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審決分類 審判 全部無効 商4条1項10号一般周知商標 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) 015
管理番号 1248084 
審判番号 無効2009-890136 
総通号数 145 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-01-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 2009-12-15 
確定日 2011-12-20 
事件の表示 上記当事者間の登録第4271277号商標の商標登録無効審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 登録第4271277号の指定商品中,第15類「ギター(エレキギターを含む。)並びにその部品及び付属品」についての登録を無効とする。 その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。 審判費用は,その2分の1を請求人の負担とし,2分の1を被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4271277号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおり,「VIBRAMUTE」の文字を横書きしてなり,平成8年12月3日に登録出願,同11年2月25日に登録査定,第15類「楽器,演奏補助品,音さ,調律機」を指定商品として,同年5月14日に設定登録,その後,同21年1月20日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。

第2 審判における手続きの経緯
合議体は,平成22年9月24日付け通知書により,請求人に対し,本件商標を無効とすべきとの主張を裏付ける証拠が必要である旨開示し,同年10月21日に口頭審理を行った。
さらに,合議体は,同23年2月22日付け及び同年4月19日付け審尋書により,請求人に対し,本件商標の指定商品において登録を無効とすべきとする商品の特定,請求人が周知である旨主張する標章の構成態様を明示した書面の提出などを求めた。

第3 請求人の主張
請求人は,本件商標の登録を無効とする,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,審判請求書,弁駁書,口頭審理陳述要領書,口頭審理及び審尋に対する回答書において,その理由(要旨)を次のように述べ,証拠方法として,甲第1号証,甲第2号証,甲第3号証の1ないし97,甲第4号証及び甲第6号証を提出した。
なお,口頭審理陳述要領書に添付された知財高裁平成19年(ネ)第10094号の判決文において引用された甲各号証及び乙各号証については,別掲7の一覧表のとおり読み替え,甲第3号証の2ないし97とみなすこととした。

1 請求の理由
(1)無効事由
本件商標は,他人の周知著名な商標と同一である。
したがって,本件商標は,商標法4条1項10号に該当し,同法46条1項1号により無効にすべきものである。
(2)訴えの利益
請求人は,商願2009-16648号の出願人である。この出願は,平成21年8月18日に本件商標を引用とし商標法4条1項11号該当を理由とする拒絶理由通知を受けた。
したがって,請求人は,本件商標を無効とすることに訴えの利益を有する者である。
(3)無効原因
ア 知財高裁の判断
本件商標が無効であることは,すでに平成20年8月28日に知財高裁で判断されている。
イ 知財高裁の判決
知財高裁平成19年(ネ)第10094号商標権侵害差止等請求控訴事件(原審・東京地裁平成19年(ワ)第5022号)は,本件商標を含めて3件の商標権の侵害事件の判決である(甲3)。
この事件は,被請求人が原告となり,株式会社黒雲製作所など(以下「黒雲製作所」という。)を被告として,商標権侵害差止等を請求した事件であった。原審の東京地裁において,被請求人の差止等の請求は認められず,それを不服として争ったのが甲第3号証に示す控訴事件であった。
前記控訴事件において,控訴人商標1(「本件商標」以下同じ。)については,商標法4条1項10号に該当し,無効とされるべきものであると判断されている。
ウ 判決文
前記控訴事件における,本件商標に関する部分を引用すると次のとおりである。括弧書きの「VIBRAMUTE」,「本件商標」及び「被請求人」の記載は,分かりやすいように請求人が追記したものである。
なお,「モズライト商標1」,「モズライト商標3」及び「モズライト・ギター」については,当合議体において説明書きを追記した。
(ア)以下に掲げる証拠及び弁論の全趣旨によれば次の事実が認められる。
セミー・モズレーは,1960年代,新たなトレモロアームシステムユニットの開発を始め,1962年(昭和37年)にビブラミュートトレモロユニットを考案し,以後,1964年(昭和39年)まで,同ユニットを使用し,その台座に「モズライト商標3」(「VIBRAMUTE」別掲2,以下同じ。)を付した。このトレモロユニットは,ベンチャーズのメンバーが用いたモズライト・ギター(以下,限定なしに「モズライト・ギター」というときには,セミー・モズレー又はモズライト社などのセミー・モズレーが設立した会社が製造したギターをいうものとする。)のビンテージ品にも用いられていた。
前記の事実は,日本においても,モズライト・ギターに関する紹介記事などに幾度も記載されている。
(イ)控訴人商標1は,モズライト商標3と同一である。
(ウ)そして,前記(ア)の事実に前記1(1)に認定の事実を併せ考えれば,モズライト商標3は,昭和40年ころには,モズライト商標1(「マルMマーク mosrite of California」別掲5,以下同じ。)に伴って使用され,我が国のエレキギターを取り扱う取引者及び需要者である音楽愛好家(特に「ベンチャーズ」のファン)やエレキギター愛好家の間において周知著名なものとなっており,その周知・著名性は,モズライト商標1と同様に現在もなお存続しているというべきである。
なお,控訴人商標1については,その設定の登録の日から既に5年を経過しているものの,前記認定のとおり,控訴人は,モズライト商標3の周知・著名性を十分に知り得る立場にありながら,平成8年12月3日にモズライト商標3と同一の控訴人商標3(「3」ではなく「1」の誤記)を出願し,平成11年2月25日の登録査定を経て,同年5月14日にその商標登録を得たのであるから,控訴人(被請求人)については,商標法47条1項括弧書きの「不正競争の目的で商標登録を受けた場合」に当たるものである。
(エ)控訴人(被請求人)は,「VIBRAMUTE」について掲載された雑誌は,いずれも控訴人商標1の出願後に出版されたもので,控訴人商標1が,その出願時においてセミー・モズレーの商標として周知著名であったことの裏付けにはならないとし,控訴人商標1は,その出願時,いまだ周知ではなかったと主張する。
しかし,これらの雑誌の記事中の事実によれば,控訴人商標1の出願時において,モズライト商標3は,周知著名であったと認めることができ,控訴人の主張は,採用することができない。
(オ)以上によれば,控訴人商標1は,商標法4条1項10号に該当し,無効とされるべきものであるから,被控訴人らに対し,商標法39条,特許法104条の31項に基づき,控訴人(被請求人)の控訴人商標1に基づく権利行使は許されない。
エ 判決文の補足(審尋書)
前記ウの判決文中(ウ)中の「前記1(1)に認定の事実」とは,甲第3号証24頁の(1)から36頁の(2)の直前までの検討を通して認定した事実のことである。
こうして認定した事実に,前記ウ(ア)の事実,すなわちセミー・モズレーが新たなトレモロアームシステムユニットを開発し,その台座にモズライト商標3を付し,それがベンチャーズのメンバーが用いたモズライト・ギターのビンテージ品にも用いられている事実を合わせ考えれば,モズライト商標3は,昭和40年ころには,モズライト商標1に伴って使用され,我が国のエレキギターを取り扱う取引者及び需要者である音楽愛好家(特に「ベンチャーズ」のファン)やエレキギター愛好家の間において周知著名なものとなっており,その周知・著名性は,モズライト商標1と同様に現在もなお存続しているというべきである,と判断した。
また,同じく,ウ(ウ)中の「前記認定のとおり」は,本件審判の被請求人が本件商標を,不正競争の目的で受けた場合に当たる,という結論を導く根拠を示したものであり,「(ア)被請求人はモズライト商標を承継する関係にない(甲3・37頁6行)」,「(イ)モズライト商標1のグッドウィルは消滅していない(甲3・38頁5行)。」及び「(ウ)顧客吸引力を利用している(甲3・38頁最下行)。」の部分の記載がそれに該当する。
判決は,これらの認定を根拠に,被請求人はモズライト商標3の周知・著名性を十分に知り得る立場にありながら,平成8年12月3日にモズライト商標3と同一の本件商標を出願し,同11年2月25日の登録査定を経て,同年5月14日にその商標登録を得たものであるから,被請求人については,商標法47条1項括弧書きの「不正競争の目的で商標登録を受けた場合」に当たるものと認められる,との結論を出したものである。
オ 結論
前記のように,本件商標の登録は,商標法47条1項括弧書きの「不正競争の目的で商標登録を受けた場合」に当たるものと判断され,本件商標は,商標法4条1項10号に該当し,無効とされるべきものであると判断されたものであるから,この判決のとおり,無効とされるべきものである。

