• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20128110 審決 商標
不服201127258 審決 商標

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 取り消して登録 X4243
管理番号 1244724 
審判番号 不服2011-2084 
総通号数 143 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-11-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-01-28 
確定日 2011-10-12 
事件の表示 商願2008- 55778拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「TL-LINCOLN」の文字を標準文字で表してなり、第42類及び第43類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成20年7月9日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、アメリカ合衆国第16代大統領であるAbraham Lincoln(1861?1865)の著名な略称である『LINCOLN』の文字を有してなるものであるから、これを上記故人とは何ら関係の認められない出願人が、自己の商標として採択し、商標登録を受け独占的に使用することは、同人の名声に便乗するものであって、米国国民の感情を害するおそれがあり、ひいては国際信義に反するものとして、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断をして、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり「TL-LINCOLN」の文字を同一の書体、同一の大きさで外観上まとまりよく一体的に表してなり、これより生ずると認められる「ティーエルリンカーン」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、構成中後半の「LINCOLN」の文字部分が、アメリカ合衆国第16代大統領(1861-1865)の「リンカーン」(Abraham Lincoln)の意味を有する語であるとしても、「TL」と「LINCOLN」の文字を「-」(ハイフン)で結合した本願商標のかかる構成において、指定役務の取引者、需要者が、本願商標より直ちに、リンカーン大統領を想起するとも言い難く、本願商標は、構成全体をもって一体不可分の造語として認識し、把握されるものというのが相当である。
そうすると、本願商標は、たとえその構成中に「LINCOLN」の文字を含むものであるとしても、これをその指定役務に登録・使用することが、リンカーン大統領の名声に便乗するものとして、米国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反するものということはできない。
また、本願商標は、商標の構成自体がきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字でないことは明らかであり、本願商標をその指定役務について使用することが、社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するものとはいい難く、他の法律によって、その使用が禁止されているものでもない。
さらに、本願商標の登録出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような事情があることも認められない。
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2011-09-21 
出願番号 商願2008-55778(T2008-55778) 
審決分類 T 1 8・ 22- WY (X4243)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山田 正樹板谷 玲子 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 田中 亨子
森山 啓
商標の称呼 テイエルリンカーン、リンカーン 
代理人 橘 哲男 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