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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X09
審判 全部申立て  登録を維持 X09
審判 全部申立て  登録を維持 X09
管理番号 1255322 
異議申立番号 異議2011-900366 
総通号数 149 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-05-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-10-11 
確定日 2012-04-06 
異議申立件数
事件の表示 登録第5424080号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5424080号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
登録第5424080号商標(以下「本件商標」という。)は、「OmegaLever」の欧文字を標準文字で表してなり、平成23年2月9日に登録出願、第9類「理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同年6月15日に登録査定、同年7月8日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第16号、同第11号又は同法第8条第1項、及び同法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第32号証を提出した。
(1)引用商標
ア 商標法第4条第1項第11号、又は第8条第1項についての引用商標は、次のとおりである。
(ア)登録第464126号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成からなり、昭和26年6月9日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、昭和30年4月8日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、商標権一部取消審判により、指定商品中「医療用機械器具」についての登録が取り消され、さらに、平成17年11月16日に第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品に書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
(イ)登録第2261588号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(1)に示す構成からなり、昭和63年4月14日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成2年9月21日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、商標権一部取消審判により指定商品中「医療用機械器具」についての登録が取り消され、さらに、平成22年6月2日に第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品に書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
(ウ)国際登録第465986号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、2003年(平成15年)8月5日に国際商標登録出願(事後指定)され、第9類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とし、平成17年3月4日に設定登録されたものである。
(エ)国際登録第997036号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、日本国を指定する国際登録において指定された第9類に属する国際登録指定通報に記載のとおりの商品を指定商品として、2008年8月8日にスイス国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して、2009(平成21)年1月27日に国際商標登録出願されたものである。
イ 商標法第4条第1項第15号についての引用商標は、次のとおりである。
(ア)国際登録第765501号商標(以下「引用商標5」という。)は、「OMEGA」の欧文字を横書きしてなり、2001年5月1日にスイス国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2001(平成13)年9月24日に国際商標登録出願、第14類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とし、平成14年9月27日に設定登録され、その後、商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(イ)登録第409366号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲(1)に示す構成からなり、昭和25年12月7日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、昭和27年3月7日に設定登録され、その後、5回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、平成15年4月9日に第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品に書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
(2)具体的理由(要旨)
ア 商標法第4条第1項第16号について
本件商標は、「Omega」と「Lever」とを横一連に結合してなるが、後段部の始まりを大文字「L」としているものであり、二つに分けて読むことが可能な状況になっており、その後段部の「Lever」は、「新英和中事典」(甲第1号証)ほか、甲第2号証ないし甲第5号証に記載されているように、英単語「lever」は、機械部品の名称名として多数使用されている事実から、第9類の指定商品「理化学機械器具、写真機械器具、映画機械器具、光学機械器具、測定機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」に関して、本件商標を使用した場合には、「てこ原理を利用又は応用した部品」が装着されている商品であるかの如く認識される可能性が高く、これを使用していない商品に使用する時には、商品の品質について誤認を生じるおそれがある。
イ 商標法第4条第1項第11号又は同法第8条第1項について
