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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 042
管理番号 1256429 
審判番号 取消2011-300177 
総通号数 150 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-06-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2011-02-18 
確定日 2012-04-25 
事件の表示 上記当事者間の登録第3180672号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 登録第3180672号商標の指定役務中,第42類「医業,健康診断,歯科医業,調剤」については,その登録は取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第3180672号商標(以下「本件商標」という。)は,「SACS」の欧文字を横書きしてなり,平成4年6月8日に登録出願,第42類「美容,理容,あん摩・マッサ-ジ及び指圧,きゅう,柔道整復,はり,医業,健康診断,歯科医業,調剤」を指定役務として,同8年1月18日に登録査定,同年7月31日に設定登録,その後,同18年8月8日に商標権存続期間の更新登録がなされ,現に有効に存続しているものである。
そして,本件審判請求の登録は,平成23年3月7日である。

2 請求人の主張
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び参考資料を提出した。
(1)請求の理由
請求人において市場を調査したところ,本件商標が商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかにより,少なくも過去3年間にその指定役務中「医業,健康診断,歯科医業,調剤」について使用された事実を発見することができなかった。
よって,本件商標は,商標法第50条第1項により,その登録は指定役務「医業,健康診断,歯科医業,調剤」について取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
ア 乙第1号証ないし乙第7号証によれば,分析装置はコンパクトなもので,皮膚を拡大して,水分,湿度,色調,pH,皮丘・皮溝の形態を測定し,顧客にあった化粧品を提供する,巡回には,技師,カウンセラーなど12人の社員が派遣されるという新聞記事(乙第1号証),特定の化粧工房による素肌診断の行われた事実とその時用いられたチラシと本件商標が付された事実(乙第2号証),別の薬局,美容室による素肌診断が行われた事実とその時発行されたお肌のクリニカルチェックシートの例(乙第6号証及び乙第7号証)等が含まれている。
イ 被請求人のいう「健康診断」は,医師が行う患者の皮膚についての病気の有無の診断とは関係がなく,むしろ「美容相談」の域を出るものではない。現に乙各号証のいずれにも,医師の参加を示すものはなく,また,被請求人においてその主張もなされていない。
ウ 国際分類第44類に属する役務「健康診断」は,医業,調剤等と同じ類似群コード「47V02」(42V02の誤記:審決注)で示されるように,医療関係の役務であることが明瞭である。一般でも,「健康診断」の語は,「病気の予防・早期発見などのために医師が行う診断」(「広辞苑」第5版,2006年1月20日岩波書店発行)であることからも明らかである。
(3)よって,本件商標は,審判請求予告登録日前3年以内に日本国において「健康診断」に使用されていないので,その登録は,請求の趣旨に係る役務について取り消されるべきものである。

3 被請求人の答弁
被請求人は,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,証拠差出書によるものを含め,乙第1号証ないし乙第9号証を提出した。
(1)被請求人は,主として「化粧品」を製造販売する株式会社であり,消費者の素肌を,皮膚測定分析装置を用いて科学的に診断する「健康診断」を実施している。
その歴史は古く,昭和60年(1985)から,「お肌の救急車」と称する車輌に,皮膚の測定分析装置を備え,商品販売店を巡回して,消費者の肌の「健康診断」を行ったり,同じくヨットを利用して,前記装置により「健康診断」を行っている(乙第1号証ないし乙第3号証)。
