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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X33
管理番号 1247933 
審判番号 不服2010-27121 
総通号数 145 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-01-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-12-01 
確定日 2011-11-11 
事件の表示 商願2009-96289拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「クラシックハイボール」の文字を標準文字で表してなり、第33類「しょうちゅうを炭酸水で割ったアルコール飲料,ウイスキーを炭酸水で割ったアルコール飲料,ジンを炭酸水で割ったアルコール飲料」を指定商品として、平成21年12月21日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『クラシックハイボール』の文字を標準文字で書してなるところ、その構成中の『クラシック』の文字部分は『古典的な』等の語義を有し、『ハイボール』の文字部分は『ハイボールカクテル』を表す商品の一般名称と認識させるものである。そして、『クラシックハイボール』の文字は、以下の参考情報のように「古典的なハイボールカクテル,昔ながらの(定番の)ハイボールカクテル」の意味合いを表す品質表示として普通に使用されていることからすれば、本願商標をその指定商品に使用しても、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
※参考情報
1)「THE PLACE」ウェブサイトにおいて「■ギムレット〔gimlet〕」の見出しのもと、「ジンとライムでキリッとした仕上がりですが、お酒が強くない方はロックにしたり、ソーダで割ったりするのもGOOD。ハイボールが流行っていますので、『ギムレット・ハイボール』。実はこれも昔からの『クラシック・ハイボール』のひとつです」との記載。
(http://bar-place.seesaa.net/article/119945022.html)
2)「ぐるなび東京版」ウェブサイトにおいて「毛利 Salvatore Cuomo 六本木ヒルズ」の紹介中、「クラシックハイボール」の見出しのもと「ウイスキーとレモンのシンプルかつ定番ハイボール。」との記載。
(http://r.gnavi.co.jp/g258209/menu5.htm)
3)「BLENDER’S BAR BLOG」ウェブサイトにおいて、「ブレンダーズ・バーのメニューには『ハイボールメニュー』があります。なかでもお奨めが『クラシックハイボール』という発売から40周年以上の歴史のある商品をベースにしたハイボールです。皆さんのご両親や先輩が青春時代に楽しんだ銘柄で、昔ながらのハイボールが楽しめます。」との記載。(http://www.nikka.com/world/bb_blog/2009/07/post_7.psp.html)

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号について
本願商標は、「クラシックハイボール」の片仮名を横書きしてなるところ
、その構成中の「クラシック」の文字は、「古典的。古雅なさま。『?な様式』」の意味を、「ハイボール」の文字は、「ウイスキー・ジンなどをソーダ水などで割った飲料」(「広辞苑第6版」株式会社岩波書店 2008年1月11日発行)の意味をそれぞれ有するものとして、一般に知られているから、「クラシック」と「ハイボール」の2語からなるものと容易に認識されるものである。
そして、別掲1によれば、「カクテル」の分野においては、対象となるカクテルが当初のレシピに近い古典的なスタイルのものについて、「クラシック」ないしは「クラシックスタイル」と称する傾向が窺い知れるとともに、「ハイボール」についても、「クラシックハイボール」と称して取引に資される例が原審説示のほか、別掲2においても認められるところである。
また、カクテルを始めとする酒類は嗜好性が強い商品であることから、飲食店で提供される商品と市場で取引される商品の需要者は一致する傾向がある。
そうとすれば、「クラシックハイボール」の文字に接する需要者は、「古典的なレシピのハイボール」の意味合いを容易に理解するとみるのが相当であるから、本願商標をその指定商品に使用するときは、上記のごとく、商品の品質を表示したものとして認識し理解されるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張
請求人は、「クラシックハイボール」と称する特定の品質の酒類商品は存在せず、原審における証左はいずれも、そのインターネット情報や店での使用例にとどまるものであって、「クラシックハイボール」の文字が品質表示として使用されている根拠になりえない旨を主張する。
しかしながら、前記のとおり、ハイボールを始めとするカクテルの分野において、「クラシック」の文字は、該商品が「古典的」であるとの品質表示として使用されている実情が認められるとともに、「クラシックハイボール」の文字についても、複数の使用例が認められることからすれば、特定の原材料まで正確に認識できないとしても、「クラシックハイボール」の文字に接した需要者は、前記の如く「古典的なレシピのハイボール」として認識するとみるのが自然であるから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を有するものということができない。

