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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X2528
審判 全部申立て  登録を維持 X2528
審判 全部申立て  登録を維持 X2528
管理番号 1246605 
異議申立番号 異議2011-900116 
総通号数 144 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-12-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-04-01 
確定日 2011-11-14 
異議申立件数
事件の表示 登録第5380234号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5380234号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5380234号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成22年8月20日に登録出願、第25類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として同年11月16日に登録査定、同23年1月7日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に該当するとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第27号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)申立人の引用する商標
申立人が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、次のアないしオのとおりの商標であり、アないしエの商標権はいずれも現に有効に存続しているものである。
ア 国際登録第695685号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲(2)のとおり
国際登録日:1998年(平成10年)4月22日
設定登録日:平成14年9月6日
指定商品 :第9類、第14類、第16類、第18類及び第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品
イ 登録第1976842号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲(3)のとおり
登録出願日:昭和59年12月5日
設定登録日:昭和62年8月19日
指定商品 :第24類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
ウ 登録第2204518号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲(3)のとおり
登録出願日:昭和59年12月5日
設定登録日:平成2年1月30日
指定商品 :第24類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
エ 国際登録第782614号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:別掲(4)のとおり
国際登録日:2002(平成14年)年6月6日(優先権主張:スイス連邦、2002年3月26日)
設定登録日:平成15年5月30日
指定商品 :第9類、第14類、第18類、第35類及び第43類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
オ さらに、申立人は、ジョルジオ・アルマーニに関するブランドを指称する商標として使用されているとして、別掲(5)のとおりの構成からなる商標(以下「引用商標5」という。)を引用している。
以下、引用商標1ないし5をまとめていうときは「引用各商標」という。
(2)引用各商標は、イタリアのデザイナー兼実業家であるGIORGIO ARMANI(ジョルジオ・アルマーニ)に関するブランド全般に使用される商標として、特に、引用各商標のワシの図形は、「イーグルマーク」又は「イーグルロゴ」と称され、ジョルジオアルマーニのブランドを指称する商標として我が国の取引者・需要者の間に広く認識されているのに対し、本件商標中の図形部分は、引用各商標の特徴的な基本的構成及びデザインを全て備えており、著名な引用各商標の図形を容易に連想、想起するものであるから、引用各商標の図形部分と外観及び観念が近似し互いに相紛れるおそれがある。
よって、本件商標と引用各商標とは、全体として外観及び観念において同一又は類似するものであり、かつ、本件商標の指定商品には引用各商標の指定商品の範ちゅうに属する商品が含まれているから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号又は同第11号に該当する。
(3)本件商標の図形部分と引用各商標のワシの図形部分とが類似し、引用各商標が需要者等に広く認識されていることをかんがみると、引用各商標の図形部分の特徴を全て備える図形の下部に「EAGLE」の文字が付された本件商標が取引に資された場合には、あたかも申立人又は申立人と何らかの関連を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、仮に商標法第4条第1項第10号又は同第11号に該当しないとしても、同第15号に該当する。

