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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X09 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X09 |
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管理番号 | 1247941 |
審判番号 | 不服2011-5711 |
総通号数 | 145 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2012-01-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-03-15 |
確定日 | 2011-11-10 |
事件の表示 | 商願2010-1320拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「STREAMER」の欧文字を標準文字で表してなり、第7類、第9類ないし第12類、第20類、第34類、第41類、第43類ないし第45類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成22年1月12日に登録出願されたものである。 その後、その指定商品については、最終的に当審における平成23年3月15日付けの手続補正書により、第9類「電子応用機械器具及びその部品」に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標は、『磁気テープに記録するコンピュータの外部記録装置』を意味する『STREAMER』の文字を書してなるところ、該文字については、下記の事実が認められるから、これを本願の指定商品中『電子応用機械器具に及びその部品』に使用するときは、上記のごとく『磁気テープに記録するコンピュータの外部記録装置』であることを容易に認識させるにとどまり、商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の『電子応用機械器具に及びその部品』に使用した場合は、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 記 ○「2010-'11版 最新 パソコン・IT用語事典」 *「株式会社技術評論社」発行 *P713 「ストリーマ(streamer)」の項 カートリッジ型の磁気テープ・デバイスのこと。数百G(ギガ)バイトに達する容量を持つものもある。普通の磁気テープよりも高密度で情報を記録できる、ストリーミングを使用する。安価で大容量という面から、ハード・ディスクなどのバックアップ用として用いられることが多い。なお。テープの規格は1つではないため、互換性などに注意が必要である。 ○「日経パソコン用語事典 2011年版」 *「日経BP社」 *P697 「ストリーマ(streamer)」の項 磁気テープを使った外部記憶装置の呼称。動作原理上、ランダムアクセスはできず、読み書きには時間がかかる。一本のテープにハードディスクと同程度の容量を記録できるため、ハードディスクのバックアップなどの用途に使われる。互換性がない複数の規格が乱立している。 ○大辞林(三省堂) http://dic.search.yahoo.co.jp/search?ei=UTF-8&p=%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%9E&fr=dic&stype=exact 「ストリーマー【streamer】」の項 〔補説〕 「流れるもの」の意 [1] コンピューターの外部記憶装置の一。ディスク装置のデータを連続的に磁気テープに記録させるための装置。 [2] 擬餌鉤(ぎじばり)の一。小魚に似せた毛鉤(けばり)。ストリーマ ... ○IT用語事典 e-Words http://e-words.jp 「ストリーマ 【テープストリーマ】」の項 磁気テープを用いた外部記憶装置のこと。磁気テープは1巻あたりの記憶容量が数十?数百GB程度で、記憶容量あたりの価格は記憶装置の中では極めて安価。しかし、ディスク型の装置などに比べ読み書きの速度が遅く、特定の部分の記憶内容を読み書き(ランダムアクセス)することができない。こうした特徴から、主に企業内でのハードディスクのバックアップに用いられる。磁気テープにはQICやDLT、DDSなどの規格が存在し、それぞれ異なる駆動装置が必要。 ○IT用語事典 BINARY http://www.sophia-it.com/content/streamer 「ストリーマー」の項 テープストリーマとは、磁気テープに記録する方式の補助記憶装置のことである。記録するためにテープを「流す」ことを「ストリーミング」と表現することから、ストリーマと呼ばれている。 磁気テープはハードディスクなど他の記録装置に比べて、ランダムアクセスができないため特定のデータへのアクセスが容易でない反面、記憶容量に対する価格が非常の安価であるという特徴を持っている。このため、ストリーマはハードディスクなどのバックアップ用としてよく用いられている。主なストリーマの規格としては、DLT(Digital Linear Tape)やLTO(Linear Tape-Open)、QIC(Quarter Inch Cartridge)、DAT(digital audio tape)などがある。これらの規格は互換性を持っていない。 ○ASCII.jpデジタル用語辞典 http://yougo.ascii.jp/caltar/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8 「ストリーマー」の項 カセット式の磁気テープに記録する大容量の記憶装置。テープストリーマー、MT(Magnetic Tape)、テープドライブとも呼ぶ。記憶容量は数十?数百ギガバイト程度の製品が主流。構造上、データは連続的に記録されるため、読み出しや書き込みの速度が遅く、ランダムアクセスもできない。容量あたりの単価はほかのメディアに比べて安く、データの信頼性も高いことから、主にサーバーなどのデータのバックアップ用途に用いられる。 