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審決分類 審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 登録しない X4145
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X4145
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X4145
管理番号 1253490 
審判番号 不服2010-29603 
総通号数 148 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-12-28 
確定日 2012-02-06 
事件の表示 商願2009- 26630拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「エンディングムービー」の片仮名を書してなり、第41類及び第45類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、平成21年4月9日に登録出願され、その後、指定役務については、原審における同22年3月25日付けの手続補正書により、第41類「結婚披露宴用ビデオの制作」及び第45類「結婚披露宴の企画・運営又は開催」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『エンディングムービー』の文字からなるものであるが、その構成文字である『エンディング』及び『ムービー』の文字が有するそれぞれの語意により、それらを一連に書した本願商標全体からは『結末、しめくくり時の映画・映像』の意味合いが容易に想起されるものである。そして、『エンディングムービー』は、インターネットのホームページに、ゲーム、興行、催し物や行事などの終了の時に流れる映画、映像を『エンディングムービー』と称し、広く認識、使用されている事実が確認できる。そうとすれば、本願商標を、その指定役務中、例えば、第41類『パーティー・宴会・披露宴(結婚披露宴を除く)の企画・運営又は開催』等、及び第45類『結婚披露宴・結婚式の企画・運営又は開催』等の映画・映像、興行、催し物や行事関連の役務について使用するときは、前記の意味合いを理解させるにとどまり、単に役務の質(内容)を表すに過ぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。また、本願商標は、出願人のみが永年使用した結果、取引者、需要者間に出願人の役務の出所を表示するものとして全国的に認識されているものとは認められない。したがって、商標法第3条第2項にも該当しない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審において通知した審尋
請求人に対して、平成23年7月29日付け及び同年9月15日付けで通知した審尋の内容は、別掲1及び2のとおりである。

4 審尋に対する請求人の意見
前記3の審尋に対し、請求人は、平成23年9月12日付け及び同年10月3日付けの回答書において、以下のように回答した。
(1)商標法第3条第1項第3号について
ア 「最後のしめくくりの映画」について
本願商標である「エンディングムービー」の語は、そのものが辞書などに掲載されているものでなく、また、例えば英語のような他国において使用されている語でもない。つまり、「エンディングムービー」は出願人が創造した造語であって指定役務について業界において指定役務に初めて使用したものである。
審尋では、「エンディング」の文字は、「結末(最後のしめくくり)。特に映画や音楽のしめくくり部分」と捉え、同じく名詞である「ムービー」の文字は、「映画」の意味を有するから「最後のしめくくりの映画」の意味合いを有すると判断されているが、「エンディング」の文字は、「結末(最後のしめくくり)。特に映画や音楽のしめくくり部分」の意味を有し、「ムービー」の文字は、「映画」の意味を有するとなると、「エンディング」自体が「最後のしめくくりの映画」であり、「エンディングムービー」は「最後の最後のしめくくりの映画」という意味であり、このような使用形態の語は従来、出願人が創造するまでなかったものである。
イ 「指定役務との関係」について
審尋では、本願商標の「エンディングムービー」の文字を、「結婚披露宴の最後のしめくくりにあたって上映されるビデオ」という程の意味合いで、「結婚披露宴用ビデオの制作」の用途、内容等を表す語であると認定されており、「映画」の意味は一切、使用されていない。
本願商標は商標「エンディング」「エンディングビデオ」ではなく「エンディングムービー」であり、語の意味から役務の用途、質(内容)等を表示するものではない。
