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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 109
管理番号 1249831 
審判番号 取消2009-301213 
総通号数 146 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-02-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2009-11-04 
確定日 2011-12-02 
事件の表示 上記当事者間の登録第1907885号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第1907885号商標(以下「本件商標」という。)は、「SNAP」の欧文字を書してなり、昭和59年5月18日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同61年10月28日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が2回なされ、さらに、平成18年11月29日に、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を含む、第7類ないし第12類、第16類、第17類及び第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張
請求人は、「商標法第50条第1項の規定により、本件商標は、その指定商品中、第9類『電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
〈請求の理由〉
本件商標は、その指定商品中、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」について、継続して3年以上、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実がないから、その登録は取り消されるべきである。

3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。
(1)本件商標の使用を示す証拠として、SDマルチカメラの取扱説明書を提出する(乙第1号証)。本商品は2003年に製造されたものであり、このことは本証拠最終ページ部分に「○内に“C”(←著作権記号)2003 Matsushita Electric Industrial Co.,Ltd.(松下電器産業株式会社)」と表記されていることから明らかである。被請求人は顧客の商品購人後もサポートを行うために、2003年から現在に至るまで被請求人のウェブサイト(http://dl-ctlg.panasonic.JP/manual/2003/sv_as10.pdf)上に、当該取扱説明書の掲載を継続している。
よって、本件審判の請求の登録前3年以内に、上記取扱説明書が被請求人のウェブサイトに掲載されていたことは明らかである。
SDマルチカメラとは薄型のデジタルカメラであり、「第9類 電気通信機械器具」の概念に含まれる商品である。したがって、本件審判の請求の登録前3年以内に「電気通信機械器具」について本件商標の使用をしていたことが明らかである。乙第1号証には「Snap」の表示がされているが、これは本件商標の書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であることから商標法第50条第1項に規定する「社会通念上同一と認められる商標」であることが明らかである。
(2)さらに、2008年に製造した商品「SDオーディオプレーヤー」の取扱説明書を本件商標の使用証拠として提出する(乙第2号証)。乙第2号証から明らかなように、オーディオプレーヤーについて「D-snap」の商標(以下「使用商標」という。)が使用されている。「オーディオプレーヤー」もマルチカメラと同様に「第9類 電気通信機械器具」の範躊に含まれる。
乙第2号証で表記されている使用商標「D-snap」は本件商標「SNAP」に「D-」が付加されたものであるが、「電気通信機械器具」の分野において欧文字1字+ハイフン(-)は商品の記号、符号を表すものであり、「snap」はハイフン(-)によって明確に「D」と分離しているため、それのみで独立して自他商品識別機能を果たしている。
よって、乙第2号証に記載の商標も本件商標と社会通念上同一の商標であることが明らかである。
なお、参考までに「D-」を付加した使用商標が登録商標の社会通念上同一の商標と認められた審判事件の審決公報を添付する(乙第3号証)。
(3)以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に「電気通信機械器具」について本件商標の使用をしていたことが明らかである。

4 当審の判断
(1)乙第2号証について
乙第2号証は、商品の取扱説明書の表紙部分と認められるところ、書面の上部やや右側に「Panasonic」(最後の文字「C」の右上に「○内に“R”」のマークが付されている。)の記載及びその下に「取扱説明書/SD オーディオプレーヤー/品番 SV‐SD870N」の記載、そして、中央部分に「D‐snap」の記載及びその右側に商品が表示され、最下部には「松下電器産業株式会社 ネットワーク事業グループ」、及び「○内に“C”(←著作権記号) 2008 Matsushita Electric Industrial Co.,Ltd./All Rights Reserved」の文字が記載されている。

(2)以上によれば、該取扱説明書からは、商標権者である「パナソニック株式会社((旧)松下電器産業株式会社)」が、商品「オーディオプレーヤー」に、「D‐snap」の商標(以下「使用商標」という。)を使用していることを、また、最下部の「○内に“C”2008 Matsushita Electric Industrial Co.,Ltd./All Rights Reserved」の記載から、この取扱説明書が2008年(平成20年)に発行されたものであることを確認することができる。そして、取扱説明書は一般的にその商品とともに梱包され販売されるものである。そうとすれば、要証期間に含まれる平成20年に、使用商標が付された取扱説明書が梱包された商品「オーディオプレーヤー」が販売されたものと推認することができる。
ところで、使用商標「D‐snap」は、「D」と「snap」の文字とを「‐」(ハイフン)を介して表されていることから容易に分離して認識できるものであり、かつ、「D」の文字が、商品の型番、形式等を表わす記号、符合として使用されることの多い欧文字の1字であることからすれば、「D‐」の文字部分は自他商品の識別力を有せず、自他商品の識別力を有する部分は「snap」の文字部分にあるというべきであり、かかる「snap」の文字は、本件商標とは、大文字か小文字かの違いはあるものの、同じ綴り字からなる商標であるから、社会通念上同一の商標といって差し支えないものである。
そして、使用に係る商品「オーディオプレーヤー」は、本件請求に係る指定商品中、第9類「電気通信機械器具」の範ちゅうに属する商品と認められる。

(3)請求人は、前記3の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。

(4)そうすると、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が本件審判の請求に係る指定商品「第9類 電気通信機械器具」の範ちゅうに属する商品「オーディオプレーヤー」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その請求に係る指定商品について、登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2011-07-11 
結審通知日 2011-07-14 
審決日 2011-07-26 
出願番号 商願昭59-51091 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (109)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 田中 亨子
内山 進
登録日 1986-10-28 
登録番号 商標登録第1907885号(T1907885) 
商標の称呼 スナップ 
代理人 工藤 莞司 
代理人 森川 邦子 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 上原 空也 
代理人 内藤 浩樹 
代理人 黒川 朋也 

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