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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X05 |
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管理番号 | 1244921 |
異議申立番号 | 異議2011-900088 |
総通号数 | 143 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2011-11-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2011-03-15 |
確定日 | 2011-10-15 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5374367号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5374367号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5374367号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成22年6月24日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同年10月13日に登録査定、同年12月10日に設定登録されたものである。 2 引用商標 (1)登録第2325797号商標(以下「引用商標1」という。) 商標「DOMIN」 指定商品 第5類「薬剤」(平成15年1月22日指定商品の書換登録のもの) 出願日 昭和63年8月10日 登録日 平成3年8月30日 (2)登録第2325798号商標(以下「引用商標2」という。) 商標「ドミン」 指定商品 第5類「薬剤」(平成15年1月22日指定商品の書換登録のもの) 出願日 昭和63年8月10日 登録日 平成3年8月30日 引用商標1及び2は、いずれも現に有効に存続しているものである。また、これらをまとめていうときは「引用商標」という。 3 登録異議の申立ての理由 本件商標は、「イタメドミン」を、それぞれの大きさや位置を変え、全体が波打つような形に表記しているところ、上下方向に最も長く大きく表記された中央の「ド」の1字が特に顕著である。そのため、本件商標は、この「ド」の字以降の「ドミン」の3文字が強く印象付けられて、観察されるものである。 また、本件商標は全体として「痛み止め」を暗示させる文字列であるため、その前半「イタメ」は、指定商品の効能、用途と直結する「痛め(た部位)」や「傷め(た部位)」の観念を想起させ、商標としての自他識別力が「ドミン」に比べ弱い。 したがって、本件商標が付された商品に接する需要者・取引者には、初めに「痛め(た部位)」や「傷め(た部位)」に使用するものであるという、その効能、用途が意識されることとあいまって、外観上印象的な「ドミン」の部分が強く記憶に残り、全体の称呼、観念の中でもとりわけ特徴的な部分として記憶される。 そして、本件商標と引用商標とは、その指定商品が同一又は類似である。 したがって、本件商標は一連の称呼のほかに、「ドミン」の称呼をも生ずるから、引用商標と類似の商標であり、両商標の指定商品の需要者、取引者が同じである以上、本件商標がその指定商品に使用されたときは、引用商標を付した商品との間で出所の混同を生ずるおそれがある。 なお、引用商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)がパーキンソン病の治療薬として1996年6月に発売して以来、15年の使用実績がある(甲4、甲5)。 以上のとおり、本件商標は引用商標と類似の商標であり、また、その指定商品も同一又は類似のものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録は、同法第43条の2第1号により取消しを免れない。 4 当審の判断 本件商標は、別掲のとおり「イタメドミン」の文字をまとまりよくデザインしてなるものであり、これより生ずる「イタメドミン」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。 してみれば、本件商標は、構成全体をもって一体不可分の商標として認識され、「イタメドミン」の称呼のみを生じ、特定の観念を有しない造語よりなるものというのが相当である。 他方、引用商標1は、「DOMIN」の文字を書してなり、引用商標2は、「ドミン」の文字を書してなるところ、それぞれ、その構成文字に相応して「ドミン」の称呼を生ずるものであり、特定の観念を有しない造語よりなるものというのが相当である。 そこで、本件商標と引用商標を比較するに、本件商標から生ずる「イタメドミン」の称呼と引用商標から生ずる「ドミン」の称呼とは、構成音数に顕著な差異を有するものであって、それぞれを一連に称呼するときは全体の音感・音調が明らかに相違し、容易に区別できるものである。 そして、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものであり、観念においても、前記のとおり共に造語ということができるから、比較すべくもないものである。 してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 申立人は、本件商標は、外観上、中央の「ド」が大きく顕著に表されているため、該文字以降の「ドミン」が強く印象付けられ、また、前半の「イタメ」が商品の効能、用途を意識させることから、「ドミン」の部分が全体の称呼、観念の中でもとりわけ特徴的な部分として記憶されるから、「ドミン」の称呼を生ずる、と主張している。 しかしながら、本件商標は、各文字が同一の描き方によるものであって、しかも各文字の横線が連なるように描かれた、まとまりの良い構成からなるものであり、「ド」の文字部分のみが顕著に表されていると看取するということはできないし、また、本件指定商品の分野においては、「痛み止め」(イタミドメ)が、その商品の効能、用途を表示する語として使用され、一般にその症状は「痛み」(イタミ)と表現されることから、本件商標中の「イタメ」の部分を捉え、これを商品の効能、用途を意識させるとはいい難く、「イタメドミン」が一体のものとして把握されるとみるのが自然であるから、本件商標については、「イタメ」で区切ることなく、称呼するというべきである。 なお、申立人は、引用商標をパーキンソン病治療薬に1996年から使用し、15年の使用実績があると主張しているが、提出された甲第4号証は、各種薬(製品)に係る製品情報中の引用商標に係る商品のウェブサイトのページであり、甲第5号証は、インターネット上のライフサイエンスに係る辞書の「Domin」に係るページであって、これらによっては、申立人による使用の事実は認められるものの、引用商標が、需要者の間に広く知られているというような事情はうかがえない。 したがって、本件商標から「ドミン」の称呼を生ずるとする、申立人の主張は採用できない。 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 本件商標 |
異議決定日 | 2011-09-27 |
出願番号 | 商願2010-50221(T2010-50221) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(X05)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 中束 としえ |
特許庁審判長 |
内山 進 |
特許庁審判官 |
小畑 恵一 板谷 玲子 |
登録日 | 2010-12-10 |
登録番号 | 商標登録第5374367号(T5374367) |
権利者 | 河野 史明 |
商標の称呼 | イタメドミン、イタナドミン |
代理人 | 齋藤 宗也 |
代理人 | アインゼル・フェリックス=ラインハルト |
代理人 | 加藤 義明 |
代理人 | 山崎 和香子 |