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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X10
審判 査定不服 観念類似 登録しない X10
審判 査定不服 外観類似 登録しない X10
管理番号 1255257 
審判番号 不服2009-650171 
総通号数 149 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-12-03 
確定日 2012-01-26 
事件の表示 国際登録第967854号商標に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「UNIRING」の欧文字を書してなり、日本国を指定する国際登録において指定された第10類に属する商品を指定商品として、2008年(平成20年)5月27日に国際商標登録出願されたものである。
その後、指定商品については、原審における平成21年5月14日付け手続補正書により第10類「Annuloplasty rings for cardiac valves.」と補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の理由に引用した登録第4633110号商標(以下、「引用商標」という。)は、「UNILINK」の欧文字を書してなり、平成12年10月6日登録出願、第10類「カニューレ,医療用針,シリンジ,医療用コネクター,医療用接続ポート,カテーテルおよび医療用インジェクションサイト」を指定商品として、同14年12月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、「UNIRING」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字に照応して「ユニリング」の称呼を生じ、また、該文字は、辞書等に掲載されていない文字であって、特定の意味を有しない造語といえるものであるから、特定の観念は生じないものである。
他方、引用商標は、「UNILINK」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字に照応して「ユニリンク」の称呼を生じ、また、該文字は、本願商標と同様に、辞書等に掲載されていない文字であって、特定の意味を有しない造語といえるものであるから、特定の観念は生じないものである。
そこで、本願商標と引用商標との類否について検討するに、外観については、本願商標と引用商標は、それぞれ欧文字の大文字を普通に書したもので構成されているところ、各商標の4文字目の「R」と「L」の文字及び語尾の「G」と「K」の文字に差異を有するものの、両商標の構成文字数が7文字と同数であること、及び差異のある2文字を除いた5文字が共通であることから、両商標は、外観において近似した印象を与えるものである。
また、称呼については、本願商標から生ずる「ユニリング」と引用商標から生ずる「ユニリンク」の称呼を比較するに、両称呼は、語頭から4音目までの「ユニリン」の音を共通にし、語尾において「グ」と「ク」の音の差異を有するものの、当該差異音「グ」と「ク」は、濁音と清音の差異にすぎないものであり、また、両音は、比較的明瞭に聴取されにくい語尾に位置するものであることからすれば、該差異音の両称呼に及ぼす影響は決して大きいものとはいえず、それぞれを一連に称呼するときは、両称呼は、その語調、語感が極めて近似した、互いに聞き誤るおそれのある類似の商標といえる。
そして、観念については、両商標は、上記のとおり、特定の観念を有しないものであるから、観念上比較することはできない。
してみると、本願商標と引用商標は、観念において比較できないとしても、外観において近似し、称呼において互いに相紛らわしい類似する商標というべきである。
また、本願の指定商品と引用の指定商品は、共に「医療用機械器具」の範ちゅうに属する商品である。
以上のとおり、本願商標と引用商標は類似の商標であり、かつ、両者の指定商品は類似の商品である。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標「UNIRING」と引用商標「UNILINK」は、外観において非類似の商標であり、また、本願商標は、「UNI」と「RING」の合成語であって、その全体構成から「単一の輪」の観念が生じ、さらに、引用商標は、「UNI」と「LINK」の合成語であって、その全体構成から「一つにつなぐ」の観念が生じるから、両商標は、観念が異なるものであり、両商標を称呼するときは、観念が異なることを強く意識するために、相違音が明瞭に発音されるから、称呼においても非類似である旨主張している。
しかしながら、本願商標「UNIRING」と引用商標「UNILINK」は、共に同書、同大、同間隔に表されているもので、その構成態様からして、一体不可分の商標と認められるものであり、また、それぞれより生ずる「ユニリング」及び「ユニリンク」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであることからすれば、殊更「UNI」と「RING」及び「UNI」と「LINK」に分断して認識すべき理由はない。
そうとすれば、両商標は、前記(1)のとおり特定の観念を生じないことから、観念における違いはなく、外観において近似した印象を与え、称呼において相紛らわしい類似の商標である。
また、請求人は、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品は、医療用器具という極めて特殊な商品であり、その需要者は、極めて高度な専門的知識を有することから、商品の選択に注意を払う旨主張している。
しかしながら、本願商標と引用商標は、前記のとおり称呼のみならず、外観においても近似した、彼比相紛れるおそれのある類似の商標であることからすれば、商品の出所のおそれがないものとはいい得ないものであり、両商標の指定商品が同一の営業主によって製造、販売されていることは、例えば、エドワーズライフサイエンス社の取り扱い製品に、人工弁輪、体外循環カニューレ及び肺動脈カテーテルがあり(http://www.edwards.com/jp/Products/Pages/ProductsHome.aspx)また、日本ライフライン株式会社の取り扱い製品に人工心臓弁及びEPカテーテルがある(http://www.jll.co.jp/product-info/surgery.html http://www.jll.co.jp/product-info/ep-ablation.html)ことからも明らかであることからすれば、両商標に係る指定商品が請求人が述べるとおり、特殊な商品であったとしても、両商標をそれぞれの指定商品に使用するときは、同一の営業主の製造又は販売に係る商品と誤認・混同されるおそれがあるというべきである。
さらに、請求人は過去の審決例を挙げて、本願商標は登録されるべきである旨主張している。
しかしながら、請求人の挙げた審決例は、いずれも商標の構成、差異音の位置、指定商品等において本願と事案を異にするものであり、また、出願された商標と引用商標の類否判断は、両商標について個別具体的に行えば足り、過去の登録例の判断に拘束されることなく検討されるべきものである。
したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)むすび
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2011-08-19 
結審通知日 2011-08-23 
審決日 2011-09-12 
国際登録番号 0967854 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (X10)
T 1 8・ 262- Z (X10)
T 1 8・ 263- Z (X10)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田口 玲子 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 大森 友子
瀧本 佐代子
商標の称呼 ユニリング、ウニリング 
代理人 村上 健次 
代理人 安島 清 
代理人 高梨 範夫 
代理人 大村 昇 
代理人 小林 久夫 
代理人 木村 三朗 

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