• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない X18
審判 査定不服 外観類似 登録しない X18
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X18
管理番号 1255152 
審判番号 不服2011-9614 
総通号数 149 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-05-09 
確定日 2012-03-12 
事件の表示 商願2010- 42298拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、「DMC」、「THE DESIGN MIND COMPANY」及び「PRODUCED BY LIHIT LAB.」の欧文字を三段に書してなり、第18類「かばん類,袋物」を指定商品とし、平成21年4月17日に登録出願された商願2009-29111に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願(分割出願)として、同22年5月28日に登録出願されたものである。

2 原査定の引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録2051437号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、昭和60年8月2日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載されたとおりの商品を指定商品として、同63年6月24日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
そして、指定商品については、平成20年8月13日に第18類「かばん類,袋物」及び第26類「ボタン類,腕止め,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,頭飾品」を指定商品とする書換登録がなされたものである。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標との類否について
本願商標は、上記1のとおり、「DMC」、「THE DESIGN MIND COMPANY」及び「PRODUCED BY LIHIT LAB.」の欧文字よりなるものであるところ、その構成中の「DMC」の文字は、三段に書された文字の最上段にあって、特にデザイン化された太字で、ひときわ大きく顕著に表されているものであるから、これに接する取引者、需要者は、ことさらに目を引き、強く印象付けられる「DMC」の文字部分に着目し、該文字部分をもって取引に資する場合も少なくないというべきである。
そうすると、本願商標は、該「DMC」の文字に相応して「ディーエムシー」の称呼が生ずるものと認められる。
他方、引用商標は、別掲2のとおりの構成よりなるところ、これは、影絵風に描かれた馬の顔、頭部、首及び胸元にかけての図形と「DMC」の欧文字からなるものである。
そして、引用商標の構成中、図形部分は、欧文字の「M」と組み合わされたように、その上部に描かれているものの、図形部分と「DMC」の文字部分は、一見してそれぞれ個別に十分認識できるものであって、両部分は、それぞれ強く印象付けられるものである。
また、引用商標を称呼する場合、取引者、需要者においては、該「DMC」の文字部分に注目するものであって、これより生ずる称呼をもって取引に資するものというべきである。
そうすると、引用商標は、該「DMC」の文字部分に相応して「ディーエムシー」の称呼が生ずるものと認められる。
してみれば、本願商標と引用商標とは、称呼においては、「ディーエムシー」の称呼を共通にするものである。
次に、本願商標と引用商標の観念についてみるに、両者の共通する「DMC」の欧文字よりは、特定の意味合いを認識し得ない一種の造語であると認められるから、両商標の観念を比較することができない。その他、両商標の観念について類似する点は認められない。
また、本願商標と引用商標の外観についてみるに、それぞれの構成は前述のとおりであって、その構成上、他の文字又は図形部分と分離又は区別して着目され、共に強く印象付けられる両商標の共通する「DMC」の欧文字部分は、その綴り字を同じくするものであって、該文字部分においては、外観においてある程度近似した印象を与えるものである。
そうとすれば、本願商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、両商標において強く印象付けられるそれぞれの「DMC」の文字部分から生じる「ディーエムシー」の称呼を共通にするものであり、また、「DMC」の文字部分の外観においてもある程度近似した印象を与えるものであるから、両者は全体として相紛れるおそれのある類似する商標といわなければならない。
また、本願商標と引用商標の指定商品は、同一又は類似の商品である。
(2)請求人の主張について
