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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y09 |
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管理番号 | 1247964 |
審判番号 | 取消2010-301186 |
総通号数 | 145 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2012-01-27 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2010-11-08 |
確定日 | 2011-11-07 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4965329号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4965329号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成17年8月8日に登録出願、第28類「運動用具」ほか、第9類及び第28類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同18年6月30日に設定登録されたものである。 そして、本件審判の請求の登録は、同22年11月25日になされている。 2 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定商品中、第28類「運動用具」について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 (1)請求の理由 本件商標は、その指定商品中、「運動用具」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 (2)答弁に対する弁駁 ア 本件商標の使用について (ア)被請求人がLABI品川大井町店、LABI新橋生活館、LABI1高崎店にゴルフ用品の専門販売コーナーを設けていることは、乙第7号証などで確認できる。 しかしながら、乙第7号証の価格表(9枚目)や、売り場コーナーのポップ(10枚目)、レジのポップ(11枚目)での「LABI」は、「LABI1高崎店」の名称であり、ゴルフ用品の専門販売コーナーの特有の名称ではないし、また、個々の商品に付されたものでもない。そして、「包装紙」(11枚目)はゴルフ用品の専用のものではなく、他の多くの商品の包装にも使用される「LABI」店での共通の包装紙である。 (イ)また、乙第8号証の1ないし4の広告用チラシにおいても、「LABI」はLABI館全体の名称の表示であり、ゴルフ用品に特定した商標ではない。 そして、被請求人の各店舗では、パソコン、電子辞書、オーディオ、テレビ、DVDレコーダー/プレイヤー、家庭用電気製品、カー用品、時計、カメラ、照明器具、理美容器具、調理家電など多種の商品を販売している。 したがって、「LABI」は、小売業の役務の表示ではあるが、取引業者や一般需要者の間で、特定の商品の商標とは認識されない。 (ウ)この点、乙第1号証の判例とは異なる。乙第1号証の1では、店舗の中に、婦人下着の販売コーナーを設け、当該コーナーに、店名とは異なる名称をつけて婦人下着を販売し、その宣伝を行っている。また、乙第1号証の2では、女性の衣料品の販売店の名称であり、当該名称を具体的に各商品に表示していた。 したがって、これらの判例と本件とでは、事情が異なり、これらの判例を直ちに受け入れることはできない。 (エ)乙第9号証のレシートには、ゴルフ用品である旨の表示がない。あったとしても、一般需要者には何の意味を表すか分からないものであって、乙第10号証と合わせて説明されれば分かるが、この説明がなければ不明である。 したがって、これらの乙各号証は客観的な証拠とはいえず、本件商標の「運動用具」に関する取引書類とはいえない。 イ 結語 以上のように、被請求人は同人の店舗の名称として「LABI」を使用しており、「運動用具」を取り扱っている小売業務を行っていることは理解できるが、本件商標を「運動用具」について使用しているとはいえない。 3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第10号証(枝番号を含む。)を提出した。 (1)本件商標は、次に述べるように、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者である被請求人により、審判請求に係る指定商品中、第28類「運動用具」に使用されていたものである。 (2)本件商標の使用について 被請求人が経営するLABI品川大井町店、LABI新橋生活館、LABI1高崎にはゴルフ用品の専門販売コーナーが設けられている。これは「ゴルフ工房」と呼ばれ、ゴルフ用品を専門的に販売している。 ア 「LABI」店舗内においては乙第7号証に示すように、店舗内外に本件商標と同一の商標が掲げられている。特に、「ゴルフ工房」が設けられている上記3店舗では、ゴルフ用品について、価格表や売り場コーナーのポップ、レジのポップに、本件商標と同一の商標や、社会通念上同一視できる商標が付されている。また、各店舗で販売される運動用具を含む商品は本件商標と同一の商標が付された包装紙を使用している。 イ 乙第8号証の1は、平成19年11月23日ないし同30日までのLABI品川大井町店のチラシ広告である。 乙第8号証の2は、平成20年7月11日ないし同17日まで、乙第8号証の3は、平成20年7月18日ないし同22日まで、乙第8号証の4は、平成21年11月13日ないし同19日までのLABI1高崎のチラシ広告である。 これらのチラシにはゴルフ用品が記載されており、商品の譲渡に係る広告として本件商標と同一の商標が付されている。 ウ 乙第9号証は、LABI1高崎の領収書であるが、この商品は乙第10号証に示す運動用具である。乙第9号証のAに示すレシートの商品が乙第10号証のAに示す商品であり、乙第9号証のBに示すレシートの商品が乙第10号証のBに示す商品である。 エ 以上からすれば、被請求人は、審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件審判請求に係る指定商品、第28類「運動用具」について本件商標を使用しているということができる。 (3)小売業者の商品商標について 被請求人による本件商標の使用形態は、本件商標が商品そのものには付されず、小売業者である被請求人の店舗名としてもチラシ等に表示されているものである。 そして、知財高裁の判決(乙第1号証の1及び2)の判示によれば、本件商標の表示の下に運動用具を陳列販売し、また運動用具の広告に本件商標を表示したことは、業として運動用具を譲渡する者がその販売業者としての出所を表示するものとして、本件商標を使用したものとみるべきである。また、平成19年4月1日に小売等役務商標制度が新たに施行され、商品に係る商標と小売等役務に係る商標とが区別されてはいるが、小売業としての使用は小売等役務についての使用になると同時に商品商標についての使用に該当するものとみるべきである。 (4)結語 本件商標は小売等役務商標制度導入前の出願に係るものであるところ、被請求人は小売等役務商標制度導入前から、運動用具について本件商標の「使用」に当たる行為を行っていた(乙第5号証、乙第6号証)。また、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において運動用具について本件商標の使用を継続して行っている。 したがって、本件審判請求が成り立たないことは明らかである。 4 当審の判断 (1)乙各号証について ア 乙第8号証の1は、商標権者(株式会社ヤマダ電機)が展開している店舗「LABI」の品川大井町店の広告チラシであり、1枚目の左上部に「LABI」の文字(以下「使用商標1」という。)が表示され、その下に「広告の売出し期間」「11月23日(金)→11月30日(金)」の記載があり、中段に「LABI品川大井町だけの日替わりスペシャル」の見出しの下、ゴルフクラブヘッドの写真とともに「サスクワッチSUMOドライバーUSA」「先着10本限り」及び価格などの記載があり、2枚目の下段に「ゴルフ用品・工房」の見出しの下、各種のゴルフクラブヘッドの写真とともに「チタンドライバー」などの品名や価格などが掲載されている。 イ 乙第8号証の2は、商標権者の高崎店の広告チラシであり、1枚目の右上部に「LABI」の文字(以下「使用商標2」という。)が表示され、その下に、「広告の売出し期間」「7.11[金]→7.17[木]」の記載があり、10枚目の下段に「ゴルフ用品・工房」の見出しの下、各種のゴルフクラブヘッドの写真とともに「ドライバー」などの品名や価格などが掲載されている。 ウ 乙第8号証の3は、商標権者の高崎店の広告チラシであり、1枚目の左上部に「LABI」の文字(以下「引用商標3」という。)が表示され、その下に、「広告の売出し期間」「7月18日(金)→22日(火)」の記載があり、2枚目の左上部に「GOLF」の見出しの下、各種のゴルフクラブヘッドの写真とともに「ドライバー」などの品名や価格などが掲載されている。 エ 乙第8号証の4は、商標権者の高崎店の広告チラシであり、1枚目の左上部に「LABI」の文字(以下「使用商標4」という。)が表示され、その下に、「広告の売出し期間」「11月13日(金)→19日(木)」の記載があり、2枚目の右上部に「ゴルフ」の見出しの下、各種のゴルフクラブヘッドの写真とともに「チタンドライバー」などの品名や価格などが掲載されている。 (2)以上の被請求人の提出に係る証拠(乙第8号証の1ないし4)及び答弁の全趣旨によれば、次のとおりである。 ア 商標権者は、同人が展開している店舗「LABI」の品川大井町店及び高崎店の広告チラシに、使用商標1ないし4を表示し、商品「ゴルフクラブ」を掲載し、平成19年11月22日頃、同20年7月11日頃、同月18日頃、及び同21年11月13日頃に当該チラシを頒布したものと推認することができる。 なお、乙第8号証の1ないし4には、広告期間に年の記載はないが、記載された月日、曜日と被請求人が主張する年のカレンダーの月日、曜日が一致している。 イ 上記アの期日は、いずれも本件審判の請求の登録(平成22年11月25日)前3年以内である。 ウ 乙第8号証1ないし4の広告チラシに掲載されたゴルフクラブは、取消請求に係る指定商品「運動用具」の範ちゅうに含まれるものである。 エ 本件商標は、別掲のとおり赤色のややデザイン化された「LABI」の文字からなるものであり、使用商標1ないし4も赤色のデザイン化された「LABI」の文字からなるものであり、その態様も同一であるから、両者は同一のものと認められる。(上記アないしエについては、請求人は争っていない。)。 オ 本件商標は、平成19年4月1日に施行された小売等役務商標制度導入前に出願され設定登録されたものである。そして、商標法第2条第1項第1号の「業として商品を・・・譲渡する者がその商品について使用するもの」との規定については、小売等役務商標制度導入前後において特段の変更はないから、商品の製造業者のみならず、商品の販売業者である小売業者も「業として商品を・・・譲渡する者」に該当するものと解するのが相当である。 そうとすれば、商標権者は、商品「ゴルフクラブ」に関する広告に本件商標と同一の商標を付して頒布したものといわなければならない。 (3)結語 以上のとおりであるから、被請求人(商標権者)は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、同人が取消請求に係る指定商品「運動用具」の範ちゅうに属する「ゴルフクラブ」について、本件商標と同一と認められる商標を使用していたことを証明したものというべきである。 したがって、本件商標の登録は、その請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りではない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本件商標(色彩は原本参照。) |
審理終結日 | 2011-08-31 |
結審通知日 | 2011-09-05 |
審決日 | 2011-09-26 |
出願番号 | 商願2005-73785(T2005-73785) |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(Y09)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 佐藤 達夫、小川 きみえ |
特許庁審判長 |
森吉 正美 |
特許庁審判官 |
小畑 恵一 瀧本 佐代子 |
登録日 | 2006-06-30 |
登録番号 | 商標登録第4965329号(T4965329) |
商標の称呼 | ラビ |
代理人 | 藤沢 昭太郎 |
代理人 | 羽鳥 亘 |
代理人 | 中村 希望 |
代理人 | 藤沢 則昭 |