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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X03 |
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管理番号 | 1248001 |
審判番号 | 不服2010-25426 |
総通号数 | 145 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2012-01-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-11-11 |
確定日 | 2011-11-16 |
事件の表示 | 商願2009-27784拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「潤白リンクルクリーム」の文字を書してなり、第3類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成21年4月13日に登録出願、その後、指定商品については、原審における平成21年12月28日付け手続補正書により、第3類「しわ用クリーム,クリーム状のしわ用化粧品」に補正されているものである。 2 原査定の拒絶の理由 本願商標は原審において、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第16号及び同法第4条第1項第11号に該当する旨の拒絶理由を通知し、原査定は、同法第4条第1項第11号を理由に本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、上記のとおり「潤白リンクルクリーム」の文字よりなり、第3類「しわ用クリーム,クリーム状のしわ用化粧品」を指定商品とするものであるところ、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当すべきものとする新たな証拠を発見したので、請求人に対し、下記文面による審尋書を発し、改めて意見を求めた。 <審尋書> 本願商標は、「潤白リンクルクリーム」の文字を書してなり、第3類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成21年4月13日に登録出願、その後、指定商品については、原審における平成21年12月28日付け手続補正書により、第3類「しわ用クリーム,クリーム状のしわ用化粧品」に補正されているものである。 そこで、検討するに、本願商標の構成中の「リンクルクリーム」の文字は、本願指定商品との関係においては、「しわのためのクリーム」の意味合いを認識するものであって、指定商品「しわ用クリーム」を表示する語である。そうすると、本願商標は、容易に「潤白」の文字と「リンクルクリーム」との文字からなるものと理解されるものである。 ところで「潤白」の文字は、国語辞典等への掲載の事実は見あたらず、一種の造語といえるところ、文字中の「潤(う)」は、「水気を含む。しめる。みずみずしくなる。」(広辞苑第六版 岩波書店)を意味する文字であり、「白(い)」は、「白色である。」(同)を意味する文字であり、本願指定商品との関係においては、肌に潤いを与えることや肌を白くすることを商品の特長とする商品が多数流通していることから、その構成文字から「肌に潤いを与え、肌を白くすること」の意味合いを容易に認識させるものといえる。 加えて、本願指定商品を取り扱う業界において、肌の潤いと白さに効果があることをうたった商品について、その特長を端的に表すために「潤白」の文字が、例えば、以下のように使用されている事実がある。 (1)「楽天市場 コスメファーム」のウェブサイトにおいて、「コーセー 雪肌精 乳液 140ml」の商品説明の見出しに「角質までも、潤白にみちびく美白乳液」の記載があり、商品の特長に「・・・薬用美白乳液の効果が角質層深くにとどまり、ふっくらと弾力感のある白肌を育みます。」「モイスチェアバランスポリマーが、潤いのバランスをキープ。」の記載がある(http://item.rakuten.co.jp/cosme-farm/753216/)。 (2)「サロン・ド・デュイ」のオンラインショップのウエブサイトにおいて、シューウエムラの「アトリエメイドホワイト レメディ シリーズ」の商品説明の見出しに「プロフェッショナルな視点で”潤白の肌”を育む新・美白シリーズ、誕生。」の記載があり、その商品説明に「朝霧を受けた花びらのようにみずみずしく、透明感に満ちた白く若々しい肌。」「美白と美肌をトータルに実現。うるおいに満ちたエイジレスな肌へ。理想の潤白の肌を実現するため、あらゆる角度から美白を追求したアトリエメイドホワイトレメディシリーズ。シミ・ソバカスを原因レベルから抑制する美白有効成分・ビタミンC誘導体に加え、美白ケアをサポートする成分を厳選配合しました。また、年齢を感じさせない美肌を目指す『エイジレス発想』から、肌の老化を促す酸化メカニズムにも着目。”潤白の肌=白さとうるおいに満ちた若々しい肌”を実現するため、美白と美肌にトータルにアプローチします。」