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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X0335 |
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管理番号 | 1248132 |
異議申立番号 | 異議2011-900129 |
総通号数 | 145 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2012-01-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2011-04-12 |
確定日 | 2011-11-18 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5383430号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5383430号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5383430号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおり,「cosme de STELLA」の欧文字と「コスメドステラ」の片仮名を上下二段に横書きしてなり,平成22年5月7日に登録出願,第3類「化粧品,化粧せっけん」及び第35類「化粧品・化粧せっけんの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品又は指定役務として,同年12月22日に登録査定,平成23年1月14日に設定登録されたものである。 第2 登録異議の申立ての理由(要旨) 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標は,商標法第4条1項第15号に違反して登録されたものであるから,商標法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとし,その理由を以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし同第140号証を提出した。 本件商標は,世界的に著名なファッションデザイナーの氏名であり,申立人の業務に係る「被服,バッグ,履物」などのファッション関連商品に使用され世界的に著名となっているブランド名である「STELLA McCARTNEY」(別掲2,以下「引用商標1」という。)と相紛らわしく,さらに,申立人の業務に係る「化粧品,香水」に使用されて周知著名となっている「STELLA」(以下「引用商標2」という。)に相紛らわしく,類似性の程度の高い商標であることから,本件商標から容易に引用商標1及び2を連想できるものである。 また,本件商標は,引用商標1及び2が使用されて高い周知著名性を獲得している婦人服,化粧品,香水などのファッション関連商品と密接な関連性を有する指定商品及び指定役務に使用するものである。 これらの事情を考慮すると,本件商標がその指定商品又は指定役務に使用されるときには,これに接する取引者・需要者は,申立人の周知著名な引用商標1及び2を想起,連想し,あたかも申立人若しくは申立人と組織的又は経済的に何らか関係がある者の業務に係る商品や役務であるかのように認識し,その商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれがある。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。 第3 当審の判断 1 引用商標1及び2の周知・著名性について (1)引用商標1の周知・著名性 申立人の提出した日本国内で発行された雑誌やWebサイトの記載によれば(甲3?40),申立人は,StellaMccartney(以下「ステラマッカートニー」という。)が,GUCCI(グッチ)とのパートナーシップの下で2001年に創設したブランド「StellaMcCartney(引用商標1)」の商品の製造販売を業とする法人であること,また,ステラマッカートニーは,元ビートルズのメンバーであるポールマッカートニーの次女としてロンドンに生まれ,2000年にVHIアウォード及びヴォーグ・ファッション・アンド・ミュージック・デザイナー・オブ・ザ・イヤー受賞,2001年3月にグッチとのパートナーシップの下,引用商標1のブランド名をスタートさせ,2001年10月の2002年春夏パリコレクションにデビューした服飾デザイナーであって,その後,ステラマッカートニーは,2005年春からアディダス(adidas)と提携,同年H&Mとコラボレーション,2009年にギャップ(GAP)とコラボレートした子供服のデザインを発表,2012年のロンドン・オリンピックで英国チームの公式ファッションを監修すること,そして,引用商標1が申立人の取り扱いに係る商品「婦人服など」又はステラマッカートニーを表示するものとして使用されていることが認められる。 以上の状況からすると,引用商標1は,申立人又はそのデザイナーであるステラマッカートニーの取り扱いに係る商品,特に「婦人服」を表示するものとして,本件商標の登録出願時及び登録査定時には,我が国において,相当程度知られていたものということができる。 ところで,申立人は,「ステラマッカートニーは,我が国では『ステラ』と略称され,ファッション衣料を含むファッション関連分野においては,『ステラ』もまた,引用商標1又はステラマッカートニーを指標するものとして広く認識されていた」旨主張するので,以下,「ステラ」の文字についてみると,これが婦人服を含む被服,バッグ,履物などのファッション関連商品の商標として使用されている事実はみあたらず,また,前記の雑誌やWebサイトのの紹介記事における「ステラ」の使用例も引用商標1又は「ステラマッカートニー」などの文字と共に,申立人又はステラマッカートニーを説明するものとして使用されているものがほとんどである。 そうすると,「ステラ」は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,ステラマッカートニー又は申立人の取り扱いに係る商品「被服,バック,履物などのファッション関連商品」を表示するものとして,我が国の需要者の間に広く認識されていたものとは認められない。 (2)引用商標2の周知・著名性 同じく,申立人の提出した日本国内で発行された雑誌やWebサイトの記載によれば(甲5及び甲41?96及び甲133),申立人は,引用商標2を表示した香水「STELLA」(以下「申立人製品」という。)