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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X2131
審判 全部申立て  登録を維持 X2131
審判 全部申立て  登録を維持 X2131
審判 全部申立て  登録を維持 X2131
管理番号 1255317 
異議申立番号 異議2011-900340 
総通号数 149 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-05-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-09-16 
確定日 2012-04-05 
異議申立件数
事件の表示 登録第5419417号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5419417号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
登録第5419417号商標(以下「本件商標」という。)は、「魔法のジョッキ」の文字を標準文字としてなり、平成22年11月29日に登録出願、第21類「ジョッキ,保冷機能付きジョッキ,ジョッキ型の魔法瓶」及び第32類「ビール,ビール風味の麦芽発泡酒,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同23年4月25日に登録査定、同年6月17日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由の要点
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、現に有効に存続するものである。
ア 登録第3007517号商標(以下「引用商標1」という。)は、「mahou」の文字を書してなり、平成4年5月22日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同6年10月31日に設定登録されたものである。
イ 国際登録第1038672号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、2009年12月22日にスペイン国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2010年(平成22年)4月5日(国際登録の日)に登録出願、第32類「Beer.」及び第39類「Transport, packaging, storage and delivery of goods; travel arrangement.」を指定商品及び指定役務として、同23年5月27日に設定登録されたものである。
ウ 国際登録第920443号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(2)に示す構成からなり、また、国際登録第920444号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(3)に示す構成からなり、さらに、国際登録第920445号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(4)に示す構成からなり、いずれも、平成18年12月1日(国際登録の日)に登録出願、第32類「Beers.」を指定商品として、同20年4月18日に設定登録されたものである。
以下、これらの登録商標をまとめて「引用商標」という。
(2)理由の要点
本件商標は、以下のアないしウの理由により、その登録を取り消されるべきものである。
ア 商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、指定商品との関係で、その要部は「魔法」であるといえ、「マホウ」の称呼が生じる。
一方、引用商標は、欧文字「mahou」又は当該文字を含むものであるから、ローマ字読みの称呼「マホウ」、もしくはスペイン語の知識を有する取引者・需要者には「マオウ」の称呼が生じる。また、本件商標の指定商品中「ビール」は、引用商標の指定商品と同一であり、本件商標のそれ以外の商品についても、引用商標の指定商品とは、生産者、販売場所、用途、需要者において共通する場合が多い類似する商品である。
したがって、引用商標が「マホウ」と称呼される場合はいうまでもなく、「マオウ」と称呼された場合であっても、「マオウ」と「マホウ」は類似するので、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
イ 商標法第4条第1項第10号該当性について
引用商標は、申立人の略称又はその業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の出願前に、周知・著名になっている。
そして、本件商標は、前記アに記載のとおり、引用商標に類似する商標であり、かつ、引用商標の上記商品と同一又は類似の商品に使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
ウ 商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は、本件商標の出願前に、申立人の業務に係る商品の商標として世界的に著名なものとなっている。
そこで、本件商標がその指定商品に使用された場合には、当該商品は、申立人の業務に係るものと誤認され、その出所について混同されるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「魔法のジョッキ」の文字からなるところ、その構成各文字は同じ書体、同じ大きさ、等間隔をもって一体に表されている上、「魔法」と「ジョッキ」の間に連体格を示す格助詞「の」を配して、「魔法のジョッキ」の一連の造語を形成しているから、これにより「魔法のジョッキ」程の意味合いを看取させるというのが相当である。
してみれば、本件商標は、「マホウノジョッキ」の称呼及び「魔法のジョッキ」の観念を生じるものである。
他方、引用商標は、いずれも、その構成にあって顕著に表された「mahou」の文字に相応して「マオウ」あるいは「マホウ」の称呼が生じるものであり、また、特定の観念を生じさせない造語からなるものとして看取されるというのが相当である。
しかして、本件商標と引用商標を比較してみると、「マホウノジョッキ」の称呼と「マオウ」あるいは「マホウ」の称呼とを対比した場合、その構成音数の相違及び相違する各音の音質の相違から、全体としての音感が全く異なり相紛れるおそれはないものである。
また、本件商標と引用商標とは、その外観構成において明らかに相違するものであるから、外観上相紛れるおそれはなく、さらに、観念については比較し得ないから、観念上相紛れる余地はないものである。
してみれば、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標に類似する商標と判断することはできない。
したがって、本件商標は、引用商標をもって、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたとは認められないものである。
(2)商標法第4条第1項第10号について
本件商標が引用商標に類似するものと認められないことは前記(1)のとおりであるから、商品間の類否など、その余の要件について論及するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものとはいえず、同号に違反して登録されたものとは認められない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人提出の証拠によれば、引用商標が各国で商標登録を得ていること、引用商標が申立人に係る商品「ビール」等に使用されていることを窺い知ることができるとしても、本件商標と引用商標とが別異の商標であることは、前記(1)のとおりである。
してみると、本件商標をその指定商品に使用しても、需要者が当該商品を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く誤信するとは認め難いから、商品の出所について混同するおそれはないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものとは認められない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)引用商標2


(2)引用商標3


(3)引用商標4


(4)引用商標5

(注)上記引用商標2ないし引用商標5の色彩については原本参照

異議決定日 2012-03-27 
出願番号 商願2010-92498(T2010-92498) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (X2131)
T 1 651・ 25- Y (X2131)
T 1 651・ 271- Y (X2131)
T 1 651・ 262- Y (X2131)
最終処分 維持  
前審関与審査官 金子 尚人吉岡 めぐみ 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 鈴木 修
小川 きみえ
登録日 2011-06-17 
登録番号 商標登録第5419417号(T5419417) 
権利者 キリンホールディングス株式会社
商標の称呼 マホーノジョッキ、マホーノ、マホー 
代理人 北村 修一郎 
代理人 太田 誠治 
代理人 村井 康司 

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