請求人は、「本願商標と引用商標とは、外観、観念及び称呼のいずれの点においても相紛れるおそれはない。・・・本願商品と引用商品とは、共通する商品を指定している。しかしながら、本願商品と引用商品とは、現実には、展示、販売される場面では、同時に品揃えされることはないと考えられる。両商品が同時品揃えされないのであれば、需要者、取引者の目に触れることもない。需要者、取引者の目に触れることがなければ、商品の出所について誤認するおそれもないことになる。
仮に、両商品が同時に品揃えされた場合であっても、そもそも、本願商品の場合には『文房具品』に偏頗し、尚且つ、『ビジネス向きで、場違いな印象を抱かせず、あまり値の張らない商品』という需要者、取引者の『階層』を形成している者であり、一方、引用商品の場合には『刺繍糸及びこれに関連する商品』に偏頗し、『世の中にひとつしかない、私だけのもの』という需要者、取引者の『階層』を形成している者であるから、両『階層』は、互いに抵触することもない。
そうすると、本願商品に係る需要者、取引者は、本願商標を付した商品と引用商標を付した商品について出所について誤認混同を引き起こすおそれはないと考えられる。商品の出所の混同を引き起こすおそれがないのであれば、商標として類似することはないこととなる。
商標の点においては、本願商標が、『株式会社リヒトラブの商標』であるという観念的な衣を身に纏っていることに対して、引用商標が『ドルフェス社の商標』である、という観念的な衣を身に纏っており、本願商標と引用商標のいずれも構成全体をひとつのものとして看るべきである。この観念的な衣によって、本願商標は、需要者、取引者間において出願人の商品の出所を表示する目印として『リヒトラブらしさ』を発揮する。また、引用商標も需要者、取引者間において引用商標権者の商品の出所を表示する目印として『ドルフェス社らしさ』を発揮する。本願商標と引用商標の一部構成の共通点があったとしても、『リヒトラブらしさ』と『ドルフェス社らしさ』とは、需要者、取引者をして互いに別物と直感できる程の違いを第一印象で決定的に認識せしめる。ましてや、本願商品と引用商品とは、互いに出所について誤認混同を引き起こすおそれがないことも相俟って、本願商標と引用商標とは益々相紛れることはない。」旨主張している。
しかしながら、本願商標と引用商標とは、上記したとおり、両者は全体として相紛れるおそれのある類似する商標といわなければならないものである。
そして、「本願商品と引用商品とは、現実には、展示、販売される場面では、同時に品揃えされることはないと考えられる。」と述べる請求人の主張は、請求人の会社に係る「文房具等の商品」と引用商標の商標権者の会社に係る「刺繍糸及びこれに関連する商品」とを比較して、そこに、本願商標及び引用商標の指定商品である「かばん類、袋物」という商品が同時に品揃えされないのであれば、需要者、取引者の目に触れることもない、というような、通常、「かばん類、袋物」という商品についての一般的でない販売形態を前提とするものである。
また、本願商標及び引用商標の指定商品である「かばん類、袋物」は、その需要者が幅広く、かつ、日用的に使用されるものであって、前記した両者に係る「文房具等の商品」及び「刺繍糸及びこれに関連する商品」とは、その目的、用途も相違するものである。
してみれば、請求人の主張は、一般的な取引、販売形態にそぐわない実情を根底とするものといわざるを得ないものであって、妥当なものではない。
また、「本願商標が、『株式会社リヒトラブの商標』であるという観念的な衣を身に纏っていることに対して、引用商標が『ドルフェス社の商標』である、という観念的な衣を身に纏っており、本願商標と引用商標のいずれも構成全体をひとつのものとして看るべきである。」との主張は、請求人の提出した証拠からは認められず、また、両商標が著名であるというような事情を窺わせる証拠は足りないというべきであるから、両商標から請求人のいうような観念的な意味合いが生じるとは到底いうことができず、この点に関する請求人の主張も妥当なものではない。
したがって、上記した請求人の主張は、採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして、その出願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本件商標)


別掲2(引用商標)




審理終結日 2012-01-13 
結審通知日 2012-01-20 
審決日 2012-01-31 
出願番号 商願2010-42298(T2010-42298) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (X18)
T 1 8・ 262- Z (X18)
T 1 8・ 263- Z (X18)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小林 薫 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 井出 英一郎
高橋 謙司
商標の称呼 デイエムシイ、ザデザインマインドカンパニープロデューストバイリヒトラブ、ザデザインマインドカンパニー、デザインマインドカンパニー、デザインマインド、プロデューストバイリヒトラブ、リヒトラブ、リヒトラボ 
代理人 岡田 全啓 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