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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X03
管理番号 1255259 
審判番号 不服2010-650037 
総通号数 149 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-04-14 
確定日 2012-01-26 
事件の表示 国際登録第986654号商標に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第3類及び第5類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として、2008年(平成20年)10月31日に国際商標登録出願されたものである。
その後、指定商品については、原審における2009年(平成21年)11月19日付けの手続補正書により、第3類「Hair care preparations,in particular shampoos,creams,mascaras,serums,mousses,preparations and products for dyeing,colouring and discolouring hair,cosmetics based on hydrogen peroxide.」と補正された。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の理由に引用した登録第4436491号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成11年12月22日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き」を指定商品として、同12年12月1日に設定登録され、その後、同23年1月11日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、別掲1のとおり、極太の線で描かれたやや横長の楕円型の図形の下に、一本の横書きの線を挟んで「WAY」の文字を書してなるものであるが、その構成態様からは、当該図形部分、横線部分及び文字部分が、外観上それぞれ分離して看取されるうえ、観念上もこれらを常に一体不可分のものとして把握しなければならないとするような格別の事由は見出し得ない。
そうすると、本願商標は、その構成中の「WAY」の文字部分をもって、商取引に資されることも決して少なくないといえるものであるから、該文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を有するものといえる。
そして、該「WAY」の文字は「ウェイ」と発音され、「道」を意味する英語として一般に知られている語であるから、本願商標は、その構成中の「WAY」の文字部分に相応して、「ウェイ」の称呼及び「道」の観念を生ずるものである。
一方、引用商標は、別掲2のとおり、黒塗りの正方形状の図形を分断するように、白線でT字型図形(横線が右上がりで、線の右側が長く書されている)が描かれ、また、そのT字型図形の横線の右側下部に白抜きで三日月型図形を配してなる図形と、その右側に「A」の文字をややデザイン化してなる「WAY」の文字を書してなると認められるものであるが、その構成態様からは、当該図形部分と文字部分が、外観上それぞれ分離して看取されるうえ、観念上もこれらを常に一体不可分のものとして把握しなければならないとするような格別の事由は見出し得ない。
そうすると、引用商標は、その構成中の「WAY」の文字部分をもって、商取引に資されることも決して少なくないといえるものであるから、該文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を有するものといえる。
そして、該「WAY」の文字は、上記のとおり「ウェイ」の発音及び「道」の意味を有する語であるから、引用商標は、その構成中の「WAY」の文字部分に相応して、「ウェイ」の称呼及び「道」の観念を生ずるものである。
そこで、本願商標と引用商標の類否についてみると、両商標は、「ウェイ」の称呼及び「道」の観念を共通にし、また、「WAY」の文字部分においては、引用商標の文字がデザイン化されてはいるものの、その綴りを共通にするものである。
そうとすると、本願商標と引用商標とは、称呼及び観念を共通にし、外観においても「WAY」の文字部分を共通にする類似する商標というべきである。
また、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(2)請求人の主張
請求人は、「引用商標権者が代表である企業の商品シリーズ『πウェイ(パイウェイ)』の1つとして、引用商標が付された商品があり、『パイウェイ』又は『πウェイ』と紹介され、『パイウェイ』の称呼で取引されている。」旨主張し、証拠として甲第1号証ないし甲第8号証を提出している。
しかしながら、提出された証拠によれば、インターネット上のウェブサイトにおいて、引用商標を付した商品を販売するページのタイトル中に、「パイウェイ」又は「πウェイ」の表記があるものの、該証拠からでは、引用商標の表示のみをもって、常に「πウェイ」と認識され、これより「パイウェイ」のみの称呼が生ずるものとして需要者及び取引者に広く認識されているものと認めることはできず、これをもって直ちに引用商標が常に一体不可分のものとしてのみ認識され、「パイウェイ」の称呼のみが生ずるとはいい難い。
したがって、請求人の主張は認められない。
また、請求人は、「本願商標は一体的にまとまりよく配されており、『オオウェイ』の称呼で取引に資されるとするのが自然である。本願商標と引用商標の『WAY』の文字部分の読みである『ウェイ』が共通することは、両商標の外観及び観念の差異を凌駕するものではない。」旨主張している。
しかしながら、前記(1)で述べたとおり、本願商標と引用商標が、それぞれの図形部分と文字部分が常に一体不可分のものとしてのみ認識されるとはいい難いものであって、「WAY」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を有しているものであることからすれば、「WAY」の文字部分をもって、本願商標と引用商標とは類似する商標と判断するのが相当である。
したがって、請求人の主張は認められない。
以上のとおり、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当なものであり、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別記】


審理終結日 2011-08-12 
結審通知日 2011-08-23 
審決日 2011-09-12 
国際登録番号 0986654 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 雅也 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 大塚 順子
井出 英一郎
商標の称呼 オオウエイ、ウエイ、ダブリュウエイワイ 
代理人 吉川 俊雄 

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