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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X0510
審判 全部申立て  登録を維持 X0510
管理番号 1255321 
異議申立番号 異議2011-900358 
総通号数 149 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-05-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-10-03 
確定日 2012-04-09 
異議申立件数
事件の表示 登録第5423649号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5423649号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5423649号商標(以下「本件商標」という。)は、「アズコン」の片仮名を標準文字で表してなり、平成23年1月13日に登録出願、同年5月27日に登録査定、第5類「薬剤」及び第10類「医療用機械器具」を指定商品として、同年7月8日に設定登録されたものである。

第2 本件登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当し、その登録は同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第20号証を提出した。
1 申立人が引用する商標
申立人が引用する商標は次のとおりであり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4585634号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 「アルコン」と「ALCON」の文字を二段に横書きしてなるもの
指定商品 第5類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成12年4月28日
設定登録日 平成14年7月12日
(2)登録第2107622号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 ALCON
指定商品 第10類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 昭和52年7月13日
設定登録日 平成元年1月23日
(3)国際登録第1024886号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様 ALCON
指定商品 第5類及び第10類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品
国際商標登録出願日 2009年(平成21年)11月30日
優先権主張 スイス国 2009年8月21日
設定登録日 平成22年10月1日
(4)登録第5037118号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の態様 アルコン(標準文字)
指定商品 第10類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成18年4月17日
設定登録日 平成19年3月30日
(5)国際登録第1024885号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の態様 Alcon
指定商品 第5類及び第10類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品
国際商標登録出願日 2009年(平成21年)11月30日
優先権主張 スイス国 2009年8月21日
設定登録日 平成22年10月1日
2 申立ての理由
(1)引用商標の著名性について
申立人は、1758年にスイス国バーゼルにおいて創業し、253年存続する法人であり、近年では、医薬品・医療用機械器具から食品にいたるまでの各分野における各国優良企業との事業協力関係強化が進み、チバ社、サンド社、ガーバー社、ブリストールマイヤー社の支店であるミードジョンソンアンドカンパニー社、ジェネリック薬品で名高いデュラサカン社、ヘクサル社などを傘下にいれ、多角的な経営を全世界的に行ってきている。また、WHOとの提携の下、発展途上国に対し抗マラリア剤を非営利で提供し、シンガポールでは、デング熱や抗体を持つ結核に対する研究のための熱帯病研究機関を設立するなど、社会貢献の面にも力をいれている(甲第9号証及び甲第10号証)。
申立人の一部門である「アルコン」は、薬剤、眼科用手術用機械器具、コンタクトレンズなどの分野における一大ブランドとなっている。なお、その前身であるアルコンインコーポレイテッド社の営業活動地域は、2010年で180か国を超えていた(甲第11号証及び甲第12号証)。
「アルコン」ブランドは、1996年にコンタクトレンズの洗浄・すすぎ、消毒・保存を1種類の溶液で行うことができるマルチパーパスソルーションを我が国で初めて発売し、コンタクトレンズ溶液市場の25%ないし35%のシェアを保ち、2004年では、数量ベース及び金額ベースの何れにおいてもシェアナンバー1(甲第13号証及び甲第14号証)、2006年初頭までナンバー1を保持し、その後もほぼ常にシェアナンバー1あるいはナンバー2の地位を確保している。売上げは、2004年で226億5146万4千円(甲第15号証)、2005年以降も、ほぼ毎年200億程度の売上げを確保している。
医薬品(眼科用薬剤)の分野においては、抗アレルギー点眼薬「パタノール点眼液」を2006年に我が国で販売を開始し、その2年後には当該市場の20%に迫るシェアを獲得した。2009年では、25.6%のシェアを獲得するに至っており、当該分野における取引者(主に製薬会社・眼科関連の医療関係者)の間においても、引用商標は周知性・著名性を獲得している。
眼科用医療用機械器具及び眼内レンズは、筑波大学附属病院、慶応義塾大学病院をはじめとした大学病院のほか、国内外の医療機関で幅広く採用されており(甲第16号証ないし甲第19号証)、眼内レンズについても、グローバルシェアとして約5割弱といわれており(甲第20号証)、取引者・需要者の間においても、引用商標は周知性・著名性を獲得している。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用商標と類似する商標であって、その指定商品も同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人の一部門である「アルコン」を表示する商標であり、薬剤、コンタクトレンズ及びその関連用品並びに医療用機械器具などの分野における申立人の長年にわたる不断の営業努力により、少なくとも本件商標の出願日及び査定時のいずれの時点においても、我が国において著名性を獲得していたものである。かかる状況の下、本件商標がその指定商品について使用されたとすると、これに接した取引者、需要者は引用商標を連想・想起し、当該商品が申立人あるいは申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように誤認、混同するおそれがある。
よって、本件商標は、商標法4条第1項第15号に反して登録されたものである。

第3 当審の判断
1 引用商標の著名性
申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、引用商標は、コンタクトレンズ溶液、抗アレルギー点眼薬(眼科用薬剤)、眼科用医療用機械器具及び眼内レンズについて、それらの取引者・需要者の間において、ある程度の周知性を獲得しているということができる。
2 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、上記第1のとおり「アズコン」の文字からなるものであるから、「アズコン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
他方、引用商標は、上記第2 1(1)ないし(5)のとおり「アルコン」「ALCON」「Alcon」の文字からなるものであるから、いずれも「アルコン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
そこで本件商標と引用商標とを比較すると、外観においては、本件商標と引用商標4との比較において、両者は、いずれも片仮名4文字という比較的少ない文字構成にあって2文字目に「ズ」と「ル」の明らかな差異を有するから、相紛れるおそれのないものと判断するのが相当である。また、本件商標と他の引用商標とはそれらの構成態様から外観上相紛れるおそれのないこと明らかである。
称呼においては、本件商標の称呼「アズコン」と引用商標の称呼「アルコン」とは、両者は互いに4音という比較的短い音構成にあって、第2音に「ズ」と「ル」の差異を有し、該差異音「ズ」と「ル」は、「ズ」が舌端を前口蓋に寄せて発する濁音であるのに対し、「ル」は舌面を硬口蓋に近づけ舌の先で上歯茎を弾くようにして発する清音であるから、その差異が両称呼全体に及ぼす影響は小さいものとはいえず、両者をそれぞれ一連に称呼しても、十分に聴別し得るものと判断するのが相当である。
また、観念においては、両商標とも、特定の観念を生じないものであるから相紛れるおそれのないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
なお、申立人は過去の判決例を挙げて述べるところがあるが、甲第7号証は著名な他人の商標を含む事案、甲第8号証は商標の構成文字・音数、相違する文字・音及び位置が本件と異なる事案であって、いずれも本件とは事案を異にするものであるし、本件商標と引用商標とは、引用商標がある程度の周知性を有することを考慮してもなお、相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。
3 商標法第4条第1項第15号について
引用商標が上記1のとおり、コンタクトレンズ溶液などの取引者・需要者の間においてある程度の周知性を獲得しているとしても、本件商標と引用商標とは、上記2のとおり、その外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
そうとすれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとはいえない。
4 結び
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものとは認められないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2012-03-30 
出願番号 商願2011-1436(T2011-1436) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X0510)
T 1 651・ 26- Y (X0510)
最終処分 維持 
前審関与審査官 蛭川 一治 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 小畑 恵一
瀧本 佐代子
登録日 2011-07-08 
登録番号 商標登録第5423649号(T5423649) 
権利者 杏林製薬株式会社
商標の称呼 アズコン 
代理人 加藤 和詳 
代理人 西元 勝一 
代理人 中島 淳 
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