• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201010902 審決 商標
不服201321135 審決 商標

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない X0637
管理番号 1258198 
審判番号 不服2011-13096 
総通号数 151 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-07-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-06-20 
確定日 2012-05-11 
事件の表示 商願2010-3621拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「KEEP THE LIFE LINE」の文字を標準文字で表してなり、第6類及び第37類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成22年1月21日に登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、同年8月19日受付の手続補正書により、第6類「金属製バルブ(機械部品を除く。),金属製管継ぎ手,金属製フランジ,金属製金具,建築用又は構築用の金属製専用材料」及び第37類「土木一式工事,塗装工事,管工事,機械器具設置工事,建設工事,水道施設工事に関する情報の提供,建築工事に関する助言,水道施設工事の監理の受託又は助言,光学機械器具の修理又は保守,写真機械器具の修理又は保守,土木機械器具の修理又は保守,発電機の修理又は保守,測定機械器具の修理又は保守,金属加工機械器具の修理又は保守,貯蔵槽類の修理又は保守,水質汚濁防止装置の修理又は保守,浄水装置の修理又は保守,土木機械器具の貸与,上下水管の保守用機械器具の点検・修理又は保守,上下水管の管内検査装置の点検・修理又は保守,上下水管の点検・修理又は保守,バルブの点検・修理又は保守,管継ぎ手・フランジの点検・修理又は保守」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『KEEP THE LIFE LINE』の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、『ライフラインの確保』、『ライフラインを確保する』程の意味合いを英語で表したものと容易に理解されるものであるから、これを本願指定役務中、ライフラインに係る役務である『発電機の修理又は保守,上下水管の点検・修理又は保守』等について使用しても、取引者、需要者は、上記意味合いの会社理念や業務姿勢を英語により表したものとして認識するにとどまり、自他商品・自他役務を識別するための標識とは認識し得ないものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品・役務であるかを認識することができないものであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
企業は、その取扱いに係る商品や役務、企業イメージに関して、需要者に親しみや好感、信頼感などの良い印象を抱いてもらうよう日常的に心がけているところ、その一手段として、標語(キャッチフレーズ、スローガン)などを採択し、それらを通じて商品、役務の広告、宣伝や企業イメージの向上に努めているというのが実情である。
そして、具体的な商品の品質又は役務の質を示す単語が存在しなくとも、具体的、抽象的は問わず企業のイメージを向上させることが、結果的にはその取扱いに係る商品又はその提供に係る役務に対する信頼感の向上にもつながることが、もとより企業に関するキャッチフレーズやスローガンの意図するところであるから、これらの中には、端的な宣伝文句のほか、商品や役務並びに企業のイメージの向上を目的とした観念的、抽象的表現もしばしば採択されているところである。
そこで、これを本願商標についてみるに、本願商標は、前記1のとおり、「KEEP THE LIFE LINE」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字を構成する各英単語は、我が国における英語の普及の程度に照らせば、いずれも平易なものであり、また、その構成中の「LIFE LINE」の語についても、「都市生活者の生命維持に欠くことのできない電気・ガス・水道などの供給路や通信・輸送の手段」ほどの意味を有する英語として、一般に広く知られている(「新明解国語辞典 第六版」(株式会社三省堂発行)、「ベーシック ジーニアス英和辞典」(株式会社大修館書店発行)、「コンサイスカタカナ語辞典 第4版」(株式会社三省堂発行)、「朝日現代用語『知恵蔵』2007」(朝日新聞社発行)参照)ことからすれば、本願商標は、これに接する取引者、需要者をして、その構成文字全体から「ライフラインの確保」ほどの意味合いを容易に想起させるものというのが相当である。
また、電気・ガス・水道などのライフラインを確保することの重要性は、我が国でも一般に広く認知されているところ、本願商標に係る指定商品や指定役務を取り扱う業界においては、企業が自己の商品や役務についての広告宣伝、企業理念や事業方針などを表明する際に、「ライフラインの確保」に言及する場合が少なからずあることは、原審において示したウェブサイト上の情報からも見いだし得るところである。
そうとすると、上記意味合いを容易に想起させる本願商標をその指定商品又は指定役務(例えば、金属製バルブ(機械部品を除く。)、金属製管継ぎ手、発電機の修理又は保守,上下水管の点検・修理又は保守など)について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、これを自他商品又は自他役務の識別標識として看取し、認識するというよりは、むしろその指定商品又は指定役務を取り扱う請求人の業務に関し、語句全体から「ライフラインの確保」という、その企業理念などを表す、企業のイメージ向上を訴えるための標語(キャッチフレーズ、スローガン)として理解し、認識するにとどまるというべきである。
してみれば、本願商標をその指定商品又は指定役務について使用しても、取引者、需要者は、それが企業のイメージ向上を訴えるための標語(キャッチフレーズ、スローガン)の一類型と理解するにとどまり、それをもって自他商品又は自他役務の識別標識とは認識し得ないものであるから、結局、本願商標は、需要者をして何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
なお、請求人は、「KEEP THE LIFE LINE」の文字は、請求人以外に使用する例はなく、また、自らの使用によっても、自他商品又は自他役務の識別標識として認識されている旨主張するが、本願商標が、その指定商品又は指定役務の取引の実情に照らし、企業のイメージ向上を訴えるための標語(キャッチフレーズ、スローガン)の一類型として理解、認識されるにとどまるものであることは、上記認定、判断のとおりであり、さらに、請求人の主張に係る使用の実態(甲第6号証)についてみても、請求人が自己の業務に係る商品や役務についての説明や展示などを行うための車両を用意し、その荷台側面に「KEEP THE LIFE LINE」の文字(ただし、本願商標とはその表現方法を異にする。)からなる表示をしていることは認められるものの、これをもって直ちに本願商標が自他商品又は自他役務の識別標識として機能しているとはいい難く、請求人の提出に係るその他の甲各号証をみても、上記判断を覆すに足る事実は見いだせない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2012-02-20 
結審通知日 2012-02-21 
審決日 2012-03-30 
出願番号 商願2010-3621(T2010-3621) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (X0637)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 久保田 正文 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 田中 敬規
山田 和彦
商標の称呼 キープザライフライン 
代理人 特許業務法人 ユニアス国際特許事務所 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