2 答弁に対する弁駁
(1)主張及び証拠について
被請求人は,本件審判の請求は,請求人自身の主張が皆無であり及び自ら収集した証拠が提出されていない旨答弁しているが,商標法46条1項1号のどこに「請求人自身の主張であること」という要件があるのか,知的財産高等裁判所の前記判決の結論は,最高裁でも確定しているのである。
(2)不正競争に対する答弁について
被請求人は,「請求人は,被請求人に対しては黒雲製作所と同じ立場のように『不正競争の目的あり』と解釈することはできない」旨答弁しているが,判決文では,モズライト・ギターの「製作レベルが低いから不正競争である」などとは述べていないし,請求人もそんな主張はしていない。
判決文の「不正競争」に関する記述は,その商標が周知著名だということを知りながら出願したことが「不正競争」だと判断されたのである。
(3)請求権の濫用について
被請求人は,「本件請求は,請求権の濫用以外のなにものでもない。」というが,知的財産高等裁判所において,「本件商標は商標法4条1項10号に該当し無効とされるべきであるから,被控訴人らに対し,商標法39条,特許法104条の31項に基づき,控訴人(被請求人)の控訴人商標1に基づく権利行使は許されない。」と判断されている。
したがって,このような権利は,判決が確定した段階で被請求人が放棄すれば,被請求人のいう「請求権の濫用」についての主張は解決できる。

3 審尋に対する回答書
請求人は,回答書において前記の判決文の補足のほか以下の回答をした。
(1)「トレモロアームユニット」及びその類似商品について
請求人は,第1回回答書において,「『トレモロアームユニット』は,独立して取引されている市販の商品であるとして,ウィキペディアの『ビブラート・ユニット』の項(甲5)を提出し,その証拠説明書において,トレモロアームユニットが『演奏補助品』と同一又は類似のものである旨を記載し,第2回回答書において,「『ギター』は,アコーデオン,オーボエなどのあらゆる楽器と同一の販売店に並べられて販売されるものであり,ギターと他の楽器とは『販売部門』を同一にするものである。」旨主張した。
(2)標章の特定について
請求人は,モズライト商標3(「VIBRAMUTE」標章)を表示した書面を提出した(甲6)。

第3 被請求人の答弁
被請求人は,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求めると答弁し,その理由(要旨)を答弁書,口頭審理陳述要領書,口頭審理,審尋に対する回答書及び上申書において,次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第3号証(枝番号を含む。)を提出した。

1 答弁の理由
(1)無効原因に対して
請求人は,本件審判請求の根拠とその原因を専ら知財高裁の判決によっているだけで,請求人自身の主張は皆無である。これでは,特許庁における本件の審理にはならないし,商標権の付与機関である特許庁に対する登録無効審判請求事件とはならない。
請求人は,前記判決に全部便乗し,本件商標は,商標法4条1項10号に該当し,不正競争の目的で商標登録を受けた場合であるから,除斥期間の適用はないと主張するだけで,代わって請求人が,本件商標の商標権者となることの正当性については,何らの主張も,立証もしていない。
これでは,請求人の本件審判請求は,請求権の濫用以外の何ものでもない。請求人自身は,本件商標に対して正当な法的資格を有する人物ではない。
(2)請求の理由の要約について
請求人は,被請求人が請求した控訴事件において,本件商標は「商標法4条1項10号に該当し,無効とされるべきものである」と判断され,この知財高裁判決は,最高裁において確定しているから,「本件商標の登録は無効である」と主張するが,それは誤りである。
けだし,我が国において,本件商標の登録無効を宣言することができるのは,特許庁の専権事項であって,侵害裁判所ではないからである。
(3)訴えの利益について
請求人は,本件商標に対する登録無効審判請求をする利益として,同一商標の出願をしたところ,拒絶理由通知(甲2)を受けたことを挙げている。
しかしながら,商標の登録出願は,使用の意思さえあれば何人でも自由にすることができるものであるところ,もし将来,出願商標に対するその拒絶理由が解消したとしても,商標法4条1項10号を適用した拒絶理由が通知されるかも知れないのである。
(4)無効原因としての判決文の引用について
請求人は,別件判決文を引用し,本件商標の無効審判請求事件は,商標法47条1項カッコ書き「不正競争の目的で商標登録を受けた場合」に当たると主張するが,それを認定する証拠は請求人によって提出されていない。
被請求人は,セミー・モズレーが「ザ・ベンチャーズモデル」として製作したモズライト・ギターの品質レベルの高さを自らの演奏によって承知しており,セミーの死後も,セミー・モズレーによるモズライト・ギターの権威の維持のために,それに匹敵する以上の製品の提供することを心掛けて来たし,その品質をおとしめる低レベルのモズライト・ギターの製作者の有限会社黒雲製作所と戦ってきたのであるから,被請求人に対しては,同社と同じ立場のように「不正競争の目的あり」と解釈することはできない。すなわち,不正競争の目的をもって,かつて登録して商標権者となっていた者は,セミー・モズレーから「ブラック・スパイダー(黒蜘蛛)」と呼ばれて嫌われていた前記有限会社黒雲製作所であり,これと被請求人の立場を同列に論ずることは誤りであり,また,同列と証明する証拠を請求人は,一切提出していない。

2 口頭審理陳述要領書
(1)請求人は,本件商標に対し引用すべき周知商標なるものを特定していないし,これについての理由の主張も立証も全くしていない。
(2)請求人は,本件商標が商標法47条の1項のカッコ書き規定する「不正競争の目的で商標登録を受けたこと」について,何ら立証していない。
したがって,本件審判請求は,同法47条1項が要求する要件を具備しない除斥期間経過後の請求であるから,同条項に違反した請求として不適法却下の審決がなされるべきである。

