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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X16 審判 全部申立て 登録を維持 X16 |
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管理番号 | 1253713 |
異議申立番号 | 異議2011-900390 |
総通号数 | 148 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2012-04-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2011-10-28 |
確定日 | 2012-03-05 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5428410号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5428410号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 登録第5428410号商標(以下「本件商標」という。)は、「ニロン」及び「Nilon」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成23年2月10日に登録出願、第16類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同年7月29日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立ての理由 (1)引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、現に有効に存続するものである。そして、これらをまとめていうときは、以下「引用商標」という。 ア 登録第4879785号商標は、別掲のとおり、「Nikon」の文字を書してなり、平成15年10月27日に登録出願、第14類、第16類、第18類、第24類、第25類、第30類、第33類及び第35類ないし第45類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同17年7月15日に設定登録されたものである。 イ 登録第5230211号商標は、別掲のとおり、「Nikon」の文字を書してなり、平成19年6月27日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同21年5月15日に設定登録されたものである。 ウ 登録第4100146号商標は、別掲のとおり、「Nikon」の文字を書してなり、平成8年8月6日に登録出願、第2類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同10年1月9日に設定登録、その後、同20年4月8日に商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。 エ 登録第4172066号商標は、別掲のとおり、「Nikon」の文字を書してなり、平成9年2月6日に登録出願、第2類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同10年7月31日に設定登録、その後、同20年6月10日に商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。 オ 登録第4637426号商標は、別掲のとおり、「Nikon」の文字を書してなり、平成13年9月28日に登録出願、第7類、第9類及び第10類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同15年1月17日に設定登録されたものである。 (2)理由の要点 本件商標は、以下のアあるいはイの理由によって、その登録を取り消されるべきものである。 ア 商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、その英文字部分「Nilon」が、引用商標の「Nikon」と、「l」と「k」のみの差異を有するにすぎず、外観において類似するものである。 また、本件商標より生ずる称呼「ニロン」は、引用商標より生ずる称呼「ニコン」と、語頭音、語尾音及び中間音において母音(o)を共通にし、称呼においても類似するものである。両商標の指定商品も互いに抵触するものである。 イ 商標法第4条第1項第15号について 引用商標は、申立人の商標として、広く一般に知られているため(甲10の1及び2)、本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、「ニロン」及び「Nilon」の文字を上下二段に横書きしてなるものであり、その構成文字に相応して「ニロン」の称呼を生じ、特定の観念を生じさせない造語からなるものと認められる。 他方、引用商標は、いずれも、「Nikon」の文字からなり、これより「ニコン」の称呼を生じるものであり、特定の観念を生じさせない造語からなるものと認められる。 しかして、本件商標から生ずる「ニロン」の称呼と引用商標から生ずる「ニコン」の称呼を対比してみると、語頭音「ニ」及び語尾音「ン」の音を共通にするが、第2音「ロ」と「コ」の音とが相違するものである。 そして、当該差異音も、「ロ」の音が舌面を硬口蓋に近づけ、舌の先で上歯茎を弾くようにして発する有声音であり、「コ」の音が後舌面を軟口蓋に接して破裂させて発する無声音であって、母音を共通するとはいえ、子音の調音位置、調音方法の違いにより音質が異なるものである。 さらに、両称呼が極めて短い音数であること、また、語尾音「ン」が弱音であり、その前に位置する両差異音自体が比較的強い音として聴取されることなどを総合すれば、これらをそれぞれ一連に称呼した場合、彼此聞き誤ることや取り違えることなく、充分に区別し得るものというべきである。 また、本件商標及び引用商標の外観について比較してみると、本件商標は、平易な活字書体で2段に構成されているものであり、引用商標は、別掲のとおり、やや右に傾斜した書体で肉太に表された横1列の標章であって、これらを全体として対比した場合には、構成態様において明らかな相違があるから、外観上相紛れるおそれはないというべきである。 さらに、本件商標と引用商標の欧文字部分を対比してみた場合においても、構成文字において中央部で「l」と「k」との相違があり、当該相違する両文字も、字形が明らかに異なったものであって近似して紛らわしいものとは言い難く、微差とはいえない上、前記のとおり、引用商標がやや右に傾斜した肉太の書体であることから、両者から受ける印象は異なったものであり、対比した場合はもとより、時と処を異にした場合においても、見間違えや取り違えられることはないというのが相当である。 加えて、本件商標は、引用商標と観念について比較できないものであるから、観念上相紛れるおそれはない。 してみると、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標に類似する商標であると判断することはできないものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものということはできない。 (2)商標法第4条第1項第15号について 引用商標は、申立人の業務に係るカメラ等の商品に使用され、その需要者を中心として広く認識され著名な商標となっているといい得るものである。 しかし、本件商標が引用商標に類似する商標とはいえないこと、前記のとおりであり、さらに本件商標を引用商標に関連付けてみるべき格別の理由はみいだせないことから、結局、両者は別異の出所を表示するものとして看取されるというのが相当である。 また、申立人が実際に「ステッカー、クリアファイル」等の文房具類を販売している事情を考慮しても、本件商標の指定商品「文房具類」と引用商標が使用されているカメラ等の商品とは、品質や用途、流通経路が全く異なるものであって、関連性の程度は希薄といわざるを得ないものである。そして、需要者を共通にするものとも言い難い。 しかして、引用商標が申立人のいわゆるハウスマークであることや企業の多角経営の傾向を斟酌した上、引用商標の周知性の程度、使用される商標間の類似性の程度、商品間の関連性や需要者の共通性等を総合勘案してみると、本件商標をその指定商品に使用した場合に、当該商品に接する需要者が引用商標を想起し連想して、これを申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く誤信するとは認め難く、商品の出所について混同するおそれはないと判断されるものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。 (3)まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 (引用商標) |
異議決定日 | 2012-02-24 |
出願番号 | 商願2011-8882(T2011-8882) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(X16)
T 1 651・ 271- Y (X16) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 鈴木 斎、宗像 早穂 |
特許庁審判長 |
小林 由美子 |
特許庁審判官 |
鈴木 修 小川 きみえ |
登録日 | 2011-07-29 |
登録番号 | 商標登録第5428410号(T5428410) |
権利者 | 株式会社レイメイ藤井 |
商標の称呼 | ニロン、ナイロン |
代理人 | 木村 高明 |
代理人 | 村山 靖彦 |