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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X30
管理番号 1244708 
審判番号 不服2011-2023 
総通号数 143 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-11-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-01-27 
確定日 2011-09-16 
事件の表示 商願2009- 60373拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「玄米のチカラ」の文字を標準文字で表してなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成21年8月7日に登録出願され、その後、指定商品については、当審における平成23年2月16日付け手続補正書により、第30類「玄米又は玄米の抽出物を主原料とした粉末状・顆粒状・錠剤状・液状又はカプセル状の加工食品」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『玄米のチカラ』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、『玄米』の文字は、『もみがらを取り去っただけの、精白していない米。』を意味し、『チカラ』の文字は、『ききめ。効能』等を意味する語として親しまれている『力』の文字を表したものと認められることから、本願商標全体よりは『玄米の栄養素やその効能を有する商品』程の意味合いを理解させるものである。また、健康食品を取り扱う業界において、主原料名又は主成分名に『の力』並びに『のちから』及び『のチカラ』の文字を付加した文字が多く使用されていることからすると、本願商標をその指定商品に使用しても、本願商標に接する取引者、需要者は、単に該商品の効能、品質を表示したものと認識するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標は、前記のとおり「玄米のチカラ」の文字よりなるところ、その構成中「玄米」の文字は、「籾殻を除いただけで、精白してない米。精白により剥落するビタミンB1等を含むため、近年健康食料とされる。」(広辞苑第六版)を意味する語であり、「チカラ」の文字は、「効能」(同)等を意味する語である「力」を片仮名で表記したものであるから、構成全体として「玄米の力(効能)」ほどの意味合いを認識させるものである。
ところで、玄米は、ビタミン・ミネラル・食物繊維等を豊富に含むことが知られ、健康食品の原材料として広く用いられている(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%84%E7%B1%B3のウェブサイト参照)ことから、玄米抽出のビタミンやミネラル等を原材料とする商品について、その商品の特徴として、玄米由来(成分、効能)の商品であることを強調して説明されることがないものである。
加えて、健康増進、健康維持等に効果があるとされる動植物の成分を原材料とする商品について、当該動植物名と「チカラ(又は力)」の語を組合せて「○○(動植物名)のチカラ(力)」のように使用することが広く一般に行われているところである。
この点については、当審において職権により調査したところ、以下の事例からも裏付けられる(なお、下線は、審判の合議体で加えた。)。
ア 「玄米の力」が使用されている事例
(ア)栄養補助サプリメント・玄米酵素のオンラインショップ「スタイル」のウェブサイトにおいて、「はじめよう!玄米と酵素のシンプルな健康習慣!」の見出しのもと、「玄米酵素・ハイゲンキ」の商品説明に、「玄米のチカラとは・・【玄米酵素とは・・】・・・では、玄米のチカラとは、どんなものでしょう・・・1.何といっても『食物繊維』・・・2.ビタミンB群が豊富に含まれているので、体内酵素の働きを活発にします。3.SOD(スーパー・オキサイド・ディスムターゼ)が働くのに必要な、銅、亜鉛、マンガンなどのミネラルが豊富です。」の記載があり、商品である栄養補助サプリメント「玄米酵素 ハイゲンキ」との記載がある(http://www.style-air.com/2010/04/post-70.html)。
(イ)ビューティ&サプリメントショップ「Red Clover」のウェブサイトにおいて、「玄米由来のサプリメント『ハレル』」の商品説明に、「玄米のチカラ。毎日をイキイキとすごしたい!【フェルラ酸200mg配合】」の見出しのもと、「注目したのは玄米パワー 玄米由来のスーパーポリフェノール フェルラ酸」との記載がある(http://www.redclover.jp/category/952.html)。