3 審尋に対する回答書
(1)商品「トレモロアームユニット」の帰属について
当該商品は,「音楽を演奏する際に使用する器具」であり,アンプと同様に「演奏補助品」に帰属するものと認識されるべきである。
(2)本件商標の商標法4条1項10号の該当性について
ア 商標法4条1項15号は,カッコ書きに「10号から前号までに掲げるものを除く。」とあるとおり,その適用要件は10号とは異なる。
そして,商標法4条1項10号適用には,わが国の需要者間において他人の業務に係る商品を表示するものとして使用され周知となっている商標であることが前提であるから,当該商標が過去において登録され使用されていた事実があったとしても,当該商標を使用するための商品の製作をしていた個人も会社も存在しなくなった場合はその段階で使用は中断することになる。
また,「混同を生ずるおそれがある商標」とは,他人と経済的・組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品と誤認させるおそれがある商標の場合をいい,その判断の観点は商標法4条1項10号のそれとは異なるものと解すべきである。
したがって,本件は,商標法4条1項10号であるから,それ固有の基準を以って判断すべきであり,ここでは商品の混同の有無は直接関係ない。
イ 合議体が,本件商標を使用した場合に,取引者・需要者が請求人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商品の範囲を「ギター(エレキギターを含む。)並びにその部品及び附属品」に限られると認定している事実は,次の2つの点において誤りである。
第1に,本件商標が使用されている商品は「演奏補助品」であって「ギターの部品や附属品」ではないこと。第2に,請求人は自己が所有していると自称する「VIBRAMUTE」含む全商標を2009年8月14日に京都府の株式会社SWINGSCIENCE(代表取締役岩堀)に譲渡しており,審判請求時には利害関係を喪失していたことである(乙1)。
乙第1号証の1は,米国特許商標庁におけるTTABに,被請求人の米国代理人から請求人側代理人に送付された書簡であり,乙第1号証の2は,請求人から前記会社への「VIBRAMUTE」などの知的財産権の認証付き譲渡書である。これらの書面は,請求人が利害関係なしとして請求却下の原因となったものである。
ウ ところで,請求人が回答書で述べているセミー・モズレーの被請求人の店舗への来訪の狙いは,1回目は表敬訪問であり,2回目は遊佐に渡米してモズライト・ギターの製作への協力を依頼したのであったが,遊佐は渡米する意思はなかったから断りつづけていた。
しかし,1991年11月に彼からのFAXで,1992年春に新しい工場での生産を始める見込みがあり,同年がモズライト・ギター誕生の40周年に当たることから渡米して製作に協力してくれとの催促を受けたことが動機となり,遊佐は,1992年5月に渡米し,まず40周年記念ギターを40本製作し,これを被請求人が買い取る旨の契約をした。
無一文で体力も製作技術も衰えていたセミー・モズレーが,ブーンビルの工場に移住してモズライト・ギターの製作の開始を決意したのは,州や町による出資があったことと遊佐による技術協力が期待できたからであった。
ところが,契約後,モズライト・ギター40本分の手付金を用意すべく帰国して間もなくUNIFIED SOUND ASSOCIATION,INC.(以下「ユニファイド社」という。)から入ったFAXは,セミー・モズレーが入院したとの知らせであったので,遊佐は,再渡米したところ,危篤状態がつづき,彼は1992年8月7日に他界した。
しかしながら,この辺の事情を東京地裁も知財高裁も判決には記述せず,請求人(被告)側の主張を一方的に鵜飲みにした判断をしているのである。
エ セミー・モズレーの死後,遊佐は,ユニファイド社の素人工員達に製作工程の説明と指導をするため日米を頻繁に往復した。この間に,高谷も工場を訪れ,請求人を騙して製作中のモズライト・ギターを何本か横流しした事実が続いたが,結局,売上げは延びず,会社は倒産(1994年4月)した。
また,被請求人はその前に実娘を連れ出してブーンビルを去っている。
セミー・モズレーが死去し,ユニファイド社が倒産した後は,モズライト・ギターを米国で製作できる者は誰もいなかったので,モズライト・ギターの製作とわが国への輸出は停止した。
したがって,判決が正確な実名などを明らかにせずに,請求人が「(被告・被控訴人B)が関係する製造元から」モズライト・ギターを輸入販売したなどと説示していることは,何ら証拠に基づかない事実誤認である。
オ 被請求人に本件商標登録出願に不正競争の目的がないことは,次の事実によって明らかである。
不正競争の目的」は,請求人の主張によれば,請求人との不正競争関係ということになるが,その理由は明らかにしていない。被請求人は,請求人を不正競争の相手とは考えていない。
セミー・モズレーの相続関係者と言うのであれば,彼女は彼の4番目の妻というだけであり,彼には1番目の妻との間にダーナ・モズレーという長女がいる。彼の遺族には,彼の実兄のアンディ・モズレーもいる。
また,ダーナ・モズレーは,請求人がセミー・モズレーの入院している病室でニセの「遺言書」を書いているのを目撃している。ダーナ・モズレーが証明している関係書類を提出する。これは2008年11月12日に作成され,公証人によって認証されている(乙3の1,2)。
甲第3号証の判決文によれば,被請求人とユニファイド社との取引関係は同社が倒産する平成6年(1994年)まで続いたと記述しているが,これは事実に反する。被請求人と同社との取引は1993年の前半には中止していた。不良品ばかりの製作と供給であったからである。
遊佐がセミー・モズレーの死後,同社工場の工員達に技術指導をしながら生産に従事していたことは,請求人もその現場にいて承知しているにもかかわらず,判決は,遊佐はセミー・モズレーやユニファイド社と特別な関係にあったものではなく,セミー・モズレーとの間で格別親交が深かったと認めるに足りる客観的な証拠はないと認定したが誤りである。被請求人がこの事実を裏付ける証拠を提出していたにもかかわらず,このような判断になっていることは,この判決は信頼できないといわざるを得ない。
遊佐が助言したのはセミー・モズレーではなく,彼の死後生産ラインに立っていた素人工員達であるから,判決の認定は事実誤認である。
判決によれば,高谷がセミー・モズレーなどに技術的な助言をしていたというが,このような事実もない。証拠に基づかない事実誤認でしかない。
また,判決によれば,本件商標のグッドウィルは消滅せず,顧客吸引力を被請求人は利用しているというが,仮にそうであったとしても,これを利用することが,セミー・モズレーとユニファイド社などの製作会社が存在しない後で,なぜ不正競争行為が起るというのか,判決は理由を何にも明らかにしていない。まして,この判決に専ら便乗している請求人の主張は,独自に考えた理由や裏付け証拠に基づいたものでないから,失当である。
商標法47条が特に除斥期間を設定している理由は,法的安定性をメルクマールとしている法秩序の維持のためである。しかも,本件商標は更新登録された登録商標である。本件商標が被請求人において専有されることは,当業界の法秩序の維持のためには必要かつ重要なことである。
カ 以上のとおり,本件商標と同一又は類似する他人の商標が,かつては需要者間に周知となっていたとしても,それを周知のものにしたセミー・モズレーもその関係会社も本件商標の登録出願時においては既に存在していなかったのだから,わが国市場への供給は皆無であった。したがって,セミー・モズレーに代わって彼が生前製作したモズライト・ギターの演奏補助品の商標を被請求人が登録することは,セミー・モズレーの製作したモズライト・ギターの伝統と品質を維持するのみならず,それ以上の品質のギターを供給することを人生の目標としている被請求人にとっては必要なことであったことを鑑みれば,悪意である不正競争の目的は,被請求人には微塵もなかったと解することができる。

4 上申書
本件の審理を再開するにあたり,次の者を証人として尋問することが必要であると思料する。
(1)ロゼッタ・モズレー,(2)岩堀典明,(3)ダーナ・モズレー,(4)アンディ・モズレー,(5)遊佐典之

第4 当審の判断
1 利害関係について
請求人が本件審判の請求をすることについて,当事者間に争いがあるので,この点について検討する。
被請求人は,「請求人が本件商標と同一の商標を出願し,商標法4条1項11号の拒絶理由通知を受けたことのみでは訴えの利益がない。また,請求人は,『VIBRAMUTE』を含む全商標を2009年8月14日に他人に譲渡しており,本件審判請求時には利害関係を消失していた。」旨主張し,乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
しかし,請求人がした商標登録出願(商願2009-16648号)において,平成21年8月18日付けで本件商標を引用した拒絶理由通知がされている以上,その出願人は本件商標の存在によって直接不利益を被る関係にある者といえる。また,本件審判の請求時及び現時点において,その出願が他人に譲渡された,出願人名義変更届が提出されたなどの事実は認められないから,その出願人である請求人は,本件審判を請求することについて利害関係を有する者に該当するとみるのが相当である。
したがって,請求人は,本件無効審判を請求することについて法律上の利益を有するものというべきである。
なお,被請求人は,請求人がセミー・モズレーの相続人でないとして,乙第3号証の1ないし3を提出しているが,仮に請求人が本件商標の相続人でないとしても,前記のとおり,請求人に対し拒絶理由通知がされている以上,請求人は利害関係を有するものとみるのが相当である。

