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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X09
審判 一部申立て  登録を維持 X09
審判 一部申立て  登録を維持 X09
審判 一部申立て  登録を維持 X09
管理番号 1246597 
異議申立番号 異議2011-900053 
総通号数 144 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-12-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-02-21 
確定日 2011-11-14 
異議申立件数
事件の表示 登録第5369190号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5369190号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5369190号商標(以下「本件商標」という。)は、「821bee」の文字を標準文字で表してなり、平成22年4月20日に登録出願、第9類、第35類、第41類、第42類及び第45類に属する別記1に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年10月4日に登録査定、同年11月19日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりの商標であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(ア)登録第1733306号商標(以下「引用商標1」という。)は、「BEE」の欧文字を横書きしてなり、昭和56年5月15日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同59年11月27日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。そして、指定商品については、平成17年7月6日に第28類「トランプ及びその他の遊戯用カード」を指定商品とする書換登録がなされたものである。
(イ)登録第4504057号商標(以下「引用商標2」という。)は、「BEE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成12年3月2日に登録出願、第9類「家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、同13年9月7日に設定登録され、その後、同23年9月13日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
(ウ)登録第4782670号商標(以下「引用商標3」という。)は、「“BEE”」の構成よりなる引用符及び欧文字を横書きしてなり、平成14年6月17日に登録出願された商願2002-49870に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として平成16年2月13日に登録出願、第9類「携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM」を指定商品として、同年7月2日に設定登録されたものである。
(エ)登録第4683483号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成14年5月20日に登録出願、第28類「トランプ」を指定商品として、同15年6月20日に設定登録されたものである。
(オ)登録第1809754号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、昭和56年5月15日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同60年9月27日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。そして、指定商品については、平成18年10月25日に第28類「アメリカ合衆国製のトランプ」を指定商品とする書換登録がなされたものである。
(カ)登録第410214号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、昭和25年3月17日に登録出願、第65類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同27年4月4日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。そして、指定商品については、平成14年7月24日に第28類「トランプ」を指定商品とする書換登録がなされたものである。
以下、これらの商標を総称するときは「引用各商標」という。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その構成から、「bee」の文字に相応した「ビー」の称呼をも生じる一方、引用商標1ないし3からも「ビー」の称呼が生じる。
また、本件商標と引用商標1ないし3の欧文字部分とは、小文字と大文字の差異のみであるから外観においても類似し、「花蜂」の観念においても共通する。
そして、本件商標と引用商標1ないし3の指定商品とは、同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
引用各商標は、本件商標の出願時において、申立人が提供するトランプを指称する商標として、我が国における取引者、需要者の間において広く知られていたものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品について使用するときには、これに接する取引者・需要者をして、直ちに引用各商標を連想又は想起させ、その商品があたかも申立人又は申立人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせることは必定である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について
本件商標は、国内外の需要者の間に広く認識された申立人の標章「BEE(Bee)」を剽窃したものに他ならず、申立人標章の有する表象力・顧客吸引力及びイメージにただ乗りし、不正の利益を得る目的をもって使用するものであって、国際信義及び公序良俗に反するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に該当する。
(5)以上のことから、本件商標の指定商品中の第9類の指定商品についての登録は、商標法第4条第1項第7号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものであるから取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)本件商標と引用各商標との類否について
本件商標は、上記1のとおり、「821bee」の数字及び欧文字よりなるところ、これを構成する各文字は、同書、同大、同間隔をもって、外観上まとまりよく一体的に表されており、これより生ずる「ハチニイイチビー」の称呼、及び「821」の数字を語呂よく「ハニー」と読み込んだ「ハニービー」の称呼も格別冗長なものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、たとえ、数字が商品の型式、規格等を表示するための記号、符号として用いられているとしても、語呂よく読める数字を前部に置いて、隙間なく後部の文字が結合した本件商標の構成においては、「821」の数字が商品の型式、規格等の一類型を表したものとして直ちに理解し得るものともいい難く、むしろ、その構成全体をもって一体不可分の造語として認識し把握されるとみるのが自然である。また、その他、構成中の「bee」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見出せない。
他方、引用各商標は、「BEE」の欧文字よりなるか、あるいは、「BEE」又は「Bee」の欧文字をその構成中に有するものである。そして、該「BEE」及び「Bee」の文字は、「みつばち」を意味する英語であるから、引用各商標は、それぞれ「BEE」又は「Bee」文字に相応して「ビー」の称呼を生じ、「みつばち」の観念を生じるものである。
してみれば、本件商標から「bee」の文字部分が独立して認識されることを前提に、そのうえで、本件商標と引用各商標とが該文字部分の称呼において類似し、外観及び観念においても類似するものとする申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用各商標とを類似するものとすべき理由は、見出せない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
上記(1)のとおり、本件商標と引用商標1ないし3とは、本件商標が一体不可分の造語として認識し把握されるものであるから、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標と認められるものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない十分に区別し得る別異の商標というべきものである。
加えて、本件商標の構成中に「bee」の文字が含まれているとしても、「bee」の語は、我が国においても、「みつばち」の意味を表す英語として広く一般に理解、認識されている成語であるから、仮に、本件商標の登録出願時のみならず登録査定時において、引用各商標が申立人の業務に係る単一の商品である「トランプ」の商標として取引者、需要者の間において広く知られていたとしても、当該文字部分のみに印象を留め、商品の分野を超えて本件商標と引用商標とを関連あるものとして看取するとはいい難いものである。
そうとすれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者をして引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものということはできない。
(4)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について
上記のとおり、本件商標と引用各商標とは十分に区別し得る別異の商標と理解、認識されるものであるから、本件商標について登録を受けたことが国際信義に反したり、商取引の秩序を乱す等、公序良俗を害する行為とはいえない。
また、本件商標が引用各商標の顧客吸引力にフリーライドすることを意図し、申立人の標章を剽窃して出願されたものとはいえず、不正の目的をもって使用をするものであることを認めるに足る証拠も提出されていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に違反してされたものとはいえない。
(5)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第7号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
1(引用商標4)