要するに、本願商標「エンディングムービー」は、「結婚披露宴用ビデオの制作,結婚披露宴の企画」などの役務との関係においては通常企画されている「・・・ビデオ」ではなく「・・・ムービー」を有する造語を使用したことにより、指定役務の関係において自他役務の識別力を有するものである。
ウ 「インターネット情報」について
審尋における認定に用いられた「インターネット情報」はきわめて不当なものであり、本願商標の識別力の判断についての証拠として使用するには不適なものである。
(ア)インターネット情報には、住所や電話番号などサイトの出店先が明確でないものがあり、通常、連絡先を表示しないでインターネットだけで業務をする場合はきわめて小規模なものかきわめて悪質な業者としか考えられないのが普通である。
(イ)例えば、このインターネット情報には、「ミッション・イン・ウェデイング」、「嫁さんクエスト」、「3分クッキング」、「パイレーツ・オブ・トレビアン」、「ヒロシです」など、他人の著名な著作物の一部を引用して使用するなど著作権侵害であるとともに他人の信用をや名誉を毀損するような使用をしており、悪意による使用であることは明白である。そのような業者であることから、「エンディングムービー」についても当出願人が使用しているのを模倣して使用しているものであり、このような業者の使用は正当な使用とはいえず、役務を提供する者によって、普通に使用されているものということの証拠としては不適切である。
(ウ)インターネット情報を提供しているいくつかの会社は、資本金200万円、300万円の会社であって、このような同業者が使用しているからといって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するという証拠としての適格性はない。
(エ)インターネット情報には、出願人が有する登録商標第5096133号「エンドロール」(甲7?2)を使用しており、本願の「エンディングムービー」の模倣を始めとして、出願人の商標を無断で使用する同業者であり、このような業者が使用する「エンディングムービー」の使用は悪意に基づくものである。
このように、悪意によって使用している事実を証拠として商標が役務を提供する者によって、普通に使用されているものであるとの判断を首肯することはできない。
(オ)インターネット情報には、出願人が所有している登録第5382405号「手紙ムービー」(甲2-1)に類似する「レタームービー」を無断で使用している侵害者がおり、本願商標が普通に用いられている証拠としての採用を認めることはできない。
(カ)インターネット情報には、出願人が有する登録商標第5096134号「エンディングロール」(甲1-4)を無断で使用している侵害者がおり、本願商標が普通に用いられている証拠としての採用を認めることはできない。
エ まとめ
本願商標である「エンディングムービー」は、出願人が考えた造語であって、この業界では出願人が最初に使用したものであり、この使用を知った同業者が自己の業務について使用しているのが現状である。
このように、近頃、インターネットのホームページを開設しない業者はないといっても過言でないものであり、商標登録出願を審査する際にインターネットの使用を検討すれば、必ず、多数の業者が指定商品や指定役務について出願商標を使用しているはずである。
即ち、本願商標のように、出願人において考え出された造語商標であっても、現在のように審査まで1年近くも掛かる現状では出願人が努力して出願商標を使用すればするほど他の業者による模倣による使用が増大し、使用前には識別力を有していた出願商標も識別力を次第に失っていくことになり、殊に、本願商標のように商標としての機能を有している優秀な商標ほど他業者に使用されることになる。
このことは、審尋において例示されたインターネット情報についての他業者の殆ど全てが他人の登録商標であろうと自己の利益だけを追求して他人の著名にした出願商標を無断で使用しているものであり、商標権の侵害、更には不正競争防止法違反の業者によるものである。
そのような悪意を有するか、あるいは、本来使用が許されない他人の商標を使用する業者のインターネット情報を引用して本願商標である「エンディングムービー」の文字は、結婚披露宴において上映されるビデオの制作において、「結婚披露宴の開始にあたって上映されるビデオ」という程の意味合いで、「結婚披露宴用ビデオの制作」の用途、内容等を表す語として、前記役務を提供する者によって、普通に使用されていることから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」という審尋の判断は到底、承服できない。
(2)商標法第3条第2項について
ア 役務の出所表示としての使用である
原査定では、提出した雑誌広告資料において使用されている「エンディングムービー」は、「行事(結婚披露宴)の開催時に演出のために上映される映像作品」であると指摘されているが、本出願人が需要者の依頼に応えて作成する「映像作品」そのものには特別商標を使用していない。この映像作品は個々の行事の開催の結果残ったものとして依頼人に渡しているが、この映像作品の商標として「エンディングムービー」を使用しているわけではない。
