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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X35 |
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管理番号 | 1251773 |
異議申立番号 | 異議2009-900464 |
総通号数 | 147 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2012-03-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2009-12-24 |
確定日 | 2012-02-06 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5268235号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5268235号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5268235号商標(以下「本件商標」という。)は、「STITCH」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年6月4日に登録出願され、第35類「被服の小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類の小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家具の小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同21年8月3日に登録査定、同年10月2日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立ての理由の要点 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第41号証を提出した。 3 登録異議申立ての理由の要点 (1)「Stitch(スティッチ)」(以下「引用標章」という。)は、2002年(平成14年)6月21日に米国で、2003年(平成15年)3月8日に日本でそれぞれ公開された、申立人制作のアニメーション映画「Lilo&Stitch(リロアンドスティッチ)」に登場するキャラクターの一つである。 (2)映画「Lilo&Stitch(リロアンドスティッチ)」が日本で公開された、同年3月8日及び9日の観客動員数は、26万7500人、興行収入は3億2839万円であり、雑誌、新聞等の数多くのメディアに取り上げられ、各界からの注目の高さがうかがえる(甲第5号証ないし甲第33号証)。 (3)「Lilo&Stitch(リロアンドスティッチ)」は、テレビシリーズも多数制作され、日本での放送は、テレビ東京、TOKYO MX、WOWOW、ディズニーチャンネルなどで行われてきた(甲第35号証及び甲第36号証)。 (4)「Lilo&Stitch(リロアンドスティッチ)」は、日本において、映画が公開されてから現在に至るまで長年にわたって親しまれ、そのメインキャラクターである引用標章が、多くの人々に知られた存在(キャラクター)となっていることは明らかである。 (5)申立人は、いわゆるディズニーキャラクターを使用した商品化事業を行っており、キャラクターである引用標章についても、様々な商品についてキャラクターグッズが販売されており、「Stitch」の文字やキャラクターをプリントしたティーシャツ、タンクトップ、靴についても本件出願日以前から販売されてきた(甲第37号証ないし甲第41号証)。 (6)以上によれば、本件商標が「Lilo&Stitch(リロアンドスティッチ)」のキャラクターである引用標章のキャラクターグッズであるティーシャツ、タンクトップ、靴と類似する、本件商標の指定役務中「被服の小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び「履物の小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に使用された場合、申立人の提供に係る役務、又は、申立人の関連会社の関与する役務であるかのように、出所の誤認・混同を生じるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録を受けたものである。 4.当審の判断 (1)引用標章の周知性について 申立人提出の甲各号証によれば、申立人制作の「Lilo&Stitch(リロアンドスティッチ)」なるアニメーション映画は、本件出願前の2003年3月に我が国において公開され、その年の興行収入が、29億円強(甲第4号証)であるほか、当該映画に関する記事の紹介等が、各種雑誌及び各種新聞記事(甲第3号証及び甲第5号証ないし甲第33号証。いずれも2002年?2003年における記事)等に、掲載されている事実がうかがえる。 また、本件商標出願後、登録査定日(2009年8月3日)前においてもテレビ東京(2008年10月?2009年3月)等により、テレビ放送されていた事実もうかがえるものである。 以上の事実からすれば、当該映画は、本件商標の出願時のみならず、登録査定時においても、我が国においては、申立人制作に係る映画を表すものとして、一般世人にある程度知られていたものというのが相当である。 (2)甲各号証における状況等 申立人提出の甲各号証を検討するに、これら甲各号証に多く使用されている文字は、「リロ&スティッチ」、「リロアンドスティッチ(リロ・アンド・スティッチ)」が大半であり、しかもその殆どが、「スティッチ」及び「リロ」なるキャラクター図形とともに使用されているものである。 また、甲各号証中、「スティッチ」又は「Stitch」の文字部分が他の文字から独立して使用されているものは、前者が、数点(甲第3号証、甲第10号証、甲第15号証、甲第22号証、甲第28号証及び甲第32号証)、後者が、3点(甲第32号証、甲第37号証及び甲第38号証)存在するが、これらにおいてもその殆どが「スティッチ」及び「リロ」なるキャラクター図形とともに使用されているものであり、「スティッチ」又は「Stitch」の文字のみが、単独で使用されているものは、見あたらない。 以上の事情からすれば、「スティッチ」又は「Stitch」の文字は、それぞれ単独で申立人の前記映画に登場する「スティッチ」なる発音のキャラクターを容易に認識・把握される場合があることを全否定するものではないが、むしろ、その登場キャラクターである「リロ」と「スティッチ」の両キャラクター図形と合わせた「リロ&スティッチ」又は「リロアンドスティッチ(リロ・アンド・スティッチ)」の文字により、その登場キャラクターのうちの「スティッチ」のキャラクターを認識・把握するとみるのが相当である。 (3)出所混同のおそれ 本件商標は、前記1のとおり、「STITCH」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「裁縫、刺繍、編物などの針目、ステッチ」等の意を有する成語として知られていることから「裁縫、刺繍、編物などの針目、ステッチ」等の観念を生ずるものである。 一方、引用標章は、前記(1)に記載したとおり、一般世人にある程度知られていた「Lilo&Stitch(リロアンドスティッチ)」なるアニメーション映画に登場する「スティッチ」のキャラクターである。 そこで、本件商標をその指定役務に使用した場合に、申立人及びその関連会社の業務にかかる役務であるかのようにその出所について誤認混同を生ずるかについて検討してみるに、「スティッチ」のキャラクターである引用標章は、前記(2)に記載したとおり、前記映画の登場キャラクターである「リロ」と「スティッチ」の両キャラクター図形と合わせた「リロ&スティッチ」又は「リロアンドスティッチ(リロ・アンド・スティッチ)」の文字により、その登場キャラクターのうちの「スティッチ」のキャラクターを認識・把握するとみるのが相当であることから、「STITCH」の文字のみからなる本件商標をその指定役務中の「被服」及び「履物」についての小売等役務に使用しても、これに接した取引者、需要者は、申立人制作の映画の一登場キャラクターである「スティッチ」を想起することはなく、成語としての「裁縫、刺繍、編物などの針目、ステッチ」の観念を生ずる商標として認識・把握するものとみるのが相当である。 してみれば、本件商標をその指定役務中の上記役務に使用しても、取引者、需要者をして、申立人、又は申立人の関連会社の役務であるかのようにその役務の出所について誤認・混同を生じさせるおそれはないというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (4)結論 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2012-01-27 |
出願番号 | 商願2007-60815(T2007-60815) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(X35)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 久保田 正文 |
特許庁審判長 |
水茎 弥 |
特許庁審判官 |
前山 るり子 渡邉 健司 |
登録日 | 2009-10-02 |
登録番号 | 商標登録第5268235号(T5268235) |
権利者 | 株式会社ビーズインターナショナル |
商標の称呼 | スティッチ |
代理人 | 辻居 幸一 |
代理人 | 中村 稔 |
代理人 | 野中 武 |
代理人 | 井滝 裕敬 |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 松尾 和子 |
代理人 | 藤倉 大作 |
代理人 | 渡辺 広己 |