(ウ)「有限会社自然館」のウェブサイトにおいて、「全てのアイテム>健康食品【2】>千坂式食品」の項に、「商品名:千坂式もみくろ(300mg×約80粒) 商品説明:玄米パワーの遅れてきた大物。・・・極限まで高めた玄米の力と発酵黒ニンニクとの相乗効果で、これまでで最高ともいえるパワーを引き出すことに成功しました。本物の、そしてより進化した玄米の力を感じていただくのに絶好の商品です。」との記載がある(http://www.shizenkan.net/cart/goods.cgi?page=2&mode=&item=%8C%92%8DN%90H%95i%81y2%81z&item2=%90%E7%8D%E2%8E%AE%90H%95i&item3=&kye=&kubun=&reverse=)。
(エ)「掘り出し物が見つかるショッピングモール カラメル」のウェブサイトにおいて、「玄米ファイン ココア味」の見出しのもと、「お子様や若い方にも食べやすい『ココア入り』玄米ファイン!ビタミン・ミネラル、食物繊維の補給に。・・・玄米の力を食べやすくタブレットにしました ■原材料《玄米+オリゴ糖+ココア+玄米胚芽・表皮+粗糖+牡蠣殻カルシウム》」との記載がある(http://calamel.jp/%E7%8E%84%E7%B1%B3%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%20%E3%82%B3%E3%82%B3%E3%82%A2%E5%91%B3/item/30447040)。
(オ)「玄米食品・有限会社山川」のウェブサイトにおいて、健康自然食品「玄米まるごと玄煎粉」の商品説明に、「・・・玄米の力でおなかスッキリ便秘解消 ・・・肌荒れ解消も玄米の力」との記載がある(http://www.gen-mai.biz/index.php?FrontPage)。
イ 健康食品等の分野で「○○(動植物名)の力」が使用されている事例
(ア)サプリメント「アワビゴールド」のウェブサイトにおいて、「アワビの力」の見出しのもと、「アワビの貝殻の内側には美しい光沢があります。キラキラと虹色に輝く部分は『真珠層』。・・・真珠層には主成分である炭酸カルシウムのほか、マグネシウム、セレン、亜鉛、銅などのミネラル類がバランスよく含まれています。」との記載がある(http://awabigold.gouketu.com/)。
(イ)「株式会社クロレラサプライ」のオンラインショッピングのウェブサイトにおいて、「イチョウ葉+DHA」の見出しのもと、「イチョウ葉の力で はつらつな毎日を! 1粒中 イチョウ葉エキス:120mg DHA:44mg」との記載がある(http://www.aodama.jp/catalog/ityouha_dha.html)。
(ウ)「黒豆のチカラでダイエット 通販ショップJUN」のウェブサイトにおいて、「サプリメント」の項に、商品「黒豆粒 90粒入り【5個セット】」の商品情報には「黒豆にはポリフェノールの一種の【アントシアニン】をはじめ、【イソフラボン、レシチン、大豆たんぱく質、ビタミンB1・B2、食物繊維、サポニン】な(どがタンマリ。)」との記載がある(http://kuromame-tikara.seo-satelite.com/)。
(エ)「マイスタアズ.ヤフーショップ」のウェブサイトにおいて、サプリメント「ネトルリリーフ(90粒)」の見出しのもと、「3つのオーガニックパワーであなたを守ります。●ネトル(西洋イラクサ)の力 ●アセロラの力 ●「生」マヌカハニーの力」との記載がある(http://store.shopping.yahoo.co.jp/mystars/pa-ps0056.html)。
(オ)「KAUPON」のウェブサイトにおいて、サプリメント「プレミアム ルテイン&ベリーアイ」について、「【送料込み】【60%OFF】紫外線やパソコンの光から目を守る!《ブルーベリーの力で瞳の健康をサポートするサプリメント180粒》が1,250円!」との記載がある(http://kaupon.jp/gunma/deals/shinnihonkinoushokuhin-2/?uiaid=api?uiaid=a)。
以上のとおり、いわゆる健康(補助)食品、栄養補助食品等について、その主たる原材料が動植物等であって、それが健康に良い影響を及ぼす場合に、該指定商品を扱う業界においては、「○○(動植物名)の力(チカラ)」というように表示することは、現在において広く普通に行われている。
そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する、取引者、需要者は、「玄米の効能を有する商品」であることを理解させるにとどまるものというのが相当であり、本願商標は、商品の品質、原材料、効能を表示するにすぎないものと認める。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「本願商標の構成中『チカラ』の文字がカタカナ表記されているため、漢字のように直接的になんらかの意味を生じるものではなく、『チカラ』の文字は、漢字の『力』の他『主税』『税』があることから、直接かつ一義的な意味を認識させるものではない。また、仮に『力』と同義であると認定したとしても、直ちに『ききめ。効能』の意味合いを理解させるものではなく多様な意味合いを有する語であることから、直接的に『玄米の栄養素やその効能を有する商品』ほどの意味合いは生じない」と主張している。
