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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X03
管理番号 1247937 
審判番号 不服2011-1867 
総通号数 145 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-01-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-01-26 
確定日 2011-11-10 
事件の表示 商願2009-19021拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「フローラ」の片仮名文字及び「FLORA」の欧文字を二段に表してなり、第3類「化粧品,香料類」を指定商品として、平成21年3月17日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして引用した国際登録第942000号商標(以下「引用商標」という。)は、「FLORA BY GUCCI」の欧文字を表してなり、2007年8月6日にイタリア国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2007年9月12日に国際商標登録出願、第3類「Soaps, perfumery, cosmetics, deodorants for personal use, face and body care and beauty products.」を指定商品として、平成22年9月17日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
本願商標は、「フローラ」の片仮名文字及び「FLORA」の欧文字を二段に横書きしてなるところ、その構成文字に相応して「フローラ」の称呼、「古代ローマの花・春・豊穣の女神、植物相」の観念を生じるものである。
他方、引用商標は、「FLORA BY GUCCI」の欧文字を表してなるものである。
しかして、引用商標の構成中の「BY」の文字は、「?によって、?による」等の意味を有する一般によく知られた平易な英語であるところ、「BY」の文字の後に、企業あるいは個人の名称やそれらの略称等の文字が続く場合には、これに接する需要者は、「BY」の文字の後に記載された企業等によって製造・販売や提供される商品又は役務であることを認識するものであり、また、実際の商取引においても、そのように使用されている実情がある。
そして、引用商標の構成文字中の「BY」の文字の後に続く「GUCCI」の文字は、引用商標の商標権者を表示する商標、いわゆるハウスマークとして知られているものである。
そうとすると、「BY」の文字についての上記の実情からすれば、引用商標の構成中「BY GUCCI」の文字部分は、「GUCCIによって製造・販売される商品」であることを認識させ、その構成中の「FLORA」の文字は、「GUCCI」が製造・販売する個々の商品の標識、すなわちペットマークとして認識されるものである。
してみると、引用商標は、「FLORA」の文字部分と、「BY GUCCI」の文字部分とに分離して看取される場合があるとみるのが相当である。
さらに、引用商標の構成文字全体から生ずる「フローラバイグッチ」の称呼は冗長であることから、簡易迅速をたっとぶ取引の実際においては、引用商標の構成中の語頭部分である「FLORA」の文字に着目し、該文字から生ずる称呼及び観念をもって取引に資される場合も少なからずあるものと判断するのが相当である。
してみれば、その構成文字全体から生ずる「フローラバイグッチ」の称呼の他、「FLORA」の文字部分のみを捉えた「フローラ」の称呼をも生ずるものといわざるを得ない。
また、引用商標は、「FLORA」の文字部分から「古代ローマの花・春・豊穣の女神、植物相」の観念を生ずる。
そこで、本願商標と引用商標とを比較するに、「古代ローマの花・春・豊穣の女神、植物相」の観念、「フローラ」の称呼を共通にするものであり、また、本願商標「FLORA」と引用商標の構成文字中の「FLORA」とは、その綴りを同じくするものであるから、外観上も近似するものとみるのが相当である。
そして、引用商標の指定商品中には、本願商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。
よって、本願商標と引用商標とは、「古代ローマの花・春・豊穣の女神、植物相」の観念、「フローラ」の称呼を共通にし、外観においても近似する類似の商標であるから、本願商標をその指定商品に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあるものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
なお、請求人は、インターネット上の販売サイトにて、引用商標が「フローラバイグッチ」と認識されていること及び過去の商標の登録例を挙げ、本願商標と引用商標とは類似しない旨主張している。しかしながら、インターネット上に請求人が主張するような表示があるとしても、商標の類否の判断は、取引者、需要者がどのように認識するのかとの観点から個別具体的に判断すべきものであるところ、引用商標については、「FLORA」の文字部分が、自他商品の識別標識としての機能を果たすことは上記のとおりである。また、過去の登録例は、いずれも本願とは商標の構成態様を異にするばかりでなく、商標の類否判断は、上記のとおり、比較する両商標について個別具体的に考察し、検討されるべきものであって、他の登録例の存在によって、判断が左右されるものではないから、請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2011-08-01 
結審通知日 2011-08-19 
審決日 2011-08-30 
出願番号 商願2009-19021(T2009-19021) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大塚 順子田中 幸一 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 前山 るり子
小林 正和
商標の称呼 フローラ 

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