2 本件商標の商標法4条1項10号該当性について
(1)登録第4715753号商標及び登録第4933461号商標の周知・著名性について
本件商標は,別掲1のとおり,「VIBRAMUTE」の欧文字からなり,第15類「楽器,演奏補助品,音さ,調律機」を指定商品とするものである。
そして,被請求人は,本件商標のほか,別掲3及び別掲4に示す登録第4715753号商標及び登録第4933461号商標(以下「被請求人商標2及び被請求人商標3」という)を所有するものであるところ,請求人が提出した証拠(以下に掲げるもののほか,甲17)によれば,被請求人商標2及び被請求人商標3に関し,以下の事実が認められる。
ア モズライト・ギターについて(甲19,101,乙39,47)
(ア)セミー・モズレーは,1952年(昭和27年),米国カリフォルニア州ベーカーズフィールドにおいて,エレキギター(モズライト・ギター)を製造販売するために,MOSRITE INC.(以下「モズライト社」という。)を設立した。
モズライト社は,1954年ころ以降,その製造したエレキギターに,「マルMマーク mosrite of California」の商標(モズライト商標1)を使用した。
モズライト社において1963年(昭和38年)から1965年(昭和40年)までの間製造し,米国の人気ロックバンド「ベンチャーズ」が使用したエレキギターが,「ベンチャーズ・モデル」と呼ばれるものであり,モズライト・ギターのビンテージ品として人気を博しているものである(甲84)。
(イ)モズライト社は,1969年(昭和44年)2月に倒産し,1971年(昭和46年)にカリフォルニア州において再建されたものの,1973年(昭和48年)に再度倒産した(甲67)。
その後,セミー・モズレーは,オクラホマ州,カリフォルニア州,ノースカロライナ州などにおいて,会社を設立し,モズライト・ギターを製造するなどしていたが(その旨を記載した雑誌記事として甲67,68などがある。),1992年(平成4年)4月ころ,米国アーカンソー州ブーンビルにおいて,「ユニファイド社」を設立し,モズライト・ギターの製造販売を開始した。
イ セミー・モズレーが有していたモズライト関連商標
セミー・モズレーは,日本において,昭和63年2月22日,モズライト商標3(「VIBRAMUTE」)について,商標登録を得たが,同商標は,平成10年2月22日,存続期間が満了し,消滅した(甲19)。
ウ 日本における遊佐及び被請求人以外の者によるモズライト・ギターの販売など
(ア)日本においては,ベンチャーズが,昭和40年(1965年)の来日公演の際に使用していたモズライト・ギターのビンテージ品の音(ベンチャーズ・サウンド)が,日本のファンに衝撃を与え,ベンチャーズの人気に伴い,ベンチャーズ・サウンドを作ったモズライト社のモズライト・ギターへのあこがれも高まった(甲65,97,乙1,9,10,20,23)。そのため,いまだに雑誌においてモズライト・ギターが紹介される場合,ベンチャーズの名が引き合いに出されることが多い(乙1,9,14,23,34,65,66)。
遊佐も,被請求人が関与して発行されているモズライトファンクラブの会報(平成13年5月20日号)において,「今日まで続くザ・ベンチャーズの人気の一因はモズライトですし,エレキブームをリアルタイムで経験したファンにとってはザ・ベンチャーズ=モズライト,モズライト=ザ・ベンチャーズなのです。1960年代のセミー・モズレー時代から,ザ・ベンチャーズとモズライトの間には色々な問題があるかとは思いますが,長い間に渡りモズライトを夢見て,そしてモズライト・ザ・ベンチャーズサウンドを愛し続けてきた,日本全国の多くのファンの気持ちを是非理解して頂きたいと思います。」と記載している(甲99)。
そして,日本の人気ミュージシャンである加山雄三,寺内タケシ,ブルー・コメッツらも,昭和40年ころから,セミー・モズレーの製造に係るモズライト・ギターを演奏に使用するようになった。
(イ)日本においては,昭和40年ころから,モズライト・ギターが輸入販売されるようになった。
ファーストマン楽器製造株式会社(以下「ファーストマン社」という。)は,昭和43年5月,モズライト社から製造許諾を受けて,日本国内でのモズライト・ギター(アベンジャーモデル)の製造販売を開始した。ファーストマン社製のモズライト・ギターには,「マルMマーク mosrite」商標が付されていた(甲64,100,乙15,28,37の1,乙72)。
(ウ)黒雲製作所は,ファーストマン社の下請として,ファーストマン社が製造販売していたモズライト・ギターの木部の製造を担当していたが,昭和44年7月,ファーストマン社が倒産した(甲64,乙93)。
黒雲製作所は,在庫の販売を続け,その後独自に,モズライト・ギターの製造販売を開始し,その製造に係るエレキギターに「マルMマーク mosrite」との標章を付し,また,その後,その製造に係るエレキギターに「マルMマーク mosrite of California」との標章を付すようになった(甲9?11,乙93)。
(エ)高谷が経営する高谷企画(現在の株式会社高谷プランニング)は,平成元年ころからセミー・モズレーが経営する会社からモズライト・ギターを輸入販売するようになった(乙49)。
平成3年5月には,高谷企画の製作企画によって,1960年(昭和35年)から1968年(昭和43年)3月までベンチャーズのメンバーとしてベンチャーズの大ヒットにかかわったノーキー・エドワーズとセミー・モズレーのジョイントライブが東京で開催され,往年のベンチャーズファン,モズライト・ギターファンに歓迎された(乙33,49)。来日に当たって,セミー・モズレーは,「高谷が毎日TELとFAXでうるさく指示するので,ニューレプリカも何か所か改良し,完全な復刻版を出すので,ノーキーモデルをはじめベンチャーズ・モデル63,65年もよろしく!」と述べ,この当時,セミー・モズレーは,高谷から助言を受けながら,高谷企画を通しての日本向けのモズライト・ギターの復刻版の輸出販売を計画していた(乙33,49)。
高谷企画は,セミー・モズレーの死後も,ユニファイド社に対して加山雄三モデルのモズライト・ギター製造の企画を持ち込み,ユニファイド社で製作された同モデルを輸入販売するなどし,また,平成6年のユニファイド社倒産後も平成14年まで,ロレッタ・バリア・モズレーが関係する製造元からモズライト・ギターを輸入販売した(乙49,50,77の1?4)。
(オ)阪神地方において店舗展開する楽器販売店ワルツ堂は,セミー・モズレーの死後,ユニファイド社製のモズライト・ギターを,日本における販売代理店であるロッコーマン社を通じて輸入販売しており,ユニファイド社の倒産後,平成10年ころまで,ロレッタ・バリア・モズレーが製造していたモズライト・ギターも輸入販売していた(乙76)。
エ 遊佐によるモズライト・ギターの販売開始など
(ア)遊佐は,高校生のころからエレキギターに興味を抱くようになり,その演奏を行っていたが,昭和40年のベンチャーズの来日公演の際,ベンチャーズが使用していたモズライト・ギターの音に衝撃を受け,モズライト・ギターへのあこがれを抱くようになった(甲45)。
遊佐は,昭和51年5月,東京都三鷹市内に被請求人の前身である個人商店の「フィルモア楽器店」を開店し,楽器のレンタルから始めて,中古楽器の販売を経るなどした上,米国から輸入されたモズライト・ギターを国内の他の店舗から購入するなどした上での販売を行うようになった(甲45)。
遊佐は,楽器店経営の傍ら,愛好家としてモズライト・ギターの収集も行い,他のモズライト・ギターの愛好家とモズライト・ギターを持ち寄って演奏を楽しみ,昭和55年には店舗移転を期に,店舗内に,それまでに収集したモズライト・ギターのコレクションを展示するスペースを設け,次第に,全国のモズライト・ギターの愛好家から,モズライト・ギターの収集家として知られるようになった。
(イ)遊佐は,昭和56年ころから,モズライト・ギターを買い付けるために渡米するようになり,テキサス州で開催されたビンテージギターショーで,セミー・モズレーと初めて会った。
セミー・モズレーは,昭和58年に来日したが,既に,愛好者の中ではモズライト・ギターの収集家として有名であった遊佐が経営するフィルモア楽器店に来店した。また,セミー・モズレーは,昭和60年4月にも,妻のロレッタ・バリア・モズレーとともにフィルモア楽器店を再訪した。
(ウ)遊佐は,1992年(平成4年)5月,渡米してアーカンソー州のセミー・モズレーの経営するユニファイド社を訪ね,ユニファイド社との間で,遊佐の希望する仕様を取り入れたモズライト・ギター40周年記念モデルの製造を依頼する契約を締結し,同ギターが約40本製作されることになった。同モデルには「マルMマーク mosrite of California」との標章が付された。遊佐は,このモデルのほかにも,ユニファイド社が製造したモズライト・ギターを日本に輸入し,販売した(甲69,80,81,131,155?157)。
セミー・モズレーが同年8月7日に死亡した後も,ユニファイド社によってモズライト・ギター40周年記念モデルなどのモズライト・ギターの製造が続けられたが,ユニファイド社は1994年(平成6年)に倒産し,遊佐へのモズライト・ギター40周年記念モデルの製造引渡しも中断したままで終了した。