出願人の指定役務は、第41類「結婚披露宴用ビデオの制作」、第45類「結婚披露宴の企画・運営又は開催」であるところ、「エンディングムービー」は、結婚披露宴用ビデオの制作という役務の中では、特に、行事(結婚披露宴)の開催開始時に上映するための映像を制作するサービスを表す出願人の商標であり、また、結婚披露宴の企画・運営又は開催を行う役務の中では、特に、結婚披露宴の開催開始時に映像を上映するという演出を行うタイプの結婚披露宴の企画、その運営・開催というサービスを表す出願人の商標である。
そこで、甲第21号証ないし甲第60号証の雑誌広告資料の使用例を検討すると、例えば、甲第21号証の「シティウェデング(宮崎 鹿児島)」(2005年9月号)に、「エンディングムービーTM」が結婚式披露宴のムービー演出の役務として使用されている広告が形成されており、このような演出を行うタイプの企画の名が「エンディングムービー」であり、出願人の結婚披露宴の企画等というサービスの中の一つの企画の種類の名称、すなわち商標となっている。
また、甲第22号証の「ウェデング」(2002年9月号)には、感動的な演出として(企画)「エンディングムービー」が宣伝広告されており、「エンディングムービー」が出願人の演出の商標であり、テイストを自由に構成できる結婚披露宴のオープニングの演出、企画のであることを示している。
さらに、甲第23号証「ホテルウェディング」(2007年3月号)には、披露宴ビデオについての広告記事があり、「映像を制作するサービスの名称、すなわち商標として「エンディングムービー」が使用されている。映像を制作するサービスの一つとして、結婚披露宴の開催開始時に上映するための映像を制作するというサービスの商標となっている。
その他、雑誌広告資料の記載は、このように出願人の役務の出所表示としての商標の使用を表している。
イ まとめ
以上のように、本願商標は商標法第3条第1項第3号の規定に該当したとしても使用をされた結果、需用者が何人かの業務に係る役務であるとことを認識できたものであり、同法第3条第2項の規定により登録されるものである。

5 当審の判断
(1)本願商標は、「エンディングムービー」の片仮名よりなるところ、その構成中「エンディング」の文字は、「結末(最後のしめくくり)。特に、映画や音楽のしめくくりの部分。」の意味を有し、「ムービー」の文字は、「映画」の意味を有するものであって、両文字は、一般によく知られており、親しまれている語であるから、これよりは、「最後のしめくくりの映画」という程の意味合いを容易に認識させるものである。
そして、上記3の審尋のとおり、「エンディングムービー」の文字は、結婚披露宴において上映されるビデオの制作において、「結婚披露宴の最後のしめくくりにあたって上映されるビデオ」という程の意味合いで、「結婚披露宴用ビデオの制作」の用途、内容等を表す語として、前記役務を提供する者によって、普通に使用されているものである。
そうしてみると、「エンディングムービー」の文字は、前記の意味合いのもと、役務の用途、質(内容)等を表示するものとして、需要者に理解されやすい用語として用いられているものであり、同業者間において使用されているものということができる。
してみれば、本願商標は、これをその指定役務中、例えば「結婚披露宴の最後のしめくくりにあたって上映される結婚披露宴用ビデオの制作,結婚披露宴の最後のしめくくりにあたってビデオが上映される結婚披露宴の企画」に使用するときは、これに接する需要者は、該文字が「結婚披露宴の最後のしめくくりにあたって上映されるビデオ」であるという程の意味合いとして理解、認識するにとどまるというのが相当であるから、単に、役務の用途、質(内容)等を表示するにすぎないものである。
また、本願商標は、上記役務を提供するに際し、必要適切な表示として使用されており、何人もその使用を欲するものであるから、特定の一個人に独占的に使用を認めるべきものではないというのが相当であって、請求人のみにその独占使用を認めるのは公益上適当でないといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。

(2)請求人の主張について
請求人は、「本願商標は、出願人が考えた造語であって、この業界では出願人が最初に使用したものであり、この使用を知った同業者が自己の業務について使用しているのが現状である。また、商標登録出願を審査する際にインターネットの使用を検討すれば、必ず、多数の業者が指定商品や指定役務について出願商標を使用しているはずであり、本願商標のように、出願人において考え出された造語商標であっても、出願人が努力して出願商標を使用すればするほど他の業者による模倣による使用が増大し、使用前には識別力を有していた出願商標も識別力を次第に失っていくことになり、殊に、本願商標のように商標としての機能を有している優秀な商標ほど他業者に使用されることになる。」旨主張している。