(2)近年では,この肌の測定分析装置を用いた「健康診断」に本件商標を使用しており,「化粧品」の小売店である奈良市大宮町所在の「化粧工房カインド」において,平成22年(2010)11月3日に,「皮膚測定分析装置でお肌診断」(以下「使用役務」という。)が行われることを示すパンフレットを配布した事実があり,それには,本件商標が使用されている(乙第4号証)。
このような,女性の肌の「健康診断」は,診断後に「お肌のクリニカルチェックシート」が発行され,それには,肌の「キメ」「ミゾ」「色調」「温度」「水分」「皮脂」「PH」などが詳細に示され,被請求人の名称と共に,本件商標が使用されている(乙第5号証)。
(3)乙第6号証は,株式会社アルケミー(旭川市末広在)の代表取締役の証明書であり,乙第7号証は,美顔エステナオミの代表である久保田奈緒美氏の証明書である。いずれの「お肌のクリニカルチェックシート」にも,診断を担当した被請求人会社の担当者名と,被請求人の名称及び本件商標が使用されており,実施日時は,本件審判請求の予告登録日の前の平成22年7月22日及び同年11月5日である。
(4)商標法上の「健康診断」は,より広い意味合いを持ち,医師が行う行為に限らず,例えば,機械機器を用いて健康状態をチェックする役務も含まれると考えられる。被請求人は,「肌」という限定的ではあるが,その「健康診断」の業務に本件商標を使用していることが明らかである。
(5)乙第8号証は,自己採血した血液より,血糖値,総コレステロール,中性脂肪の測定及び血圧,体重,骨密度などを測定する「健康診断」を500円でおこなうこと,また,乙第9号証は,雑誌「日経ビジネス」に,「健康診断」について,血液検査まで医師によらずに行っていることが示されている。これらより,「健康診断」は,医師によらないものも存在することが立証できる。
(6)以上のとおり,本件商標は,指定役務である「健康診断」に,被請求人が本件審判の予告登録日以前の3年間に使用しているものである。

4 当審の判断
(1)不使用取消審判
商標法第50条に規定する商標登録の取消しの審判にあっては,その第2項において,その審判の請求の登録前3年以内(本件の場合,平成20年〔2008年〕3月7日から平成23年〔2011年〕3月6日,以下「要証期間」という。)に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての使用をしていることを被請求人が証明しない限り,使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにした場合を除いて,商標権者は,その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れないとされている。
(2)被請求人提出の証拠について
ア 乙第1号証は,昭和60年(1985年)10月31日に「日経産業新聞」に掲載された,被請求人の「肌の診断」に関する紹介記事であり,『ヒノキ新薬「お肌の救急車」全国巡回』との見出しのもと,「皮膚を拡大して水分量,温度,色調,酸性かアルカリ性か,皮丘・皮溝の形態を測定,顧客にあった化粧品を提供する。」との記載がある。
同じく,乙第2号証は,同61年(1986年)2月28日に「日経産業新聞」に掲載された記事であり,「ヨットの上でお肌を診断」との見出しのもと,「ヨットを訪れた女性には無料で肌の診断をする。シミやそばかすが日焼けでできないように,肌にぴったり合った化粧品のサンプルを手渡す。」との記載がある。
しかしながら,該証拠は,昭和60年及び同61年の新聞記事であって,要証期間外のものであり,かつ,本件商標を確認することができない。
イ 乙第3号証は,被請求人の主張によれば,「お肌の救急車」と称する車輌に,皮膚の測定分析装置を備え,商品販売店を巡回して消費者の肌の「健康診断」を行ったとする会場の風景写真であるが,本件商標を確認することができない。
ウ 乙第4号証は,請求外「化粧工房カインド」の代表者「板倉益美」による,平成23年4月22日付けの証明であるところ,「別紙チラシは,素肌診断を行うために・・・300名ほどの消費者の方に郵送したり,ポスティングしたチラシの写しである」との記載がある。また,別紙のチラシには,「予告!!皮膚測定分析装置でお肌診断」「11月3日(水・祝)」「ご予約受付中!!」との記載とともに本件商標が表示されている。
しかしながら,該証拠は,お肌診断の予約を受け付けていることを証するにすぎないものであるから,本件指定役務についての本件商標の使用を示すものということができない。