上述したように本件商標の後段部「Lever」は、「てこ」を意味する商品の普通名称であって、第9類に属する機械器具の部品に多数使用されているものであり、これに関して一般需要者・取引者は、商品の普通名称又は「てこ利用の部品を利用している」等の品質表示として認識されることから商標の要部は「Omega」の部分にあると判断される。又は商品に「レバー部品」を有する商品との関係においては、本件商標の要部は前段部「Omega」にあり、後段部の「Lever」は商品の品質表示として位置づけられる。
これに対して、申立人は、本件商標の前段部「Omega」と称呼同一の先登録商標を国際分類第9類に有している。
これらの引用商標1ないし4は、本件商標「OmegaLever」とは、外観において異なるものの、商標の要部において「オメガ」の称呼が同一であると共にギリシャ語の最終字母「Ω」の観念を共通にしていることから総合的に類似関係にある。
ウ 商標法第4条第1項第15号について
引用商標5及び6を申立人が時計に関して日本国内で使用した結果、本件商標の出願日及びその登録査定日の時点で、申立人であるオメガ エス・アーを表示する社章及び商標として日本国内において広く知られている(甲第14号証ないし甲第31号証)。
これら日本国内で周知・著名な登録商標の「OMEGA」の文字を本件商標の前段部に含むことから、一般需要者・取引者をして申立人の製造又は販売にかかる商品であるかの如く商品の出所について混同を引き起こすおそれが大きいものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第16号について
本件商標は、「OmegaLever」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成各文字は、同一の書体をもって、同一の大きさで同一の間隔で表され、外観上まとまり良く一体的に構成された態様のものである。そして、その構成中の「Lever」の文字が、「てこ」の意を有する語であったとしても、本件商標のかかる構成においては、特定の商品又は商品の品質等を表示するものとして、直ちに理解されるものともいい難いところであるから、構成全体をもって一体不可分の造語として認識し、把握されるとみるのが自然である。
してみると、これをその指定商品に使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるとは認められないものであり、商標法第4条第1項第16号には該当しないと判断されるものである。
(2)商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項について
本件商標は、前記(1)のとおり「OmegaLever」の欧文字よりなるところ、該文字は標準文字で一連に表されており、しかも、全体より生ずると認められる「オメガレバー」の称呼も無理なく称呼し得るものである。また、本件商標は、構成全体をもって親しまれている熟語ではないとしても、外観及び称呼上一体のものとして把握、認識されるものであるから、これを「Omega」の文字部分と「Lever」の文字部分とに分離して、「Omega」の文字部分のみを抽出して観察すべき格別の事情は見出せない。
してみると、本件商標は、「オメガレバー」の称呼を生じるものであり、単に「オメガ」の称呼は生じないというべきである。
一方、引用商標1ないし4は、別掲(1)のとおり、ギリシャ文字の「Ω」及び「OMEGA」の文字よりなるところ、これらよりは「オメガ」の称呼及び「ギリシア語の最終字母のオメガ」の観念を生ずるものである。
そうとすれば、本件商標から生ずる「オメガレバー」の称呼と引用商標1ないし4から生ずる「オメガ」の称呼は、「レバー」の音の有無の差違により明らかに区別できるものである。また、本件商標と引用商標1ないし4とは、前記の構成よりみて外観において相紛れるおそれはなく、観念においては、本件商標から特定の観念が生じないことから比較することができない。
してみれば、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標1ないし4に類似する商標と判断することはできないものである。
したがって、本件商標は、引用商標1ないし4をもって、商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項に該当するということはできない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出に係る証拠によれば、引用商標5及び6の商標は、「時計」について、「オメガ」ブランドとして、取引者、需要者間に相当程度広く認識されているものといえる。しかしながら、引用商標5は、「OMEGA」の欧文字を書してなり、引用商標6は、別掲(1)のとおりギリシャ文字の「Ω」及び「OMEGA」の文字よりなるところ、これらよりは「オメガ」の称呼及び「ギリシア語の最終字母のオメガ」の観念を生ずるものである。
そして、引用商標5及び6は、引用商標1ないし4と同様に、本件商標とは、外観、称呼及び観念のいずれからみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならないものであり、加えて、「OMEGA」は、ギリシャ文字の「Ω」を意味する語として一般に親しまれているものであり、かつ、上記「時計」と、本件指定商品である「理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」とは、関係が深いとはいえない商品であるから、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が申立人又は申立人の商標を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その出所について混同を生ずるおそれはないものというのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号、同第16号及び同法第8条第1項に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 〈別掲〉
(1)引用商標1ないし4及び6





異議決定日 2012-03-28 
出願番号 商願2011-8774(T2011-8774) 
審決分類 T 1 651・ 272- Y (X09)
T 1 651・ 262- Y (X09)
T 1 651・ 271- Y (X09)
最終処分 維持  
前審関与審査官 平松 和雄 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 内山 進
前山 るり子
登録日 2011-07-08 
登録番号 商標登録第5424080号(T5424080) 
権利者 オリンパス株式会社
商標の称呼 オメガレバー、オメガ、レバー 
代理人 黒川 弘朗 
代理人 山川 政樹 
代理人 山川 茂樹 

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