しかしながら、仮に、本願商標が出願人の考えた造語であって、この業界では出願人が最初に使用したものであるとしても、商標が自他役務の識別標識としての機能を有するか否かの判断は、査定時又は審決時において、本願の指定役務について、本願商標に係る言葉や文字の使用の実情を勘案し、その指定役務の提供者、需要者の認識を基準に判断すべきものであるところ、上記3の審尋で例示した実情からすれば、本願商標は、既に多くの業者が「結婚披露宴の最後のしめくくりにあたって上映されるビデオ」であるという程の意味合いを表す語として普通に使用している状況にあり、これらの使用者のホームページの説明内容などからすれば、需要者もその役務の内容を表示する理解しやすい用語として認識されるものであるから、上記(1)のとおり判断するのが相当である。
そして、通常、役務の内容を表示する標章について、同業者は、多数の者が使用している種々の語を採択することは、同じ事業を行っていく上では、ごく当たり前のことであるから、「エンディングムービー」の文字にしても、同業者が請求人の使用から真似て採択したとは限らないものである。
また、請求人は、「本審尋における認定に用いられている『インターネット情報』はきわめて不当なものであり、本願商標の識別力の判断についての証拠として使用するには不適なものである。」及び「本審尋において例示されたインターネット情報についての他業者の殆ど全てが他人の登録商標であろうと自己の利益だけを追求して他人の著名にした出願商標を無断で使用しているものであり、商標権の侵害、更には不正競争防止法違反の業者によるものであって、そのような悪意を有するか、あるいは、本来使用が許されない他人の商標を使用する業者のインターネット情報を引用して本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、同法第4条第1項第16号に該当するという審尋の判断は到底、承服できない。」旨主張している。
しかしながら、本審尋において例示されたインターネット情報を提供する業者が、本願商標と同じ文字を使用しているからといっても、該文字に関しては、これが請求人の登録商標であるということもなく、他に請求人の主張を裏付ける確たる証拠は示されていないのであるから、その主張は、全く根拠のないものである。
そして、たとえ、請求人の所有する登録商標を使用している場合があったとしても、そこに悪意があるか否かは、軽々に判断できず、また、法に違反しているなどの証拠も示されていない。
したがって、請求人の主張はいずれも採用することはできない。

(3)商標法第3条第2項の該当性について
請求人は、本願商標は、「結婚披露宴用ビデオの制作」という役務の中では、特に、行事(結婚披露宴)の開催開始時に上映するための映像を制作するサービスを表す同人の商標であり、また、「結婚披露宴の企画・運営又は開催」を行う役務の中では、特に、結婚披露宴の開催開始時に映像を上映するという演出を行うタイプの結婚披露宴の企画、その運営・開催というサービスを表す同人の商標であって、本願商標を使用した結果、自他役務の識別力を獲得するに至っており、商標法第3条第2項の要件を具備する旨主張し、その証拠として、平成23年10月3日付け回答書において、当審甲第21号証ないし同第63号証を提出し、また、原審においても甲第1号証ないし甲第482号証を提出している。(なお、当審において提出された甲号証は、原審において提出された甲号証とは区別し、以下「当審甲号証」とする。)。
そこで、本願商標が、その指定商品との関係において、自他役務の識別力を獲得するに至っているか否かについて、以下、検討する。
ア 請求人の提出による証拠をみると、以下の事実をうかがうことができる。
(ア)引用商標の著名性について
a 請求人業務に係る役務について
上記当審甲各号証によれば、請求人は、結婚披露宴に係わるプロフィールビデオ等の制作等を業務として行っていたことがその宣伝広告等から認められる。
そうとすれば、請求人は、引用商標の指定役務「結婚披露宴用ビデオの制作」及び「結婚披露宴の企画・運営又は開催」に含まれる役務を業としていたことが認められるものである。
b 上記宣伝広告において、おおよそ以下の例と同様に結婚情報誌等においても請求人の役務の提供に本願商標を使用して、宣伝広告をしていた事実が認められる。
