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審決分類 審判 一部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) X333543
審判 一部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) X333543
管理番号 1248173 
異議申立番号 異議2010-900355 
総通号数 145 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-01-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-11-08 
確定日 2011-11-16 
異議申立件数
事件の表示 登録第5343320号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5343320号商標の指定商品中第33類「日本酒」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5343320号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成22年3月2日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」、第35類「酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,その他の飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第43類「飲食物の提供,宿泊施設の提供」を指定商品及び指定役務として、同年6月23日に登録査定、同年8月6日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、申立ての理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第37号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標と登録第4567651号商標(以下「引用商標」という。)とは、「純」の文字を共通にする類似の商標であり、その指定商品も第33類「焼酎、その他の日本酒」について同一又は類似するものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)本件商標は、その構成中に、申立人の著名な商標である「純」の文字を含んでなるものであるから、これを「焼酎を含む酒類」に使用するときは、商品の出所について混同を生じるおそれがあるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)引用商標について
引用商標は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成6年8月5日に登録出願、第33類「焼酎」を指定商品として、同14年5月17日に設定登録されたものである。

3 本件商標の取消理由
商標権者に対して、平成23年7月1日付け取消理由通知書で通知した本件商標の取消理由は、要旨次のとおりである。
(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について
本件商標と引用商標との類否について
ア 本件商標は、別掲(1)に示したとおり、「純」の漢字と「SA」及び「GA」の欧文字とを縦書きに表してなるところ、これを構成する「純」の漢字と「SA」及び「GA」の欧文字とは、文字種を異にするものではあるが、いずれもやゝ特徴のある書体をもって表されており、しかも、上下の文字の一部を結合させたものであって、各文字間の結びつきの度合いは極めて強いものというべきであり、全体として、外観上まとまりよく一体的に表現されているものということができる。そして、これより生ずる「ジュンサガ」の称呼も格別冗長なものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。また、これを構成する「純」の文字は、「他のものが少しもまじらぬこと。純粋」等の意味を表す語であって、自他商品識別力の弱い語であり、構成中の「SA/GA」の文字部分は、その読みから、県名の「佐賀」や地名の「嵯峨」を表したものとみた場合には、自他商品識別力は弱いものといえるが、「サガ」の読みからは「性」等の語をも想起し得るものであるから、これより直ちに、特定の産地や商品の品質等を具体的に表示するものとして理解し得るものともいい難いものである。
そうとすれば、本件商標は、一般的にみれば、いずれかの箇所で分断して把握されるというよりは、むしろ、その全体をもって一体的な構成からなる商標として認識し把握されるものとみるのが相当である。
イ 一方、引用商標は、別掲(2)に示したとおり、「純」の文字からなるところ、引用商標は、申立人が永年に亘って「焼酎」に使用している商標であって、指定商品を「焼酎」として、商標法第3条第2項の適用を受けて登録されている商標であり、これより「ジュン」の称呼を生ずるものである。
そして、申立人の提出に係る甲各号証に照らしてみれば、引用商標は、本件商標の登録査定時においても、「焼酎」について使用される商標として取引者・需要者の間において広く知られていたものと認められる。
ウ そこで、本件商標と引用商標との類否についてみるに、前記したとおり、本件商標は、一般的には、全体をもって一体的な構成からなる商標として認識し把握されるものとみるのが相当であるが、「純」の文字からなる引用商標が「焼酎」の商標として広く知られていることから、本件商標をその指定商品中の「焼酎」及びこれと極めて近接した商品である泡盛などを含むこれら商品の上位概念である「日本酒」に使用された場合に限ってみれば、「純」の文字部分の持つ出所表示力は、「SA/GA」の文字部分に較べて遙かに強いものといわなければならない。
そうとすれば、本件商標は、その指定商品中の「日本酒」との関係についてみる限りにおいて、その構成中の「純」の文字部分に相応して「ジュン」の称呼をも生ずるものといわなければならない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、「日本酒」との関係についてみる限りにおいて、「ジュン」の称呼を共通にする類似の商標というべきであり、かつ、本件商標の指定商品中の「日本酒」と引用商標の指定商品である「焼酎」とは同一又は類似の商品である。
(2)まとめ
以上のとおり、本件商標は、申立に係る第33類の指定商品中の「日本酒」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、「日本酒」についての登録を取り消すべきものである。

4 商標権者の意見
商標権者は、上記3の取消理由に対して、指定した期間を経過するも何ら意見を述べていない。

5 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について
本件商標について通知した前記3の取消理由は、妥当なものと認められる。したがって、本件商標の登録は、その理由に示すとおり、「日本酒」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。
(2)商標法第4条第1項第15号の該当性について
申立人の提出に係る甲各号証によれば、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が申立人の業務に係る「焼酎」を表す商標として需要者の間に知られていたものであることは認められ、本件商標の構成中「純」の文字部分に着目される場合があるとしても、本件指定商品中、第33類「洋酒、果実酒、中国酒、薬味酒」との関係においては、「純」の文字部分に着目すべき理由は見いだせず、そうとすれば、本件商標は、上記指定商品については、その構成全体をもって一体的な構成からなる商標として認識し、把握されるものと認められる。
そして、本件商標と引用商標とは、「SAGA」の文字部分の有無の明瞭な差異により、十分に区別し得る別異の商標というべきものであり、これに接する取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではない。
(3)したがって、本件商標の登録は、本件登録異議の申立てに係る指定商品中、第33類「日本酒」については、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定によって、取り消すべきものである。
しかし、本件の申立てに係るその余の指定商品については、取り消すべき理由が認められないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)本件商標

(2)引用商標


異議決定日 2011-09-28 
出願番号 商願2010-15567(T2010-15567) 
審決分類 T 1 652・ 271- ZC (X333543)
T 1 652・ 26- ZC (X333543)
最終処分 一部取消  
前審関与審査官 日向野 浩志 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 末武 久佳
田中 亨子
登録日 2010-08-06 
登録番号 商標登録第5343320号(T5343320) 
権利者 佐賀県
商標の称呼 ジュンサガ、ジュン、サガ 
代理人 特許業務法人みのり特許事務所 
代理人 堤 隆人 
代理人 小堀 益 

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