エ 乙第5号証は,女性の肌の「健康診断」の後に発行したとする「お肌のクリニカルチェックシート」であるが,該書面には,「実施日時 平成21年4月1日」,「お肌の測定結果」として「キメ(皮丘の面積)」「ミゾ(皮溝)の深さ」「色調(白色度)(赤色度/黄色度)」等,「問診の結果」として受診した者の問いに対する回答が記載され,下部には,本件商標及び被請求人と認められる「HINOKISHINYAKU CO.,LTD」との表示がある。
しかしながら,乙第5号証は,測定分析装置による測定結果と問診を記載したにとどまるものであって,本件指定役務についての本件商標の使用を示すものということができない。
オ 乙第6号証は,請求外「株式会社アルケミー」の代表者「曽田悟」,乙第7号証は,請求外「美顔エステナオミ」の代表者「久保田奈緒美」による,いずれも平成23年5月19日付けの証明とするものであるが,乙第5号証と同様の理由により,使用役務について本件商標の使用を示すものということができない。
カ 乙第8号証は,2008年11月,ケアプロ株式会社による報道関係者向けのプレスリリースであるところ,『日本初,ワンコイン健診ショップ「ケアプロ」がオープン!』等との記載,「検査メニュー」として,血糖値,総コレステロール,中性脂肪,血圧,体重,身長,BMI(肥満度),骨密度の記載がある。そして,他に「*医師の診察や診断,精密検査を希望される方は医療機関を受診していただくことをお勧めします。」との記載があることからすれば,上記検査は,数値の測定の範囲に止まるものであって,「健康診断」ということができない。
また,乙第9号証は,雑誌「日経ビジネス」(2012.2.20)であるところ,ケアプロ株式会社の社長に関する記事であり,125頁には「血糖値や総コレステロール,中性脂肪などをそれぞれワンコイン(500円)で検査できる。」の記載,127頁には「看護師はその血液を検査機器に通し,結果を見ながらアドバイスするだけだ。」との記載があり,これらは,検査を行い助言するにすぎず,医師による「健康診断」ということができない。
(3)被請求人の「皮膚を拡大して水分量,温度,色調,酸性かアルカリ性か,皮丘・皮溝の形態を測定する。」(以下「被請求人業務」という。)ことが,取消請求に係る指定役務中,「健康診断」に当たるか否かについて
本件取消請求に係る指定役務中,「健康診断」は,「病気の予防・早期発見などのために医師が行う診断。」(広辞苑第六版)である。
他方,「皮膚を拡大して水分量,温度,色調,酸性かアルカリ性か,皮丘・皮溝の形態を測定,顧客にあった化粧品を提供する。」(乙第1号証),「ヨットを訪れた女性には無料で肌の診断をする。シミやそばかすが日焼けでできないように,肌にぴったり合った化粧品のサンプルを手渡す。」(乙第2号証)との記載があるように,被請求人業務は,「化粧品」の販売促進の一環として行う「美容相談」に相当するものであって,医師が行っている証左もないことからすれば,第44類「美容」の範疇に属するものというべきである。
そうとすれば,被請求人業務は,本件取消請求に係る指定役務中,「健康診断」には属しないものである。
(4)まとめ
以上のとおりであるから,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,商標権者,通常使用権者又は専用使用権者のいずれかが取消請求に係る指定役務のいずれかについて,本件商標を使用していることを証明したものとは認められない。
また,被請求人は,本件請求に係る指定役務について,本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって,本件商標は,商標法第50条第1項の規定により,その指定役務中「結論掲記の指定役務」についての登録を取り消すべきものとする。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2012-02-21 
結審通知日 2012-02-23 
審決日 2012-03-15 
出願番号 商願平4-122215 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (042)
最終処分 成立 
前審関与審査官 鈴木 修 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 田中 亨子
末武 久佳
登録日 1996-07-31 
登録番号 商標登録第3180672号(T3180672) 
商標の称呼 サックス、サック、ザックス、サクス 
代理人 小沢 慶之輔 
代理人 稲木 次之 
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