(エ)遊佐は,セミー・モズレーやその設立した会社からモズライト商標についてその譲渡や使用許諾を受けたことはなかったが,モズライト・ギターのビンテージ品を再現したエレキギターの製造販売を続けたいと考えると共に,モズライト・ギターについて深い知識を有すると自負する遊佐自身でその製造販売を続けるのが最も適任であると考えたことから,平成8年(1996年),前記のとおりセミー・モズレーやその設立した会社とは全く関係なく当時米国カリフォルニア州において「mosrite of California」商標を登録していたSugai Musical Instrument,Inc.(以下「スガイ社」という。)に依頼し,エレキギターを製造させることとした。遊佐は同年11月以降,その後に遊佐の営業を引き継いだ被請求人は平成12年の被請求人設立時以降,スガイ社の製造に係るエレキギターを日本に輸入して販売している。スガイ社製のエレキギター(被請求人商品)には,被請求人商標2(「マルMマーク mosrite of California」)が付されている(甲2,76?78)。
また,被請求人は,平成12年ころ以降,静岡県浜松市所在の東海楽器製造株式会社に,セミー・モズレーやその関係会社製造のモズライト・ギターに類似のギターを製造させ,これに「Mマーク mosrite of Classics」の標章を付して販売するようになった(甲2,97)。
オ 被請求人による商標登録出願等
(ア)遊佐は,平成8年12月3日,日本において,本件商標を出願し,平成11年2月25日の査定を経て,同年5月14日にその商標登録を得た(甲6の1,2)。そして,その商標権は,被請求人が譲渡により取得し,その移転の登録が平成13年8月21日にされている。
(イ)遊佐は,平成10年4月28日,日本において,被請求人商標2の商標登録を出願し,平成15年6月13日の査定を経て,被請求人が,同年10月10日にその登録を得た。
(ウ)遊佐は,平成11年11月30日,日本において,被請求人商標3の商標登録を出願し,平成18年2月3日の査定を経て,被請求人が同年3月3日にその登録を得た。
カ フィルモア楽器店や被請求人商品の日本における取引状況など
(ア)フィルモア楽器店や被請求人商品の雑誌への紹介
a 「モズライト・ファンが集まるモズライト専門のギター・ショップ」(平成10年5月10日発行の雑誌〔甲27〕,平成11年5月10日発行の雑誌〔甲28〕),「モズライト USA ベンチャーズ・モデルがお薦め!」(甲27),「モズライトU.S.Aベンチャーズ63年リイシュー・モデル(サンバースト)がお奨め!」(甲28),「“モズライト”はエレキ・ファンにとって特別の存在である。・・・ベンチャーズが愛用し,・・・加山雄三や・・・寺内タケシも愛用してきた“ギターのロールスロイス”なのである。・・・ここではヴィンテージ・モズライトのリイシュー・モデルを紹介しよう。現在,モズライトでは,“モズライト・オブ・カリフォルニア”として,USA モズライト・リイシューを発売しており,・・・それぞれのモデルは,オリジナルの年代のスペックに準じて忠実に作られており,まさにヴィンテージ・モズライトが現代に甦ったといえる趣である。・・・オリジナルのイメージに忠実な仕上がりとなっていて,多くのファンを喜ばせている。」,「モズライト誕生55周年,フィルモア,モズライト伝説の新たなるスタート・・・」(平成17年3月14日発行の雑誌〔甲43〕)などと紹介されている。
b 平成14年10月9日発行の雑誌「エレキ・ギター・ブック」には,被請求人のカスタムショップで製作された被請求人商品が紹介されるとともに,モズライト・ギターのビンテージ品(1964年タイプ)の紹介記事も掲載されている(甲35)。
c 「モズライトのあの伝説の“ファズライト”が限定生産される!」,「モズライトの“ファズライト”がモズライト創立50周年を記念して限定生産された。」(平成15年2月9日発行の雑誌〔甲36〕)。
d 「ブルー・コメッツ スペシャルモデル ギター&ベース」,「36年の深い眠りから覚めて再びファンのもとへ・・・」(平成15年6月9日発行の雑誌〔甲37〕)。
なお,この被請求人商品「ブルー・コメッツ スペシャルモデル」については,平成15年11月9日発行の雑誌にも,「・・・“ファーストマン”より・・・甦った」などと記載した記事が掲載されている(甲38)。
e 「1965年1月,モズライト・ギターはベンチャーズによって日本に初お目見えし,それが伝説の始まりとなった。モズライトでは“モズライト日本初上陸40周年”を記念して,2005年に向けて記念モデルを続々と発売する。」(平成16年12月15日発行の雑誌〔甲42〕)
f 「時は1965年1月,モズライトが日本上陸 今まさにあの時の衝撃が甦る!!」(平成18年発行の書籍〔乙64〕)
(イ)雑誌などにおけるフィルモア楽器店や被請求人の広告には次のような記載がされている。
a 「USA モズライト専門ギターショップ フィルモア楽器」(平成11年5月10日発行の雑誌〔甲29〕,同年10月10日発行の雑誌〔甲29〕)
b 「お知らせVIVRAMUTE,MOSELEYは,フィルモア楽器代表『遊佐』の専有する登録商標(トレードマーク)であり,許可なく使用することは出来ません。無断で使用している小売店,業者には厳重に警告致します」(平成11年10月10日発行の雑誌〔甲29〕)。
c 「FILLMORE CO.LTD USA モズライト総輸入元/国産モズライト総発売元」(平成12年6月5日発行の雑誌〔甲89〕,同月9日発行の雑誌〔甲30〕,同年12月11日発行の雑誌〔甲31〕,平成14年10月9日発行の雑誌〔甲35〕,平成15年2月9日発行の雑誌〔甲36〕,同年6月9日発行の雑誌〔甲37〕,同年11月9日発行の雑誌〔甲38〕,平成16年3月10日発行の雑誌〔甲39〕)
d 「真のモズライトは唯一フィルモアから 本物のモズライトをお求めの皆様へ フィルモアからの大切なお知らせです モズライト・ギターは1960年代栄光の時を駆け抜け,その後様々な事情により紆余曲折,混乱の時代を経て現在に至りました。株式会社フィルモアは,当時多くのエレキ少年たちが憧れたモズライト・ギターを最高の品質と共に継承し,皆様にご提供していきたいという一途な思いから,これまで最大の努力をし続けてまいりました。そしてこの度,モズライト・ギターに関してアメリカ合衆国および日本において正式に商標権の登録を完了し,長らく続いた市場の混乱に終止符を打つことができました(米国登録第2791555,日本国登録第4715753)。すなわち,モズライト・ギターの製造・発売に関して唯一正当な商標権者となったのです。当社が正しくご提供するモズライト・ギターは極上の品質を備えています。確かなチューニング,安定したアーミング,艶のあるパワフルなダイナミック・サウンドといった魅力ある性能を保証致します。USA リイシューを筆頭に,国産クラシックスシリーズのVMマーク1・・・etc.・・・ どれも手にとって納得し,安心してお求めになれる製品ばかりです。モズライト・ギターをお求めの際は,必ずフィルモア製であることをお確かめ下さい。類似品には十分ご注意下さい・・・USA モズライト総輸入元・国産モズライト総発売元 FILLMORE CO.LTD」(平成16年6月9日発行の雑誌〔甲40〕)
e 「USA モズライト総輸入元・国産モズライト総発売元 FILLMORE CO.LTD」(平成18年3月5日発行の雑誌〔甲45〕,平成18年10月発行の書籍〔乙64〕)
f 「時は1965年1月,モズライトが日本上陸 今まさにあの時の衝撃が甦る!! “超”レアな男たちのための...THE MOSRITE SUPER REAL GRADE」(平成18年10月発行の書籍〔乙64〕,平成19年4月発行の被請求人カタログ〔甲168〕)
g 「来る2007年,モズライトは誕生55周年を迎えます(1952年創立)。これを記念して,今秋よりフィルモア・モズライトは,これまでリクエストの多かったモデルを始め,ニューモデルを続々とリリースしていきます。・・・」(平成19年4月発行の被請求人カタログ〔甲168〕)
(ウ)被請求人のホームページには,次の記載がされている。
a 「来る2007年,モズライトは創立55周年を迎えます(1952年創立)。この記念すべき年を迎えるにあたり,フィルモア・モズライトはこれまでリクエストの多かったモデルを始めとして,魅力的なニューモデル・限定モデルを続々と発表します。“こだわりオヤジの大好きモズライトシリーズ”記念すべき第1弾は・・・」(平成18年10月13日掲載の被請求人ホームページ〔乙71〕)
b 「USA モズライト製品総輸入・発売元 国産モズライト製品総発売元 株式会社フィルモア FILLMORE」(平成20年6月12日掲載の被請求人ホームページ〔乙94〕)
(エ)ベンチャーズは,近年も毎年のように来日公演をしており,被請求人商品の紹介記事や広告が掲載されている雑誌の中には,ベンチャーズの特集記事やベンチャーズの日本ツアーレポート,寺内タケシのインタビュー記事などが掲載されているものがある(甲37,39,40,42,45,46)。
また,被請求人商品を購入した者にも,ベンチャーズのファンとなったことからエレキギターに夢中になり,「ベンチャーズの音」を求めて被請求人商品を購入しているものが多い(甲28,29,36,43,140,141,145,147,152)。中には,モズライト・ギターのビンテージ品を所有するとともに,被請求人商品をも購入している者もおり(甲36),さらに,ファーストマン社のアベンジャーモデルに始まり,モズライト・ギターのビンテージ品を収集している者もいる(甲41)。
キ モズライト・ギターのビンテージ品の日本における取引状況など