当審甲第38号証(「ホテルウエディング」平成18年12月発行)には、2枚目に、「ネスパディディ/・・spaDD』のムービー&ペーパー演出!」の見出しのもと、「ヒストリーTM」、「オープニングTM」及び「エンディングTM」の項がある。そして、「ヒストリーTM」の項には、「上演時間/10?20分新郎新婦のプロフィールムービー。」の記載、「オープニングTM」の項には、「上演時間/1?2分CGを使った音と映像の迫力あるオープニングTM演出。ふたりのオープニングムービーTMから始まる披露宴はゲストも驚くはず。」の記載、「エンディングTM」の項には、「上演時間/3?5分『本日はありがとうございました』の気持ちを込めるエンディングムービーTM。ふたりの写真をバックに、お礼のメッセージやゲスト会員のお名前をエンディングロールTMとして上映。」の記載がある。
また、「誰にでも感動のドラマがある・・・。ヒストリームービーTM、それはもう映画です!」の項には、「ネスパDDの『アトラクションムービーTM』は、お二人の誕生から結婚までのストーリーや、皆さまへの感謝の気持ちを、映像と字幕で表現できるアイテムで、披露宴での感動的なシーンを演出します。」の記載がある。
その他、ゲスト(利用者)などのインタビュー記事等の記載がある。
c また、当審甲各号証における雑誌には、上記「ホテルウエディング」の他にも、「City wedding(シティウエディング)」、「25ansウエディング」、「グレイスフル・ウエディング」、「ゼクシイ」、「melon(メロン)」等の雑誌があり、これらの雑誌においても、「アトラクションムービー」「オープニングムービー」「ヒストリームービー」などの文字とともに披露宴を行った利用者のインタビュー記事、感動体験記事、ネスパDDのムービー制作、企画に関する情報などが掲載され、披露宴でビデオ映像を作ることについて、宣伝広告がなされている。
d 以上のとおり、本願商標の雑誌による宣伝広告の事実によれば、およそ2002年から2004年頃には、請求人は、結婚披露宴において、オープニング用の音楽や映像のビデオの上映、新郎新婦を紹介するための脚本に基づいて制作したビデオの上映、エンディングに出席者の氏名入りの映像のビデオ上映等の結婚式の企画、演出を考案し、これらの企画・演出を「アトラクションムービー」と称し、上記それぞれのビデオ及びその制作を「オープニング/オープニングムービー」、「ヒストリー/ヒストリームービー」、「エンディング/エンディングムービー/エンドロール/エンディングロール」等と命名し、「アトラクションムービー」の個別メニューとして、宣伝広告していたことが認められる。
なお、「エンディングムービー」は、単独ではなく「エンディング/エンドロール/エンディングロール」の表示をもって、宣伝広告されていることもあった。
(イ)以上を総合すると、請求人は、結婚披露宴において、オープニングやプロフィールの紹介、エンディング時に事前に制作したビデオを上映する企画、演出を考案し、これらをアトラクションムービーと称し、このビデオの制作及び結婚披露宴の企画、演出について、オープニング時に使用するものを「オープニングムービー」と称し、新郎新婦の生い立ちなどを紹介するものを「ヒストリー」と称し、エンディング時に使用するものを「エンディング」、「エンディングムービー」、「エンドロール」及び「エンディングロール」と称していること、上記ビデオの制作、結婚披露宴の企画、演出について、結婚披露宴に関する雑誌等において広告宣伝されてきたことが認められる。
また、本願商標の使用は、2002年頃(当審甲22)からの雑誌の宣伝広告によってなされているところ、広告の雑誌の証拠数からみて、2006年頃から多くなっているところである。そして、発行地域も広範囲であり、発行部数もそれなりに多いものがあるところであるが、現在までその期間は6年程度である。
さらに、本願商標は、特徴的な文字態様といえるものではなく、普通の片仮名の「エンディングムービー」の文字であって、「アトラクションムービー」中の一企画として、「エンディング」、「エンドロール」及び「エンディングロール」の文字とともに使用されていることも多く、本願商標の使用方法は、「結婚披露宴のエンディング用映像(ムービー)」であることを表示し、理解されるものであるといえる。
加えて、本願商標の「エンディングムービー」の語は、「結婚披露宴用ビデオの制作」及び「結婚披露宴の企画・運営又は開催」の役務を取り扱う業界の相当数の者が当該役務の提供の用に供する物又は役務の質を表示するものとして使用している事実が認められる。
以上のことからすれば、本願商標は、請求人の業務に係る「結婚披露宴の企画・運営又は開催」等の役務の出所を表示するものとして、ことさら、請求人の出所を表示するものとして機能するべく、目立った表示としての使用もされていないといえるものであるから、その使用方法による宣伝広告よっては、周知、著名性を獲得していたとは認められない。
その他、本願商標が、使用により、需要者の間に広く知られていた商標であって、商標法第3条第2項に該当することを立証するものとして提出の証拠資料中、同業者等の証明が3件提出されているものであるが、同条項の適用にあたっては、知財高裁平成18年(行ケ)第10054号判決(平成18年6月12日判決言渡)において、次のように判示されている。
