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審決分類 |
審判 査定不服 商6条一商標一出願 取り消して登録 Y06111942 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 Y06111942 |
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管理番号 | 1246501 |
審判番号 | 不服2006-65078 |
総通号数 | 144 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2011-12-22 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2006-07-12 |
確定日 | 2011-10-11 |
事件の表示 | 国際登録第840836号商標に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「PAX」の欧文字を横書きしてなり、第6類、第7類、第9類ないし第13類、第19類及び第42類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2004年(平成16年)3月10日にAustraliaにおいてした商標登録に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年9月10日に国際商標登録出願されたものである。 その後、指定商品及び指定役務については、原審における平成18年1月4日付け手続補正書並びに当審における2007年5月22日付け及び2008年12月4日付けで国際登録原簿に記録された限定の通報があった結果、最終的に、第6類、第11類、第19類及び第42類に属する別掲(1)のとおりの商品及び役務とされた。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、以下の(1)及び(2)のとおりである旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 (1)本願に係る指定商品及び指定役務の表示は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない。 したがって、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備しない。 (2)本願商標は、登録第2590055号商標(以下「引用商標1」という。)、登録第2625398号商標(以下「引用商標2」という。)、登録第2722378号商標(以下「引用商標3」という。)、登録第4011817号商標(以下「引用商標4」という。)、登録第4207560号商標(以下「引用商標5」という。)、登録第4437007号商標(以下「引用商標6」という。)及び登録第4783701号商標(以下「引用商標7」という。)と同一又は類似の商標であって、その商標に係る指定商品及び指定役務と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 なお、引用商標1は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和61年11月12日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成5年10月29日に設定登録され、その後、同15年10月7日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成16年8月25日に指定商品を第7類ないし第12類、第17類及び第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。 同じく、引用商標5は、「ハイパックス」の片仮名を標準文字で表してなり、平成9年6月23日に登録出願、第7類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年11月6日に設定登録され、同20年7月8日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、その後、商標権一部取消し審判により、その指定商品の一部について商標登録を取り消すべき旨の審決がされ、同22年8月12日にその確定審決の登録がされ、現に有効に存続しているものである。 同じく、引用商標6は、「PAQ」の欧文字を横書きしてなり、平成7年3月15日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同12年12月1日に設定登録され、その後、同22年11月24日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)商標法第6条第1項について 本願に係る指定商品及び指定役務については、別掲(1)のとおり補正された結果、商品及び役務の内容及び範囲が明確になったものである。 その結果、本願は、商標法第6条第1項の規定の要件を具備するものとなった。 よって、本願は、この点についての拒絶の理由は解消した。 (2)商標法第4条第1項第11号について ア 本願商標と引用商標2及び7との類否について 本願の指定商品及び指定役務は、別掲(1)のとおり限定された結果、引用商標2及び7の指定商品と同一又は類似の商品及び役務は、すべて削除されたものである。 その結果、本願の指定商品及び指定役務は、引用商標2及び7の指定商品と類似しない商品及び役務になった。 したがって、本願商標は、上記引用商標に係る拒絶の理由は解消した。 イ 本願商標と引用商標3及び4との類否について 引用商標3の商標権は、商標登録原簿の記載によれば、平成19年7月4日に商標権の存続期間の満了により消滅しており、また、引用商標4の商標権は、商標登録原簿の記載によれば、同19年6月13日に商標権の存続期間の満了により消滅している。 したがって、本願商標は、上記引用商標に係る拒絶の理由は解消した。 ウ 本願商標と引用商標1、5及び6との類否について (ア)本願商標は、前記1のとおり、「PAX」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、「平和の時代」という意味(「プログレッシブ英和中辞典」株式会社小学館)を有する語であるが、該語は、我が国で一般的に親しまれている語とはいえないものであることから、特定の意味合いを想起しない一種の造語であると判断するのが相当である。 そうすると、本願商標は、その構成文字に相応して、「パックス」又は「ピーエーエックス」の称呼を生ずるものであり、また、特定の観念を生じないものである。 (イ)引用商標1は、別掲(2)のとおり、袋文字風に書した「P」、「A」及び「C」と思しき各欧文字を接合したような図形の「A」と思しき部分の下部に斜めに傾いた楕円図形と黒の円図形を組み合わせた図形を配してなるところ、これらは、視覚上まとまりよく一体的に看取されるものであり、特定の意味合いを想起させるとはいえない図形からなるものと認識させるものというのが相当である。 そうすると、引用商標1は、全体として特定の称呼及び観念を生じさせるものとは認められない。 一方、本願商標は、上記(ア)において認定したとおりである。 そこで、本願商標と引用商標1とを比較すると、外観において相違するものであり、称呼においては、引用商標1からは、特定の称呼を生ずるものではないから、比較することができない。 