を2003年9月に日本において発売したこと,そして,申立人製品が「hanako」(2004年4/20号)(甲69)を始めとし,「Domani」(2009年8月号)(甲43)までの期間において,女性向け雑誌において紹介され,また,「香水手帳 香水カタログ」(2009年5月29日)(甲95)及び「@cosme」(甲96)のWebサイトにおいても紹介されていることが認められる。 しかし,申立人製品は,多くの場合,引用商標1又は「ステラマッカートニー」などの文字と共に紹介されているほか,引用商標2としてではなく,「SHEER」の文字を付加し,「SHEERSTELLA(シアーステラ)」の名称として紹介されているものも含まれていることから,これらの紹介記事のみによって,引用商標2が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,需要者の間に広く認識されているものということはできない。そして,その他,甲各号証には,申立人製品の日本における販売数量,販売地域,広告宣伝の方法や回数などの具体的事実を確認できるものはない(甲5及び甲41?96及び甲133)。 以上の状況からすると,提出された証拠からは,引用商標2が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の取り扱いに係る商品「化粧品,香水」を表示するものとして,需要者の間に広く認識されているものということはできない。 2 本件商標と引用商標1及び2との類否について 本件商標は,別掲1のとおり,「Cosme de STELLA」と「コスメドステラ」の文字からなるところ,これらは,全体としてまとまりよく一体的に表されており,これから生ずる「コスメドステラ」の称呼も格別冗長なものではなく,ごろよく一連に称呼し得るものである。 そして,申立人は,本件商標はその構成中の「Cosme de(コスメド)」の部分は,指定商品及び指定役務との関係で識別力がないものである旨主張するが,たとえ「コスメ」が化粧品の意味を有する「コスメティック(cosmetic)」の略語として知られているとしても(甲110?121),本件商標は,上下段の各文字がまとまりよく一体的に書され,かつ,下段の「コスメドステラ」が全体の読みを特定する役割を果たしているものといえるから,本件商標に接する取引者・需要者が,殊更に,その「Cosme de(コスメド)」の文字を捨象し,「STELLA」又は「ステラ」の文字部分にのみ強い印象をもつとは言い難い。 また,前記のとおり,その構成中の「STELLA」又は「ステラ」が,申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものとは認められず,そして,その他,本件商標の構成にあって「STELLA」又は「ステラ」の文字のみを分離,抽出して観察しなければならない格別の事情も見いだせない。 そうすると,本件商標は,「コスメドステラ」の一連の称呼のみを生ずる一体不可分の造語を表したものと認識,把握されるとみるのが自然である。 他方,引用商標1及び2は,前記のとおり,「STELLA McCARTNEY」又は「STELLA」の文字からなるものであるから,それぞれの構成文字に相応し,引用商標1からは,「ステラマッカートニー」の称呼を,引用商標2からは,「ステラ」の称呼を生ずるものであり,また,引用商標1からは,デザイナーの名称としての観念を,引用商標2からは,女の子の名としての観念を生ずるものである。 そこで,本件商標と引用商標1及び2を比較すると,本件商標から生ずる「コスメドステラ」の称呼と,引用商標1及び2から生ずる「ステラマッカートニー」又は「ステラ」の称呼とは,構成音数の差異,構成する各音の音質の差異などにより,それぞれの称呼を一連に称呼した場合においても,明確に聴別し得るものである。 また,本件商標と引用商標1及び2とは,外観上明らかに相違するものであり,観念においては,比較し得ないものである。 したがって,本件商標は,引用商標1及び2とは,称呼,観念及び外観のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標であって,かつ,相違の程度の高い別異の商標というべきものである。 3 商標法第4条第1項第15号該当について 前記1及び2のとおり,引用商標1が申立人又はそのデザイナーであるステラマッカートニーの取り扱いに係る商品,特に「婦人服」を表示するものとして相当程度知られているとしても,引用商標2及び「ステラ」は,申立人の取り扱いに係る商品「香水及び被服を含むファッション関連商品」について需要者の間に広く認識されているものということはできない。 また,本件商標は,引用商標1及び2のいずれの商標とも相紛れるおそれのない別異の商標である。 そして,他に本件商標と引用商標1及び2が混同を生ずるとすべき格別の事情も見出し得ないから,商標権者が,本件商標をその指定商品又は指定役務に使用しても,これに接する需要者が,引用商標1及び2を連想又は想起するとはいえず,その商品又は役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく,その商品又は役務の出所について混同を生じさせるおそれはない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。 4 むすび 以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきである。 よって,結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1 本件商標 別掲2 引用商標1 |
異議決定日 | 2011-11-09 |
出願番号 | 商願2010-35741(T2010-35741) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(X0335)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 蛭川 一治 |
特許庁審判長 |
小林 由美子 |
特許庁審判官 |
鈴木 修 小川 きみえ |
登録日 | 2011-01-14 |
登録番号 | 商標登録第5383430号(T5383430) |
権利者 | ステラケミファ株式会社 |
商標の称呼 | コスメドステラ、コスメドゥステラ、ドステラ、ドゥステラ、ステラ |
代理人 | 阪田 至彦 |
代理人 | 廣中 健 |
代理人 | 特許業務法人 ユニアス国際特許事務所 |