ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X32 |
---|---|
管理番号 | 1255245 |
審判番号 | 不服2011-19952 |
総通号数 | 149 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2012-05-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-08-29 |
確定日 | 2012-04-12 |
事件の表示 | 商願2010-102267拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第32類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成22年12月27日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同23年4月26日付け手続補正書により、第32類「山形県長井市産の清涼飲料,山形県長井市産の果実飲料」に補正されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の理由に引用した登録第1424396号商標(以下「引用商標」という。)は、「華のしづく」の文字を横書きしてなり、昭和51年6月2日に登録出願、第29類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同55年6月27日に設定登録され、その後、指定商品については、平成22年2月10日に、第30類及び第32類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品に指定商品の書換登録がなされたものである。 3 当審の判断 本願商標は、別掲のとおり、咲き誇るあやめの花の景色(手前のあやめの花にのみ焦点を当てた写真。以下同じ。)を背景として、中央やや右よりの上方に「山紫水明の郷」(薄い紫色で表されている。以下同じ。)の文字をやや小さく縦書きし、さらにその左横にやや大きく「長井」(青色で表されている。以下同じ。)の文字及びさらに大きく「花のしずく」(青色で縁取りされて白抜きで表されており、特に「花」及び「しずく」の文字が「長井」の文字よりも大きく表されている。以下同じ。)の文字を一連に縦書きした構成からなるところ、構成全体として、本願指定商品の包装容器に付するラベルのごとく、まとまりよく一体的に表されているものであり、その構成文字部分から、「サンシスイメイノサトナガイハナノシズク」、「サンシスイメイノサト」、「ナガイハナノシズク」又は「ハナノシズク」の称呼を生ずるものと認められる。 また、本願商標の構成中「山紫水明の郷」の文字部分は、「山紫水明」の文字が、「日に映じて山は紫に、澄んだ水ははっきりと見えること。山水の美しい景色の形容。」(株式会社岩波書店発行「広辞苑(第六版)」)の意味を有する成語として比較的よく知られていることから、「山水の美しい景色の郷」程の観念を生ずるものと認められ、構成中「長井」の文字部分は、本願指定商品との関係において、商品の産地の名称を表示するものであり、構成中「花のしずく」の文字部分は、「花の雫」が「花から滴り落ちる露。」(株式会社岩波書店発行「広辞苑(第六版)」)の意味を有する成語として一般に親しまれていることから、かかる観念を生ずるものと認められる。 してみれば、本願商標に接する取引者、需要者は、まとまりよく表された本願商標の構成全体より、「山水の美しい景色の郷である(山形県)長井市のあやめの花から滴り落ちる露」程の具体的、かつ、一体的な意味合いを認識し、記憶するものというのが相当である。 他方、引用商標は、前記2のとおり、「華のしづく」の文字を横書きしてなるものであるところ、これよりは、その構成文字に相応して「ハナノシヅク」の称呼を生ずるものと認められる。また、「華のしづく」は、前記したとおり、「花の雫」が「花から滴り落ちる露。」の意味を有する成語として一般に親しまれていることから、かかる観念を生ずる場合もあり得なくはないが、馴染まれた表記の仕方ではないから、一般的には造語と認識されるものと認められる。 そうとすると、両商標は「ハナノシズ(ヅ)ク」の称呼を共通にする場合があるとしても、外観において明らかに区別し得る差異を有し、観念においても類似するものということはできないから、それらの外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標及び引用商標がその指定商品に使用されたとしても、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれはなく、両商標は、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願商標(色彩については原本参照) |
審決日 | 2012-03-22 |
出願番号 | 商願2010-102267(T2010-102267) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
WY
(X32)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 薩摩 純一 |
特許庁審判長 |
鈴木 修 |
特許庁審判官 |
田中 亨子 森山 啓 |
商標の称呼 | サンシスイメイノサトナガイハナノシズク、サンシスイメイノサト、ナガイハナノシズク、ナガイ、ハナノシズク |