(3)まとめ
以上によれば、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 カクテルの分野における「クラシック」及び「クラシックスタイル」の文字の使用例
(1)「Amazon.comプライム」のウェブサイトにおける「ハリウッド・カクテル」(グラフィック社 2001年1月発行)の商品説明において、「『カサブランカ』『イヴの総て』『七年目の浮気』などハリウッド黄金期の名画45本に登場するカクテルのクラシック・レシピと現在の一般的なレシピをあわせて紹介。〈ソフトカバー〉 」の記述がある。
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%AF%E3%83%86%E3%83%AB-%E3%83%88%E3%83%93%E3%82%A2%E3%82%B9-%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%89/dp/4766111370
また、同ウェブサイトにおける「タンカレー・マティーニA to Z 」(ギャップ出版 2001年6月発行)の商品説明において、「その材料から氷、様々な歴史を語る『知られざる』マティーニの世界、世界三都市のスタイル・バーで巡るマティーニの旅。クラシックから現在のスタイルまでを網羅したレシピの数々。マティーニの魅力の全てを凝縮する。」の記述がある。
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%8BA-Z-%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%83%83%E3%83%97%E5%87%BA%E7%89%88%E7%B7%A8%E9%9B%86%E9%83%A8/dp/4883571270
(2)「観山グループ」のウェブサイト中の「Bar IMURI」において、「クラシックスタイルのカクテルから季節の果実を使ったカクテルまで。酒の物語を楽しみながらBarmanがカクテルをお作りいたします。」の記述がある。
http://www.kanzan.net/imuri/bar/
(3)「Bar Compass --カクテルなお店--」と称するブログサイトにおいて、2005年12月12日付けで「まだまだギムレットには早すぎる!?」の表題のもと、「非常にシンプルなカクテルだ。ただし、これは新しいスタイルのレシピ。いわゆるクラシックスタイルのレシピは、プリマスジン 30ml.ライムジュース 30ml.特にライムジュースはローズ社のコーディアルを使用。というようになっている。」の記述がある。
http://blog.livedoor.jp/barcompass/archives/50282469.html
(4)「Cocktail-Design」のウェブサイトにおいて、「カクテル名 クラシック マティーニ」の記述がある。
http://cocktail-design.com/tabid/64/recipe/571/Default.aspx
(5)「BAR-NAVI by SUNTORY 公式ブログ」と称するブログサイトにおいて、2008年7月24日付けで「THEプロフェッショナルインタビュー7月号 THE PLACE/東京・広尾 山本隆範氏」の表題のもとモヒートは、作家のアーネスト・ヘミングウェイ氏が、ハバナのバー『ラ・ボデギータ・デル・メディオ』で愛飲したカクテルとして有名であり、『わがモヒートはボデギータで』との名言も残されている。クラシックなレシピは、グラスにミントと砂糖を入れ、クラッシュド・アイスを詰めて、ラムと炭酸、ライムを加えたカクテルだ。THE PLACEでは、クラシックスタイルはもちろんのこと、シャンパンや、ジンやウォッカに代表されるスピリッツ、リキュールを使用したモヒートを提案。」の記述がある。
http://bar-navi.blog.suntory.co.jp/001013.html

別掲2 「クラシックハイボール」の文字の使用例
(1)「NIKKA WHISKY」のウェブサイト中の「BLENDER'S BAR BLOG 」において、2009年8月20日付けで「ニッカ社員のお好み銘柄」の表題のもと「今日は、その中でも「クラシックハイボールメニュー」にも紹介されている『G&Gハイボール』を紹介しましょう。」の記述とともに、そのメニューを撮影した写真中に「Highball」、「クラシックイタイプ」及び「長年にわたり親しまれれているボトルで、古き良きハイボールの魅力をお楽しみ頂けます。」の記述がある。
http://www.nikka.com/world/bb_blog/2009/08/post_19.psp.html
(2)「ホットペッパーグルメ」のウェブサイト中の「CURTAIN CALL(カーテンコール)?六本木ヒルズ?」において、ドリンクメニュー中に、「クラシックハイボール」の記述がある。
http://www.hotpepper.jp/strJ000235380/drink/
(3)「かどいち ハイボール酒場」のウェブサイトにおいて、「料理・ドリンク」の項目中に「クラシックハイボール」の記述がある。
http://foodsworks.co.jp/kadoiti/index.html
(4)「ハイボール&おつまみ事典」(成美堂出版編集部編 2011年6月20日発行)の目次欄に「クラシック・ハイボール&フィッシュ&チップス」の記述がある。
http://www.seibidoshuppan.co.jp/cgi-bin/serch/_book_details.php?bookcd=6600

審理終結日 2011-09-01 
結審通知日 2011-09-07 
審決日 2011-09-26 
出願番号 商願2009-96289(T2009-96289) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (X33)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大渕 敏雄内藤 隆仁 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 末武 久佳
吉野 晃弘
商標の称呼 クラシックハイボール、クラシック 
代理人 特許業務法人みのり特許事務所 

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