(色彩については原本参照。)

2(引用商標5)


3(引用商標6)



別記1(本件商標の指定商品及び指定役務)
第9類「写真機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電子出版物,ダウンロード可能なコンピュータープログラム,ダウンロード可能なゲームプログラム,ダウンロード可能な音楽,ダウンロード可能な映像,ダウンロード可能な電子出版物,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル」
第35類「電気通信機械器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電子応用機械器具及びその部品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイルの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイルの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,広告,インターネットにおける広告用スペースの提供,ウェブサイトでの広告,ウェブサイト上における広告スペースの提供,商品の販売に関する情報の提供」
第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,電子出版物の提供,移動体通信・電子計算機による通信を用いて行うゲームの提供,ゲームの提供に関する情報の提供,ゲームコーナーの提供,インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用した音楽・音声・映像・画像の提供及びこれらに関する情報の提供」
第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,ウェブサイトにおける検索エンジンの提供,ウェブサイトの作成・保守,気象情報の提供,携帯電話機又は電子計算機端末による通信を用いて行う気象情報の提供,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」
第45類「ファッション情報の提供,移動体通信端末による通信を用いて行うファッション情報の提供,新聞記事情報の提供,移動体通信端末による通信を用いて行う新聞記事情報の提供,占い,携帯電話及び電子計算機端末による通信を用いて行う占いに関する情報の提供,携帯電話及び電子計算機端末による通信を用いて行う占い」


異議決定日 2011-10-24 
出願番号 商願2010-31624(T2010-31624) 
審決分類 T 1 652・ 222- Y (X09)
T 1 652・ 262- Y (X09)
T 1 652・ 22- Y (X09)
T 1 652・ 271- Y (X09)
最終処分 維持  
前審関与審査官 矢代 達雄 
特許庁審判長 水茎 弥
特許庁審判官 井出 英一郎
渡邉 健司
登録日 2010-11-19 
登録番号 商標登録第5369190号(T5369190) 
権利者 京セラ株式会社
商標の称呼 ハッピャクニジューイチビー、ハチニイチビー、ビー、ビイイイイイ 
代理人 加藤 ちあき 
代理人 中村 稔 
代理人 田中 伸一郎 
代理人 辻居 幸一 
代理人 藤倉 大作 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 松尾 和子 

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