「商標法3条2項は,商標法3条1項3号等に対する例外として,『使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるもの』は商標登録を受けることができる旨規定している。その趣旨は,特定人が当該商標をその業務に係る商品の自他識別標識として他人に使用されることなく永年独占排他的に継続使用した実績を有する場合には,当該商標は例外的に自他商品識別力を獲得したものということができる上に,当該商品の取引界において当該特定人の独占使用が事実上容認されている以上,他の事業者に対してその使用の機会を開放しておかなければならない公益上の要請は薄いということができるから,当該商標の登録を認めようというものであると解される。」
そうとすれば、前記したごとく、現在においては、本願商標の「エンディングムービー」の語は、「結婚披露宴用ビデオの制作」及び「結婚披露宴の企画・運営又は開催」の役務を取り扱う業界の相当数の者が当該役務の提供の用に供する物又は役務の質を表示するものとして使用している事実が認められるから、本願商標は、他人に使用されることなく永年独占排他的に継続使用した実績を有するということができず、これに接する取引者、需要者をして、請求人の業務に係る役務であることを認識することはできないものである。
イ 出願商標と実際に使用している商標の同一性について
提出された証拠によると、本願商標と実際に使用している商標「エンディングムービーTM」は、「TM」の記号が結合しているものの、要部において同一の態様であると認め得るものである。
ウ まとめ
以上ア及びイからすると、本願商標と実際に使用している商標は、要部において同一の態様であると認められるとしても、本願商標は、取引者、需要者において請求人の業務に係る役務であることを認識することができるほどの周知、著名性を有しているとはいえないものと判断するのが相当であるから、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものとは認められない。

(4)平成23年10月11日付けの上申書及び平成23年12月6日付け審理再開申立書について
請求人は、当該上申書において、更に証拠となる資料を準備しており、しばらくの猶予を求める旨述べているが、既に、当審において2度の審尋がなされ、証拠の提出の機会が与えられており、これ以上審理進行を猶予する理由はないと認められるので、審理を終結することとした。
また、請求人は、平成23年12月5日付け審理終結通知後の同6日付け審理再開申立書及び雑誌広告資料を追加提出する同日付の手続補正書によって、審理再開の申立をしている。
しかしながら、その提出された当審甲第64号証ないし同66号証によっては、上記認定、判断に影響を及ぼすものとは認められないから、本件審判事件に係る審理の再開は行わないこととした。

(5)まとめ
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び商標法第4条第1項第16号に該当し、かつ、同条第2項の要件を具備しないものであるから、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(平成23年7月29日付け審尋の内容)
本願商標は、「エンディングムービー」の片仮名を横書きしてなるところ、その構成中「エンディング」の文字は、「結末(最後のしめくくり)。特に、映画や音楽のしめくくりの部分。」の意味を有し、「ムービー」の文字は、「映画」の意味を有する(ともに、「広辞苑第六版」株式会社岩波書店。)ものであって、両文字は、一般によく知られており、親しまれている語であるから、これよりは、「最後のしめくくりの映画」という程の意味合いを容易に認識させるものである。
ところで、本願商標の指定役務中、例えば「結婚披露宴用ビデオの制作,結婚披露宴の企画」などの役務との関係においては、実際に結婚披露宴において上映される結婚する2人についてのビデオが作成されており、また、その披露宴において結婚する2人についての映像を披露するというような企画が、結婚披露宴を盛り上げるために立案され、採用されるなど、一般に行われているところである。
そして、「エンディングムービー」の文字は、結婚披露宴において上映されるビデオの制作において、「結婚披露宴の最後のしめくくりにあたって上映されるビデオ」という程の意味合いで、「結婚披露宴用ビデオの制作」の用途、内容等を表す語として、前記役務を提供する者によって、普通に使用されているものであって、その事実は、例えば、後掲のインターネット情報によって、窺い知ることができるものである。
また、「エンディングムービー」の文字が「結婚披露宴の最後のしめくくりにあたって上映されるビデオ」という程の意味合いで使用されているのに対し、「オープニングムービー」の文字も普通に使用されており、これは、「結婚披露宴の開始にあたって上映されるビデオ」という程の意味合いで使用されているものである。
