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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X05
審判 全部申立て  登録を維持 X05
管理番号 1248143 
異議申立番号 異議2011-900228 
総通号数 145 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-01-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-06-27 
確定日 2011-11-25 
異議申立件数
事件の表示 登録第5400723号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5400723号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
登録第5400723号商標(以下「本件商標」という。)は、「PERFORMER」の欧文字を標準文字で表してなり、平成22年10月12日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同23年1月17日に登録査定され、同年3月25日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のア及びイのとおりであり、これらをまとめていうときは、以下「引用商標」という。
ア 登録第4769906号商標(以下「引用商標1」という。)は、「PERFORM」の欧文字を書してなり、平成12年7月19日に登録出願、第3類「洗浄剤(医療用のもの及び製造工程用のものを除く。)」及び第5類「殺菌剤」を指定商品として、同16年5月14日に設定登録されたものである。
イ 登録第4782962号商標(以下「引用商標2」という。)は、「パーフォーム」の片仮名を書してなり、平成13年2月9日に登録出願、第3類「洗浄剤(医療用のもの及び製造工程用のものを除く。)」及び第5類「殺菌剤」を指定商品として、同16年7月2日に設定登録されたものである。
(2)異議申立ての理由の要点
本件商標は、欧文字「PERFORMER」を標準文字による大文字で表しかものである。同文字は英語の文字であり、「パーフオーマー」の称呼と、何事かを「行う人」の観念を有する。
これに対し、引用商標1は、すべて大文字からなる英語の「PERFORM」からなり、「パーフオーム」の称呼を生じ、何事かを「行う」との観念を有し、外観は本件商標の末尾2文字「ER」を除く文字部分に等しい。引用商標2は、引用商標1の片仮名表示であって、引用商標1と外観は異なるが、その称呼と観念を示す。
ア 称呼
本件商標は、上記のとおり、「パーフォーマー」の称呼を生ずる。末尾音は「マー」と長音となることもあるが、「マ」と短音で発音されることも多く、いずれにせよ、2音目の「フォー」にストレスが置かれて発音され、末尾音はイントネーションが下降し、自然に弱く発音される。この傾向は、末尾の前音である「フォー」が」強く発音されることから末尾音が吸収され易いことで説明がつく。さらに、英語での原音のイントネーションも中間音にストレスが置かれることが明らかであり、原音の発音を中学校あたりで習った者は、これを外来語としての日本語としても同様に発音することが自然というべきである。
そこで、引用商標1及び2ともに「パーフォーム」と発音されるところ、この場合も「フォー」にストレスがあって、末尾音「ム」は下降する弱音であることが明らかであるから、本件商標の称呼「パーフォーマー」または「パーフォーマ」の末尾音「マー」「マ」音は明瞭に聴取され難く、両者は互いに称呼上紛れ易い類似の商標というべきである。
イ 外観と観念
本件商標は、引用商標1の「PERFORM」とは末尾の「ER」文字の有無という点て外観が相違する。
しかし、本件商標は同引用商標を含み、かつ、「行う」との意味も含んでいる。同引用商標を含む英語文字としては他に「実行」を意味する名詞形の「PERFORMANCE」があって、同様に「PERFORM」を含んでいる。したがって、これらの文字は「PERFORM」(行う)を基本にして互いに発音や意味を共有している。
しかも「行う」は色々な意味に用いられる。例えば「歌を歌う」「芝居をする」「軽業をする」等に用いた場合「PERFORMER」はそれぞれ「歌手」「役者」「軽業師」の意味となる。このように「PERFORM」と「PERFORMER」は、互いに近似の意味合いを連想して記憶され用いられている文字であることから、商標として同一又は類似の商品について使用されるときは、類似の商標として外観上も、観念上も相紛れるおそれがあると考えられる。
上記より、本件商標は引用商標と類似の商標であり、同一又は類似の商品に使用されるものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「PERFORMER」の文字よりなるところ、これは、「芸能人、演技者、演奏者、実行者」などを意味する語(「新グローバル英和辞典」株式会社三省堂)である。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「パフォーマー」の称呼を生じ、「芸能人、演技者」程の観念を生じるものである。
一方、引用商標1は、「PERFORM」の文字よりなるところ、これは、「成し遂げる、果たす、仕事をする」などを意味する語(「新グローバル英和辞典」株式会社三省堂)である。
そうすると、引用商標1は、その構成文字に相応して、「パフォーム」の称呼を生じ、「成し遂げる、果たす」程の観念を生じるものである。
また、引用商標2は、「パーフォーム」の文字よりなるところ、これは、特定の意味合いを有しない語であるから、その構成文字に相応して、「パーフォーム」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
そこで、本件商標の称呼「パフォーマー」と引用商標1の称呼「パフォーム」とを対比すれば、両者は、5音と4音の構成音よりなり、語尾における「マー」と「ム」の音において相違するものである。
しかして、該「マー」の音は、鼻子音「m」と母音「a」の結合で明瞭に発音され、長音により「マ」の音が伸びて発音されるものであるのに対し、該「ム」の音は、鼻子音「m」と母音「u」の結合で内にこもる響きの弱い音であるから、これらをそれぞれ一連に称呼するときには、相紛れることなく区別し得るものである。
そして、本件商標と引用商標1は、外観において、明らかな相違があるから、外観上相紛れるおそれはなく、また、観念において、それぞれから生じる観念は明らかに異なるものであるから、観念上相紛れるおそれはないというべきである。
次に、本件商標の称呼「パフォーマー」と引用商標2の称呼「パーフォーム」とを対比すれば、両者は、5音の構成音よりなり、語頭の「パ」の音の長音「ー」の有無及び語尾における「マー」と「ム」の音において相違するものである。
しかして、語頭の「パ」の音の長音「ー」の有無の差異は、語調が異なる印象を与えるものであり、また、語尾における該「マー」の音は、鼻子音「m」と母音「a」の結合で明瞭に発音され、長音により「マ」の音が伸びて発音されるものであるのに対し、該「ム」の音は、鼻子音「m」と母音「u」の結合で内にこもる響きの弱い音であるから、これらをそれぞれ一連に称呼するときには、相紛れることなく区別し得るものである。
そして、本件商標と引用商標2は、外観において、相違するものであって、外観上相紛れるおそれはなく、また、観念において、引用商標2から観念は生じないものであるから、観念上類似するところはないものである。
してみれば、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標に類似する商標ということはできないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとは認められない。
(2)まとめ
以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2011-11-16 
出願番号 商願2010-79374(T2010-79374) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (X05)
T 1 651・ 263- Y (X05)
最終処分 維持  
前審関与審査官 堀内 真一鹿児島 直人 
特許庁審判長 水茎 弥
特許庁審判官 井出 英一郎
渡邉 健司
登録日 2011-03-25 
登録番号 商標登録第5400723号(T5400723) 
権利者 塩野義製薬株式会社
商標の称呼 パフォーマー 
代理人 小沢 慶之輔 

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