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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 X36 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 X36 |
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管理番号 | 1255147 |
審判番号 | 不服2011-8184 |
総通号数 | 149 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2012-05-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-04-18 |
確定日 | 2012-04-09 |
事件の表示 | 商願2008- 79433拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「BLACKCARD」の欧文字を標準文字で表してなり、第36類に属する願書に記載されたとおりの役務を指定役務として、平成20年9月30日に登録出願、その後、指定役務については、当審における同23年4月18日付け及び同年5月25日付けの手続補正書によって、第36類「チャージカードの利用者に代わってする支払代金の清算,クレジットカードの利用者に代わってする支払代金の清算,デビットカードの利用者に代わってする支払代金の清算,金融又は財務に関する情報の提供,財務管理,金融又は財務に関する助言,コンピュータネットワークを利用した支払代金の決済の代行,クレジットカード利用に際しての取引の信用承認,支払能力に関する財務の評価,クレジットカード・デビットカードを利用した購入商品・役務に対する補償,傷害保険の引受け」に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標は、英語の黒いカード(ブラックカード)を意味する『BLACKCARD』の文字よりなるところ、クレジットカード会社においては、サービスの差別化を図るためカードのグレードによってゴールドカ-ド、プラチナカード等と称し、近年、最上級のカードとしてブラックカードが登場している。そうすると、本願指定役務中『クレジットカードにより提供される役務』について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、それが例え英語で表されていたとしても上記のようなブラックカードによるものとして想起するものであって、役務の質を認識するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、「BLACKCARD」の欧文字よりなるところ、その構成文字は、同書、同大、等間隔でまとまりよく一体的に表されているものであるから、これよりは、一種の造語として看取されるものである。 ところで、本願商標を片仮名で表した「ブラックカード」の文字については、最上級のクレジットカードを意味するものとして、雑誌、インターネット等で俗称的に使われている語といえるものであるが、カードを取り扱うクレジットカード会社や銀行においては、通常、高級クレジットカードをプレミアムカードとして、「ゴールドカ-ド」「プラチナカード」の名称で使用しているものであって、これらの上位のカードを、さらに「ブラックカード」又は「BLACK CARD」と称して使用している事業者は見あたらない。 そうすると、その指定役務との関係において、実際に、「ブラックカード」又は「BLACK CARD」の文字が、その役務の質等を表示するものとして使用されていない以上、本願商標は、一種の造語として、自他役務の識別標識たり得るものというべきである。 さらに、請求人の名称は、「ブラックカード・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー(Black Card limited liability company)」であり、本願商標は、その略称を造語として表したといえるものであって、また、請求人の主張及び提出された証拠によれば、請求人は、ビザ・カードと提携し、バークレーズ銀行を通じて、カードに「BLACK CARD」の文字を用いた「THE VISA/BLACK CARD」というクレジットカードを米国などで発行しているものである。 そうとすれば、本願商標は、原審説示の如き意味合いを、仮に、想起させる場合があるとしても、クレジットカード会社や銀行等が実質的に使用していない以上、これが、直ちに特定の役務の質を具体的に表示するものとは認め難いところである。 また、当審において職権をもって調査するも、本願の指定役務との関係においては、「BLACKCARD」等の語が、役務の質等を具体的に表すものとして、取引上、一般的に採択、使用されているという事実を見いだすことはできない。 してみれば、本願商標は、これをその指定役務について使用しても、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであり、また、これをその指定役務中のいずれの役務に使用しても、何ら役務の質について誤認を生じさせるおそれはないものというべきである。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取り消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2012-03-26 |
出願番号 | 商願2008-79433(T2008-79433) |
審決分類 |
T
1
8・
272-
WY
(X36)
T 1 8・ 13- WY (X36) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 泉田 智宏 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
井出 英一郎 高橋 謙司 |
商標の称呼 | ブラックカード |
代理人 | 松尾 和子 |
代理人 | 井滝 裕敬 |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 藤倉 大作 |
代理人 | 中村 稔 |