そうしてみると、「エンディングムービー」の文字や「オープニングムービー」の文字は、前記の意味合いのもと、役務の用途、質(内容)等を表示するものとして、需要者に理解されやすい用語として用いられているものであり、同業者間において使用されているものということができる。
してみれば、本願商標は、これをその指定役務中、例えば「結婚披露宴の最後のしめくくりにあたって上映される結婚披露宴用ビデオの制作,結婚披露宴の最後のしめくくりにあたってビデオが上映される結婚披露宴の企画」に使用するときは、これに接する需要者は、該文字が「結婚披露宴の最後のしめくくりにあたって上映されるビデオ」であるという程の意味合いとして理解、認識するにとどまるというのが相当であるから、単に、役務の用途、質(内容)等を表示するにすぎないものである。
また、本願商標は、上記役務を提供するに際し、必要適切な表示として使用されており、何人もその使用を欲するものであるから、特定の一個人に独占的に使用を認めるべきものではないというのが相当であって、請求人のみにその独占使用を認めるのは公益上適当でないといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。

後掲
<インターネット情報>(2011年7月のインターネット検索)
(1)「What Surprising!」のウェブサイトにおいて、「エンディングムービー」の表題のもと、「お二人が退場された後に上映するムービーです。映画のエンディングの様に、お二人の写真としっとりとした曲とともに、来場者のお名前がスクリーンに上映されます。映像はシンプルですが、本日の感謝の言葉や温かいメッセージを最後に入れられるようにしておりますので、最後に大きな感動の涙を誘うことも可能です。出口でお客様の退場を待つお二人の前に、きっと涙を浮かべたご友人やご親戚が現れるでしょう。」の記載がある。
(http://www.kite-mite.jp/what-surprising/m-ending.html)
(2)「Smile Wedding」(株式会社CRP)のウェブサイトにおいて、「結婚披露宴演出エンディングムービー」の表題のもと、「披露宴パーティーのエンディングムービーとして、お好きな写真を背景にゲストの方のお名前や、当日参加できなかったお客様のお名前をエンディングロールに仕上げることができます。たくさん試着した衣装の写真や、結婚式準備の写真を時間の流れの順に並べて式が出来るまでをご紹介するのもオススメです。文字数の上限がありませんので、ゲストのお名前にコメントを添えることも可能です。おふたりが描いたゲストの似顔絵をムービーにしたい方はオーダーにて承りますので、ご相談ください。」の記載がある。
(http://www.smile-wedding.net/ending/index.html)
(3)「Moving Film」(ムービングフィルム)のウェブサイトにおいて、「エンディングムービー プラン紹介」の表題のもと、「エンドロールは、表示タイプごとに、全3プラン。お流しするのは、出席者名はもちろん、それぞれの出席者の方々へのメッセージ、ご両親への感謝の言葉、挨拶文など、なんでも結構です。披露宴の締めくくりを、エンディングムービーで演出してみませんか。」の記載がある。
(http://www.moving-film.com/ending.html)
(4)「Sun Produce」(株式会社サンプロデュース)のウェブサイトにおいて、「エンディングムービー」の表題のもと、「エンドロール/懐かしい写真にみんなも感動! 映画のエンドクレジットのように、ゲストの名前がスクロール。曲調に合わせ、お気に入りの写真も映し出されます。生まれてから今日までのお写真を使用し、披露宴の締めくくりを感動的に演出。家族やゲストとの思いでの写真を使用すると、さらに会場に一体感が生まれます。」の記載がある。
(http://www.sunpro.co.jp/index.php?data=./data/l8/)
(5)「カンドウ.tv」(株式会社カンドウ)のウェブサイトにおいて、「新たな感動を演出」の表題のもと、「結婚披露宴用 新郎・新婦プロフィールビデオ作品」の項において、「エンディングムービー/披露宴の最後に、ゲストへの感謝を込めてお二人からのメッセージと、ゲストのお名前をロールテロップで流します。時間は4分?5分。披露宴のエンディングを飾るしっとりとした内容です。この日の感動と感謝の気持ちを映像に託すサンクスムービーです。」の記載がある。
(http://www.kando.tv/03/index.html)