(ア)セミー・モズレーないしその関連会社の製造に係るモズライト・ギター(ビンテージ品を含む。)については,近年でも特集雑誌が発行されたり,エレキギター関係の雑誌で特集記事の連載がされたりしており,その直近のものは,平成18年10月16日発行のものであった(乙13?21,23,34,66)。
(イ)また,モズライト・ギターのビンテージ品は,日本において,現在においても高額で取引されている(甲167,乙3,4,82の1?5,乙83の1?5)。
(2)モズライト商標3の周知・著名性について
ア 以下に掲げる証拠及び請求人の主張などによれば,以下の事実が認められる。
セミー・モズレーは,1960年代,新たなトレモロアームシステムユニットの開発を始め,1962年(昭和37年)にビブラミュートトレモロユニットを考案し,以後,1964年(昭和39年)まで,同ユニットを使用し,その台座にモズライト商標3(「VIBRAMUTE」)を付した。このトレモロユニットは,ベンチャーズのメンバーが用いたモズライト・ギターのビンテージ品にも用いられていた(甲94,98,乙1,9,10,19,34)。
前記の事実は,日本においても,モズライト・ギターに関する紹介記事などに幾度も記載されている(甲94,乙19,34)。
イ 本件商標は,モズライト商標3と同一である
ウ 以上のアの事実に前記2(1)に認定の事実を併せ考えれば,モズライト商標3は,昭和40年ころには,セミー・モズー又は同人が設立した会社が製造するエレキギターを表示するものとして需要者の間に広く認識されていたモズライト商標1に伴って,モズライト・ギターの「トレモロユニット」の台座に使用され,我が国のエレキギターを取り扱う取引者及び需要者である音楽愛好家(特に「ベンチャーズ」のファン)やエレキギター愛好家の間において周知著名なものとなっており,その周知・著名性は,モズライト商標1と同様に最近もなお存続しているというべきである。
(3)本件商標の指定商品とモズライト商標3が付された「トレモロユニット」の類否について
本件商標の指定商品は,「楽器,演奏補助品,音さ,調律機」である。
他方,「トレモロユニット」は,「ビブラート・ユニット」ともいわれ,エレキギターのブリッジやテイルピースの位置を変える(揺らす)ことで音程を揺らすこと(ビブラート)を可能とした装置であることが認められるから(甲5),これは,エレキギター専用品であって,エレキギターの部品及び付属品とみるのが相当である。
そして,モズライト商標3が付された「トレモロユニット」は,モズライト・ビブラミュートともいわれ(甲5),前記(2)ウのとおり,モズライト商標1に伴って,モズライト・ギターにのみ搭載されて使用されているものであるから,その商品の用途及び取引数量などは極めて限定されているものであって,その商品の製造者,需要者,流通経路などの取引の範囲も極めて限定されているものとみるのが自然である。
さらに,モズライト商標3が付された「トレモロユニット」は,その取引の範囲が極めて限定されていることから,モズライト商標3を知る者は,エレキギターを取り扱う取引者及び需要者である音楽愛好家(特に「ベンチャーズ」のファン)やエレキギター愛好家に限られる,すなわち,エレキギターを取り扱う取引者及び需要者はともかくとして,少なくとも,ギター以外の楽器の取引者及び需要者は,モズライト商標1及びモズライト・ギターのことは承知していても,それに取り付けられるトレモロユニットという商品とこれに付されたモズライト商標3まで承知しているとはいい難い。
これらの事情を考慮すると,本件商標の指定商品とモズライト商標3が付された「トレモロユニット」について,取引者及び需要者が混同する範囲,すなわち,商品の類似の範囲は,エレキギターを含むギターとその部品及び付属品に限定されるとみるのが相当である。
したがって,モズライト商標3が付された「トレモロユニット」は,本件商標の指定商品中,「ギター(エレキギターを含む。)並びにその部品及び付属品」のみと同一又は類似するものであって,その他の指定商品とは類似するものではないといわざるを得ない。
(4)不正競争の目的で商標登録を受けたことについて
前記2(1)において認定した事実によれば,以下の事実が認められる。
ア 遊佐ないし被請求人は,セミー・モズレーないしその設立した会社から,モズライト商標1について,その譲渡や使用許諾を受けたものではない。
遊佐は,モズライト・ギターの愛好家であるとともに,その輸入販売をしており,そのような縁でセミー・モズレーとも交流があり,さらに,平成4年5月には,遊佐とユニファイド社との間で,遊佐の依頼によってユニファイド社が遊佐の希望する仕様のモズライト・ギター40周年記念モデルを製造する旨の契約が締結され,その取引関係は,セミー・モズレーの死後も,ユニファイド社が倒産する平成6年まで続いた。
他方,高谷企画やロッコーマン社もセミー・モズレーが経営する会社(ユニファイド社など)やユニファイド社倒産後のロレッタ・バリア・モズレーが関係する製造元からモズライト・ギターを輸入販売していたものであって,遊佐のみがセミー・モズレーや同人が経営する会社(ユニファイド社など)と特別な関係にあったものではない。
また,高谷企画の高谷も,セミー・モズレーなどに対し,製造を依頼したギターのモデルにつき,その希望する仕様を指示して改良を依頼するなどしていたものであって,遊佐のみがセミー・モズレーなどに技術的な助言をしていたものではない。まして,遊佐が,他の関係者と比べ,セミー・モズレーとの間で格別に親交が深かったと認めるに足りる客観的な証拠はなく,法的にはもちろん,実質的にも,遊佐がセミー・モズレーやその設立した会社からモズライト商標1を承継する関係にあったものではない。
イ 遊佐及び被請求人は,被請求人商品をモズライト・ギターの復刻品ないしリイシュー品と位置付け,「真のモズライト」,「本物のモズライト」などと呼び,「来る2007年,モズライトは創立55周年を迎えます(1952年創立)。この記念すべき年を迎えるにあたり,フィルモア・モズライトはこれまでリクエストの多かったモデルを始めとして,魅力的なニューモデル・限定モデルを続々と発表します。」と宣伝するなどして販売してきたもので,このように,被請求人商品については,セミー・モズレーが製造販売していたモズライト・ギター(特にビンテージ品)やベンチャーズの名とともに紹介ないし広告していること,被請求人商品の購入者らは,ベンチャーズの来日公演時に衝撃を受け,あこがれていた「ベンチャーズの音」を求めて,被請求人商品を購入する者が多く,中には,モズライト・ギターのビンテージ品そのものやファーストマン社がセミー・モズレーらから許諾を受けて製造販売したアベンジャーモデルを所有している者もいることなどに照らしてみれば,前記のとおり,モズライト商標1に化体された顧客吸引力は今なお存続しており,被請求人もそれを利用して被請求人商品を宣伝販売しているものと認められる。
ウ 前記認定のとおり,遊佐及び被請求人は,被請求人商品をモズライト・ギターの復刻品ないしリイシュー品と位置付け,「真のモズライト」,「本物のモズライト」などと呼んで販売してきたもので,被請求人商品につき,セミー・モズレーが製造販売していたモズライト・ギター(特にビンテージ品)やベンチャーズの名とともに紹介ないし広告していることなどにも照らすと,まさに,被請求人商品につき,セミー・モズレー及びその設立した会社が有する顧客吸引力を利用して販売しているものといえるものである。 そして,モズライト商標3は,モズライト商標1に伴って使用され,モズライト商標1と同様に,我が国のエレキギターを取り扱う取引者及び需要者の間において周知著名なものとなっており,その周知・著名性は,モズライト商標1と同様に最近もなお存続しているものである。
エ そうすると,本件商標については,その設定の登録の日から既に5年を経過しているものの,前記認定のとおり,被請求人は,モズライト商標1及びモズライト商標3の周知・著名性を十分に知り得る立場にありながら,平成8年12月3日にモズライト商標3と同一の本件商標を出願し,平成11年2月25日の登録査定を経て,同年5月14日にその商標登録を得たのであるから,被請求人については,商標法47条1項括弧書きの「不正競争の目的で商標登録を受けた場合」にあたるものと認められる。
(5)小括
前記の認定とおり,モズライト商標3は,モズライト商標1に伴って,モズライト・ギターの「トレモロユニット」の台座に使用され,我が国のエレキギターを取り扱う取引者及び需要者の間において周知著名なものとなっており,その周知・著名性は,モズライト商標1と同様に最近もなお存続しているというべきである。
そして,本件商標は,モズライト商標3と同一のものであり,また,本件商標の指定商品中の「ギター(エレキギターを含む。)並びにその部品及び付属品」は,モズライト商標3が付された「トレモロユニット」と同一又は類似するものである。
さらに,本件商標の登録は,商標法47条1項括弧書きの「不正競争の目的で商標登録を受けた場合」にあたるものである。
したがって,本件商標は,その指定商品中,「ギター(エレキギターを含む。)並びにその部品及び付属品」について,商標法4条1項10号に該当する。
しかし,本件商標の指定商品中の「楽器(ギター(エレキギターを含む。)並びにその部品及び付属品を除く),演奏補助品,音さ,調律機」は,モズライト商標3が付された「トレモロユニット」と類似するものではないから,商標法4条1項10号に該当しない。