3 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について 本願商標は、前記1のとおり、「STREAMER」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、コンピュータの分野において、「磁気テープに記録するコンピュータの外部記録装置」を指称する「ストリーマー」を欧文字表記したものとして、原審説示の他、別掲1のとおり、多数の事典類への掲載が認められるものである。 そして、コンピュータの分野では、商品の名称などを欧文字で表記することが一般的に行われていることからすれば、「STREAMER」の文字に接した本願の指定商品に係る取引者及び需要者は、上記のように「磁気テープに記録するコンピュータの外部記録装置」の意味合いを容易に理解するものとみるのが相当である。 そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品中「磁気テープに記録するコンピュータの外部記録装置」に使用するときは、単に、商品の品質を表示したものとして認識し理解されるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ず、また、上記以外の「電子応用機械器具及びその部品」に使用するときは,商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるとみるのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。 (2)請求人の主張 請求人は、「STREAMER」の欧文字は、複数の語義を有するものであり、また、欧文字表記と片仮名表記とでは、その意味するものが異なることも多いことから、該欧文字より、直ちに「磁気テープに記録するコンピュータの外部記録装置」の意味を理解されるものではない旨主張する。 しかしながら、商標の構成中の文字の語義は、一般的な英和辞典に掲載された語義だけでなく、その指定商品との関係によって考察すべきものであるところ、「磁気テープに記録するコンピュータの外部記録装置」の取引者及び需要者は、コンピュータ分野における知見を有する者であり、また、別掲1のように、コンピュータ関係の事典類には、「磁気テープに記録するコンピュータの外部記録装置」について、「STREAMER」の欧文字のみでの掲載も認められることからすれば、「STREAMER」の欧文字に接した取引者及び需要者は、上記(1)のように「磁気テープに記録するコンピュータの外部記録装置」の意味合いを容易に理解するものというべきである。 また、請求人は、ストリーマ(テープストリーマ)と称される「磁気テープに記録するコンピュータの外部記録装置」は、他のメディアに代替されつつあるから、一般的な取引者及び需要者は、「STREAMER」の文字が「磁気テープに記録するコンピュータの外部記録装置」を意味すると理解することはあり得ない旨主張する。 しかしながら、上記(1)のとおり、コンピュータ関連の事典類において「ストリーマ(STREAMER)」の語が多数掲載されている実情からすれば、該文字は、コンピュータ関連の分野において、「磁気テープに記録するコンピュータの外部記録装置」を指称する語として、広く認識されているというべきであり、これは別掲2のように、独立行政法人情報処理推進機構の主催する情報処理に関する国家試験である情報処理技術者試験において、平成20年度の「基本情報技術者」を対象とする試験において、「ストリーマ」に関する出題がなされたことからも、窺い知れるところである。 したがって、請求人の上記各主張は、いずれも採用することができない。 (3)まとめ 以上からすれば、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべきでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1 (1)「英和コンピュータ用語辞典第3版」(日本アソシエーツ株式会社 2001年1月26日発行)において、「streamer」の項目に、「JIS(12.04.10)ストリーマ:ブロック間隔で停止することなく、磁気ディスクの連続ダンプ又は連続的再格納を行うために特別に設計された磁気テープ装置」の記述がある。 (2)オンライン英語辞書Weblio英和辞典・和英辞典において、「?【名詞】ストリーマー (=tape streamer).」(研究社 新英和中辞典)及び「テープストリーマとは、磁気テープに記録する方式の補助記憶装置のことである。 」(Weblio英和対訳辞書)の記述がある。 http://ejje.weblio.jp/content/streamer (3)「JIS工業用語大辞典第5版」(財団法人日本規格協会 2001年3月30日発行)において、「ストリーマ」の項目に、「streamer」及び「ストリーミングテープ駆動機構」の記述がある。 また、「ストリーミングテープ駆動機構」の項目に、「ブロック間隔で停止することなく、磁気ディスクの連続ダンプ又は連続的再格納を行うために特別に設計された磁気テープ装置」の記述がある。 (4)「最新ストレージ用語辞典第2版」(日経BP社 2008年10月31日日発行)において、「ストリーミング型磁気テープ駆動装置」の項目に「streamer」及び「ストリーマ」の記述がある。 (5)「標準パソコン用語辞典最新2009?2010年版」(株式会社秀和システム 2009年1月15日日発行)において、「ストリーマ」の項目において、「streamer」及び「磁気テープを用いた外部記憶装置のこと」の記述がある。 別掲2 「独立行政法人情報処理推進機構」のウェブサイトにおいて、「平成20年度 春期 基本情報技術者」の表題のもと、「問22 磁気ディスクのバックップを取るために使用されるストリーマ(テープドライブ)の特徴はどれか。」の記述がある。 http://www.jitec.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2008h20_1/2008h20h_fe_am_qs.pdf |
審理終結日 | 2011-09-06 |
結審通知日 | 2011-09-12 |
審決日 | 2011-09-26 |
出願番号 | 商願2010-1320(T2010-1320) |
審決分類 |
T
1
8・
272-
Z
(X09)
T 1 8・ 13- Z (X09) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 高橋 幸志 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
末武 久佳 吉野 晃弘 |
商標の称呼 | ストリーマー |
代理人 | 特許業務法人深見特許事務所 |