そして、観念においても、両者はいずれも特定の観念を生じないものであるから比較することはできない。 してみれば、本願商標と引用商標1とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。 (ウ)引用商標5は、「ハイパックス」の片仮名を標準文字で表してなるところ、構成各文字は、同書、同大、等間隔で外観上まとまりよく一体的に表されたものであり、また、構成文字全体より生ずる「ハイパックス」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。 そして、その構成中の「ハイ」の文字が、「(程度が)高い、高級な」等の意味を有する英語「high」の表音「ハイ」に通じるとしても、かかる構成においては、「ハイ」の文字部分を省略して、構成中の「パックス」の文字部分のみをもって取引に当たるとはいい難く、むしろ、構成全体をもって一体不可分の造語を表したものとして認識し、把握されるとみるのが自然である。 そうすると、引用商標5は、その構成文字全体に相応して、「ハイパックス」の称呼のみを生ずるものであって、「パックス」の称呼は生じず、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。 一方、本願商標は、上記(ア)において認定したとおりである。 そこで、本願商標と引用商標5を比較すると、外観において相違するものであり、称呼においては、まず、本願商標から生じる「パックス」の称呼と引用商標5から生じる「ハイパックス」の称呼は、語頭において「ハイ」の音の有無という明確な差異を有するものであるから、それぞれを一連に称呼しても語調、語感が異なり充分に聴別し得るものである。 また、本願商標から生ずる「ピーエーエックス」の称呼と引用商標5から生ずる「ハイパックス」の称呼も相紛れるものではない。 そして、観念においては、両者は、いずれも特定の観念を生じないものであるから比較することができない。 してみれば、本願商標と引用商標5とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。 (エ)引用商標6は、「PAQ」の欧文字を横書きしてなるところ、該語は一般的な辞書への記載がないことから、特定の意味合いを有しない一種の造語というのが相当である。 そして、一般的に、欧文字からなる造語にあっては、これに接する取引者、需要者は、我が国において広く親しまれている英語読み又はローマ字読みにならって称呼されるものとみるのが自然である。 そうすると、引用商標6よりは、その構成文字に相応して、「ピーエーキュー」又は「パック」の称呼を生ずるものであり、また、特定の観念を生じないものである。 一方、本願商標は、上記(ア)において認定したとおりである。 そこで、本願商標と引用商標6を比較すると、両者は、共に3文字という少ない文字構成にあって、語尾において「X」と「Q」という差異を有するものであることから、外観において十分に区別することが可能である。 また、称呼においては、本願商標から生ずる「パックス」の称呼と引用商標6から生ずる「パック」の称呼とを比較すると、語尾において「ス」の音の有無という差異を有するものであり、その差異が、4音と3音という互いに短い称呼全体に及ぼす影響は大きく、それぞれを一連に称呼しても語調、語感が明確に異なるものであるから、充分に聴別し得るものというのが相当である。 さらに、本願商標から生ずる「パックス」の称呼と引用商標6から生ずる「ピーエーキュー」の称呼又は本願商標から生ずる「ピーエーエックス」の称呼と引用商標6から生ずる「パック」の称呼若しくは「ピーエーキュー」の称呼もそれぞれ紛れるものではない。 そして、観念においては、両者はいずれも特定の観念を生じないものであるから比較することができない。 してみれば、本願商標と引用商標6とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。 (オ)以上のとおり、本願商標と引用商標1、5及び6とは、類似しない商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当しないものである。 (3)まとめ 以上によれば、本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(1)本願の指定商品及び指定役務 第6類 Metal building materials;frames and structures of metal for buildings,not being windows of metal and doors of metal;ducts of metal for ventilating and air conditioning;pipes and tubes of metal;parts,fittings and accessories in this class for all of the aforementioned goods,not being mechanical fasteners,screws,bolts,nuts,and small items of metal hardware. 第11類 Apparatus for heating,refrigeration,drying,ventilating and water supply purposes;heat exchangers (not parts of machines);air conditioning apparatus;desalination plants;air driers;fans for roasters and fruit driers,heat pumps,and air conditioning apparatus;gas burners (except for gas burners for bath);parts,fittings and accessories in this class for all of the aforementioned goods. 第19類 Rigid pipes for buildings not of metal;water pipes not of metal;ducts,not of metal,for ventilating and air conditioning installations;concrete building elements;non-metallic building materials;parts,fittings and accessories in this class for all of the aforementioned goods. 第42類 Scientific and technological research and development services (except for architecture);industrial analysis and research services. 【別記】 |
審決日 | 2011-09-27 |
国際登録番号 | 0840836 |
審決分類 |
T
1
8・
91-
WY
(Y06111942)
T 1 8・ 262- WY (Y06111942) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 早川 真紀子 |
特許庁審判長 |
酒井 福造 |
特許庁審判官 |
高橋 謙司 瀧本 佐代子 |
商標の称呼 | パックス、ピイエイエックス |
代理人 | 加藤 恒久 |