しかしながら、本願商標全体を指定商品との関係において考察すれば、本願商標は、その構成中の「チカラ」の文字部分のみを抽出して、「力」以外の「主税」や「税」の漢字を想起するというよりは、一般の取引者、需要者をして「玄米の力(効能)」を認識するというのが自然である。
イ 請求人は、「『玄米のチカラ』の使用状況をインターネットで検索したところ、18万8千件がヒットし、健康食品に対して『玄米のチカラ』の文字が使用されているサイトに関しては、上位100件中21件は請求人の商品を示すものであり、4件が他人による使用であることから、極めて少ない事実のみをもって、本願商標が自他商品・役務の識別力がないという判断には誤りある。また、『○○○のチカラ』の文字は、いわゆる健康食品を取り扱う業界において、取引者・需要者の間に商品の効能、品質を意味する語として認識され普通に使用されている事実はなく、むしろ請求人の自他商品識別標識として積極的に使用されている」と主張している。
しかしながら、「玄米のチカラ」の文字をインターネットで検索しても、上位100件中の21件しか請求人の商品に係るサイトに該当するものがなく、それ以外は他人のサイトであり、その請求人以外のサイト(健康食品以外のものも含む。)においても、「玄米のチカラ」の文字は、既に「玄米の力(効能)」を意味するものとして広く使用されていることからすれば、本願商標は請求人の識別標識として認識されているというよりは、むしろ玄米の効能等を端的に表示する意味合いをもって使用され、理解されている実情にあるというべきである。
ウ 請求人は、「本願商標は、『株式会社天然生活』の『健康食品』の商品を示すものとして、インターネットによる全国的な通信販売、北海道内で購読者数トップの北海道新聞をはじめとする各種大手新聞媒体への広告の掲載、新聞ちらしへの掲載、カタログの配布、無料サンプルの提供など、各種の広告媒体によって大々的に使用されている事実(甲第1号証ないし甲第12号証)からすれば、本願商標は、少なくとも北海道一円において玄米を主原料とする健康食品業界における取引者及び需要者間に広く認識されている」と主張している。
しかしながら、請求人が、本願商標を使用する商品について、インターネット、電話、ファックス等で販売し、広告記事等を掲載している事実(甲第1号証ないし甲第11号証)は確認できるものの、その商品の販売数量、販売高、広告宣伝の期間、回数など具体的な商標の使用状況に関する証拠の提出はないことから、本願商標が使用によって識別力を有するに至っているものと認めることはできない。
エ 請求人は、「○○のチカラ(力、ちから)」の文字からなる商標の登録例を挙げ、同種の文字の組み合わせからなる商標について、従来の判断とは異なる判断がなされることは、予測可能性及び公平性を欠くばかりでなく、過去の判断の蓄積を信頼する者を裏切り、商標選択を過度に制約すると主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標登録の要件を具備しているか否かは当該商標の構成態様と指定商品の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであって、かつ、その判断時期は、査定時又は審決時と解されるべきものであるから、それら登録例の存在によって、前記判断は何ら左右されないというべきである。
してみれば、本願商標については、上記のとおり判断すべきであるから、請求人の上記主張は採用することができない。
以上に加えて、上記(1)において認定した事実を考慮すると、本願商標は、請求人により使用をされた結果、健康食品業界における取引者及び需要者間に広く認識されているものであるとはいうことができない。
(3)以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するから、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2011-07-07 
結審通知日 2011-07-13 
審決日 2011-08-01 
出願番号 商願2009-60373(T2009-60373) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (X30)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 大森 健司薩摩 純一 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 大島 康浩
瀧本 佐代子
商標の称呼 ゲンマイノチカラ、チカラ 
代理人 川野 陽輔 
代理人 高橋 史織 
代理人 佐川 慎悟 
代理人 金丸 清隆 
代理人 小林 基子 
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