2 被請求人の主張について
(1)権利濫用などの被請求人の主張について
被請求人は,「本件審判の請求は,その請求の根拠と原因を知的高等裁判所の判決によるだけで,請求人自身の主張,立証がない。これでは,本件審判の請求は,請求権の濫用以外のなにものでもない。しかも,請求人自身は,もともと本件商標に対して正当な法的資格を有する人物ではない。また,請求人は,本件商標が不正競争の目的で商標登録を受けた場合であることについても立証していない。これでは,本件審判の請求は,法47条1項が要求する要件を具備していない除斥期間後の請求であるから,同条項に違反した請求として却下の審決がなされるべきである。」旨主張する。
しかし,請求人は,本件審判の請求の理由に知的高等裁判所の判決を引用してはいるが,本件商標が商標法4条1項10号に該当し,また,本件商標の登録が商標法47条1項括弧書きの「不正競争の目的で商標登録を受けた場合」に当たると主張し,その根拠となる証拠を提出している。
そして,その主張及び証拠により,本件審判の請求は,実質的に審理できるものであって,かつ,請求人は,本件審判を請求することについて法律上の利益を有する者というべきであるから,権利濫用にあたるものとはいえない。
また,前記のとおり,本件商標の登録は,商標法47条1項括弧書きの「不正競争の目的で商標登録を受けた場合」にあたるものであるから,その請求を却下することはできない。
(2)商標法4条1項10号適用について
被請求人は,平成23年5月6日付けの回答書において,「本件商標と同一又は類似する他人の商標がかつては需要者の間に周知であったとしても,それを周知にしたセミー・モズレーもその関係会社も本件商標の登録出願時においては存在しないから,本件商標は商標法4条1項10号に該当しない。」旨主張する。
しかし,前記認定のとおり,モズライト商標3の周知・著名性は,モズライト商標1と同様に最近もなお存続しているというべきである。
そして,現時点においてセミー・モズレーもその関係会社も存在しないとしても,モズライト商標3がセミー・モズレー又は同人が設立した会社が製造するエレキギターに使用するトレモロユニットを表示するものとして需要者の間に広く認識されいる以上,本件商標が商標法4条1項10号に該当しないということはできない。
また,被請求人は,同回答書において,「わが国市場への供給がなくなったモズライト・ギターの演奏補助品についての商標を,モズライト・ギター以上の品質のギターを供給することを人生の目標としている被請求人が登録することに不正競争の目的は微塵もない。被請求人に本件商標の登録に際し不正競争の目的があったとした判決の認定には事実誤認があるとして,遊佐及び被請求人とセミー・モズレー及びユニファイド社などとの関わり」を述べている。
しかし,遊佐及び被請求人とセミー・モズレー及びユニファイド社などとの関わりについて述べる事実を立証する証拠の提出はない。そして,被請求人主張の判決は,被請求人が当事者となり,十分に主張及び立証を尽くした上で判断されたものと思料されるから,この点についての被請求人の主張は採用することができない。
(3)証人尋問の申請について
平成23年5月9日付け上申書において,真相解明のために,(1)ロゼッタ・モズレー,(2)岩堀典明,(3)ダーナ・モズレー,(4)アンディ・モズレー(5)遊佐典之の5名についての証人尋問が必要である旨主張する。
平成23年5月6日付けの回答書及び乙第1号証の1・2,乙第2号証及び乙第3号証の1・2によれば,ロゼッタ・モズレー,岩堀典明,ダーナ・モズレー及びアンディ・モズレーについての尋問は,請求人がモズライト商標3を他人に譲渡していること,セミー・モズレーの相続人でないことを立証することを主旨とするものであると解されるところ,前記1のとおり,本件審判の請求時及び現時点において,請求人の商標登録出願が他人に譲渡された,出願人名義変更届が提出されたなどの事実は認められない。
そして,仮に請求人がセミー・モズレーの相続人でないとしても,請求人は本件審判を請求することについて法律上の利益を有する者というべきであるから,当合議体は,これら4者の証人尋問は必要ないものと判断した。
さらに,遊佐典之氏については,被請求人の代表者であることから,被請求人として十分に主張,立証を尽くしたものと認められる。
したがって,当合議体は,いずれの者についても証人尋問の必要はないと判断した。

