞ自動車株式会社が製造、販売するマイクロ・自家用送迎バス「JOURNEY」の商品カタログ(2011年8月現在)中の7頁において、「バックビューモニター(カラー、車幅/距離表示機能、カメラレンズクリーニング機能付)〈7インチ〉」の記述、同じく9頁において「配光特性に優れ、夜間走行時の視界を向上させるハロゲンヘッドランプ(マニュアルレベライザー付)をはじめ、ハイマウントストップランプ、バックビューモニター、電動リモコン付広角ミラーなど、状況判断のための装置を多数設定して、安全運転をサポートしています。」の記述がある。 2 「24時間テレビ 愛は地球を救う」のウェブサイト中、「第34回福祉車両ラインナップ」の一として掲げられた「スロープ付き軽自動車 スズキ エブリイ」の「詳細情報」において、「エアバッグ」、「ABS」及び「キーレスエントリー」等の装備の一として「バックビューモニター」の記述がある。 (http://www.ntv.co.jp/24h/contents/images-pdf/2011/20.pdf) 3 「webCG」のウェブサイト中、「ハイブリッドでスポーツ! 『ホンダCR-Z』発売」の見出しの下、「坂道でのズリ下がりを防止するヒルスタートアシストや、視野角の広がったバックビューモニター(130度→180度)といった、小ワザも充実。地球だけでなく、ドライバーにもやさしいスポーツカーとなっている。」の記述(http://www.webcg.net/WEBCG/news/n0000022567.html)、同じく、「マツダ・ビアンテ20S(FF/5AT)【ブリーフテスト】」の見出しの下、「HDDナビ+フロント&サイド&バックビューモニター++リアエンターテインメントシステム(50万4000円)」の記述がある。 (http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/i0000019844.html?pg=5) 4 「MOTOR DAYS」のウェブサイト中、「新車試乗記 第626回 スズキMRワゴンX」の見出しの下、「スマホ風のタッチパネルオーディオは、全車標準。オーディオレス仕様との価格差から言えば、5万2500円相当の装備だ。機能としては、AM/FMラジオ、CDプレーヤー、iPodダイレクト再生、USBメモリーファイル再生、そしてバックビューモニターといったところで、目新しいものはない。」の記述がある。 (http://www.motordays.com/newcar/articles/mr_wagon_suzuki_imp_20110311/) 5 「私は、街の試乗屋さん」のウェブサイト中、「(トヨタブレイド試乗インプレッション)」の見出しの下、「TOYOTA BLADE G(2WD)の価格には、オプション装備;HDDナビゲーションシステム、バックビューモニター、ETCユニットを含む。VOLKSWAGEN GOLF GTXの価格には、特にオプション装備価格は含まない。」の記述がある。 (http://kuruma-field.com/sBLADEin.htm) 6 「BigScooter.com Presents」のウェブサイト中、「第37回東京モーターショー2003 10/24?11/5」の見出しの下、「■スマートキー、バックビューモニターを装備 スマートキーシステムは、鍵穴をなくすことで悪戯を防止する仕組みだ。カードキーを持ってバイクに近づくだけで、キー操作なしでエンジン始動、バックミラーをなくして、CCDカメラによる後方映像をメーター下に映し出し、視認性を高める。なお、このモニターにはナビゲーションシステムの映像も表示可能。」の記述がある。 (http://www.bigscooter.net/staff/sugi/tms2003/honda.html) 7 「RENESAS」のウェブサイト中、「自動車向けグラフィックス・ソリューション」の見出しの下、「車両後部の映像を映し出すバックビューモニタや赤外線カメラで夜間運転を支援するナイトビューアシスト、車両を真上から俯瞰した画像を表示して駐車を支援するパーキングアシストなどは、すでに一部の自動車に搭載されている。」の記述がある。 (http://japan.renesas.com/edge/Vol.24/child_folder/SpecialFeature/special02.htm) 8 「Automotive Electronics」のウェブサイト中、「【ET2009】バックビューモニターを搭載したバックミラー、マイクロチップが展示」の見出しの下、「マイクロチップ テクノロジー ジャパンは、『Embedded Technology 2009(ET2009)』(2009年11月18日?20日)において、車のバックミラーにバックビューモニターを搭載した製品を展示した・・・『バックビューモニターは、カーナビゲーションシステム(カーナビ)に搭載されているものが主流だが、車をバックするときには、どうしてもバックミラーを見る、という人間工学に着目して開発された製品』だという。・・・マイコンの制御により、ギアがバックに入ったときのみ、バックビューモニターがバックミラーの一部に映し出されるようになっている。」の記述がある。 (http://ednjapan.cancom-j.com/ae/news/2009/11/5960) 9 「R&D支援センター」のウェブサイト中、「車載用カメラにおける環境(周辺)認識技術の基礎と実用化への課題・対策」の見出しの下、「?バックビューモニターから交通環境認識までの応用に向けて?」の記述がある。 (http://www.rdsc.co.jp/seminar/100319.html) 10 「安全運転技術向上.info」のウェブサイト中、「リヤモニター、バックビューモニター、リアビューモニター」の記述がある。 (http://safety-driving.info/driving-technique-and-so-on/rear-monitor.html) 11 「マイナビニュース」のウェブサイト中、「SH-2Aを使ったバックビューモニター付きカーオーディオ向けソリューション」の記述がある。(http://journal.mycom.co.jp/articles/2010/05/13/esec_2010/index.html) 12 「車磨き研究所」のウェブサイト中、「車磨き研究所の施工車ギャラリー」の見出しの下、「今ではほとんどの車に装着されているバックビューモニターですが、ベンツの場合画面の上の白い丸の部分にも障害物との距離と方向を示すモニターがあります。」の記述がある。 (http://www.aplabo.com/gallery/mercedes-benz/mercedes-benz-200125iedition.html) 13 「cartime」のウェブサイト中、「シボレー・アストロを購入した″ゆうみんさん″の購入秘話[後編]」の見出しの下、「ゆうみんさん:総額120万円です。車両本体、タイヤ&ホイール変更、ナビ・ETC・バックビューモニター・モニター付ルームミラー装着、内装カスタマイズ、諸費用込みです。」の記述がある。 (http://www.cartime.jp/story/023_astro_02.html) 14 「30型プリウスと愉快な仲間と趣味と家族の日記」と称するブログサイトにおいて、「BMW バックビューモニター」及び「純正パーツにある『バックビューモニター』。」の記述がある。 (http://blogs.yahoo.co.jp/e39hiline/5201663.html) |
審理終結日 | 2012-03-30 |
結審通知日 | 2012-04-02 |
審決日 | 2012-04-17 |
出願番号 | 商願2007-113993(T2007-113993) |
審決分類 |
T
1
8・
272-
Z
(X09)
T 1 8・ 13- Z (X09) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小川 敏 |
特許庁審判長 |
酒井 福造 |
特許庁審判官 |
田中 敬規 吉野 晃弘 |
商標の称呼 | バックビューモニター、バックビュー |
代理人 | 小栗 昌平 |
代理人 | 市川 利光 |