3 当審の判断
(1)本件商標の商標法第4条第1項第10号及び第11号について
ア 本件商標
本件商標は、別掲(1)のとおり、図形と文字の組合せからなるところ、該図形部分は、同じ長さ、同じ太さの横線を左右に4本ずつ等間隔に下方から上方に向けて階段状に広がるようにずらして配置し、これらの中央に1本の短い縦線を配した構成からなるものであって、既成の具体的な事物、事象を表したものとは認識されず、特定の称呼及び観念を生じないものとして認識されるものと判断するのが相当である。
そして、本件商標は、その構成中の「EAGLE VISION」の文字に相応して「イーグルビジョン」の称呼を生じるものであって、該文字及び構成全体から特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
また、本件商標は、その構成中「EAGLE」の文字部分のみを分離抽出して観察すべき格別の理由は発見することができない。
イ 引用各商標
引用商標1は、別掲(2)のとおり、左右に両翼を広げ、右方を向いた猛禽類をデフォルメしたごとき図形を長さの異なる太い横線で表現し、この図形の中央下部に重ねるように「GA」の文字を白抜きで配した構成からなるものであり、「GA」の文字に相応し「ジーエー」の称呼を生じるものである。
引用商標2ないし4は、別掲(3)及び(4)のとおり、引用商標1の猛禽類をデフォルメしたごとき図形とほぼ同一の図形と欧文字の組合せからなるものであり、その構成中読み易い文字部分から「エンポリオアルマーニ」の称呼を生じるものである。
引用商標5は、別掲(5)のとおり、引用商標1の猛禽類をデフォルメしたごとき図形とほぼ同一の構成からなるものである。
そして、引用各商標は、その周知性にかんがみ、いずれもジョルジオ・アルマーニのブランドとしての「アルマーニ」の観念を生じ、引用商標2ないし4は「アルマーニ」の称呼も生じるものといえる。
しかしながら、引用各商標の図形は、「イーグルマーク」又は「イーグルロゴ」と称されているとしても、「イーグルマーク」又は「イーグルロゴ」の称呼を生じるものとして広く一般に認識されているとまではいえないから、これらの称呼は生じないものというべきである。
ウ 本件商標と引用各商標の類否
(ア)そこで、本件商標の図形部分と引用各商標の図形とを比較すると、引用各商標の図形は、中央部に描かれた部分が鋭いくちばしを有する猛禽類の頭部を表し、底辺からV字状に左右に描かれた部分が広げた両翼を示すごとく、猛禽類の特徴を端的にとらえたシルエット風に表現したものとして看取されるのに対し、本件商標の図形部分は、猛禽類に見られるような特徴を表す点は何ら存在しないものであるから、両者は、視覚的印象を全く異にするものである。
そうすると、本件商標の図形部分と引用各商標の図形とは、時と所を異にして離隔的に観察しても、外観上相紛れることなく容易に区別することができるものである。さらに、本件商標と引用各商標とを全体的に観察した場合には、図形以外の構成文字の相違等により、外観上なおさら容易に区別することができる。
(イ)本件商標から生ずる「イーグルビジョン」の称呼と、引用商標1ないし4から生じる「ジーエー」「エンポリオアルマーニ」又は「アルマーニ」の称呼とは、音構成及び音数が明らかに相違し、明確に区別し得るものである。
(ウ)本件商標は、上記アのとおり、特定の観念を生じないものであるから、本件商標と引用各商標とは、観念上比較することができない。
エ 小括
以上のとおりであるから、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、たとえ、引用各商標が申立人又はジョルジオ・アルマーニの業務に係る商品を表示するものとして我が国の取引者、需要者の間に広く認識されているとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第11号に該当するものとはいえない。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出に係る証拠によれば、引用各商標は、ジョルジオ・アルマーニに係るファッション関連商品について使用する商標として我が国の取引者、需要者の間に広く認識されているものと認められる。
しかしながら、本件商標と引用各商標は、上記(1)のとおり、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものであるから、たとえ、引用各商標が周知著名であるとしても、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が引用各商標ないしは申立人(ジョルジオ・アルマーニ)を連想、想起するようなことはなく、該商品が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)本件商標



(2)引用商標1



(3)引用商標2及び3



(4)引用商標4



(5)引用商標5



異議決定日 2011-10-25 
出願番号 商願2010-69535(T2010-69535) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X2528)
T 1 651・ 261- Y (X2528)
T 1 651・ 253- Y (X2528)
最終処分 維持  
前審関与審査官 半田 正人 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 瀧本 佐代子
小畑 恵一
登録日 2011-01-07 
登録番号 商標登録第5380234号(T5380234) 
権利者 朝日ゴルフ用品株式会社
商標の称呼 イーグルビジョン、イーグル、ビジョン 
代理人 筒井 大和 
代理人 筒井 章子 
代理人 中谷 武嗣 
代理人 小塚 善高 

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