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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X30 審判 査定不服 観念類似 登録しない X30 |
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管理番号 | 1256403 |
審判番号 | 不服2011-11808 |
総通号数 | 150 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2012-06-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-06-03 |
確定日 | 2012-04-18 |
事件の表示 | 商願2010-17791拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第30類「豆を主材料とする菓子」を指定商品として、平成22年3月9日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の理由に引用した登録第521733号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、昭和31年9月26日登録出願、第43類「菓子及び麺ぽうの類」を指定商品として、同33年6月4日に設定登録され、その後4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成21年3月18日に指定商品を第30類「菓子(甘栗・甘酒・氷砂糖・みつまめ・ゆであずきを除く。),粉末あめ,水あめ(調味料),もち,パン」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 本願商標は、前記1のとおり、「まりも豆」の文字を筆文字風に横書きしたものであるところ、平仮名で表された「まりも」の部分と漢字で表された「豆」の部分とが、視覚上分離された印象を与えるものである。 そして、構成中の「まりも」の文字部分は、「シオグサ目シオグサ科の糸状緑藻で球体を作るもの数種の総称。」(「広辞苑 第六版」、岩波書店、2008年)や「緑藻類の一種。緑色で球形の藻。」(「新明解国語事典 第六版」第五刷、株式会社三省堂、2006年)など、各種の国語事典において、「植物の藻」である「まりも」として掲載されているものであり、一般に上記意味の語としてのみ認識されるものである。 一方、構成中の「豆」の文字部分は、その指定商品が「豆を主材料とする菓子」であることからすれば、商品の品質、原材料を表示する部分であると直ちに看取、理解されるものである。 さらに、本願商標は、その構成文字全体として、特定の観念を表す語として広く一般に認識、理解されているとは認められず、これらを観念上常に一体不可分のものとして把握するべき特別の事情も見いだせない。 そうとすると、本願商標は、その構成中「まりも」の文字部分が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められ、該文字部分に相応して「マリモ」の称呼及び「まりも」の観念を生じるものとみるのが自然である。 他方、引用商標は、前記2のとおりの構成からなるところ、片仮名の「マリモ」又は欧文字の「MARIMO」であっても、一般に「植物の藻」である「まりも」としてのみ認識されるといい得るものであり、該文字に相応して「マリモ」の称呼及び「まりも」の観念を生じるものである。 そこで、本願商標と引用商標とを比較すると、両商標は、それぞれ上記のとおりの構成よりなることから、外観においては区別し得るものであるが、称呼においては「マリモ」の称呼を共通にし、さらに、「まりも」の観念を共通にするものである。 してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違するものの、「マリモ」の称呼及び「まりも」の観念を同じくする類似の商標であると判断するのが相当であり、また、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。 なお、請求人は、本願商標は全体がまとまりよく一体に看取され、また観念されることから「マリモマメ」と一連に称呼するのが自然であり、本願商標が引用商標と「マリモ」の称呼が共通するとしても、本願商標「まりも豆」の外観上の特異な態様から、需要者は離隔観察、全体観察した場合にも明確に判別できるのであって、誤認混同するおそれは無いと解すべきであり、本願商標は引用商標とは非類似の商標である旨述べている。 しかしながら、文字のデザイン化が多用されている昨今の実情からすると、本願商標の構成態様は格別特異な書体・特殊な方法とは認められず、普通に用いられる態様の範囲を出ないものと判断するのが相当であり、また、本願商標に接する取引者、需要者が、これらを常に一体不可分のものとしてのみ把握するという特段の事情は見いだせないことは上述したとおりであるから、請求人の主張は、採用することができない。 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであり、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 1 本願商標 2 引用商標 |
審理終結日 | 2012-02-09 |
結審通知日 | 2012-02-17 |
審決日 | 2012-02-28 |
出願番号 | 商願2010-17791(T2010-17791) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(X30)
T 1 8・ 263- Z (X30) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 松本 はるみ |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
酒井 福造 大塚 順子 |
商標の称呼 | マリモマメ、マリモ |
代理人 | 中村 直樹 |