(6)「COJARE PROJECT」(コジャレプロジェクト)のウェブサイトにおいて、「エンドロール・エンディングムービー」の表題のもと、「-てふてふ-」の項において、「ふたりの気持ちをカタチに/てふてふ/白い壁に蝶とお花。。結婚式のイメージそのものです!・・・てふてふと一緒にかわいいフレームの間を進んでいきながら 出席してくれた皆さんのお名前と一緒に 式の最後を優しく演出してくれ ありがとうの言葉も伝えられます^^ 最後までお2人の 花嫁さまの心のこもったおもてなしを 感じれるエンディングムービーになっています」の記載がある。
(http://cojare.jp/sample/sample09_tefutefu.html)
(7)「株式会社HSD」のウェブサイトにおいて、「Opening and Ending Movie」の表題のもと、「宴の始まりは、お二人の色を出せるムービーで!!」の項において、「オープニング・エンディングは、生い立ちムービーと違ってお二人の好みや人柄を前面に出して、明るくにもシックにもできるムービーだと思います。ここではお二人が思い描く披露宴のタイプに合わせたムービーの発想を存分に発揮してください!・・・例2:エンディングムービー(写真+動画で構成)」の記載がある。
(http://hsd-wed.com/opening.html)
(8)「A.C.E」(エース)のウェブサイトにおいて、「エンディングムービー」の表題のもと、「感動的な御披露宴のエンディングを飾るムービーです。御来場になられた御列席の方のお名前を、映画のエンドロールのように挿入し最高のムードにて締めくくることができます! 披露宴からご参加になる方の為に式の映像を加えたエンディングムービーも制作可能です。」の記載がある。
(http://www.ace-vp.com/bridal_ed.html)
(9)「UNITEd.」(ユナイテッドドット)のウェブサイトにおいて、「CONCEPT」の表題のもと、「DEAREST【エンディングムービー】」の項において、「感動のフィナーレは『ゲストの方々のお名前』『グループごとへの感謝のコメント』等お写真と共に映画のエンディングロールのように演出致します。」の記載がある。
(http://www.united-dot.com/)
(10)「AMO」(株式会社シンシア)のウェブサイトにおいて、「エンディングムービー」の表題のもと、「ゲストオーケストラ/今日来てくれたみんなが突然歌い出す! 唖然、騒然、圧巻のゲスト参加型エンディング!」の記載がある。
(http://www.amo.am/lineup/index_ending.html)
(11)「LAYER」(有限会社LAYER)のウェブサイトにおいて、「BRIDAL」の表題のもと、「エンディングムービー FRECIOUS(フレシャス)」の項において、「披露宴が終わりに近づき新郎新婦が退場した後、静かにムービーが始まります。挙式から披露宴までの楽しかったひとときを、写真と動画でリアルに再現。動画の中には、『おめでとう!』のコメントも。披露宴とご招待客を見送るようなムービーです。」の記載がある。
(http://www.studiolayer.com/bridal.html)
(12)「Image Factory Wing」(イメージファクトリー ウイング)のウェブサイトにおいて、「ENDING MOVIE」の表題のもと、「WINGのエンディングムービー(エンドロール)は、来賓の方々一人ひとりにメッセージをお入れできます。出席いただける方の写真とメッセージをリンクさせて、感謝の意を贈られてみてはいかがでしょうか。」の記載がある。
(http://www.if-wing.com/endrool.html)


別掲2(平成23年9月15日付け審尋の内容)
請求人は、平成23年9月12日付けの回答書において、「本回答書によっても商標法第3条第1項第3号の規定に該当する旨の判断が覆らないのであれば、商標法第3条第2項についての証拠を提出する。」旨を述べているところ、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当することは、同年7月29日付けの審尋で通知したとおりであるから、同法第3条第2項についての主張並びにその証拠の提出をされたい。




審理終結日 2011-12-05 
結審通知日 2011-12-06 
審決日 2011-12-19 
出願番号 商願2009-26630(T2009-26630) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (X4145)
T 1 8・ 272- Z (X4145)
T 1 8・ 17- Z (X4145)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 田中 幸一 
特許庁審判長 水茎 弥
特許庁審判官 松田 訓子
井出 英一郎
商標の称呼 エンディングムービー、エンディング 
代理人 橋本 克彦 
代理人 橋本 京子 
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