3 むすび
以上とおり,本件商標は,その指定商品中,第15類「ギター(エレキギターを含む。)並びにその部品及び付属品」について,商標法4条1項10号に違反して登録されたものであるから,同法46条1項の規定により,その登録を無効とすべきであり,その余の指定商品については,無効とすべきでない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 本件商標



別掲2 使用商標(モズライト商標3)



別掲3 被請求人商標2(商標登録第4715753号)


出願日 平成10年4月28日
登録日 平成15年10月10日
商品の区分 第15類
指定商品 米国製カリフォルニア州製のギター

別掲4 被請求人商標3(商標登録第4933461号)


出願日 平成11年11月30日
登録日 平成18年3月3日
商品の区分 第15類
指定商品 楽器,演奏補助品,音さ

別掲5 モズライト商標1



別掲6 モズライト商標2


別掲7 甲第3号証読み替え表
読み替え前 読み替え後
甲第2号証 甲第3号証の2
甲第9号証 甲第3号証の3
甲第10号証 甲第3号証の4
甲第11号証 甲第3号証の5
甲第17号証 甲第3号証の6
甲第19号証 甲第3号証の7
甲第27号証 甲第3号証の8
甲第28号証 甲第3号証の9
甲第29号証 甲第3号証の10
甲第30号証 甲第3号証の11
甲第31号証 甲第3号証の12
甲第35号証 甲第3号証の13
甲第36号証 甲第3号証の14
甲第37号証 甲第3号証の15
甲第38号証 甲第3号証の16
甲第39号証 甲第3号証の17
甲第40号証 甲第3号証の18
甲第41号証 甲第3号証の19
甲第42号証 甲第3号証の20
甲第43号証 甲第3号証の21
甲第45号証 甲第3号証の22
甲第46号証 甲第3号証の23
甲第64号証 甲第3号証の24
甲第65号証 甲第3号証の25
甲第67号証 甲第3号証の26
甲第68号証 甲第3号証の27
甲第69号証 甲第3号証の28
甲第76号証 甲第3号証の29
甲第77号証 甲第3号証の30
甲第78号証 甲第3号証の31
甲第80号証 甲第3号証の32
甲第81号証 甲第3号証の33
甲第84号証 甲第3号証の34
甲第89号証 甲第3号証の35
甲第94号証 甲第3号証の36
甲第97号証 甲第3号証の37
甲第98号証 甲第3号証の38
甲第99号証 甲第3号証の39
甲第100号証 甲第3号証の40
甲第101号証 甲第3号証の41
甲第131号証 甲第3号証の42
甲第140号証 甲第3号証の43
甲第141号証 甲第3号証の44
甲第145号証 甲第3号証の45
甲第147号証 甲第3号証の46
甲第152号証 甲第3号証の47
甲第155号証 甲第3号証の48
甲第156号証 甲第3号証の49
甲第157号証 甲第3号証の50
甲第167号証 甲第3号証の51
甲第168号証 甲第3号証の52
乙第1号証 甲第3号証の53
乙第3号証 甲第3号証の54
乙第4号証 甲第3号証の55
乙第9号証 甲第3号証の56
乙第10号証 甲第3号証の57
乙第13号証 甲第3号証の58
乙第14号証 甲第3号証の59
乙第15号証 甲第3号証の60
乙第16号証 甲第3号証の61
乙第17号証 甲第3号証の62
乙第18号証 甲第3号証の63
乙第19号証 甲第3号証の64
乙第20号証 甲第3号証の65
乙第21号証 甲第3号証の66
乙第23号証 甲第3号証の67
乙第28号証 甲第3号証の68
乙第33号証 甲第3号証の69
乙第34号証 甲第3号証の70
乙第37号証の1 甲第3号証の71
乙第39号証 甲第3号証の72
乙第47号証 甲第3号証の73
乙第49号証 甲第3号証の74
乙第50号証 甲第3号証の75
乙第64号証 甲第3号証の76
乙第65号証 甲第3号証の77
乙第66号証 甲第3号証の78
乙第71号証 甲第3号証の79
乙第72号証 甲第3号証の80
乙第76号証 甲第3号証の81
乙第77号証の1 甲第3号証の82
乙第77号証の2 甲第3号証の83
乙第77号証の3 甲第3号証の84
乙第77号証の4 甲第3号証の85
乙第82号証の1 甲第3号証の86
乙第82号証の2 甲第3号証の87
乙第82号証の3 甲第3号証の88
乙第82号証の4 甲第3号証の89
乙第82号証の5 甲第3号証の90
乙第83号証の1 甲第3号証の91
乙第83号証の2 甲第3号証の92
乙第83号証の3 甲第3号証の93
乙第83号証の4 甲第3号証の94
乙第83号証の5 甲第3号証の95
乙第93号証 甲第3号証の96
乙第94号証 甲第3号証の97


審理終結日 2011-07-06 
結審通知日 2011-07-08 
審決日 2011-08-12 
出願番号 商願平8-135627 
審決分類 T 1 11・ 25- ZC (015)
最終処分 一部成立  
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 小林 由美子
小川 きみえ
登録日 1999-05-14 
登録番号 商標登録第4271277号(T4271277) 
商標の称呼 ビブラミュート 
復代理人 大島 信之 
代理人 山口 朔生 
代理人 牛木 理一 

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