の記載がある(http://www.salon-do-dui.com/online-shop/detail_ateliermade.html)。 (3)「花王ソフィーナのアルブランの美白化粧品」と題するウェブサイトにおいて、「『ALBLANC(アルブラン)』は花王ソフィーナで!ファンデーションで潤白の美白」の見出しのもとに「ソフィーナの『ALBLANC(アルブラン)』で美白映え素肌へなることができます。花王ソフィーナのアルブランは、美白や美肌になれる化粧品で、アルブランは透明感のある肌にしていきシミやソバカスを防ぎ美しい肌にして美白や美肌の効果があります。花王ソフィーナのアルブランでスキンケアをして肌にうるおいを持たせましょう。」「花王ソフィーナのALBLANC(アルブラン)は、一塗りで潤白で限りなく美肌が実現でき、花王ソフィーナのアルブランは、美白映えの素肌にしていきます。花王ソフィーナのアルブランは、色相や明るさに透明感があり、様々な美しさを重ね上げて、あなたの肌に潤白美肌に印象を与える花王ソフィーナのアルブランです。」の記載がある(http://alblanc.yagaba.net/)。 (4)「体に良いお店」のウェブサイトにおいて、「スキンダルジェンス ブライトニング マスク」の商品説明に「紫外線やストレスにも負けない若々しい肌を実感! バイオ技術がもたらす潤白の肌」の記載がある(http://www.cubic-p.com/brighteningmask.htm)。 (5)「リレント化粧品?代理店?通信販売TOP」と題するウェブサイトにおいて、「リレント化粧品 ラ・セラール」の商品説明に「和漢植物エキスが乾燥や紫外線によるダメージから肌を保護し、潤白へ導くアンチエイジングシリーズ」の記載がある(http://rinales.blog80.fc2.com/page-4.html)。 (6)「シルキーズ」のウェブサイトにおいて、「SLIK無添加化粧品」の「毛穴・美白・保湿の欲張りケア潤白美容液 ホワイトエッセンス」の商品説明に「・・・様々な肌トラブルから素肌力をとりもどす潤白美容液『マルチプリーホワイトエッセンス』」「“潤白”成分が肌へ溶け込むようになじみ,驚きのしっとり感と透明感に満ちた潤白肌へ導きます。」の記載がある(http://www.silkys4.com/shop/cosme/essence.htm)。 (7)「ビリーフOne」と題するウェブサイトにおいて、「美容液(フレーバー キャンディホワイト)」の商品説明に「潤白に導く・・・配合成分」の記載があり、各種の配合成分についての説明がある(http://www.belief-1.co.jp/2010/09/candy-white%E2%98%86%E7%99%BA%E5%A3%B2%E5%89%8D%E3%81%AE%E3%81%8A%E6%8A%AB%E9%9C%B2%E7%9B%AE%E2%98%86/)。 (8)「netprice」のウェブサイトにおいて、「エクスボーテ シーブラン ホワイトソープ」の商品説明に「究極の潤白肌!毛穴の黒ずみ激落ち洗顔」の記載がある(http://www.netprice.co.jp/netprice/library/goods/221874/)。 (9)エイボン・プロダクツ株式会社の2008年4月8日付けニュースリリースに「エイボン、『潤白美肌』に導くスキンケア『ミッション ホワイト』シリーズを新発売!」の見出しのもとに「『ミッション ホワイト』は、年齢を意識した肌を豊かな潤いと輝く白さを持つ美肌=『潤白肌』に導く」の記載がある(http://www.jp.avon.com/PRSuite/static/pdf/whats_new/0804_2.pdf)。 以上によれば、本願商標構成中の「潤白」の文字は、本願指定商品である化粧品の分野において、「肌に潤いを与え、肌を白くすること」の意味合いを認識させるものであり、かつ、肌の潤いと白さの効果をうたった商品を表示する語として普通に使用されているものと認められる。 そうとすると、本願商標は、これに接する取引者、需要者は、「潤いと白さとしわのためのクリーム」であると容易に理解、認識するというのが相当である。 してみれば、本願商標をその指定商品に使用したときは、商品の品質、効能、用途を表示するにすぎないから、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。 上記審尋書に対し、請求人からは所定の期間を経過するも何らの対応もなかった。 そして、上記審尋書は、妥当なものであるから、本願商標は、この理由により拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2011-09-14 |
結審通知日 | 2011-09-21 |
審決日 | 2011-10-04 |
出願番号 | 商願2009-27784(T2009-27784) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(X03)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 飯田 亜紀 |
特許庁審判長 |
小林 由美子 |
特許庁審判官 |
瀬戸 俊晶 小川 きみえ |
商標の称呼 | ジュンパクリンクルクリーム、ジュンパク、ジュンパクリンクル、リンクルクリーム、リンクル |